Face of the Surface

悟飯粒

文字の大きさ
上 下
47 / 83
彼らは新人類編

トップオブ格下

しおりを挟む
 「ヒャッハー!死ね飯田狩虎ぉお!」

 莫大な空気抵抗を受ける形の剣を軽々と振り回す寿々乃井さんに、凄まじい殺気を向けられながら追い回される!

 「ストップストップ!これじゃ修行になんないって言ってんだろ!」

 俺は炎の壁を作り出し寿々乃井さんの進行を阻む!しかし彼女はそれを切り裂くと一瞬で距離を詰めてきた!

 「お前のせいでイリナさんと離れ離れになったんだから一回殺させろ!」
 「人は一回しか死ねないの!簡単に殺そうとすんじゃねぇ!」

 どうなってんだこいつの攻撃!なんであの武器をここまで速く振り回せるんだ!水蒸気による推進力を利用して攻撃をかわし続けるが、そもそも勇者相手に身体能力で勝てるわけがない。ちょっとずつ追い詰められ、最後!

ガッ!

 上に向けられていた意識の虚をついて放たれる足払いを見事に食らった俺の身体は宙に浮いた。

ギィインン!!

 そして振り下ろされる剣撃を魔剣で受け止めるが………おっも!!マジでなんでこんな形状の武器で戦えてんだよ!地面に叩きつけられた俺にすかさず剣が振り下ろされる!それもまた魔剣で受け止め必死になって逃げ惑う俺!本来ならイリナに手加減してもらいながら練習するつもりだったのに…………なんでこんなに早く習得しちまうんだよ寿々乃井さん!俺はひたすらに逃げまくった。



 ミフィー君の修行は寿々乃井さんに任せ私はとある屋敷に来ていた。一般の民家とは程遠い大きさをしており、外観だけで身分の高い人間がいるのは想像しやすい。
 大きな扉を開けて私はドンドン内へと進んでいく。この世界の建築物の構造はイマイチわからないが、ひとまず玄関から離れた場所に偉い人がいる可能性が高い。ここは絶え間なく戦争を続ける世界。外敵から身を守るためには建物の中心部が一番効率が良いだろう。

ガシャン

 そして当然、玄関周りには警備兵がいるものだ。勝手に侵入してきた私を止めようと宿直室から出てきたが、私を見て全員の動きが止まった。私はこの世界でいちばん有名な勇者なのだから当然のことだろう。

 「ちょっと待っててね、ここの家主に話を聞きにきただけだから」

 立ち止まる警備兵達に目もくれず私は中心部へと向かっていく。警備兵の階級は全員聖騎士長クラス………質がいいな。
 手当たり次第に扉を開けていき部屋の中を確認する。さぁさぁさぁ、どこにいるんだい?そして7個目の扉を開いた時お目当ての人間が優雅に座っていた。

 「サミエルについて聞きたいことがあるんだけど質問に答えてくれる?」
 「いきなり来たと思えばそんなことか」

 ここはサミエルの生家、世界3大貴族の一角であるアルモニア家の屋敷。そして目の前にいるのがその家長であるヒーメニック・アルモニアである。

 「やつは出来損ないだ。やつが今なんどき何をしていようが一切認知していない。今頃勇者領の命令でどこか辺境の地で戦っているのではないか?」

 嘘でしょ…………

 「………サミエルは勇者領を裏切って敵になってるよ」
 「ふむ………まったく、恥さらしも良いところだな」

 ヒーメニックは顔色も変えずに呟いた。この感じでよくわかる。本当にサミエルに興味がないんだな。

 「ああいうのが生まれる度に、我々アルモニア一族の格位が貶められるのだ。後でやつの戸籍を抹消しておくとして………で、なんだ。サミエルのことを聞いてどうするつもりだ?さっさと殺してしまえば良いだろう。ただの裏切り者だぞあいつは」

 ハッキリ言えば良いのに………殺して欲しいんでしょ私に。私はこの男から感じる嫌らしさを我慢しながら話を続ける。

 「………いや、もういい。あんたのたった少しの言葉でよく分かったよ。彼がなぜ勇者領を裏切ってまで力を求めたのかね」
 「ふん………しかし、あのイリナがこうも丸くなっているとは驚きだな。確かに今のお前じゃあ飯田狩虎を殺すことはできないだろうな」
 「………………」

 私は無言で振り返り部屋を後にする。

 「昔のお前には正義と悪を線びくための正義感が少なからずあった。しかし今のお前にそんなものはない。腑抜けてしまったのだ。基準のない人間の言動に価値はない。」

 うるっさいな………仕方ないでしょ。彼が悪なのかどうか私にはわからないんだもん。彼はあまりにも優しすぎて…………

 「人は嘘を吐くものだ………警告しておこうあの男は危険だ。大事になる前にさっさと殺しておけ。奴のあの笑みから邪悪が漏れ出ているぞ」

 私は振り返ることなく部屋を出た。そしてまた別の民家に私は向かうのだった。



 「ぎゃぁぁああああ!!!」

ドゴォォオオオンンンン!!!!

 自ら生み出した水蒸気爆発に巻き込まれた俺はめちゃんこ遠くに吹き飛ばされる!やばいやばい一気に熱を持ってかれたから細胞が凍りかけてる!炎を生み出してなんとか解凍を…………んもぉお!!
 そんな俺を相も変わらず追いかけ回して剣を振り回す寿々乃井さん!この人の殺意が本物すぎて修行にならない!新しいことに挑戦して万が一ミスったら殺されちまうからなぁ!

 「あんたの生徒会に対する愛はもう分かったから!ね!?もうそろそろ真面目にやってくれ!」
 「私の愛を理解したのならば尚のこと、私のこの殺意も納得できるはずだ!さっさと死ね!」

 ごめんてそれはわからないんだって!どうする!?ここで殺されるぐらいならいっそ。

 俺は左胸に手を…………

 「あーもー!!君達なにやってるの!!」

 イリナぁぁああ!!よく来てくれたイリナさーーん!!惚れそう!!

 「イリナさぁぁああんんん!!会いたかったよぉぉおお!!」

 しかし俺の心の声以上の喜びを表現する寿々乃井さんは、ボロボロに号泣しながらイリナに抱きついた。

 「ちょっ、やめてよ!気持ち悪いから離れて!」
 「いやだぁああ!!一生離れたくないぃいい!!」

 変態とかそういうレベルじゃないぞ、常軌逸しちゃってるわ。

 「………どうだった?ミレニアルズの身辺調査は」

 寿々乃井さんを力尽くで引き離し終えたイリナに聞くとイリナは苦そうな表情になった。

 「…私がいなかった1年間で色々あったみたいだね。そこまでいい待遇じゃあなかったみたい。」

 イリナの話を聞くと、どうも彼らは腫れ物を触るような扱いを受けていたみたいだ。任務を与えられることもなく家での待機のみ。頑張って勇者の力に目覚めても彼らに役目を与えられることはなく…………今の俺と同じだな。魔族側の力を危険視されすぎて隔離されていたのだ。せっかくイリナに助けられたというのに彼らは…………

 「よく愚痴を溢してたみたいだよ。[もっと誰かの為になりたい][平和のための力になりたい]って……彼らが勇者領を裏切ったのは誰かの役に立ちたかったからだよ」

 うーーん難しい話だなぁ。確かに力があるのにそれを活かせないのは楽しくないが、それにしたって勇者領を裏切るってのはかなりの決断だ。本当にそれだけなのか?もっと他にもあるんじゃないだろうか………

 「…………彼らを助けられないかな」

 イリナが呟いた。

 「…………俺らがするべきことじゃないよ。あいつらを助けられるのは当の本人だけだ」

 たとえ納得がいかなくても裏切ってしまったのならば、俺らがどうこうできる状況ではない。全ては当人の責任だ。その責任を果たすのは俺らじゃない、当人だ。

 「ありがとうイリナ。なんであいつらが勇者領を裏切ったのかある程度理解できたよ。あとは残りの期間で俺達がどれだけ強くなるか………それだけだな」
 「いいよ、今から私が練習に付き合ってあげる」
 「頼むぅ!寿々乃井さんじゃ全然練習相手にならなくて!」
 「余計なことを言うな飯田狩虎!」

 こうして俺はイリナと組手をすることになった。
 しかしなんということでしょう。寿々乃井さんよりも練習になりませんでした。1発でノックアウトされちゃった。


 アジト殲滅戦まで残り~2日~

 人を焼き払い道を切り拓くあの感触を忘れられない。手にベットリと染み付いた血が広がり俺の身体を赤く染めていく。血が蒸発して炭っきれになった残骸を踏み砕き、前へ前へと進んでいく。誰かを殺し前へ進み続ける………それが俺の業なのだろう。誰か俺を止めてくれ。夥しい死を纏ったこの俺を誰か…………

 「………………」

 目が覚めた俺は汗を流すためにバスルームへと向かった。その時、鏡に映った俺の顔は別人のようだった。


 「で、君は今回の戦いについてどう思う?計画通り行くと思うかい?」

 朝のホームルームが始まる20分前。俺はノートを眺めながら復習を済ませていた。俺は物覚えが悪いから復讐を2度しなきゃいけないのだ。

 「なんとかなるんじゃない?俺は勇者を信じてるよ」
 「…………賭けようか。僕は君が一回しか死ねないと思うんだ」
 「そうか?…………じゃあ俺は0回かな。俺の出番はないだろうね」
 「ふっふっふっ………だといいけど」

 遼鋭は相も変わらず勉強することなく、消しゴムを削って遊んでいる。いつもああやって消しゴムでフィギュアを作るのだ。器用だよなぁ羨ましいよ。俺は不器用だからさ。

 「僕は本当にいつも思うんだ。君がもっと器用だったら楽しく生きられたんだろうなって。今のような評価じゃなくて、もっと別の人生が君にはあったんじゃないかって。今からでもいいから器用になりなよ」

 削り続け、ドンドン形が生まれていく。ああ、これはなんかのアニメの主人公だな。主人公……羨ましいよなぁあいつら。成功する運命がもとから確約されてるんだから。プロットがあって、ネームがあって、一つの作品として人生が決められている。俺も創作物の主人公になりてーよ。今の時流ならハーレム物ばっかりだし。

 「器用になれるのなら今からでも器用になるが、出来ないから困ってるんだろ」
 「コツを教えてあげようか?他人のことなど考えずに身勝手に生きるんだ。自分の欲望だけを叶える為に努力し続ける………器用になるにはそれしかないんだ」
 「遼鋭もそうなのか?俺に対してこんなに親身に察してくれるのに」
 「君と宏美だけだよ。他の人間に関しては心底どうでも良い。たとえ狩虎以外のクラスメイトの全員が不幸な事故で死んだとしても、僕は悲しまないだろうね。そういう人間なんだよ。」

 そうは見えないけれどなぁ。
 遼鋭は完成したフィギュアを5秒ほど眺めた後、それを握り潰した。繊細に作られた細部は簡単にへし折れていた。彼は自分で作った作品を保存しない。彼の中では作ることにしか意味がなく、できた作品には興味がないのだ。

 「………僕から言えることは、勇者にはそこまで期待しない方がいい。どうせあいつらは劣等種なんだから。」

 ガラガラ…………

 イリナが教室に入ってきてから遼鋭は黙り、始まるイリナと宏美の会話。俺はそれを聞きながら授業の復習を再開した。


 ~放課後~

 「昨日の依頼は解決した方がいいと思うんだよね」
 「…………どういう心境の変化ですか」

 生徒会室でコーヒー牛乳を飲みながら近くにいる宏美に言った。そしたらなぜか翔石君が反応してきた。

 「言っておきますけど僕はやですよ。彼らの問題を解決するということは、彼らと少なからず関わるということ。危険にも程がありますよ。僕らの命がいくつあっても足りません」
 「でもさぁ。彼らを放っておく方がまずい気がするんだよなぁ。暴走されたら何されるか分かったもんじゃないし」

 昨日の寿々乃井さんを見て思ったのだ。彼らの欲求が解決しないまま長時間過ごすと、彼らは変態を超えた圧倒的な超変人になりかねない。そうなったらどんなことが起こるか…………想像もしたくない。

 「でも彼らと関わりたくはないですよ」
 「俺もそうだけどさ、このまま何もせずに見続けるのも気分が悪いじゃん?頼ってくれてるんだから一応は頑張らないと」
 「いつも仕事をしてないお前が言うと説得力がないよな。しかし、言いたいことはよくわかる」

 仕事を終えた宏美がノートPCを閉じて背伸びをした。俺も真似て背伸びをすると、仕事してない奴がすんじゃねぇと叩かれた。

 「でもあの人達とはもう関わりたくないんですよねー」

 翔石君の言い分も分かる。現に昨日の夜、俺は寿々乃井さんの行動力に殺されかけてるからね。その気持ち大いに分かるよ。

 「じゃあ寿々乃井さんともう一回話して、仕事を受けるに値するかどうかもう一度判断しないか?」

 それにある程度恩を売っておけば、表面世界での俺の扱いが良くなるかもしれない。そうなれば修行にも専念ができるというもの。
 俺の言葉にみんなが微妙な表情をした。まぁそれだけ寿々乃井さんのインパクトが強かったってことだもんね。躊躇うのはよくわかる。

 「……珍しく狩虎がやる気になってるんだ、やらせてやればいいんじゃないか。」

 驚いて見つめる俺にウィンクで返してくる宏美。

 「まぁ、宏美さんが良いって言うのならば僕も賛成しますけど………」

 流石宏美、鶴の一声だ。このやり取りだけで俺らの上下関係が赤ちゃんでも分かっちゃうな。………一応生徒会長なんだけどなぁ俺。

 「んじゃあやってみろ。期待して待ってるぞ」
 「期待はすんな。テキトウに待っててくれ」

 俺は寿々乃井さんを探しに生徒会室を後にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

「お前は彼女(婚約者)に助けられている」という言葉を信じず不貞をして、婚約者を罵ってまで婚約解消した男の2度目は無かった話

ラララキヲ
ファンタジー
 ロメロには5歳の時から3歳年上の婚約者が居た。侯爵令息嫡男の自分に子爵令嬢の年上の婚約者。そしてそんな婚約者の事を両親は 「お前は彼女の力で助けられている」 と、訳の分からない事を言ってくる。何が“彼女の力”だ。そんなもの感じた事も無い。  そう思っていたロメロは次第に婚約者が疎ましくなる。どれだけ両親に「彼女を大切にしろ」と言われてもロメロは信じなかった。  両親の言葉を信じなかったロメロは15歳で入学した学園で伯爵令嬢と恋に落ちた。  そしてロメロは両親があれだけ言い聞かせた婚約者よりも伯爵令嬢を選び婚約解消を口にした。  自分の婚約者を「詐欺師」と罵りながら……──  これは【人の言う事を信じなかった男】の話。 ◇テンプレ自己中男をざまぁ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げる予定です。 <!!ホットランキング&ファンタジーランキング(4位)入り!!ありがとうございます(*^^*)!![2022.8.29]>

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...