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-サッカー部の練習帰りの出来事(タカシSide)-

告白(1)

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俺はサッとシャワーを浴び終えて自室へと戻った。
ミナトに告白する決意をしたからだ。

俺は自室のドアを開け、「ミナトッ・・・・」と声をかけようとしたが、ミナトは俺のベッドの上で眠っていた。

「ミナト、眠ったんだ」

俺は起こさないようにそっと部屋の中を移動し、勉強机の椅子に腰掛ける。
そして、スヤスヤと寝息を立てるミナトを見つめる。




俺の背番号の入った学校公式の練習着を着てベッドに横になる姿は、何だか愛おしい存在に感じる。
部屋着を彼女に貸して、安らかに眠っている姿を見て安心している感覚。

言葉には表せないが、ミナトの顔を見ていると俺も幸せになれる。

白い肌。
長いまつ毛。
さらさらの髪の毛。
サッカー部なのに薄い体毛。
しっかりした体幹でサッカーの練習でも他の選手に当たり負けしない身体。




どれもがミナトだ。




ミナトの好きなところはいくらでも言える。
それくらい、いつの間にか俺はミナトのことが好きになっていた。





どのくらいミナトを見つめていただろうか。

急にミナトが目を覚ました。

「あっ、ごめん。勝手に他人のベッドで寝ちゃって」
「気にしないよ。今日の練習もハードだったよな」
「そうそう、雨で早く終わったのに散々だったよ・・・」

苦笑いしながらミナトが“散々“と言ったけど、それは本当なのか。
俺はミナトに意地悪したくなった。

「本当に散々だったの?」

ミナトは驚いた表情をして、飲んでいたお茶を思わず吹き出しそうになっている。
そして、ゴクリと飲み干し、「えっ?」と返事をした。




俺は確信を突くことにした。

「電車の中で痴漢されて、本当は気持ちよかったんじゃないの?」

俺はこの時、悪い顔をしていたと思う。
このセリフと言った瞬間、ニヤッと笑ってしまった。

ミナトの顔を見ると、寝起きの幸せそうな顔から困惑した顔に変わっていたからだ。

どう思っているかは俺の頭の中では考えることをやめ、今はとにかく俺の想いをぶつけることだけを考えている。



お互い、無言の時間が流れる。
俺はじっとミナトの瞳を見つめる。



少しして、ミナトが顔を下に背けた。
そしてこう言った。「気持ちよかった」と。
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