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Chapter④ 同棲生活 ~タカシside~
念願の沖縄旅行(6)
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「タカシ?朝食だよ」
俺はシュンの声と共に肩を叩かれて目を覚ました。
すると、シュンは肘掛けからテーブルを取り出していた。
昨日の仕事や今朝のラウンジでの飲酒でほろ酔いになっていた俺は30分ほど眠っていたようだ。
「タカシ、朝食が出てくるからテーブル出して」
俺はシュンからそう急かされると、目をこすりながらテーブルを取り出した。
その直後、白いジャケットのキャビンアテンダントが俺とシュンに朝食プレートを運んできた。
「お目覚めに温かいお茶はいかがでしょうか?」
「はい、お願いします」
俺はそう答えると、シュンは隣で「俺はスパークリングワインをお願いします」と言う。
「今日はお客様だもんね。たくさん飲んでいいわよ?」とシュンと俺には口調をいやらしく無いように変えながら、サービスを続けるチーフに感心しつつも、俺は出された朝食に箸を進める。
沖縄までは約2時間半。朝食を食べ終えた俺はシュンと同じくスパークリングワインをオーダーし、持参した本と共に空の旅を満喫する。
シュンは朝食を食べ終えるとシートを倒して仮眠を始めた。そのタイミングで俺は前方のギャレーの隣にあるトイレへと向かった。
トイレを済ませて出てくると、チーフと目があった。
「何かお飲み物をお持ちしましょうか?」と聞かれ、俺はスパークリングワインのおかわりをオーダーする。すると、にっこりと微笑みながら、チーフは「お席にお持ちしましょうか?」と聞いてきたが、俺は「いえ、ここで頂きます」と答える。
自意識過剰かもしれないが、何だか俺と話したそうな視線を感じたのだ。そして、俺はスパークリングワインを受け取り御礼を伝えたところ、予想通りチーフからプライベートの質問が飛んできたのだ。
「シュンくんとはどのくらいのお付き合いなんですか?」
沖縄までのフライトはまだ長い。俺はこういった会話は苦手では無いので正直に答えた。
「もうすぐ1年になります」
「あら、そうなの!それじゃあ1年目の記念旅行でしょうかね?」
「いえ、そう言うわけではないのですが、たまたま連休が一緒になったので二人で行きたかった沖縄でゆっくりしようかと思ったんです」
それを聞いてパーサーはにっこりと微笑みながら、「いいですね」と相槌を打った。
「シュンくんは恋人さんのことが相当好きみたいで、旅行先でも良く話を聞いているんです」
俺はここでシュンの意外な一面を知った。会社の同僚には俺の話をしていないと思っていたが、実は色々と話していたんだ。
「例えばどんな話をするのですか?シュンは」
「そうですね。お互いの波長が合うようで、同棲生活が楽しいと聞いています。特に朝のリズムが合うのは嬉しいと聞いていますよ。コーヒーを淹れてくれたり、朝ごはんを準備してくれたり、優しいと言っていますね」
俺は恥ずかしくなった。
まさかシュンが俺のことを会社で褒めているとは思わなかった。そして、たかだか朝食を準備しているくらいで、喜んでもらえるとは思わなかった。俺にとっては朝飯前だからだ。
そんな立ち話をしていると、シュンがカーテンを開けて入ってきた。
「チーフ?あんまり恋人に根掘り葉掘り聞かないでくださいよ~」
「ごめんなさい!ついついイケメンカップルだったから色々と聞いちゃったのよ!」
「タカシ、変なこと言ってないよね?」
シュンがチラッと俺の顔を見る。
「お、おう!言ってない、言ってない!」
するとチーフが笑った。
「お二人の関係はそうなのね~」
「いや、そう言うわけじゃなくて・・・」
「もう!タカシは席に戻って!」
俺は再び何だか恥ずかしくなり、自分の席に戻った。
スパークリングワインで再びアルコールが体を回っている。
俺は座席に戻るとシートを倒して再び仮眠をすることにした。
俺はシュンの声と共に肩を叩かれて目を覚ました。
すると、シュンは肘掛けからテーブルを取り出していた。
昨日の仕事や今朝のラウンジでの飲酒でほろ酔いになっていた俺は30分ほど眠っていたようだ。
「タカシ、朝食が出てくるからテーブル出して」
俺はシュンからそう急かされると、目をこすりながらテーブルを取り出した。
その直後、白いジャケットのキャビンアテンダントが俺とシュンに朝食プレートを運んできた。
「お目覚めに温かいお茶はいかがでしょうか?」
「はい、お願いします」
俺はそう答えると、シュンは隣で「俺はスパークリングワインをお願いします」と言う。
「今日はお客様だもんね。たくさん飲んでいいわよ?」とシュンと俺には口調をいやらしく無いように変えながら、サービスを続けるチーフに感心しつつも、俺は出された朝食に箸を進める。
沖縄までは約2時間半。朝食を食べ終えた俺はシュンと同じくスパークリングワインをオーダーし、持参した本と共に空の旅を満喫する。
シュンは朝食を食べ終えるとシートを倒して仮眠を始めた。そのタイミングで俺は前方のギャレーの隣にあるトイレへと向かった。
トイレを済ませて出てくると、チーフと目があった。
「何かお飲み物をお持ちしましょうか?」と聞かれ、俺はスパークリングワインのおかわりをオーダーする。すると、にっこりと微笑みながら、チーフは「お席にお持ちしましょうか?」と聞いてきたが、俺は「いえ、ここで頂きます」と答える。
自意識過剰かもしれないが、何だか俺と話したそうな視線を感じたのだ。そして、俺はスパークリングワインを受け取り御礼を伝えたところ、予想通りチーフからプライベートの質問が飛んできたのだ。
「シュンくんとはどのくらいのお付き合いなんですか?」
沖縄までのフライトはまだ長い。俺はこういった会話は苦手では無いので正直に答えた。
「もうすぐ1年になります」
「あら、そうなの!それじゃあ1年目の記念旅行でしょうかね?」
「いえ、そう言うわけではないのですが、たまたま連休が一緒になったので二人で行きたかった沖縄でゆっくりしようかと思ったんです」
それを聞いてパーサーはにっこりと微笑みながら、「いいですね」と相槌を打った。
「シュンくんは恋人さんのことが相当好きみたいで、旅行先でも良く話を聞いているんです」
俺はここでシュンの意外な一面を知った。会社の同僚には俺の話をしていないと思っていたが、実は色々と話していたんだ。
「例えばどんな話をするのですか?シュンは」
「そうですね。お互いの波長が合うようで、同棲生活が楽しいと聞いています。特に朝のリズムが合うのは嬉しいと聞いていますよ。コーヒーを淹れてくれたり、朝ごはんを準備してくれたり、優しいと言っていますね」
俺は恥ずかしくなった。
まさかシュンが俺のことを会社で褒めているとは思わなかった。そして、たかだか朝食を準備しているくらいで、喜んでもらえるとは思わなかった。俺にとっては朝飯前だからだ。
そんな立ち話をしていると、シュンがカーテンを開けて入ってきた。
「チーフ?あんまり恋人に根掘り葉掘り聞かないでくださいよ~」
「ごめんなさい!ついついイケメンカップルだったから色々と聞いちゃったのよ!」
「タカシ、変なこと言ってないよね?」
シュンがチラッと俺の顔を見る。
「お、おう!言ってない、言ってない!」
するとチーフが笑った。
「お二人の関係はそうなのね~」
「いや、そう言うわけじゃなくて・・・」
「もう!タカシは席に戻って!」
俺は再び何だか恥ずかしくなり、自分の席に戻った。
スパークリングワインで再びアルコールが体を回っている。
俺は座席に戻るとシートを倒して再び仮眠をすることにした。
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