ゲイのキャビンアテンダントはイケメンリーマンがお好き？

Chapter④ 同棲生活 ～タカシside～

シュンの性癖（２）

シュンは休日には１５ｋｍほど走っていると言っていた。ランニングコースも聞いていたので、海沿いの公園で会えると思って俺は呑気に景色を楽しみながら走っていた。

まさか彼氏の危ない性癖を今日知ることになるとはその時は思ってもいなかった。




しばらく走っていると海沿いの公園に着いた。
ここまで５ｋｍほど。俺は一旦走るのをやめ、桜を見ながら歩き始めた。海沿いの公園ということで海風が冷たく、ピステとハイネックのインナーを着てきて良かったと思った。まだ８時台ということで案外人通りも少なく、見える範囲では俺と数人しかいなかった。

そんな時、遠くにシュンらしき人物を見かけた。ただ、あまりにも遠いので声をかけられるほどではなかった。しかもシュンが走っている方向は俺の歩いている方向から外れていたので、気づくはずもなかった。

海沿いにはランニングに適したこの道と野球場がある。シュンは野球場に向かって走っているように見えた。俺はシュンに追いつこうと再び走り始める。

野球場は人気がなく、朝にも関わらずひっそりと静まり返り、更に冷たい風が吹いていた。俺は寒さで身震いしながらも、体を温めるためにシュンに追いつこうとペースを上げた。



しばらくしてそろそろシュンの姿が見えるかどうかのタイミングで、野球場の裏に公衆トイレが見え、シュンはなぜがその中ではなく林に面した裏手に歩いていった。

なぜだろう。どうしてトイレに入らず裏手なんかに行っちゃったんだろう？

俺は疑問を抱きながら、少しずつ公衆トイレに近づき、こっそりと公衆トイレの裏手に回る。枯葉がガシャガシャと音を立てそうな足元には細心の注意を払い、少しずつ裏手に近づく。そして、こっそりと公衆トイレの建物の影から覗き込んだ。