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Chapter④ 同棲生活 ~タカシside~
ヒロキとシュン(5)
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「タカシさんの恋人さん、すっごくイケメンですね!タカシさんと何だか釣り合っている感じもしますよ?」
「そうですか?」
「ええ。でも、タカシさんは俺が奪います!」
そんな会話をしているうちに機体は誘導路を通って滑走路に到達した。
エンジンの回転数がどんどん上がり、身体が座席に押し付けられる感覚と共に機体は東京の空に舞い上がった。ちらっと通路から前方の乗務員専用席に座るシュンを見つめると、目が合う。
何だかシュンは俺のことを睨みつけているかのような視線だ。
俺は怖くなり視線を逸らし、座席後ろに取り付けられた液晶モニターに映る機外映像に目を向けた。京浜工業地帯を移していた映像は段々と工場から住宅やマンションに切り替わり、その後、みなとみらいを映していたかと思うと太平洋のキラキラと輝く海面となった。
しばらくしてシートベルト着用サインが消えると、俺はパソコンを開き仕事を始める。
「タカシさんっていつも機内で仕事しているんですか?」
「ええ。地上ではできない資料作成やアイデアの立案は案外機上の方がいい案が浮かぶことがあって好きなんです」
「へぇ~。俺だとついつい映画を観たり、ネットに繋いでスマホをいじったりしちゃいますね」
「そういった気分転換も大事だと思いますよ。たまにある出張であくせく仕事をしなくてもいいと思う時もありますからね」
そんな話をしていると、カートを引きながらドリンクサービスにシュンがやってきた。
「お話し中、失礼致します。お飲み物はいかがでしょうか?」
“お話し中“の部分にはどこか嫌味が混じっているように感じたが、俺はいつものホットコーヒーをオーダーする。ヒロキは温かいお茶をオーダーする。
シュンがヒロキに対して、「お熱いのでお気をつけください」と声を掛ける。
すると、ヒロキが「恋敵に対して熱いお茶をこぼしちゃったりして・・・!」と呟きながらカップを受け取った。
俺は「ちょっと・・・!何言っているんですか?」とヒロキにツッコミを入れる。しかし、ヒロキは続けて、「シュンさんでしたよね?タカシさんのこと、俺は諦めませんからね!」と言って宣戦布告をしたのだった。
それに対してシュンは満面の笑みを浮かべて、「お客様、お手柔らかにお願いしますね」と返答して、後ろの乗客へのドリンクサービスへと移った。
俺はヒヤヒヤしながら、「安達さん!急に何を言い出すんですか!?」と慌てて言うと、「ちゃんと言うことは言っておかないと、と思ったので言いました」と自信満々に答える。
俺は「はぁ~」とため息をついた。シュンとヒロキ、一体どっちを選んだらいいのだろうか。
「そうですか?」
「ええ。でも、タカシさんは俺が奪います!」
そんな会話をしているうちに機体は誘導路を通って滑走路に到達した。
エンジンの回転数がどんどん上がり、身体が座席に押し付けられる感覚と共に機体は東京の空に舞い上がった。ちらっと通路から前方の乗務員専用席に座るシュンを見つめると、目が合う。
何だかシュンは俺のことを睨みつけているかのような視線だ。
俺は怖くなり視線を逸らし、座席後ろに取り付けられた液晶モニターに映る機外映像に目を向けた。京浜工業地帯を移していた映像は段々と工場から住宅やマンションに切り替わり、その後、みなとみらいを映していたかと思うと太平洋のキラキラと輝く海面となった。
しばらくしてシートベルト着用サインが消えると、俺はパソコンを開き仕事を始める。
「タカシさんっていつも機内で仕事しているんですか?」
「ええ。地上ではできない資料作成やアイデアの立案は案外機上の方がいい案が浮かぶことがあって好きなんです」
「へぇ~。俺だとついつい映画を観たり、ネットに繋いでスマホをいじったりしちゃいますね」
「そういった気分転換も大事だと思いますよ。たまにある出張であくせく仕事をしなくてもいいと思う時もありますからね」
そんな話をしていると、カートを引きながらドリンクサービスにシュンがやってきた。
「お話し中、失礼致します。お飲み物はいかがでしょうか?」
“お話し中“の部分にはどこか嫌味が混じっているように感じたが、俺はいつものホットコーヒーをオーダーする。ヒロキは温かいお茶をオーダーする。
シュンがヒロキに対して、「お熱いのでお気をつけください」と声を掛ける。
すると、ヒロキが「恋敵に対して熱いお茶をこぼしちゃったりして・・・!」と呟きながらカップを受け取った。
俺は「ちょっと・・・!何言っているんですか?」とヒロキにツッコミを入れる。しかし、ヒロキは続けて、「シュンさんでしたよね?タカシさんのこと、俺は諦めませんからね!」と言って宣戦布告をしたのだった。
それに対してシュンは満面の笑みを浮かべて、「お客様、お手柔らかにお願いしますね」と返答して、後ろの乗客へのドリンクサービスへと移った。
俺はヒヤヒヤしながら、「安達さん!急に何を言い出すんですか!?」と慌てて言うと、「ちゃんと言うことは言っておかないと、と思ったので言いました」と自信満々に答える。
俺は「はぁ~」とため息をついた。シュンとヒロキ、一体どっちを選んだらいいのだろうか。
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