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仕返し②
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シュンを犯した翌日、大学とバイトを終えて寮に帰ってきた。
シュンの部屋の前を通過すると、ドアの隙間から室内の蛍光灯の灯りが漏れていることに気がついた。
「あれ?こんな遅い時間なのに、今日はまだ起きてんのか」
そう心の中で思いつつ、俺はドアの鍵を開けて、部屋の中に入ろうとした。
すると、突然、シュンの部屋のドアが開いた。
そして、シュンが出てくると、俺の方に近づいてきた。
「・・・?」
俺の頭の中は突然何が起こったのか分からなかった。
「もしかして、昨日の仕業が俺だってバレてる・・・?証拠はないはずだし、俺と確信がない中で大きな行動は取らないだろうな・・・」
しかし、俺の考えは浅かった。
シュンは体育大学生ということで、もしかすると、俺と違って頭は良くないかもしれない。しかし、勢いはある。
シュンは俺の首元を掴むと、廊下の壁に思いっきり押さえつけてきた。
「痛ててて・・・何するんですか・・・・」
「それはこっちのセリフだよ。昨日の夜は俺を使って随分と気持ち良くなったんじゃねーの?」
ば、バレてる・・・!
けど、証拠はないはず!
よし、白を切ろう。
シュンの一重の目が俺を鋭く睨みつける。
しかし、俺は怯まないように答える。
「昨日の夜のことって、一体何だよ!俺は何も知らないよ!とにかく、手を離してくれ・・・!」
「正直に言いなよ?あんなことするやつ、お前くらいしかいないんだよ?」
「あんなことって、さっきから何のことを言っているのか、分からないんだよ!」
シュンは一向に俺の首元の手を緩めようとしない。
そして、シュンは突然、こう言い放った。
「スマホ出せよ?」
「えっ?」
「スマホの写真フォルダ、見せろよ?」
「急に何だよ!嫌だよ?なんでお前に見せないといけないのさ」
マズい・・・!ここで見せると、昨夜の写真が出てきてしまう・・・!
「い、嫌だっっ!」
「ちっ・・・さっさと言うこと聞かないと、痛い目に遭うからな」
そういうと、シュンは廊下の壁を蹴った。
ドン!!!!
大きな音が足元から下と思い、思わず目を閉じてしまったが、再び目を開くと、壁には穴が開いていた。
寮は元々古い建物なので、壁の至る所にひび割れや凹みがあるのは気づいているが、今ここに新たな凹みができたことで、俺は腰が抜けてしまった。
「腹を蹴られたら、どうなるんだろうなぁ」
「ご、ごめんなさい・・・」
俺はポケットからスマホを取り出し、ロックを外してシュンに手渡しする。
シュンは荒々しく俺のスマホを取り上げると、写真を見つけたようで俺に画面を見せてくる。
「やっぱり変態野郎の仕業だったのかよ」
「ご、ごめんなさい・・・謝るので痛いことだけはやめてください・・・」
シュンはスマホを数回操作して、俺に手渡す。
「写真は削除したし、バックアップも消したから。ホントはここでスマホを叩き割ってもいいんだけど、金に困ってるのはお互い様だから勘弁してやるよ」
俺は膝から崩れ落ち、その場でうずくまる。
「あ、ありがとうございます・・・」
俺は一気に恐怖心と共に力が抜け落ちる。
そして、シュンの顔を恐る恐る見上げると、不敵な笑みを浮かべ、ニヤリと笑った。
「そんなにサッカー部の男が好きなの?だったら今度、俺の言う事、一つ聞いてよ?」
突然の申し出に俺は思わず間抜けな返事をしてしまう。
「えっ・・・?痛いことじゃなければ・・・」
シュンは更に、ニヤリと笑う。
「じゃあ今度の土曜の夜、夕方に部屋で待機してろよ」
「えっとその日はバイトが・・・」
「俺の言うこと聞かなかったら、バラすからな?」
「わ、わかりました・・・!」
俺は有無を言わさず、シュンの指示に従わざるを得なかった。
これ以上、平穏な大学生活を乱されないためには、自分の犯してしまった過ちをどうにかして見逃してもらうしかないからだ。
そして、俺はバイト先にすぐに電話をして、何とか当日のシフトを代わってもらうことができた。
シュンの部屋の前を通過すると、ドアの隙間から室内の蛍光灯の灯りが漏れていることに気がついた。
「あれ?こんな遅い時間なのに、今日はまだ起きてんのか」
そう心の中で思いつつ、俺はドアの鍵を開けて、部屋の中に入ろうとした。
すると、突然、シュンの部屋のドアが開いた。
そして、シュンが出てくると、俺の方に近づいてきた。
「・・・?」
俺の頭の中は突然何が起こったのか分からなかった。
「もしかして、昨日の仕業が俺だってバレてる・・・?証拠はないはずだし、俺と確信がない中で大きな行動は取らないだろうな・・・」
しかし、俺の考えは浅かった。
シュンは体育大学生ということで、もしかすると、俺と違って頭は良くないかもしれない。しかし、勢いはある。
シュンは俺の首元を掴むと、廊下の壁に思いっきり押さえつけてきた。
「痛ててて・・・何するんですか・・・・」
「それはこっちのセリフだよ。昨日の夜は俺を使って随分と気持ち良くなったんじゃねーの?」
ば、バレてる・・・!
けど、証拠はないはず!
よし、白を切ろう。
シュンの一重の目が俺を鋭く睨みつける。
しかし、俺は怯まないように答える。
「昨日の夜のことって、一体何だよ!俺は何も知らないよ!とにかく、手を離してくれ・・・!」
「正直に言いなよ?あんなことするやつ、お前くらいしかいないんだよ?」
「あんなことって、さっきから何のことを言っているのか、分からないんだよ!」
シュンは一向に俺の首元の手を緩めようとしない。
そして、シュンは突然、こう言い放った。
「スマホ出せよ?」
「えっ?」
「スマホの写真フォルダ、見せろよ?」
「急に何だよ!嫌だよ?なんでお前に見せないといけないのさ」
マズい・・・!ここで見せると、昨夜の写真が出てきてしまう・・・!
「い、嫌だっっ!」
「ちっ・・・さっさと言うこと聞かないと、痛い目に遭うからな」
そういうと、シュンは廊下の壁を蹴った。
ドン!!!!
大きな音が足元から下と思い、思わず目を閉じてしまったが、再び目を開くと、壁には穴が開いていた。
寮は元々古い建物なので、壁の至る所にひび割れや凹みがあるのは気づいているが、今ここに新たな凹みができたことで、俺は腰が抜けてしまった。
「腹を蹴られたら、どうなるんだろうなぁ」
「ご、ごめんなさい・・・」
俺はポケットからスマホを取り出し、ロックを外してシュンに手渡しする。
シュンは荒々しく俺のスマホを取り上げると、写真を見つけたようで俺に画面を見せてくる。
「やっぱり変態野郎の仕業だったのかよ」
「ご、ごめんなさい・・・謝るので痛いことだけはやめてください・・・」
シュンはスマホを数回操作して、俺に手渡す。
「写真は削除したし、バックアップも消したから。ホントはここでスマホを叩き割ってもいいんだけど、金に困ってるのはお互い様だから勘弁してやるよ」
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これ以上、平穏な大学生活を乱されないためには、自分の犯してしまった過ちをどうにかして見逃してもらうしかないからだ。
そして、俺はバイト先にすぐに電話をして、何とか当日のシフトを代わってもらうことができた。
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