コーヒーの香りに引き寄せられて

初めての夜

１

ユウスケとの夜は激しかった。

俺は受けなので、何度もケツを掘られた。



何発ヤったのか覚えていないが、気づけばお互い全裸で眠っていた。
カーテンの隙間から陽の光が差し込み、朝ということに気がついた。俺はユウスケの温かさを感じながら、再び眠りについた。幸せだ。久しぶりによく眠れた。




どのくらい二度寝していただろうか。
しばらくするとキッチンからトントンというリズミカルな包丁の音が聞こえてくる。すでに部屋のカーテンは開けられており、瞼を開けると明るい光が俺を包み込んでいた。さらに、部屋にはベーコンの香ばしい香りが広がっており、ユウスケが朝食を作ってくれていることを知った。

「あっ、起こしちゃいましたか？おはようございます！今、朝ごはんを作っているので、もう少し寝ていてもいいですよ？」

誰かに食事を作ってもらうのは前回はいつだっただろうか。もう覚えていない。更に思い出すと、誰かとヤったのも久しぶりだ。

俺は朝からユウスケの温かさを感じていた。



「いただきます！」
「いただきます」

ユウスケが用意してくれたスクランブルエッグとベーコン、そしてクロワッサンだった。更にお店で出しているのと同じように、コーヒーも淹れてくれた。

「うん、どれも美味しい」
「タカシさんにそう言ってもらえて嬉しいです。コーヒー淹れるのだけじゃなくて、実は料理も好きなんです。特にパン作りは子供の頃から母親に教わって今では試行錯誤しながらやっています」

そう言ってユウスケはにっこりと俺に対して微笑む。俺もその笑顔にほっこりとさせられて、うんと頷いた。



こうやって誰かと接することで人の温かさに触れられる。今まで自分が失っていた人とのつながりを少しずつ取り戻し始めていた。