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休職

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次に目を覚ましたのは夕方5時前だった。

すでにカーテンの向こう側は暗くなっており、ちらっとカーテンを覗くと西の方に沈みかけた太陽が見える。

今日も一日ベッドの上で過ごしてしまったという罪悪感が俺を襲うが、一瞬で回避し、今の仕事は休養であることを自分に言い聞かせる。

流石に一日中横になっていても腹が減るのは仕方がない。そのため、俺は着ているスウェットにダウンを羽織り、そのままスーパーへと向かった。



外は家の中と異なり北風の影響でかなり冷え込んでいる。急に温かい飲み物が頭の中に浮かび、昨日立ち寄ったカフェを思い出す。

こんな身なりで立ち寄ってもなぁ。

仮にも気になる男性店員のいる店ということで、ちゃんとした格好で行きたいと思いつつ、スーパーに行くこととカフェに行くことを天秤にかける。そこに主治医の近藤の言葉が頭にチラつく。

“今は好きなことをやって休んでください“


スーパーへ行く前にカフェに行くか。

俺はスーパーの方角へと歩き始めていた足取りをカフェの方角へ向ける。



お客さん、入ってくれているかな。それとも、誰もいないかな。

誰もいなければユウスケと話す時間が増える。一方で、お客さんが入っていないと経営が厳しいだろう。俺は天使と悪魔が頭の中で戦い始めたところでカフェの前に着く。

この戦い、どちらに転ぶか。俺はたかだかお客さんがいるか居ないかを勝手に戦いに例えている。自分でも陳腐な考えにフッと笑いがこぼれそうになる。

俺は冷たいドアノブを握り、ゆっくりと開けた。

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