コーヒーの香りに引き寄せられて

限界点

９

翌朝、目を覚ますと外は真っ暗。朝というよりまだ夜中。枕元のスマホの時計を見ると午前４時。昨日のようにまた朝早く目が覚めてしまった。

帰りに立ち寄った薬局で処方された薬は５種類くらいあり、種類の多さに驚いたが、寝る前に飲む薬で寝つきが良くなると思っていたのが間違いだった。結局は昨日と同じだった。

俺は再び目を閉じる。しかし眠れない。そして考え事が頭をぐるぐると迷走しているように飛び交う。

昨日は１日休んでしまったが、あのプロジェクト会議への進捗資料を今日やらないと。けれども、部内会議用の資料作成も締め切りが近い。更に、競合他社の動向を探るコンサルタント会社への指示も出さなければならない。あぁ、来週早々には工場とのデザインレビューもあったな。一体どれから手をつけていいのだろう。いや、全てが最優先だ。間に合うわけがない。今夜も残業だな。