14 / 49
13彼女の検証1
しおりを挟む
「ただいま~。どうぞ入って」
ハル君が扉を開け、アメリアさんに入るように勧める。助けた彼女はの名前だ。名前からしても外人ですね。ですけど、意味不明なんですよね……。マリアさんは難しい顔をして無言ですし。マリアさんが大人しいと何故か怖いです……。
取りあえず、さっきの男がいるかもしれないという事で、ハル君の家に行くことになった。来て驚いた。大きい家だった!
もしかして、ハル君もカナ君に負けず劣らす金持ちの家系なのかもしれない。
「お帰り。部活は終わったのか? って今日は随分とお客さんを連れて来たな」
そう言って出迎えに出て来たのは、三十代ぐらいに見える男性で、ピシッとグレーのスーツを着ている。
「お父さん、ただいま」
え? お父さんでしたか! そう言えばハル君のお父さんってあまり会った事なかったかも。
「あの、初めまして……じゃなくて、ご無沙汰してます。天恵月海です!」
「いらっしゃい」
おじさんは笑顔で返してくれた。
「こんにちは、おじさま。ところでおじさまを含め何人ここにおりますか?」
唐突にマリアさんが聞いた。それには皆驚く。それでもおじさんは答えてくれた。
「えっと、六人……」
「おじさまにも見えていらっしゃるのですか! では、これは二人の茶番ではないのですね……。何故、わたくしたちには見えないのでしょうか? 男性にしか見えないとか……」
答えを聞いてマリアさんは、自分の考えをブツブツと語っている。聞いたのは見えているか確認する為だったらしい。
マリアさんがこんな芝居をするはずもないので、本当に見えていないのは確実ね。
もしかしてアメリアさんって、幽霊とか? でも普通、霊感がある人の割合の方が少ないよね?
それより、私も見えない事になっているのね。確かに見えているとは言ってないけど……。
「あの、私は見えてますけど……?」
「「え!」」
カナ君とハル君も驚いた。二人も私が見えていないと思っていたんだ……。
「まあ、あなた! 見えないふりなどしていたのですか!」
「え? 違います! 私見えないなんていってないですし。マリアさんが見えないって言うから驚いて何も言えなかっただけです。って、本当に見えて……」
「なぜわたくしにだけ見えていないのですか!」
かなり不満があるらしい。って、怖くないのだろうか? 見えない人物が……。
「あの君達、一体何の話を? 取りあえず中に入ったら?」
「あぁ、そうだね。アメリアさんもどうぞ。あ!」
おじさんの言葉に頷いて、ハル君がそう言うと、アメリアさんは靴のままで中に入ろうとしたので、ハル君が叫んだ。
「すみませんが、ブーツを……え?」
「ちょっと待ってて!」
おじさんがアメリアさんに何か言おうとすると、カナ君が家に上がり込み中に消えて行った。そして、雑巾を持って来て、アメリアさんの前に置いた。
「悪いけどこれで靴の裏拭いてもらえる?」
アメリアさんは頷く。
「脱いでもらえばいいだろうに……」
おじさんはぼそっと呟いた。
アメリアさんは、そっと雑巾の上に乗り、靴裏を雑巾にこすりつける。彼女は、幽霊ではないらしい。拭くときに足が見えたから! そしてローブと思っていたけどどうやら、大きなマントを胸の前少し重ねているみたい。
「ねえ、ルナ。見えない方って外人の方なのかしら?」
「え? 見えないのになんでわかるの?」
「靴を脱いで上がる習慣がないようですので……」
さすがマリアさん! 洞察力が凄い!
「そうなんです。瞳が青い、金髪が腰まである女性です!」
「私も拝見してたいですわ……」
ため息をしつつ、マリアさんはそう言った。マリアさんは彼女を何だと思っているんだろう? 私はアメリアさんが見えるのでそうでもないけど、怖くないのかなぁ……。
中に入ると居間も広かった。でも何もない。テーブルを挟んで三人掛けのソファーが二つあるだけ。まあ、テレビとかもあるけど、広さに見合った物がないから凄く広く感じる。
「アメリアさんも座ったら?」
カナ君がソファーに腰を下ろすと言った。その隣にハル君が座る。アメリアさんは、こちらを見るので頷くとカナ君の前のソファーに座った。私も彼女の横に座るとその横にマリアさんもそっと腰を下ろした。
「お父さんもちょっと話あるから座って!」
ハル君が自分の横に座るようにおじさんに声を掛ける。驚くも言われたように座った。
ハル君が扉を開け、アメリアさんに入るように勧める。助けた彼女はの名前だ。名前からしても外人ですね。ですけど、意味不明なんですよね……。マリアさんは難しい顔をして無言ですし。マリアさんが大人しいと何故か怖いです……。
取りあえず、さっきの男がいるかもしれないという事で、ハル君の家に行くことになった。来て驚いた。大きい家だった!
もしかして、ハル君もカナ君に負けず劣らす金持ちの家系なのかもしれない。
「お帰り。部活は終わったのか? って今日は随分とお客さんを連れて来たな」
そう言って出迎えに出て来たのは、三十代ぐらいに見える男性で、ピシッとグレーのスーツを着ている。
「お父さん、ただいま」
え? お父さんでしたか! そう言えばハル君のお父さんってあまり会った事なかったかも。
「あの、初めまして……じゃなくて、ご無沙汰してます。天恵月海です!」
「いらっしゃい」
おじさんは笑顔で返してくれた。
「こんにちは、おじさま。ところでおじさまを含め何人ここにおりますか?」
唐突にマリアさんが聞いた。それには皆驚く。それでもおじさんは答えてくれた。
「えっと、六人……」
「おじさまにも見えていらっしゃるのですか! では、これは二人の茶番ではないのですね……。何故、わたくしたちには見えないのでしょうか? 男性にしか見えないとか……」
答えを聞いてマリアさんは、自分の考えをブツブツと語っている。聞いたのは見えているか確認する為だったらしい。
マリアさんがこんな芝居をするはずもないので、本当に見えていないのは確実ね。
もしかしてアメリアさんって、幽霊とか? でも普通、霊感がある人の割合の方が少ないよね?
それより、私も見えない事になっているのね。確かに見えているとは言ってないけど……。
「あの、私は見えてますけど……?」
「「え!」」
カナ君とハル君も驚いた。二人も私が見えていないと思っていたんだ……。
「まあ、あなた! 見えないふりなどしていたのですか!」
「え? 違います! 私見えないなんていってないですし。マリアさんが見えないって言うから驚いて何も言えなかっただけです。って、本当に見えて……」
「なぜわたくしにだけ見えていないのですか!」
かなり不満があるらしい。って、怖くないのだろうか? 見えない人物が……。
「あの君達、一体何の話を? 取りあえず中に入ったら?」
「あぁ、そうだね。アメリアさんもどうぞ。あ!」
おじさんの言葉に頷いて、ハル君がそう言うと、アメリアさんは靴のままで中に入ろうとしたので、ハル君が叫んだ。
「すみませんが、ブーツを……え?」
「ちょっと待ってて!」
おじさんがアメリアさんに何か言おうとすると、カナ君が家に上がり込み中に消えて行った。そして、雑巾を持って来て、アメリアさんの前に置いた。
「悪いけどこれで靴の裏拭いてもらえる?」
アメリアさんは頷く。
「脱いでもらえばいいだろうに……」
おじさんはぼそっと呟いた。
アメリアさんは、そっと雑巾の上に乗り、靴裏を雑巾にこすりつける。彼女は、幽霊ではないらしい。拭くときに足が見えたから! そしてローブと思っていたけどどうやら、大きなマントを胸の前少し重ねているみたい。
「ねえ、ルナ。見えない方って外人の方なのかしら?」
「え? 見えないのになんでわかるの?」
「靴を脱いで上がる習慣がないようですので……」
さすがマリアさん! 洞察力が凄い!
「そうなんです。瞳が青い、金髪が腰まである女性です!」
「私も拝見してたいですわ……」
ため息をしつつ、マリアさんはそう言った。マリアさんは彼女を何だと思っているんだろう? 私はアメリアさんが見えるのでそうでもないけど、怖くないのかなぁ……。
中に入ると居間も広かった。でも何もない。テーブルを挟んで三人掛けのソファーが二つあるだけ。まあ、テレビとかもあるけど、広さに見合った物がないから凄く広く感じる。
「アメリアさんも座ったら?」
カナ君がソファーに腰を下ろすと言った。その隣にハル君が座る。アメリアさんは、こちらを見るので頷くとカナ君の前のソファーに座った。私も彼女の横に座るとその横にマリアさんもそっと腰を下ろした。
「お父さんもちょっと話あるから座って!」
ハル君が自分の横に座るようにおじさんに声を掛ける。驚くも言われたように座った。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした
カレイ
恋愛
「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」
それが両親の口癖でした。
ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。
ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。
ですから私決めました!
王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。
【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる