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◇148◇全滅

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 あの指笛で、モンスターを呼んだの?
 モンスターは、真っ黒な熊の様なモンスター。
 驚いて、イラーノが振り向く。

 『乗れワン

 クイッと、ズボンを口でひっぱりジーンが言うと、慌ててイラーノが飛び乗った。
 ジーンは、森の奥へと走り出す。

 「あなたは追って! で、あなたは彼らをお願いする」

 『わかった。オスダルス』

 オスダルスさんが、モンスターに支持を出すと一体はジーン達を追いかけ、一体はモガード達に近づいて行く。

 「オスダルスさんが、テイマーだったなんて……」

 『たぶん違うわね』

 「え? 違うの?」

 ルイユは頷く。

 「うわぁ! 来るな! オスダルスさんこれどういう事ですか!」

 「悪く思うなよ」

 そう言うと、オスダルスさん達も、ジーン達を追いかけた!

 『主様。行きましょう。エルフ二人だとジーンでは難しいかと』

 「わかってるけど……」

 どうしたらいいんだ。
 モガードさん達は、剣を抜いてモンスターと戦っているが、勝てないと思う。

 「ルイユって戦えるの?」

 『勿論ですわ』

 「じゃまずは、二人を救出してから! お願い力を貸して」

 『今までで一番お人好しですわ。了解しました。主様は、そこで』

 ルイユは、モガード達の救援に向かった。

 「げ! エキュリスだ!」

 モガードさんが叫ぶ。
 あれ? モンスターに見えている?
 あ……。足元にマジックアイテムが落ちている。自分で外したの?

 「くっそ!」

 二人の台詞を無視しルイユは、モンスターに攻撃を仕掛けた。
 風の刃の様で、モンスターは切り刻まれる。

 『やっぱり威力が足りないわねガウガウガウガウガウちょっと借りるわよガウガウガウ

 「ひー」

 器用にルイユは尻尾を使ってモガードさんの剣を奪い、迫りくるモンスターに投げつけた!
 それは、首に命中し串刺しになる。そのままモンスターは、うつ伏せに倒れた。

 「ひぃ。なんなんだ?」

 「に、逃げよう! 騎士団に連絡しないと!」

 ウダエカさんが言うと、モガードさんは剣はそのままに二人は走り出した。

 「ありがとう。ルイユ」

 戻って来たルイユにお礼を言う。

 『これでよかったかしら?』

 僕は頷いた。

 「さて、どうやってジーンの所に行こうか」

 『私を抱き上げてもらっていいかしら?』

 「うん」

 『抱きしめて』

 「え?」

 何で? 意味なく言わないだろうから僕は、言われた通り抱きしめた。
 ふわりと浮いた感覚が……。

 「ぎゃー!」

 そう思っていたら急に、木と木の間を縫う様に、飛んで進んだ!

 『主様、すみません。今はまだこれが限界なのです』

 それってもっと高く飛べるって事?
 これなら崖もひとっとびだ。けど、怖いかも。

 暫くしてピタッと止まった。

 『主様。彼らです』

 やばい! イラーノもジーンもリリンも血だらけで倒れている!

 「……本当に知ら……ないんだ」

 「別にドドイの居場所を知りたいわけじゃない。君だろう? ドドイが連れ去った子は」

 ボールウィンツが言った言葉に、イラーノは目を見開く。
 やっぱり、ハーフだから殺しに来たんだ!

 「ウィンツ。救援がく来る。後は任せて行くぞ」

 モンスターが三人に向かう。

 「ルイユ!」

 『今、出れば見つかります』

 「いいから助けて! お願い!」

 『わかりました!』

 『ぐわぁ』

 さっきと同じく風の刃で攻撃するも致命傷にはならなかったみたいだ。

 「うん? あぁそう言えば、お友達がいたんだったな。のこのこと来たのか」

 「クテュール……逃げて……」

 「逃げれる訳ないだろう! ルイユ! この剣を使って!」

 僕は、剣を抜きルイユに投げた。

 「っち!」

 それを見たボールウィンツさんが僕に向け剣を振った!

 『ぬし……クテュール!』

 とっさに、ルイユが僕を庇う様に前に立った。向こうも風の刃みたいだ。ルイユが同じく風の刃で抵抗するも大きく斬られ、僕も余波を受けた!

 『きゃー』

 「うわぁ」

 「ウィンツ。10分でくるんだぞ」

 二人は、走ってこの場を去っていく。
 救援……あ、そっかこれか。
 僕の首から下げた救援アイテムが光を発している。
 イラーノもそうなんだ。10分で来るなんて凄いけど……。
 僕は、ルイユに手を伸ばす。
 彼女だけでも助けなきゃ。お願い……。
 ルイユの体が光を帯びた。
 何とかなった……。

 『主様、ありがとうございます。気をしっかり持って下さい。……約束をたがえる事をお許し下さい』

 どういう意味?
 僕は、ボーとする中、ルイユを見つめた。
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