57 / 245
◇054◇お礼にどうですか?
しおりを挟む
父さんから託されたものなどない。貰った物ならあるけど……。古びたリュック。普通のナイフ。
それ以外は、特段ないよな。どちらかを探している?
ナイフは、落としちゃったからなぁ……。くそっ! エジンのせいだからな!
「わからないけど、父さんから貰ったもので彼らにとって欲しい物があったみたい。でも聞くだけなら襲わないだろうから、奪うつもりだったのかもね」
『心当たりはあるのか?』
「心当たりと言うか、リュックとナイフしかないから。でもナイフは、あの崖で落としちゃったから……」
キュイにそう答えると、うむっと頷いた。
『だったらナイフは、探させよう』
「え? 本当?」
助けてもらってばかりで悪いな。何か恩返し出来ればいいんだけど……。
そうだ。何か装備品を作ろう!
僕は、裁縫の加護を持っているみたいだからリリンに作ったのもミサンガになったんだろうし。
でも、キュイってでかいんだよなぁ……。布代バカにならないよな。
「お礼に今度、装備品を作るね!」
『装備品? それはどういうものだ?』
「え? あ、そっか。知らないのか。防具だけどキュイ達には必要ないか……」
『そ、そんな事はない。人間が着ている服にも興味はある!』
僕がしょげて言ってしまったからそう返ってきてしまった!
いや服を着たいと言われても、さすがに無理そう。
小物にしてもらおう!
「そうだね。でも羽もあるし服はちょっと着るの大変じゃない? 小物なんてどう? えっと、部分的に着ける服なんだけど……」
『おう! それがいい!』
『もしかして、あの草で作ったあれかしら? 体によさそうね』
僕が、リリンの言葉に頷いていると、驚く事をキュイは言う。
『草で作るのか! だったらあのトゲの蔦でお願いしたい。かゆい時にこすりつけるのだが、たいてい地面なのでな』
え!? 草で作るの? いや、それなら布代浮くけど、それはそれで大変な作業……って、トゲの蔦?! 地面?
「それってもしかして、トゲムシもどきの事?」
『トゲムシ? あぁ、そう言えば見えなくもないな。たぶんそれだろう。そこに生えている』
そこにって……。キュイの目線を追ってその場所に行ってみると、トゲムシもどきがびっしりだった!
ここには、これを食べにあの小動物はこないみたいだな。
よし! どうせなら作ってみよう!
「じゃ、ちょっと作ってみるよ。えっとネックウォーマーでいいかな? 首につけるんだけど」
『よくわからんが、それでよい』
キュイが嬉しそうに答えた。
足にでもいいけど、引っ掛けそうだしちょっと大きくつくらなきゃいけないけど、丸く円に作るだけだから簡単だ!
って、これも裁縫になるんだな。
それ以外は、特段ないよな。どちらかを探している?
ナイフは、落としちゃったからなぁ……。くそっ! エジンのせいだからな!
「わからないけど、父さんから貰ったもので彼らにとって欲しい物があったみたい。でも聞くだけなら襲わないだろうから、奪うつもりだったのかもね」
『心当たりはあるのか?』
「心当たりと言うか、リュックとナイフしかないから。でもナイフは、あの崖で落としちゃったから……」
キュイにそう答えると、うむっと頷いた。
『だったらナイフは、探させよう』
「え? 本当?」
助けてもらってばかりで悪いな。何か恩返し出来ればいいんだけど……。
そうだ。何か装備品を作ろう!
僕は、裁縫の加護を持っているみたいだからリリンに作ったのもミサンガになったんだろうし。
でも、キュイってでかいんだよなぁ……。布代バカにならないよな。
「お礼に今度、装備品を作るね!」
『装備品? それはどういうものだ?』
「え? あ、そっか。知らないのか。防具だけどキュイ達には必要ないか……」
『そ、そんな事はない。人間が着ている服にも興味はある!』
僕がしょげて言ってしまったからそう返ってきてしまった!
いや服を着たいと言われても、さすがに無理そう。
小物にしてもらおう!
「そうだね。でも羽もあるし服はちょっと着るの大変じゃない? 小物なんてどう? えっと、部分的に着ける服なんだけど……」
『おう! それがいい!』
『もしかして、あの草で作ったあれかしら? 体によさそうね』
僕が、リリンの言葉に頷いていると、驚く事をキュイは言う。
『草で作るのか! だったらあのトゲの蔦でお願いしたい。かゆい時にこすりつけるのだが、たいてい地面なのでな』
え!? 草で作るの? いや、それなら布代浮くけど、それはそれで大変な作業……って、トゲの蔦?! 地面?
「それってもしかして、トゲムシもどきの事?」
『トゲムシ? あぁ、そう言えば見えなくもないな。たぶんそれだろう。そこに生えている』
そこにって……。キュイの目線を追ってその場所に行ってみると、トゲムシもどきがびっしりだった!
ここには、これを食べにあの小動物はこないみたいだな。
よし! どうせなら作ってみよう!
「じゃ、ちょっと作ってみるよ。えっとネックウォーマーでいいかな? 首につけるんだけど」
『よくわからんが、それでよい』
キュイが嬉しそうに答えた。
足にでもいいけど、引っ掛けそうだしちょっと大きくつくらなきゃいけないけど、丸く円に作るだけだから簡単だ!
って、これも裁縫になるんだな。
0
お気に入りに追加
2,052
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる