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第54話 サイグルドの仮説
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「まさかそのような事、できるわけありません」
マカリーが、ハッとして言う。
「陛下。彼らの話を聞く前に私の話しを聞いて頂けますか?」
サイグルドが陛下にお伺いを立てる。
「私もその様にした方が宜しいかと思います」
イグーレンが言うと、残りの二人も頷く。
「わかった。まずはサイグルドの話を聞こう。その後マカリーだ。それでよろしいか?」
「……はい」
本来は、もっとスムーズに犯人を捕まえられるはずだったが、思わぬ疑いを掛けられてしまい、払拭するのには従うしかない。
ディアルディが何か言いたげだったが、マカリーにダメだと目配せされ大人しく聞く事にした。
「まず、彼らの話だと精霊パニック時、そちらのフィタードさんがこの城にいらした。そして、殿下達は、マカリーさんに治癒してもらっていた。これは間違いないでしょう。ですが……自分達で襲い治癒する事も出来ます。彼にも精霊パニックを起こせるかもしれません」
サイグルドは、フィタードが精霊パニックを起こし、マカリーが二人を襲いそして治癒した。そう言ったのだ。
「な、何を……」
フィタード抗議しようとすると、サイグルドは手を向け話を聞けと促す。
「仮説だ。これは成功し、助けてくれたと信じ切った二人を彼らの家で匿っていた。小さなころから手懐ければ思いのまま。後は、時期を見計らって殿下が襲われて危険だと思わせればよい。殿下しか連れてこなかったのは、当時の記憶などないからでしょう」
凄い仮設だったが、あり得ない仮説ではなかった。もし本当にこれが立てた作戦なら上手くいった事になるだろう。ディアルディは、マカリーに懐いている。
「後は、第一王子を失脚させ第二王子のディアルディに王位を受け継がせるだけだ。だが先日、第一王子に子がいるのを知ったあなたたちは、作戦を早める事にした。違うかな?」
「違う! 俺が襲われたのは、その話を聞く前からだ! ゴロツキ達に襲われた! その後、子供を授かった話を聞いた!」
反論したのは、ディアルディだった。
「ゴロツキですか。その一度だけですか?」
「その後……山火事の日にも襲われた。そいつは精霊と契約していた者だった!」
「なるほど。本当は、もっと時間を掛けてやるつもりだったのでしょうね。でもそうはいかなくなった。山火事があったのは、発表後すぐその後でしたね。先ほどの話だと、孫が襲われたのも昨日とか。ところでお孫さんは、なぜ狙われたのですか? 脅しですか? 本当に同じ人物でしたか?」
サイグルドがルナードに問いかける。
「えぇ。同じ人物でしたよ」
思ったより柔らかい声に王臣達は驚いた。
マカリーが、ハッとして言う。
「陛下。彼らの話を聞く前に私の話しを聞いて頂けますか?」
サイグルドが陛下にお伺いを立てる。
「私もその様にした方が宜しいかと思います」
イグーレンが言うと、残りの二人も頷く。
「わかった。まずはサイグルドの話を聞こう。その後マカリーだ。それでよろしいか?」
「……はい」
本来は、もっとスムーズに犯人を捕まえられるはずだったが、思わぬ疑いを掛けられてしまい、払拭するのには従うしかない。
ディアルディが何か言いたげだったが、マカリーにダメだと目配せされ大人しく聞く事にした。
「まず、彼らの話だと精霊パニック時、そちらのフィタードさんがこの城にいらした。そして、殿下達は、マカリーさんに治癒してもらっていた。これは間違いないでしょう。ですが……自分達で襲い治癒する事も出来ます。彼にも精霊パニックを起こせるかもしれません」
サイグルドは、フィタードが精霊パニックを起こし、マカリーが二人を襲いそして治癒した。そう言ったのだ。
「な、何を……」
フィタード抗議しようとすると、サイグルドは手を向け話を聞けと促す。
「仮説だ。これは成功し、助けてくれたと信じ切った二人を彼らの家で匿っていた。小さなころから手懐ければ思いのまま。後は、時期を見計らって殿下が襲われて危険だと思わせればよい。殿下しか連れてこなかったのは、当時の記憶などないからでしょう」
凄い仮設だったが、あり得ない仮説ではなかった。もし本当にこれが立てた作戦なら上手くいった事になるだろう。ディアルディは、マカリーに懐いている。
「後は、第一王子を失脚させ第二王子のディアルディに王位を受け継がせるだけだ。だが先日、第一王子に子がいるのを知ったあなたたちは、作戦を早める事にした。違うかな?」
「違う! 俺が襲われたのは、その話を聞く前からだ! ゴロツキ達に襲われた! その後、子供を授かった話を聞いた!」
反論したのは、ディアルディだった。
「ゴロツキですか。その一度だけですか?」
「その後……山火事の日にも襲われた。そいつは精霊と契約していた者だった!」
「なるほど。本当は、もっと時間を掛けてやるつもりだったのでしょうね。でもそうはいかなくなった。山火事があったのは、発表後すぐその後でしたね。先ほどの話だと、孫が襲われたのも昨日とか。ところでお孫さんは、なぜ狙われたのですか? 脅しですか? 本当に同じ人物でしたか?」
サイグルドがルナードに問いかける。
「えぇ。同じ人物でしたよ」
思ったより柔らかい声に王臣達は驚いた。
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