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第18話
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灰色の瞳は、鏡に映る私を映し出していた。濃い紫色のふんわりした髪の左端の一掴み分を結って三つ編みし、ピンクのリボンを結んでいる。淡いブルーのワンピースで身を包み、どこから見てもかわいい10歳の令嬢だ。これが今の私。
無事10歳を迎える事が出来た。
黒髪、黒い瞳は、このピンクのリボンによって黒に近い紫色の髪と灰色の瞳に変わっている。あの帽子についていたピンクのリボンには、魔法が施されていたみたい。だからあんなに帽子が高かったと後でわかった。
母親のレーランさんと一緒の色。
うーん。マリッタに言われた言葉を気にしていたのだろうか?
とにかくリボンを身に着ける事を約束させられて今に至る。
10歳。この世界では、人生を決める一度目の時期。魔法鑑定があるらしい。
それを聞いた時には恐怖したけど、どうやら「火」「水」「風」という大きな括りがあり、それに属しているかどうか調べるだけらしいので安堵した。
それが今日これからあるのでお出かけです。
「レイリーお嬢様、行きますよ」
「あ、うん」
慌てて鞄を斜め掛けする。帽子と一緒に買ってもらったあの鞄だ。今も本を入れ持ち歩いている。そして、定位置の様にぴょーんと私の胸にジャンプし、私が抱く猫の姿の精霊ルブックバシー。
「お、お嬢様。今日ぐらいはせめて鞄は置いていったらいかがですか?」
「いやよ」
「………」
やっぱりという顔をする私専属のメアリーも健在。彼女は、かなり大人っぽくなったと思う。本来なら私も彼女と同じぐらいの年頃なのになぁ。
馬車に揺られ着いたのは、王城の一角だった。
今年10歳の子供たちと付き人で埋め尽くされている。
色とりどりの髪色。
やっぱり黒髪はいない。銀色はほどほどにいる。もう関係ないんだと思いながらも銀色の髪を気にしてしまう。
「お嬢様。緊張しておられますか?」
「ううん。ねえ、もしここで魔法を持っているとわかったらどうなるの?」
「魔法学園に通えます。というか、強制ですね」
「……そう」
魔法学園の事は一切触れていなかったけど、大丈夫だよね?
ここでは、なぜか番号順で行われる。つまり送られてきた入場券がないとここには入れない。それに番号が書いてあった。私は、12だった。
「12番の方」
「あ、お嬢様ですよ」
「うん」
緊張ぎみで呼ばれた方へと向かう。
「申し訳ありませんが、ペットは一度体から離していただけますか?」
ルブックバシーを抱っこしていたらそう言われた。
「私がお持ちしております」
メアリーに預けると……。
「普通、ペットなんか連れて来る?」
クスクスと笑う声が聞こえるが、気にしない。
「では、ここに手を乗せて下さい」
水晶玉だと思われる球体が、小座布団の上に乗せられていた。それに触れる。
「ふむ。属性はお持ちではありませんね。もう宜しいですよ」
ホッと安堵する。
「13番のお方、どうぞ」
さっきクスクスと笑っていた一人だ。真っ赤な髪で結構長身。
「こ、これは!」
驚く事に水晶玉が薄っすらと緑色に染まった。
どや顔で彼女は辺りを見渡す。どうだと言わんばかりに……私には、ふんと鼻で笑う。
「おめでとうございます。こちらへどうぞ」
係の者が駆け付け、彼女を丁重に奥へと連れて行った。
どうやら見た目と魔法の属性は全く関係ないみたいね。
「凄いですね。毎年一人ぐらいしかいないらしいですから」
「え? そんなに少ないの?」
「はい」
それじゃ、火・水・風以外の属性だと囚われるはずだわ。
「失礼致します。レイリー様でいらっしゃいますか?」
突然声を掛けられ驚いて振り向くと、女兵士が立っていた。
私は、ごくんと唾を飲み込んだ。
なぜ私の名前を。水晶も反応していなかったのに!
「何か御用でしょうか?」
メアリーが私の前に出て、そう受け答えする。
女兵士は、にっこりとして頷く。
『大丈夫よ。私がついているわ』
震える私に、ルブックバシーがそう言ってくれたのが心強かった。
無事10歳を迎える事が出来た。
黒髪、黒い瞳は、このピンクのリボンによって黒に近い紫色の髪と灰色の瞳に変わっている。あの帽子についていたピンクのリボンには、魔法が施されていたみたい。だからあんなに帽子が高かったと後でわかった。
母親のレーランさんと一緒の色。
うーん。マリッタに言われた言葉を気にしていたのだろうか?
とにかくリボンを身に着ける事を約束させられて今に至る。
10歳。この世界では、人生を決める一度目の時期。魔法鑑定があるらしい。
それを聞いた時には恐怖したけど、どうやら「火」「水」「風」という大きな括りがあり、それに属しているかどうか調べるだけらしいので安堵した。
それが今日これからあるのでお出かけです。
「レイリーお嬢様、行きますよ」
「あ、うん」
慌てて鞄を斜め掛けする。帽子と一緒に買ってもらったあの鞄だ。今も本を入れ持ち歩いている。そして、定位置の様にぴょーんと私の胸にジャンプし、私が抱く猫の姿の精霊ルブックバシー。
「お、お嬢様。今日ぐらいはせめて鞄は置いていったらいかがですか?」
「いやよ」
「………」
やっぱりという顔をする私専属のメアリーも健在。彼女は、かなり大人っぽくなったと思う。本来なら私も彼女と同じぐらいの年頃なのになぁ。
馬車に揺られ着いたのは、王城の一角だった。
今年10歳の子供たちと付き人で埋め尽くされている。
色とりどりの髪色。
やっぱり黒髪はいない。銀色はほどほどにいる。もう関係ないんだと思いながらも銀色の髪を気にしてしまう。
「お嬢様。緊張しておられますか?」
「ううん。ねえ、もしここで魔法を持っているとわかったらどうなるの?」
「魔法学園に通えます。というか、強制ですね」
「……そう」
魔法学園の事は一切触れていなかったけど、大丈夫だよね?
ここでは、なぜか番号順で行われる。つまり送られてきた入場券がないとここには入れない。それに番号が書いてあった。私は、12だった。
「12番の方」
「あ、お嬢様ですよ」
「うん」
緊張ぎみで呼ばれた方へと向かう。
「申し訳ありませんが、ペットは一度体から離していただけますか?」
ルブックバシーを抱っこしていたらそう言われた。
「私がお持ちしております」
メアリーに預けると……。
「普通、ペットなんか連れて来る?」
クスクスと笑う声が聞こえるが、気にしない。
「では、ここに手を乗せて下さい」
水晶玉だと思われる球体が、小座布団の上に乗せられていた。それに触れる。
「ふむ。属性はお持ちではありませんね。もう宜しいですよ」
ホッと安堵する。
「13番のお方、どうぞ」
さっきクスクスと笑っていた一人だ。真っ赤な髪で結構長身。
「こ、これは!」
驚く事に水晶玉が薄っすらと緑色に染まった。
どや顔で彼女は辺りを見渡す。どうだと言わんばかりに……私には、ふんと鼻で笑う。
「おめでとうございます。こちらへどうぞ」
係の者が駆け付け、彼女を丁重に奥へと連れて行った。
どうやら見た目と魔法の属性は全く関係ないみたいね。
「凄いですね。毎年一人ぐらいしかいないらしいですから」
「え? そんなに少ないの?」
「はい」
それじゃ、火・水・風以外の属性だと囚われるはずだわ。
「失礼致します。レイリー様でいらっしゃいますか?」
突然声を掛けられ驚いて振り向くと、女兵士が立っていた。
私は、ごくんと唾を飲み込んだ。
なぜ私の名前を。水晶も反応していなかったのに!
「何か御用でしょうか?」
メアリーが私の前に出て、そう受け答えする。
女兵士は、にっこりとして頷く。
『大丈夫よ。私がついているわ』
震える私に、ルブックバシーがそう言ってくれたのが心強かった。
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