成り上がりたいのなら勝手にどうぞ。僕は『テリトリー』で使い魔と楽しく過ごす事にします

すみ 小桜(sumitan)

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 僕は、譲り受けた宿屋の部屋で、ボーっとして過ごしていた。
 またギルドを探さなくてはいけない。
 たぶん、『マイペース』の様なギルドはないのだろうなと思う。

 僕のスキルの様な邪霧ジャムを退けるアイテムがないと、森の奥へはいけない。
 だとすれば、街の近くでクエストをする事になる。
 そのクエストは、採取と食料の確保動物狩りがメインで、魔獣狩りとでは、3倍以上報酬が違った。

 魔獣を倒した証として、魔石を持って帰って来るらしいけど、それも売れる。
 採取は、集めて来たモノと報酬が交換なので、魔石が売れるだけでも魔獣の方がお得……のような気がする。

 でも僕、攻撃スキルを持っていないし倒し方も知らないんだ。
 そんなので、ギルドに入れてもらえるのだろうか。

 って、ずっとここにいても食費でお金が消費されるだけだ。
 せめて、この部屋が借りている間に次を探さないと。

 僕は立ち上がり、部屋を出た。
 とにかく、クエストを受けよう。

 「えーと、何か僕が出来そうなクエストは……」

 ふとヤマネコじゃらしの採取のクエストが目についた。
 少し遠いけど、採取ではかなり高額な部類だ。
 そう言えば、分割納品で都度その分の報酬はもらえるって言っていたっけ。

 クエストランク:E 採取
 ヤマネコじゃらし 1kg
 期限:3日間以内
 報酬:1gにつき6ハカリ

 草系だとgでの単価で、近場で取られるものだとこの半分の単価だ。かさばるけど、一度やっているクエストだから場所も知っているし、一番お金を稼げるクエストだ。

 掲示板のクエストの窪みにステーブをあて、僕は受付嬢の所へと行く。ちょうど、リタさんだった。

 「あらラシルさん。『マイペース』解散になったのですよね? ギルドをお探しですか?」
 「いえ、その前に1回1人でクエストを受けてみようかと思って。攻撃スキルを持ってないし」
 「そうですか、ではステーブをお願いします」

 ガラス板の下に左手を入れると、リタさんが驚いた声を上げる。

 「ラシルさん、こちらは無理だと思われます」
 「そうなんですか? 1人だと受けるランクに制限があるのですか?」
 「そういうのはありません。あくまで目安ですので。ただ、お1人で向かわれるのですよね?」

 そうだと、僕は頷く。

 「この前、ビワードさん達と言ったので場所はわかっています。少し遠いですが、袋さえあれば詰めて持ってくるだけですので」

 リタさんは、首を横に振る。

 「これがランクEなのは、森の少し奥だからです。魔獣に鉢合わせる可能性があります。攻撃スキルも持たずに挑むクエストではありません」

 そう言われても、今まで受けていたのはEランクのクエスト。Fランクだと報酬が少ないというよりも、僕が採取するモノを知らないので、採取できないのだ。

 「大丈夫です。今まで逢いませんでしたし」
 「確かに確率は低いです。そうですね、では、ポーションはお持ちですか?」
 「ポーション?」

 って、なんだろう。

 「ポーションとは、錬金術で作った飲む薬です。魔獣によって出来た傷を癒す薬です。これを持っていく事が条件です」
 「わかりました。そうします」

 リタさんが、ホッとした顔をする。

 「リュック型の袋を貸し出します。それに詰めてそのまま返還してくださればいいです。今回だけ特別に貸し出します」
 「え? いいんですか?」
 「救済処置として、私達受付嬢の判断で行えます。まあこれが、私達に出来る精いっぱいの援助なのですけどね」
 「いいえ。助かります。袋も買わないとって思っていたので」
 「はい。リュックです。クエストの期限までの間、重量を計ってくれます。ここにメーターがあるでしょう。この青い棒が、このラインまでくれば1kgです。もし万が一、魔獣に出会ったら必ずこのリュックを置いてでも逃げて来て下さいね」
 「わかりました。ありがとうございます」

 凄い。重さまで計る袋なんて!
 袋と言うか、形はかごだけどね。上に一方がかごと縫い合わさっている布を被せて、蓋にする事ができるようになっている。
 こんな便利なのを借りれるなんてラッキーだ。

 かごを背負い、錬金市場へと向かった。
 ポーションってどんなのだろう。
 見て歩いていると、小瓶に入ったポーションが売っていた。
 手のひらサイズの小さな瓶に、ほんのり青色に色づいた液体が入っているのが、Eポーション。
 それが、1本10,000ハカリもする!

 「た、高い……」

 リタさんに言われたけど、こんなの買えないよ。
 僕が持っているお金は、10,000ハカリちょっとなんだから。

 ポーションは諦めてそのまま向かう事にする。
 きっと大丈夫。そう安易に思っていた。
 だって、一度も遭遇した事がなかったんだから。
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