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第四章 魔術師の国の王子
第三十八話
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なんと答えればいいのか。はいと答えて大丈夫だろうかとティモシーが考えあぐねていると、レオナールはスッとティモシーの首元に手を持っていく。
「これの事ですよ」
そう言って、チェーンを引っ張り、胸元にしまってあったペンダントを引っ張り出した。ランフレッドが少し驚いた顔をしていた。彼は、ティモシーがペンダントなどしているのを知らなかった。
「えっと……」
ティモシーがまたもや何と答えていいかわからないでいると、レオナールは質問をしてくる。
「少し拝見しても宜しいですか?」
ティモシーは頷くと、ペンダントを首から外し手渡す。ここで渋ってもおかしいからである。ただただ、魔術師である事がバレない事を祈るばかりだった。
「なるほど。大事になさいなさい。あなたを守ってくれるものですから」
そうレオナールは言って、ティモシーの手に返した。そのペンダントを首に掛ける。
「あなたも私と同じ銀の髪なのですね……」
突然、レオナールはティモシーの髪に触り、ジッと目を見つめ更に驚く事を言う。
「このまま伸ばしなさい。私の様に」
(なぜ!)
ティモシーは困惑する。髪は切る予定だった。今日がダメでも明日にはと。だが、皆の前でそう言われては、もう、切る事は叶わないだろう。
「あの……」
ランフレッドが何か話そうとすると、キッとレオナールが睨む。ランフレッドは何も言えず、口を閉じた。
「別に伸ばせばいいだろう? そこまで伸ばしているのだし」
ルーファスがそう言うと、グスターファスもうむっと頷く。ここにはティモシーの味方はいないかった。仕方がなく、ティモシーは頷いた。
「では刻印の方を診ましょう。私の部屋に行きましょうか」
そう言ってレオナールは立ち上がった。ティモシーも慌てて立ち上がる。
「では、後程。ティモシーこちらへ」
レオナールに言われ、チラッとランフレッドを見ると、頷くのでまたもや仕方なく、後について行く。
そして、五階の奥の部屋の前に来ると、カミーユが扉を開けた。
レオナールは部屋に入ると、どうぞっとティモシーを招き入れる。
「あなた達は、そこでお待ちなさい」
「っは」
カミーユとブラッドリーは頭を下げると、扉を閉めた。
(二人っきりかよ……)
「さて、ペンダントを外しそちらに置いて下さい」
レオナールは、部屋の中央にある気品あるソファーの前に設置してあるテーブルを指した。意図はわからないが指示に従うしかなく、ペンダントを外してテーブルの上に置いた。
するとレオナールから魔力を感じ、ハッとして振り向くと同時に、彼の右手に手のひらサイズの火の玉がボッと出現した! ティモシーはギョッとする。
(バレていた! 殺される!)
「あなたは魔術師のようですね。試させて頂きます」
「は? 試すって……ちょっと……待って下さい! 俺、魔術なんて使えません!」
ティモシーは慌ててそう言うも、レオナールはにっこりほほ笑むだけだった。
「これの事ですよ」
そう言って、チェーンを引っ張り、胸元にしまってあったペンダントを引っ張り出した。ランフレッドが少し驚いた顔をしていた。彼は、ティモシーがペンダントなどしているのを知らなかった。
「えっと……」
ティモシーがまたもや何と答えていいかわからないでいると、レオナールは質問をしてくる。
「少し拝見しても宜しいですか?」
ティモシーは頷くと、ペンダントを首から外し手渡す。ここで渋ってもおかしいからである。ただただ、魔術師である事がバレない事を祈るばかりだった。
「なるほど。大事になさいなさい。あなたを守ってくれるものですから」
そうレオナールは言って、ティモシーの手に返した。そのペンダントを首に掛ける。
「あなたも私と同じ銀の髪なのですね……」
突然、レオナールはティモシーの髪に触り、ジッと目を見つめ更に驚く事を言う。
「このまま伸ばしなさい。私の様に」
(なぜ!)
ティモシーは困惑する。髪は切る予定だった。今日がダメでも明日にはと。だが、皆の前でそう言われては、もう、切る事は叶わないだろう。
「あの……」
ランフレッドが何か話そうとすると、キッとレオナールが睨む。ランフレッドは何も言えず、口を閉じた。
「別に伸ばせばいいだろう? そこまで伸ばしているのだし」
ルーファスがそう言うと、グスターファスもうむっと頷く。ここにはティモシーの味方はいないかった。仕方がなく、ティモシーは頷いた。
「では刻印の方を診ましょう。私の部屋に行きましょうか」
そう言ってレオナールは立ち上がった。ティモシーも慌てて立ち上がる。
「では、後程。ティモシーこちらへ」
レオナールに言われ、チラッとランフレッドを見ると、頷くのでまたもや仕方なく、後について行く。
そして、五階の奥の部屋の前に来ると、カミーユが扉を開けた。
レオナールは部屋に入ると、どうぞっとティモシーを招き入れる。
「あなた達は、そこでお待ちなさい」
「っは」
カミーユとブラッドリーは頭を下げると、扉を閉めた。
(二人っきりかよ……)
「さて、ペンダントを外しそちらに置いて下さい」
レオナールは、部屋の中央にある気品あるソファーの前に設置してあるテーブルを指した。意図はわからないが指示に従うしかなく、ペンダントを外してテーブルの上に置いた。
するとレオナールから魔力を感じ、ハッとして振り向くと同時に、彼の右手に手のひらサイズの火の玉がボッと出現した! ティモシーはギョッとする。
(バレていた! 殺される!)
「あなたは魔術師のようですね。試させて頂きます」
「は? 試すって……ちょっと……待って下さい! 俺、魔術なんて使えません!」
ティモシーは慌ててそう言うも、レオナールはにっこりほほ笑むだけだった。
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