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第19話 元Sランクプレイヤーと一緒に
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「ロメイトさん!」
誰かが彼の名を呼んだ。振り返ると、スズミパーティーと元Sランクプレイヤーのダリリンスさんがこっちに向かって来ていた。
『Sランクだと? そんな者が残っていたのか?』
元って言ったでしょう? 今はAランク。僕と同じソロパーティーなんだ。
『ふむ。下がる事もあるんだな』
負傷したらしいよ。回復魔法やポーションも暫く経った怪我などは、完全回復しないらしいから。
『そうだとしても、負傷したら下がるか。結構厳しいな』
うーん。ランクって目安だからね。Sランクは、完璧なプレイヤーって事らしいからAになったんだと思う。でも、ソロで行けちゃうぐらい凄い人だよ。
ダリリンスさんは、ミスリル一式で装備を整えているらしい。僕は見ただけでは、ミスリルかなんてわからないけど。
『凄いな。ごてごて装備じゃないか』
うん。凄いね。首から覆う白い鎧。左手には小型の白い盾。長いブーツに膝当ても白。あれが全部ミスリルか。
『今の時代は、ミスリルは安いのか?』
いや、最高級の部類。
『それを惜しみもなく体中に着けているわけか。凄いな』
うん。剣もミスリルらしいから。
『しかし、黒髪だから頭だけ浮いているな』
うん。それより僕的には、それなりに重いと思うのに彼らと一緒に走って来たのに驚いている。
「状況は?」
「はい。ゴブリンは坑道にいるようです。もしかしたらかなりの数がいるかもしれません」
ロメイトさんが、険しい顔つきで答えた。それを聞いたダリリンスさんも険しい顔つきになる。
「それでも掃滅するしかないだろうな。俺達は、ここから行く事になった。地図を借りて来た。ゴブリン達が手を加えてなければ、こうなっているらしい」
ロメイトさん達が地図を覗き込む。
「トンネル側にも伝える者が向かっている。行けそうか?」
「はい。あぁ、そうだ。マルリード……」
僕は、ロメイトさんに呼ばれてドキッとした。まさかついて来いなんて言わないよね?
「その剣借りていいか? リトラの剣は使いづいらくて」
「え? あ、はい」
びっくりしたぁ。まあそうだよね。いくらなんでもEランクの僕を連れて行かないか。
「はい。どうぞ」
「悪いな。ありがとう」
「うん? 漆黒の剣はどうした?」
「あそこ。誰かさんが埋めた」
「ひでぇ。ワザとじゃないだろう!」
「リトラさんは、大雑把だからなぁ」
「ちぇ」
「ミューリィは、ここに残ってくれ。万が一ゴブリンが外に出て来た時は、ここに居る者で対処してくれ」
「わかったわ」
凄いなぁ。リトラさん達、ダリリンスさんと知り合いなんだ。
『Aランク同士だろう?』
元Sランクなんだから雲の上の人じゃないか。ほら見てみなよ。一緒に戻ってきたスズミパーティーの人達。
『確かに、君みたいに目を輝かせているな。時代なんだな。我々は、兵士に憧れなんて抱かなかったからな』
そうだね。そこは、時代かも。まあ僕もなりたくてなったわけではないけどね。でもなるもんだと思っていたから当たり前的な感じかなぁ。
お金か才能がなければ、冒険者になるのが普通の世界だからね。
「では、後は頼んだぞ。ミューリィ、マルリード」
「任せて」
「え? あ、はい」
僕にも声を掛けてくれた。
『どうやら、本当に認めてもらえたようだな。よかったな』
うん。期待に応えられる様に頑張る!
うん? 視線を感じると思ったらスズミパーティーの人が僕を見ている。
「随分と仲良くなったんだな」
「え……」
「そうなのよ。彼ね、噂と違って凄いのよ。ね」
ねっと言われても。
「へぇ……」
「何かしら」
今度は、スズミパーティーの人達が、ミューリィさんを見つめている。
「何かが違う様な」
『髪型だな……気づきそうで気づかないものなのか』
切れてしまった髪に合せて他の髪も切り揃え、切った髪は燃やしちゃったんだ。あれには驚いたけど。胸よりちょっと長かった髪は、胸より上辺りになっただけだから微妙と言えば微妙だけど、切ったのがリトラさんだから後ろから見ると、斜めなんだよね。
『後ろから見れば一目瞭然だと思うのだが?』
わかっても髪には触れられないと思う。
誰かが彼の名を呼んだ。振り返ると、スズミパーティーと元Sランクプレイヤーのダリリンスさんがこっちに向かって来ていた。
『Sランクだと? そんな者が残っていたのか?』
元って言ったでしょう? 今はAランク。僕と同じソロパーティーなんだ。
『ふむ。下がる事もあるんだな』
負傷したらしいよ。回復魔法やポーションも暫く経った怪我などは、完全回復しないらしいから。
『そうだとしても、負傷したら下がるか。結構厳しいな』
うーん。ランクって目安だからね。Sランクは、完璧なプレイヤーって事らしいからAになったんだと思う。でも、ソロで行けちゃうぐらい凄い人だよ。
ダリリンスさんは、ミスリル一式で装備を整えているらしい。僕は見ただけでは、ミスリルかなんてわからないけど。
『凄いな。ごてごて装備じゃないか』
うん。凄いね。首から覆う白い鎧。左手には小型の白い盾。長いブーツに膝当ても白。あれが全部ミスリルか。
『今の時代は、ミスリルは安いのか?』
いや、最高級の部類。
『それを惜しみもなく体中に着けているわけか。凄いな』
うん。剣もミスリルらしいから。
『しかし、黒髪だから頭だけ浮いているな』
うん。それより僕的には、それなりに重いと思うのに彼らと一緒に走って来たのに驚いている。
「状況は?」
「はい。ゴブリンは坑道にいるようです。もしかしたらかなりの数がいるかもしれません」
ロメイトさんが、険しい顔つきで答えた。それを聞いたダリリンスさんも険しい顔つきになる。
「それでも掃滅するしかないだろうな。俺達は、ここから行く事になった。地図を借りて来た。ゴブリン達が手を加えてなければ、こうなっているらしい」
ロメイトさん達が地図を覗き込む。
「トンネル側にも伝える者が向かっている。行けそうか?」
「はい。あぁ、そうだ。マルリード……」
僕は、ロメイトさんに呼ばれてドキッとした。まさかついて来いなんて言わないよね?
「その剣借りていいか? リトラの剣は使いづいらくて」
「え? あ、はい」
びっくりしたぁ。まあそうだよね。いくらなんでもEランクの僕を連れて行かないか。
「はい。どうぞ」
「悪いな。ありがとう」
「うん? 漆黒の剣はどうした?」
「あそこ。誰かさんが埋めた」
「ひでぇ。ワザとじゃないだろう!」
「リトラさんは、大雑把だからなぁ」
「ちぇ」
「ミューリィは、ここに残ってくれ。万が一ゴブリンが外に出て来た時は、ここに居る者で対処してくれ」
「わかったわ」
凄いなぁ。リトラさん達、ダリリンスさんと知り合いなんだ。
『Aランク同士だろう?』
元Sランクなんだから雲の上の人じゃないか。ほら見てみなよ。一緒に戻ってきたスズミパーティーの人達。
『確かに、君みたいに目を輝かせているな。時代なんだな。我々は、兵士に憧れなんて抱かなかったからな』
そうだね。そこは、時代かも。まあ僕もなりたくてなったわけではないけどね。でもなるもんだと思っていたから当たり前的な感じかなぁ。
お金か才能がなければ、冒険者になるのが普通の世界だからね。
「では、後は頼んだぞ。ミューリィ、マルリード」
「任せて」
「え? あ、はい」
僕にも声を掛けてくれた。
『どうやら、本当に認めてもらえたようだな。よかったな』
うん。期待に応えられる様に頑張る!
うん? 視線を感じると思ったらスズミパーティーの人が僕を見ている。
「随分と仲良くなったんだな」
「え……」
「そうなのよ。彼ね、噂と違って凄いのよ。ね」
ねっと言われても。
「へぇ……」
「何かしら」
今度は、スズミパーティーの人達が、ミューリィさんを見つめている。
「何かが違う様な」
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切れてしまった髪に合せて他の髪も切り揃え、切った髪は燃やしちゃったんだ。あれには驚いたけど。胸よりちょっと長かった髪は、胸より上辺りになっただけだから微妙と言えば微妙だけど、切ったのがリトラさんだから後ろから見ると、斜めなんだよね。
『後ろから見れば一目瞭然だと思うのだが?』
わかっても髪には触れられないと思う。
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