30 / 43
試み
しおりを挟む
はぁ……。
ため息が出てしまった。何か役に立ちたいな。
『ねえ、彼らに弓の扱い方を教えてもらえないかしら』
弓? なぜに弓? あぁ、狩りの話を聞いたからかな?
でもクロラが言うのだから聞いてみよう。
「あの、オレも何かの役に立ちたい。だから弓の扱い方を教えてほしい」
オレがそう言うと二人は驚いた。
まあ武器を手にしたいと言ったのだから当然か。戦うと宣言したようなものだ。
「うーん。そんなのでドンには勝てないとは思うが、何も出来ないよりはマシか。いいだろう。使い方を教えてやる」
レックスさんが、教えてくれる事になった。
ヤンさんに聞くと、弓をスーッと出して来て驚く。彼らも一応狩りをするらしい。
地球のリスとはちょっと違うようだ。まあ服を着て、魔道具などを扱っている時点で全然別物だけど。
夜までレックスさんに、弓の扱い方を習った。
この猫の手で弓を弾くのが難しく、途中で矢が飛んで行ってしまう事がしばしば。
あまりの下手さにレックスさんが苦笑い。
『爪を使って引いてみる?』
うん? 爪に弦をひっかけるって事だろうか。それなら上手くいく?
やってみると意外と上手く行った。
あとは、的に当てるだけ。まあ全然簡単にはいかなかったけど。
的にする木を定め、それに狙い放つも木には当たらず。意外と難しい。
あぁ、腕が痛い。弓を引くって意外と力がいる。
これ明日も筋肉痛かも。
次の日、驚く事に腕輪の対策メドがついたとヤンさんが液体を持ってきた。
オレ達は、それを覗き込む。青い液体だ。
「ヤンさん、これは一体なんですか?」
レックスさんが聞いた。
「これは、私が開発した肌にくっつく水です。そして凝固します」
「……?」
オレ達は、聞いてもピンとこない。
「つまりこれに腕を突っ込み、肌に吸着させるという事です。固まれば、針を通しません」
「なるほど」
ロンドさんが、嬉しそうに頷いた。
「しかし、この腕輪、ぴったりと肌に密着して動きもしないぐらいだが?」
「それなのですが、どうやら隙間ができたら感知して変化するようなのです。つまり隙間が出来る一瞬があるということ。それを利用しようと思います」
「そんなに上手くいくのか?」
レックスさんが、怪訝な顔で青い液体を凝視する。
失敗すれば、毒針がささるのだからそう思うよね。
「確認はできるのか? 固まったとか、肌にちゃんと張り付いているとか」
「はい。その道具もあります。なので、上手くいくか検証しましょう」
ヤンさんが、キラキラした目でオレ達に言った。
うん。研究者の目だ。オレ達は被験者。しかも三人しかいない。うん。むごいことはしないだろう。
オレ達は、青い水に腕を入れ、グーパーグーパーをひたすら繰り返す。
筋肉を動かす事で腕に隙間を作りだす作戦だ。上手くいけばいいけど。昨日の弓の練習のせいで、筋肉痛のオレは、このグーパーでさえ痛い。
この青い水が固まるのは肌に触れた部分だけらしく、グーパーしている間に浸した腕がまるで凍り付いた様に動かなくなっていく。何となく恐怖だ。
その度に、ヤンさんがアイテムをつかって、剥がしてくれた。
この日は、これの繰り返し。
筋肉痛を我慢してやったけど、オレは筋肉があまりないらしく隙間ができなかったようで、この実験は失敗に終わった。ちなみに装備だけど、皮膚と認識されたのか猫の手も固まり、オレは驚いたのだった。
ため息が出てしまった。何か役に立ちたいな。
『ねえ、彼らに弓の扱い方を教えてもらえないかしら』
弓? なぜに弓? あぁ、狩りの話を聞いたからかな?
でもクロラが言うのだから聞いてみよう。
「あの、オレも何かの役に立ちたい。だから弓の扱い方を教えてほしい」
オレがそう言うと二人は驚いた。
まあ武器を手にしたいと言ったのだから当然か。戦うと宣言したようなものだ。
「うーん。そんなのでドンには勝てないとは思うが、何も出来ないよりはマシか。いいだろう。使い方を教えてやる」
レックスさんが、教えてくれる事になった。
ヤンさんに聞くと、弓をスーッと出して来て驚く。彼らも一応狩りをするらしい。
地球のリスとはちょっと違うようだ。まあ服を着て、魔道具などを扱っている時点で全然別物だけど。
夜までレックスさんに、弓の扱い方を習った。
この猫の手で弓を弾くのが難しく、途中で矢が飛んで行ってしまう事がしばしば。
あまりの下手さにレックスさんが苦笑い。
『爪を使って引いてみる?』
うん? 爪に弦をひっかけるって事だろうか。それなら上手くいく?
やってみると意外と上手く行った。
あとは、的に当てるだけ。まあ全然簡単にはいかなかったけど。
的にする木を定め、それに狙い放つも木には当たらず。意外と難しい。
あぁ、腕が痛い。弓を引くって意外と力がいる。
これ明日も筋肉痛かも。
次の日、驚く事に腕輪の対策メドがついたとヤンさんが液体を持ってきた。
オレ達は、それを覗き込む。青い液体だ。
「ヤンさん、これは一体なんですか?」
レックスさんが聞いた。
「これは、私が開発した肌にくっつく水です。そして凝固します」
「……?」
オレ達は、聞いてもピンとこない。
「つまりこれに腕を突っ込み、肌に吸着させるという事です。固まれば、針を通しません」
「なるほど」
ロンドさんが、嬉しそうに頷いた。
「しかし、この腕輪、ぴったりと肌に密着して動きもしないぐらいだが?」
「それなのですが、どうやら隙間ができたら感知して変化するようなのです。つまり隙間が出来る一瞬があるということ。それを利用しようと思います」
「そんなに上手くいくのか?」
レックスさんが、怪訝な顔で青い液体を凝視する。
失敗すれば、毒針がささるのだからそう思うよね。
「確認はできるのか? 固まったとか、肌にちゃんと張り付いているとか」
「はい。その道具もあります。なので、上手くいくか検証しましょう」
ヤンさんが、キラキラした目でオレ達に言った。
うん。研究者の目だ。オレ達は被験者。しかも三人しかいない。うん。むごいことはしないだろう。
オレ達は、青い水に腕を入れ、グーパーグーパーをひたすら繰り返す。
筋肉を動かす事で腕に隙間を作りだす作戦だ。上手くいけばいいけど。昨日の弓の練習のせいで、筋肉痛のオレは、このグーパーでさえ痛い。
この青い水が固まるのは肌に触れた部分だけらしく、グーパーしている間に浸した腕がまるで凍り付いた様に動かなくなっていく。何となく恐怖だ。
その度に、ヤンさんがアイテムをつかって、剥がしてくれた。
この日は、これの繰り返し。
筋肉痛を我慢してやったけど、オレは筋肉があまりないらしく隙間ができなかったようで、この実験は失敗に終わった。ちなみに装備だけど、皮膚と認識されたのか猫の手も固まり、オレは驚いたのだった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる