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召喚! あ、かわいい……
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「召喚」
オレの口から出た言葉に反応して、目の前の床が円状に光始める。
ほ、本当に召喚が出来ちゃう?
「すげぇ、魔法だ」
鎧の人達がなぜか口々に呟いていた。
さっきオレ達も魔法で召喚されたのでは? もしかして、魔法を使える者って少なくて、ここにいる中でこのフードの男しか使えないとか?
ここまで驚くって事はそうなんだろうなぁ。というか、あっちでは魔法なんて使えなかったから夢の世界だとしても感動だ。
光り輝く円に小さな魔法陣が出来上がる。そこに黒い影がちんまり。
思ったより小さいな。どんな装備だ?
じっと見つめていると、魔法陣が消え去りそこに現れたのは真っ黒なたれ耳ウサギ。
あれってウサギ……だよな。失敗したのか? ウサギ……。
「………」
「……う、ウサギ!! か、かわいい!!」
つい叫んでしまった。白より真っ黒な方がウサギってかわいいかも。(個人的な感想です)
オレ的には、これでいい。いやこれがいい。
「おい、私は装備を召喚すれと言ったのだが?」
フードの男がぐるりと顔だけオレに向け、低い声で言った。
なんか凄く怒ってないか? ウサギ、かわいいじゃないか! ねえ。
黒いウサギに向かってニコッと微笑むと、ぴょんぴょんとかわいく跳ねこちらへと向かって来る。
「あのウサギを捕まえて、外へ放り投げておけ!」
「だめ!」
フードの男の指示に慌ててオレは、ウサギを抱きしめた。こんなかわいいウサギを放りだそうだなんて、なんて乱暴な奴なんだ。
「べ、別に放り投げる必要はないじゃないか!」
「きさま、閣下に向かって……」
「よせ。時間が迫っている。行くぞ」
「っは」
閣下? そういえばあのフードの男はさっきからそう呼ばれていた。閣下って偉い人だよね? しかも国とかの……。そういえば、オレ達何の為に召喚された設定なんだろう。
もちろん勇者召喚ではないよな。待遇が悪いし。いやむしろ奴隷扱い。
「いいか、お前たち。これからある場所へ向かってもらう。その腕輪を付けている限り、お前たちの居場所はわかる。逃げようなどと変な気を起こすなよ」
「逃げるも何も、元の場所へ戻せよ! 俺は従う気はない!」
猫くんがキッと鎧の人を睨む。というか、オレ達と会話しているこの人以外撤収して行ったんだけど。本当にこの腕輪はGPS付きなんだろうか。それとも3対1でも余裕なほど強い人とか? ま、オレは戦えませんけど。二人は強そうだ。
「残念だがそれは不可能だ。こっちから向こう側への召喚はまだ開発されてないからな」
「な! だったら尚更従う義理はない」
「死にたいのか?」
「っふ。我々を生かしておく気などないだろう。これからさせる行為は、違法な事ではないのか? 簡単に殺せる道具を付けたのだからな」
た、確かに。自分でも他人でも外せる。変な話、もし本当に毒針仕込みなら気を付けていないと、隙を狙って外されれば簡単に殺される。
犬くんの言葉に夢ながら背中に悪寒が走った。そうしたらなんだか目が回って来たような気がする。ちょっと揺れている?
オレはギュッと、ウサギを抱きしめた。
オレの口から出た言葉に反応して、目の前の床が円状に光始める。
ほ、本当に召喚が出来ちゃう?
「すげぇ、魔法だ」
鎧の人達がなぜか口々に呟いていた。
さっきオレ達も魔法で召喚されたのでは? もしかして、魔法を使える者って少なくて、ここにいる中でこのフードの男しか使えないとか?
ここまで驚くって事はそうなんだろうなぁ。というか、あっちでは魔法なんて使えなかったから夢の世界だとしても感動だ。
光り輝く円に小さな魔法陣が出来上がる。そこに黒い影がちんまり。
思ったより小さいな。どんな装備だ?
じっと見つめていると、魔法陣が消え去りそこに現れたのは真っ黒なたれ耳ウサギ。
あれってウサギ……だよな。失敗したのか? ウサギ……。
「………」
「……う、ウサギ!! か、かわいい!!」
つい叫んでしまった。白より真っ黒な方がウサギってかわいいかも。(個人的な感想です)
オレ的には、これでいい。いやこれがいい。
「おい、私は装備を召喚すれと言ったのだが?」
フードの男がぐるりと顔だけオレに向け、低い声で言った。
なんか凄く怒ってないか? ウサギ、かわいいじゃないか! ねえ。
黒いウサギに向かってニコッと微笑むと、ぴょんぴょんとかわいく跳ねこちらへと向かって来る。
「あのウサギを捕まえて、外へ放り投げておけ!」
「だめ!」
フードの男の指示に慌ててオレは、ウサギを抱きしめた。こんなかわいいウサギを放りだそうだなんて、なんて乱暴な奴なんだ。
「べ、別に放り投げる必要はないじゃないか!」
「きさま、閣下に向かって……」
「よせ。時間が迫っている。行くぞ」
「っは」
閣下? そういえばあのフードの男はさっきからそう呼ばれていた。閣下って偉い人だよね? しかも国とかの……。そういえば、オレ達何の為に召喚された設定なんだろう。
もちろん勇者召喚ではないよな。待遇が悪いし。いやむしろ奴隷扱い。
「いいか、お前たち。これからある場所へ向かってもらう。その腕輪を付けている限り、お前たちの居場所はわかる。逃げようなどと変な気を起こすなよ」
「逃げるも何も、元の場所へ戻せよ! 俺は従う気はない!」
猫くんがキッと鎧の人を睨む。というか、オレ達と会話しているこの人以外撤収して行ったんだけど。本当にこの腕輪はGPS付きなんだろうか。それとも3対1でも余裕なほど強い人とか? ま、オレは戦えませんけど。二人は強そうだ。
「残念だがそれは不可能だ。こっちから向こう側への召喚はまだ開発されてないからな」
「な! だったら尚更従う義理はない」
「死にたいのか?」
「っふ。我々を生かしておく気などないだろう。これからさせる行為は、違法な事ではないのか? 簡単に殺せる道具を付けたのだからな」
た、確かに。自分でも他人でも外せる。変な話、もし本当に毒針仕込みなら気を付けていないと、隙を狙って外されれば簡単に殺される。
犬くんの言葉に夢ながら背中に悪寒が走った。そうしたらなんだか目が回って来たような気がする。ちょっと揺れている?
オレはギュッと、ウサギを抱きしめた。
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