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宿命なのか?運命なのか?

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「ねぇねぇ久保安君、あの先生ってカバに似てない?」
 「あ、ホントだ。そっくりw」
 俺に全くと言っていいほど、気軽に声をかけてくれる彼女は、山内恵美さん。教室に入った瞬間からのインパクトがとても強かった。
 また驚くことに、俺の顔面に全く恐れず話してくれる。最初は友達としても見てくれない、と思っていたがそんな事は全然無かった。むしろ物凄い友達感!
 「久保安君。」
 「ん?なに?」
 彼女の方を振り向くと、
 「フフフ、なんでもないよっ」
 イタズラめいた笑顔を浮かべていた。
 「もしかして、呼んだだけ?」
 「うん、二ヒヒ」
  (な、ななななんだ、この笑顔の破壊力は。なにこれ、可愛すぎじゃね?人間だよね?俺がこんなに可愛らしい子と仲良くしていいのか?)
 俺は顔がにやけるのを隠すため、必死に口の中をずっと噛んでいた。そしてなにより…
 (というか俺に笑いかけてくれる人、生きてたんだ。)
 そんな嬉しみがこみ上げてきた。あれ、なにこれ…目から汗出てきちゃったよ…。

 「あわわ!!く、久保安君!?」
 「ごめ…。め、目にゴミが…。」
 泣いてるなんて絶対バレたくない。また必死に口の中を噛んだ。
 
 
 放課後になった。俺はゴミ出しをするのを思い出し、特に用もないので早めに家に帰った。
 「ただいま~。」
 やはり男の一人暮らしは簡易なものでは無い。なので、せめて部屋の清潔さだけは保とうと決めていた。部屋の大まかな片付けをしていると
 「そういえば山内さん、いい人だったなぁ。」
 ふと、山内さんが頭をよぎった。彼女の話し声、様相、笑った時の顔。さまざまな事が映し出された。
 「…彼氏とかいるの…かな。」
 やっぱりあんなにいい子で可愛らしいのなら、彼氏の1人もいるのだろうか。でも、もしも彼氏がいなかったら……
 「っ!いや!ないないない!俺じゃ無理だっつーの!……あっ。」
 我に返って自分の凄い独り言に顔を赤くしつつ、集まったゴミを捨てに行こうとドアを開けた時。
 「えーと。鍵、鍵。あれ、」
 見た事のある髪型に、聞き覚えのある声。彼女は俺の存在に気づき、こっちを振り向いた。もしかして…
 「あれ、山内さん?」
 「へ?く、久保安君?」
 山内さんの予想以上な素っ頓狂の返しに思わず、
 「プッフフwどうしたの?こんなところで。」
 「あ、えっと!その、ここ私の部屋なんだ…。」
 オーマイガッ。神様、俺に最大の転機をありがとうそして、アーメン。ハレルヤ。
 「あ!あれ?もしかして、最近引っ越してきたのって…」
 「そうです、お隣の久保安と申します。よろしくね。」
 この日から彼女と、学校以外の「お隣さん」が始まった。











こんにちは、魚有です。えー、ここでまさかの2人は同じアパートのお隣さんだったんです。現在、恵美は久保安にゾッコン中。いっぽう久保安も負けずと彼女の事を気になりだします。そして恵美の一人暮らしを始めた原因が、次回分かります。今後の2人の展開に乞うご期待!
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