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第十四章
王都の死闘
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ダーのパーティーは全員が戒めを解かれ、装備を整えていた。
コニンは愛用の銀色の弓から矢を放ち、エクセは小さな杖を振り回して魔法陣を宙に描き、ファイア・バードを召還する。
ルカが前衛の戦士たちにセンテスの加護を授け、ダーとクロノ、スカーテミスはそれぞれの得物を手に、ずいと前方へと突進する。
だが、ヒエン・ササキ2世ことヴァルシパル国王は、こゆるぎもしない。
自身の四方に漆黒の障壁をはりめぐらし、あらゆる攻撃を撥ね退ける。
かれは片手に、漆黒に染まった杖を身につけている。
かつては異世界勇者の武器のひとつであった杖だ。
魔王の力をその身に宿したとはいえ、異世界勇者の武器は異世界勇者にしか扱えぬ。それでもなお、彼がそれを身につけているのは、単なる身を飾るステイタス以上のものがあるとは思えなかった。その杖の上に乗っている、球状の物体を見るまでは。
あれは何と言ったか。かつて得意満面な顔でヤマダはこういった。「これが暗黒神の魔石」だと。ダーはひそかに身震いした。もし、ヤマダがその珠の真の力を引き出せていなかったとしたら――。
しかし、放たれた矢が戻ることがないように、戦士たちは後ろへ引くことができぬ。ダーは歯を食いしばり、あらゆる敵を屠ってきた父ニーダ譲りの戦斧をふるった。
魔王は泰然として、彼らの攻撃を受けている。一切の痛痒を感じていないのは、その表情を見るかぎりあきらかだった。
「それで攻撃のつもりか?」
哄笑が彼らの耳朶をうった。やがて頃はよしと見たか、ヒエンはその杖を振るった。無詠唱による暗黒魔法。『深淵の業火』だ。
漆黒の炎が猟犬のごとく、ダーたちに襲いかかった。
前衛の戦士たちはすかさず大地を蹴った。かろうじて左右へ飛び、射程範囲外へと転がり致命傷をまぬがれる。以前、異世界勇者たちはこの攻撃を受けていたが、かれらは異世界武器の加護により身体強化されている。生身のダーたちが直撃を食らえば、ひとたまりもないであろう。
しかし怖れてばかりはいられない。
回避し、地に両脚をつけたクロノは、すかさず魔王との距離を詰め、黒いバスタード・ソードを突いた。これも通らない。そこにスカーテミスが加わり、ともに剣を振るうも、かの魔王の結界は完璧だった。魔王の口許は、滑稽なショーを見るかのように笑みにゆがんでいる。
「貴様ら凡百の戦士が束になってかかってこようが、何ほどのこともないわ!」
「いかん、かわせ!!」
ダーの叫びより先に、クロノトールは反応していた。
超至近距離で、ブラック・タートル・シールドを構える。
深淵の業火は盾を直撃した。暗き炎が盾を飲みこみ、また至近距離にいた魔王へと逆流する。カランという音がして、盾は地にころがった。
中央部分がどろどろに溶解し、風穴が開いている。
黒魔獣《ブラギドン》の硬い甲羅から造りだした、ダー渾身の作である盾はついに使い物にならなくなった。そして。黒い炎から身を現した魔王は、一切のダメージを負っているようには見えぬ。
「痴れ者が! 魔法の反射を狙ったのであろうが、自分の術でダメージを負う馬鹿がおるか! 貴様らの手に、四獣神の珠がない以上、打つ手はないと知れ!」
クロノの策は無に帰した。それどころか、大切な盾を失い、さらなる窮地に立たされてしまった。コニンとエクセも、さかんに弓矢と攻撃呪文による援護射撃を放っているが、まったくヒエン・ササキに攻撃が届いている様子はなかった。
「さあ、そろそろとどめといくか」
ササキが更なる魔法を展開しようとしたときである。
彼らをかばうように、前に出てきた人物がいる。
ルカだった。女僧侶であり、戦闘には不向きな彼女がとった唐突な行動に、誰もが驚きを禁じえない。
「ルカ、なにを考えとる! さがるんじゃ」
ダーの声に笑顔で応じ、魔王の前に立ちふさがる彼女。魔王は可憐な花を手折るように、一切の容赦なく、漆黒の炎で彼女を灼いた。一行の悲鳴がとどろいた。
魔王の表情は笑みに崩れ、しかしすぐに驚きに変わった。
ルカは何事もなかったかのように、涼しい顔をして立っている。
「術が不完全であったか」
魔王はそうつぶやき、さらに暗黒呪文を放つ。だが、それも彼女の身を焼くことはできない。一行は気付いた。彼女の身が緑の光に包まれているのを。
「それは、玄武の珠の力――!?」
全員が驚きに眼を瞠った。ルカはいたずらっぽく笑った。
その背後にすっと姿を現したのは、ベスリオスだ。ハイドアンドシークの力で、隠れていたのだ。
「渡すのが遅れて悪かったね。なかなか入手が難しくてさ」
「馬鹿な、珠は余の力で、地下に封印していたはず。きさまのような冒険者ふぜいが、どうやってそれを破ったというのだ?」
「冒険者ふぜいで悪かったね。ある方の協力を得てね」
ベスは不満げに口を尖らせた。その燃えるような紅い髪の後ろに、もうひとつの紅い髪が立っていた。忘れようとしても忘れることのできぬ、燃えさかる紅蓮の炎のような刺激的な美貌の持ち主は――
「私が解呪したのさ。なに、こういうのは得意分野だからね」
深緑の魔女、ヴィアンカだった。
「ちいっ」という舌打ちとともに魔王が放った呪文を、魔女はその手に持った巨大な杖ですべて反射する。ヴィアンカは艶然とした笑みを浮かべると、3人に珠を投げてよこした。
ダーには青龍の珠を。
エクセには紅い朱雀の珠を。
クロノには白虎の珠を。
「えっ、こっちはなにもないの?」
と、コニンとスカーテミスのふたりは、あからさまにガッカリした表情を浮かべた。
「仕方ないじゃない。珠は4つしかないんだから。あなたたちは私と同じく、サポートサポート」
「ううっ、納得いかないなあ……」
「まあ落ちこむでないコニン。単なる役割分担というやつであろう。ワシらが倒れたら、次はおぬしたちが代わって球を使うのじゃ」
不承不承ながらも頷くコニン。
そうしたやりとりも、魔王には不快だったようである。
「おのれらこの魔王を前にして、余裕ではないか」
「……余裕というわけでもないけど……」
「あなたがさきほど、自分で言ったではありませんか。私たちの手に四獣神の珠がないと、打つ手がないって」
「つまり今は、打つ手があるということじゃ」
「ようもほざいたものよ、ようし、魔王の真の力を思い知らせてやろう」
激闘が始まった。
ダーは青龍の珠の力で青い光輝につつまれ、クロノの漆黒の鎧は白虎の珠の力で純白のように見える。ふたりは互いに頷きあうと、それぞれの武器を振るって魔王に肉薄する。もう魔王の表情にも余裕の色は浮かんでいなかった。
彼がどのような強力な呪文を放とうと、すべて、ルカの玄武の珠の力に阻まれる。さらに珠の加護を得たクロノとダーの斬撃は、それまで無敵を誇っていた魔王の障壁を打ち破った。
じりじりと防戦一方に立たされた魔王、ヒエン・ササキは、強力な呪文を連続ではなった。まず深淵の業火を連続で放ち、さらに見たこともないような魔法を無詠唱で打ち出す。
だが、無駄であった。それらの攻撃のすべてをルカが防いでいる。いままではダーが玄武と青龍の両方を持っていたため、魔力枯渇も早かった。しかし、役割分担が図られた現在は、もうその心配もないのだ。
しかしダーは、不審であった。
なぜ魔王はこうも、効かぬとわかっている呪文を連続でくりだすのか。
「――いけない、頭上を見なさい!」
ヴィアンカの警告の声で、一同は揃って空を見上げた。
巨大な岩が――隕石が降ってきている。
かつてヤマダがザラマ・メテオライトと名づけた攻撃魔法であった。
「馬鹿な! 国王よ、みずからの手で王都を灰燼に帰するつもりか!!」
コニンは愛用の銀色の弓から矢を放ち、エクセは小さな杖を振り回して魔法陣を宙に描き、ファイア・バードを召還する。
ルカが前衛の戦士たちにセンテスの加護を授け、ダーとクロノ、スカーテミスはそれぞれの得物を手に、ずいと前方へと突進する。
だが、ヒエン・ササキ2世ことヴァルシパル国王は、こゆるぎもしない。
自身の四方に漆黒の障壁をはりめぐらし、あらゆる攻撃を撥ね退ける。
かれは片手に、漆黒に染まった杖を身につけている。
かつては異世界勇者の武器のひとつであった杖だ。
魔王の力をその身に宿したとはいえ、異世界勇者の武器は異世界勇者にしか扱えぬ。それでもなお、彼がそれを身につけているのは、単なる身を飾るステイタス以上のものがあるとは思えなかった。その杖の上に乗っている、球状の物体を見るまでは。
あれは何と言ったか。かつて得意満面な顔でヤマダはこういった。「これが暗黒神の魔石」だと。ダーはひそかに身震いした。もし、ヤマダがその珠の真の力を引き出せていなかったとしたら――。
しかし、放たれた矢が戻ることがないように、戦士たちは後ろへ引くことができぬ。ダーは歯を食いしばり、あらゆる敵を屠ってきた父ニーダ譲りの戦斧をふるった。
魔王は泰然として、彼らの攻撃を受けている。一切の痛痒を感じていないのは、その表情を見るかぎりあきらかだった。
「それで攻撃のつもりか?」
哄笑が彼らの耳朶をうった。やがて頃はよしと見たか、ヒエンはその杖を振るった。無詠唱による暗黒魔法。『深淵の業火』だ。
漆黒の炎が猟犬のごとく、ダーたちに襲いかかった。
前衛の戦士たちはすかさず大地を蹴った。かろうじて左右へ飛び、射程範囲外へと転がり致命傷をまぬがれる。以前、異世界勇者たちはこの攻撃を受けていたが、かれらは異世界武器の加護により身体強化されている。生身のダーたちが直撃を食らえば、ひとたまりもないであろう。
しかし怖れてばかりはいられない。
回避し、地に両脚をつけたクロノは、すかさず魔王との距離を詰め、黒いバスタード・ソードを突いた。これも通らない。そこにスカーテミスが加わり、ともに剣を振るうも、かの魔王の結界は完璧だった。魔王の口許は、滑稽なショーを見るかのように笑みにゆがんでいる。
「貴様ら凡百の戦士が束になってかかってこようが、何ほどのこともないわ!」
「いかん、かわせ!!」
ダーの叫びより先に、クロノトールは反応していた。
超至近距離で、ブラック・タートル・シールドを構える。
深淵の業火は盾を直撃した。暗き炎が盾を飲みこみ、また至近距離にいた魔王へと逆流する。カランという音がして、盾は地にころがった。
中央部分がどろどろに溶解し、風穴が開いている。
黒魔獣《ブラギドン》の硬い甲羅から造りだした、ダー渾身の作である盾はついに使い物にならなくなった。そして。黒い炎から身を現した魔王は、一切のダメージを負っているようには見えぬ。
「痴れ者が! 魔法の反射を狙ったのであろうが、自分の術でダメージを負う馬鹿がおるか! 貴様らの手に、四獣神の珠がない以上、打つ手はないと知れ!」
クロノの策は無に帰した。それどころか、大切な盾を失い、さらなる窮地に立たされてしまった。コニンとエクセも、さかんに弓矢と攻撃呪文による援護射撃を放っているが、まったくヒエン・ササキに攻撃が届いている様子はなかった。
「さあ、そろそろとどめといくか」
ササキが更なる魔法を展開しようとしたときである。
彼らをかばうように、前に出てきた人物がいる。
ルカだった。女僧侶であり、戦闘には不向きな彼女がとった唐突な行動に、誰もが驚きを禁じえない。
「ルカ、なにを考えとる! さがるんじゃ」
ダーの声に笑顔で応じ、魔王の前に立ちふさがる彼女。魔王は可憐な花を手折るように、一切の容赦なく、漆黒の炎で彼女を灼いた。一行の悲鳴がとどろいた。
魔王の表情は笑みに崩れ、しかしすぐに驚きに変わった。
ルカは何事もなかったかのように、涼しい顔をして立っている。
「術が不完全であったか」
魔王はそうつぶやき、さらに暗黒呪文を放つ。だが、それも彼女の身を焼くことはできない。一行は気付いた。彼女の身が緑の光に包まれているのを。
「それは、玄武の珠の力――!?」
全員が驚きに眼を瞠った。ルカはいたずらっぽく笑った。
その背後にすっと姿を現したのは、ベスリオスだ。ハイドアンドシークの力で、隠れていたのだ。
「渡すのが遅れて悪かったね。なかなか入手が難しくてさ」
「馬鹿な、珠は余の力で、地下に封印していたはず。きさまのような冒険者ふぜいが、どうやってそれを破ったというのだ?」
「冒険者ふぜいで悪かったね。ある方の協力を得てね」
ベスは不満げに口を尖らせた。その燃えるような紅い髪の後ろに、もうひとつの紅い髪が立っていた。忘れようとしても忘れることのできぬ、燃えさかる紅蓮の炎のような刺激的な美貌の持ち主は――
「私が解呪したのさ。なに、こういうのは得意分野だからね」
深緑の魔女、ヴィアンカだった。
「ちいっ」という舌打ちとともに魔王が放った呪文を、魔女はその手に持った巨大な杖ですべて反射する。ヴィアンカは艶然とした笑みを浮かべると、3人に珠を投げてよこした。
ダーには青龍の珠を。
エクセには紅い朱雀の珠を。
クロノには白虎の珠を。
「えっ、こっちはなにもないの?」
と、コニンとスカーテミスのふたりは、あからさまにガッカリした表情を浮かべた。
「仕方ないじゃない。珠は4つしかないんだから。あなたたちは私と同じく、サポートサポート」
「ううっ、納得いかないなあ……」
「まあ落ちこむでないコニン。単なる役割分担というやつであろう。ワシらが倒れたら、次はおぬしたちが代わって球を使うのじゃ」
不承不承ながらも頷くコニン。
そうしたやりとりも、魔王には不快だったようである。
「おのれらこの魔王を前にして、余裕ではないか」
「……余裕というわけでもないけど……」
「あなたがさきほど、自分で言ったではありませんか。私たちの手に四獣神の珠がないと、打つ手がないって」
「つまり今は、打つ手があるということじゃ」
「ようもほざいたものよ、ようし、魔王の真の力を思い知らせてやろう」
激闘が始まった。
ダーは青龍の珠の力で青い光輝につつまれ、クロノの漆黒の鎧は白虎の珠の力で純白のように見える。ふたりは互いに頷きあうと、それぞれの武器を振るって魔王に肉薄する。もう魔王の表情にも余裕の色は浮かんでいなかった。
彼がどのような強力な呪文を放とうと、すべて、ルカの玄武の珠の力に阻まれる。さらに珠の加護を得たクロノとダーの斬撃は、それまで無敵を誇っていた魔王の障壁を打ち破った。
じりじりと防戦一方に立たされた魔王、ヒエン・ササキは、強力な呪文を連続ではなった。まず深淵の業火を連続で放ち、さらに見たこともないような魔法を無詠唱で打ち出す。
だが、無駄であった。それらの攻撃のすべてをルカが防いでいる。いままではダーが玄武と青龍の両方を持っていたため、魔力枯渇も早かった。しかし、役割分担が図られた現在は、もうその心配もないのだ。
しかしダーは、不審であった。
なぜ魔王はこうも、効かぬとわかっている呪文を連続でくりだすのか。
「――いけない、頭上を見なさい!」
ヴィアンカの警告の声で、一同は揃って空を見上げた。
巨大な岩が――隕石が降ってきている。
かつてヤマダがザラマ・メテオライトと名づけた攻撃魔法であった。
「馬鹿な! 国王よ、みずからの手で王都を灰燼に帰するつもりか!!」
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