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第六話
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西塔は少女を椅子に座らせると、手錠で両手を抑え込んだ。もちろんロリコンと言うわけではないし監禁するためでもない。ただ少女が暴れるからだ。
「離して。ママがママが待ってる」
「お兄さんの用事が終ったら帰って良いからねー」
「早く帰して、ママがまた殺されちゃう!!」
妙な言い方だが、西塔にとってはどうでもいい情報とも言えるし、今から彼女にすることは「中身」を変えるのだから興味がないのだ。
部屋に蝋燭を灯し、花の甘い香りのお香で少女の視点が虚ろになって来た。それを確認すると西塔は椅子を少女の前に置き自分が座る。斎藤は眼帯を外すと眼帯の下は虹色の様に模様されたビー玉のようだった。本来なら目玉と呼ぶべきところにビー玉が入っているような表現になってしまうが、ここから先が本題になる。
海東は事務所前に立っていた。眼帯で杖を持っている自称探偵の男の建物と言われた場所とも言われたが、ボロボロで機能しているのか分からないほどのさびれた建物だった。階段も埃が積もっており誰か出入りしているかさえ分からないほどだ。
そして扉のドアノブを見ても埃がたまっている。拳銃を持つことを許された海東は、拳銃を出しながらも静かに扉のドアノブに手を触れそうになった時、ドアノブが勝手にガチャリと鳴り開けられたのかと下がって拳銃をかまえた。だが、そこに人は居なかった。誰も居ない事務所であり机もない状態で椅子が一つぽつんと置いてあった。
「何年ぶりだ?この事務所に人がくるのは」
声がする方向に拳銃を向けるとフワフワと煙のようなものが動いていた。埃でも立ててしまったかと思うが、その煙は段々と人の顔を作り出し青年の姿になり眼帯で足がなく杖を突いているように見える半透明で現れた。目の前の事に驚くが、まやかしなど信じない海東は煙で出来た青年に殴りかかるがモヤっと消えて再び形が戻る。
「君みたいな人は嫌いだなぁ・・・。でもここを見つけたってことは、あの婆から聞いたんだろ?何の用?」
理解は出来ないが、自分が見た眼帯の杖の男ではないと思い踵を返そうとすると
「あー!待ってよ!せめて要件言ってよ!二十年以上暇なんだよ!」
海東は嫌そうな顔で振り返ると
「お前と同じ眼帯と、杖を持った自称探偵を探してただけで、お前に用事はない。早く成仏しろ」
幽霊は信じないが、見た目が消えそうなものだから成仏と言う言葉を使っただけで、信じてはいないと本人は思う。だが少年の形をした雲は目の前にニッコリと笑って、胸の部分に手を入れ込んでいた。悲鳴が上がる瞬間に意識は遠のき、眠っているように夢のようなものを見ていた。
そこには先ほどの少年が眼帯を外して、海東の手を握っていた。夢にしては感触がありすぎる体温や息がリアルすぎると思っていると
「ちょっと同居させてもらうね」
「は?」
そうしてハッと目が覚めると埃っぽい部屋の椅子に座っていた。何が起きたのかと・・まるで狐につままれたような気がしてならない。とりあえず次の眼帯、杖の男のところに行こうと思った時。
「あー、今の人体コレクターって言うんだね。少女なんだ?へー」
思わず口を塞いだ。自分の口で、自分の声が、他人の様に口が動いたのだ。思わず口を塞ごうとしたが、体さえ思い通りに行かず無理矢理力を入れて動かそうとすると
「あ、体借りるって言ったじゃん?ちょ、抑え込まないで、誰も居ないから君の口を借りてるだけ。体も普通の時は何もしないから。ここを出るには体が必要だったんだよ」
記憶でも覗いているのか過去のことまで発言されては信じるしかないと思った。でかいため息を吐き思い切り両手で頬を叩いた。
「ちょ!なにしちゃってんの!!?馬鹿?馬鹿なの?」
「ここから出たら、体から出やがれ!」
「はーい」
またもや独り言で気分が悪くなるが、早く部屋を出ようと踵を返し今度こそ部屋を出た。そして埃っぽい階段を下りていき、新鮮な空気を肺一杯に吸い込む。空気が旨いと思ったのは初めてかもしれない。
そこで体から腕が出て、煙のような少年の体が出てきた。慌てて走り出すが少年の方が早く追い付かれながらも思い切り走るが、少年は判っているようでニヤニヤと笑っていた。
「しっつこい!!」
「やだなー、憑りついたわけじゃないんだけどね、俺にも、もう一人の眼帯の人に会ってみたいんだよー」
共通点があるだけで見たいだけなのか判らないが、煙のようにフワフワしている辺りが悲鳴の的ではないかと思ってると判っているように
「大丈夫だよ、君以外に見えないから」
分かっていたように答えを出してきた。やっぱり憑りつかれたんじゃないかと理解した。
「離して。ママがママが待ってる」
「お兄さんの用事が終ったら帰って良いからねー」
「早く帰して、ママがまた殺されちゃう!!」
妙な言い方だが、西塔にとってはどうでもいい情報とも言えるし、今から彼女にすることは「中身」を変えるのだから興味がないのだ。
部屋に蝋燭を灯し、花の甘い香りのお香で少女の視点が虚ろになって来た。それを確認すると西塔は椅子を少女の前に置き自分が座る。斎藤は眼帯を外すと眼帯の下は虹色の様に模様されたビー玉のようだった。本来なら目玉と呼ぶべきところにビー玉が入っているような表現になってしまうが、ここから先が本題になる。
海東は事務所前に立っていた。眼帯で杖を持っている自称探偵の男の建物と言われた場所とも言われたが、ボロボロで機能しているのか分からないほどのさびれた建物だった。階段も埃が積もっており誰か出入りしているかさえ分からないほどだ。
そして扉のドアノブを見ても埃がたまっている。拳銃を持つことを許された海東は、拳銃を出しながらも静かに扉のドアノブに手を触れそうになった時、ドアノブが勝手にガチャリと鳴り開けられたのかと下がって拳銃をかまえた。だが、そこに人は居なかった。誰も居ない事務所であり机もない状態で椅子が一つぽつんと置いてあった。
「何年ぶりだ?この事務所に人がくるのは」
声がする方向に拳銃を向けるとフワフワと煙のようなものが動いていた。埃でも立ててしまったかと思うが、その煙は段々と人の顔を作り出し青年の姿になり眼帯で足がなく杖を突いているように見える半透明で現れた。目の前の事に驚くが、まやかしなど信じない海東は煙で出来た青年に殴りかかるがモヤっと消えて再び形が戻る。
「君みたいな人は嫌いだなぁ・・・。でもここを見つけたってことは、あの婆から聞いたんだろ?何の用?」
理解は出来ないが、自分が見た眼帯の杖の男ではないと思い踵を返そうとすると
「あー!待ってよ!せめて要件言ってよ!二十年以上暇なんだよ!」
海東は嫌そうな顔で振り返ると
「お前と同じ眼帯と、杖を持った自称探偵を探してただけで、お前に用事はない。早く成仏しろ」
幽霊は信じないが、見た目が消えそうなものだから成仏と言う言葉を使っただけで、信じてはいないと本人は思う。だが少年の形をした雲は目の前にニッコリと笑って、胸の部分に手を入れ込んでいた。悲鳴が上がる瞬間に意識は遠のき、眠っているように夢のようなものを見ていた。
そこには先ほどの少年が眼帯を外して、海東の手を握っていた。夢にしては感触がありすぎる体温や息がリアルすぎると思っていると
「ちょっと同居させてもらうね」
「は?」
そうしてハッと目が覚めると埃っぽい部屋の椅子に座っていた。何が起きたのかと・・まるで狐につままれたような気がしてならない。とりあえず次の眼帯、杖の男のところに行こうと思った時。
「あー、今の人体コレクターって言うんだね。少女なんだ?へー」
思わず口を塞いだ。自分の口で、自分の声が、他人の様に口が動いたのだ。思わず口を塞ごうとしたが、体さえ思い通りに行かず無理矢理力を入れて動かそうとすると
「あ、体借りるって言ったじゃん?ちょ、抑え込まないで、誰も居ないから君の口を借りてるだけ。体も普通の時は何もしないから。ここを出るには体が必要だったんだよ」
記憶でも覗いているのか過去のことまで発言されては信じるしかないと思った。でかいため息を吐き思い切り両手で頬を叩いた。
「ちょ!なにしちゃってんの!!?馬鹿?馬鹿なの?」
「ここから出たら、体から出やがれ!」
「はーい」
またもや独り言で気分が悪くなるが、早く部屋を出ようと踵を返し今度こそ部屋を出た。そして埃っぽい階段を下りていき、新鮮な空気を肺一杯に吸い込む。空気が旨いと思ったのは初めてかもしれない。
そこで体から腕が出て、煙のような少年の体が出てきた。慌てて走り出すが少年の方が早く追い付かれながらも思い切り走るが、少年は判っているようでニヤニヤと笑っていた。
「しっつこい!!」
「やだなー、憑りついたわけじゃないんだけどね、俺にも、もう一人の眼帯の人に会ってみたいんだよー」
共通点があるだけで見たいだけなのか判らないが、煙のようにフワフワしている辺りが悲鳴の的ではないかと思ってると判っているように
「大丈夫だよ、君以外に見えないから」
分かっていたように答えを出してきた。やっぱり憑りつかれたんじゃないかと理解した。
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