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17章
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矢口は、木嶋里美が父親に四年間、なぜ一定のお金を振り込んでいたのかが分からなかった。だが今になって思うと、なぜわからなかったのかが不思議であった。木嶋里美の身になって考えてみる。彼女は父親が怖かったのだ。拒否すれば、何をされるかわからない。父と再開した時、暴力を受けた時の恐怖が蘇って、彼女を支配していたのかもしれない。彼女は、矢口とは違って、デリケートな存在だったのだ。その彼女に支えとなってくれる存在が現れた。恋人の丸山和彦である。彼の存在のおかげで、彼女は父親からの頼みを始めて拒絶することができたのだ。矢口は、木嶋里美を事情聴取した時のことを思い出す。その様子は父の死を聞いて、安堵している様子ではなかった。かといって、平静ではないものの、父親が亡くなったことに対して、それほどショックを受けているようには見えなかった。別の不安があったのではないか。つまり、自分の恋人の丸山和彦が父を殺したのではないか、という疑念が。
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