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林の奥さんの証言から、凶器に使用されたハンマーは、犯人自ら用意した可能性が高くなった。計画的な犯行ということになる。衝動的な犯行と違って、用意周到に計画されたはずであるから、強盗目的に見せかけようとして、財布や通帳類を盗み忘れるということは、考えられない。部屋を荒らしたのは、偽装目的ではなく、金目以外の何かを探し出そうとしたのではないだろうか。それが何かはわからないが。
『とにかく、手分けして、周辺の聞き込みを始めよう。』
部下の刑事たちに、指示して、聞き込みにあたらせた。その間、矢口は、発見者の須藤にもういちど話を伺った。
「失礼ですが、林さんを恨んでいる人物に心当たりは」
須藤は、その質問を聞いて、少し間をとったのちに、
「佐藤さんかな。佐藤修二。彼も、前までは、日本ミステリー研究会所属でして。」
「どんな方ですか」
「林くんの大学時代の同窓でして、作家志望で、現在は、フリーターをしているらしいですが、林くんと、三島くんが彼の書いてきた作品を、ひどく酷評して、佐藤さんが、二人に殴りかかろうとしたのを、私が止めた事がありました。」
「その三島と言う人も、研究会の人ですか」
「ええ、三島武彦。林くんの大学時代の後輩です。会社も林くんと一緒です。元々、日本ミステリー研究会というのは、林くんたちが、作った、大学時代のサークルだったんです。」
「それで、佐藤さんは、そのあとは」
「いつか殺してやるからな、と叫んで、出て行きました。およそ、1週間前の日曜日の事だったと思います。三島くんの住んでいるマンションの部屋で集まってましたね。」
「騒動の後、佐藤さんと会われたことはありましたか」
「私はないですね。佐藤さんとは、その日に初めてあったばかりで、そこまで親しくないので。林くんたちの方も、反省していて、連絡を取ろうとしたみたいですが、繋がらないと言っていましたね。」
『とにかく、手分けして、周辺の聞き込みを始めよう。』
部下の刑事たちに、指示して、聞き込みにあたらせた。その間、矢口は、発見者の須藤にもういちど話を伺った。
「失礼ですが、林さんを恨んでいる人物に心当たりは」
須藤は、その質問を聞いて、少し間をとったのちに、
「佐藤さんかな。佐藤修二。彼も、前までは、日本ミステリー研究会所属でして。」
「どんな方ですか」
「林くんの大学時代の同窓でして、作家志望で、現在は、フリーターをしているらしいですが、林くんと、三島くんが彼の書いてきた作品を、ひどく酷評して、佐藤さんが、二人に殴りかかろうとしたのを、私が止めた事がありました。」
「その三島と言う人も、研究会の人ですか」
「ええ、三島武彦。林くんの大学時代の後輩です。会社も林くんと一緒です。元々、日本ミステリー研究会というのは、林くんたちが、作った、大学時代のサークルだったんです。」
「それで、佐藤さんは、そのあとは」
「いつか殺してやるからな、と叫んで、出て行きました。およそ、1週間前の日曜日の事だったと思います。三島くんの住んでいるマンションの部屋で集まってましたね。」
「騒動の後、佐藤さんと会われたことはありましたか」
「私はないですね。佐藤さんとは、その日に初めてあったばかりで、そこまで親しくないので。林くんたちの方も、反省していて、連絡を取ろうとしたみたいですが、繋がらないと言っていましたね。」
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