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2章
100——黒田——
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口を鰓呼吸するようにぱくぱくとさせて狼狽える田淵に、「そのテンパってる感じもすごくソソられるけど、今日は折れてあげる」という。
「感謝してよね?」
「う・・・・・・でも、こういうシチュエーションって、仲直りえっち——」
「ちょっと。俺結構我慢してるんだから、それ以上煽らないでもらえる? 本当に、すごくいっぱいいっぱい」
「だから、したら・・・・・・いいじゃん」
「なんでなのさ・・・・・・」目頭を熱くさせているのにも黒田の欲情スイッチが瀬戸際まで押し寄せる。
しかし、是が非でも襲うわけにはいかなかった。
「ヒロキさんは元気かも知れないけど、完全食に戻っただけで、体力はこれから戻していかないといけない段階なんだから、付き添いなしで外を歩けるようになるまでは、手を出すなって先生に言われたんだよ。ヒロキさんの負担にならないように口止めされてたんだけど」
「・・・・・・僕が良いって言ってるんだよ?」
「悔しいけど、ヒロキさんの体を理解しているのは、ヒロキさんの次にくるのは俺じゃなくて、先生だ。今日はキスで我慢してね」
(俺にとっては地獄の所業だけど、頑張りますよ)
冷や汗が背中を伝い、これからなけなしの理性と戦い続ける覚悟と恐怖を感じる。
田淵は襲って欲しい、黒田は我慢しなければならない、拮抗した思惑が黒田を苦しめる。
無理に納得させた手前、キスをしない手段はない。
田淵を抱き上げて、簡易的で腰に悪そうなぺたんこのマットレスに寝かせた。
「キスだけなんだけど、それが口だけとは限らないのはカップルにおけるセオリー通りでしょう?」
それがより自分の首を締めることは承知の上だ。
田淵の願望を叶えるため、というより、数ヶ月性的なふれあいをしていない黒田の方が田淵不足を実感している。
首筋、鎖骨にキスを落とし、痕までしっかり刻みつけると、シャツを手繰り上げる。
田淵の視線が上にくる体勢まで下がり、彼からの熱視線に顔を上げると恍惚とした表情をする田淵が期待の眼差しで喘いでいる。
これを見せずに済んだことは奇跡に近いことを実感して、今の光景を虹彩にしっかりと入れ込む。
互いに主張するイチモツは互いに慰め合うことで一致し、仲良く事を終えて床に入った。
「感謝してよね?」
「う・・・・・・でも、こういうシチュエーションって、仲直りえっち——」
「ちょっと。俺結構我慢してるんだから、それ以上煽らないでもらえる? 本当に、すごくいっぱいいっぱい」
「だから、したら・・・・・・いいじゃん」
「なんでなのさ・・・・・・」目頭を熱くさせているのにも黒田の欲情スイッチが瀬戸際まで押し寄せる。
しかし、是が非でも襲うわけにはいかなかった。
「ヒロキさんは元気かも知れないけど、完全食に戻っただけで、体力はこれから戻していかないといけない段階なんだから、付き添いなしで外を歩けるようになるまでは、手を出すなって先生に言われたんだよ。ヒロキさんの負担にならないように口止めされてたんだけど」
「・・・・・・僕が良いって言ってるんだよ?」
「悔しいけど、ヒロキさんの体を理解しているのは、ヒロキさんの次にくるのは俺じゃなくて、先生だ。今日はキスで我慢してね」
(俺にとっては地獄の所業だけど、頑張りますよ)
冷や汗が背中を伝い、これからなけなしの理性と戦い続ける覚悟と恐怖を感じる。
田淵は襲って欲しい、黒田は我慢しなければならない、拮抗した思惑が黒田を苦しめる。
無理に納得させた手前、キスをしない手段はない。
田淵を抱き上げて、簡易的で腰に悪そうなぺたんこのマットレスに寝かせた。
「キスだけなんだけど、それが口だけとは限らないのはカップルにおけるセオリー通りでしょう?」
それがより自分の首を締めることは承知の上だ。
田淵の願望を叶えるため、というより、数ヶ月性的なふれあいをしていない黒田の方が田淵不足を実感している。
首筋、鎖骨にキスを落とし、痕までしっかり刻みつけると、シャツを手繰り上げる。
田淵の視線が上にくる体勢まで下がり、彼からの熱視線に顔を上げると恍惚とした表情をする田淵が期待の眼差しで喘いでいる。
これを見せずに済んだことは奇跡に近いことを実感して、今の光景を虹彩にしっかりと入れ込む。
互いに主張するイチモツは互いに慰め合うことで一致し、仲良く事を終えて床に入った。
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