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1章
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「県内の模範校としても補助金が降りてるんだ。その金で君たち生徒の自由を叶えてやっているわけだ。自分らの都合を通しすぎると、自分の首を締めることになることだけは、会長である一条君が一番わかってなきゃいけないんだからな」教頭が憤りを顕にしていう。
「すみません、きちんと喚起していきます」頭を垂れてこの場を凌ぐ。
そのようなやりとりを思い出しては青息吐息を漏らした。
正直に言えば一条が会長になってから、安心を得た者、それから自由を履き違えている者の二極化に分かれた。
おかげで、成績は一気に急降下した。そうなれば、権利を主張できなくなるのは目に見えているのに、全体を統一するのは難しく、中々義務を果たす算段が見つからないでいた。
「よし、僕も帰ろう。柳瀬のお弁当の材料買いに行かなきゃだし」帰り支度を終えた鞄を持って、生徒会室を後にする。
部活生はまだ部活動に勤しんでいるようで、掛け声があちこちから聞こえる。
エントランスで靴を取り出して履き替える。そして、校門まで出ると、正門にもたれる一人の金髪の不良が一条を待ち伏せしていた。
「・・・・・・弁当、ありがとな。いつも通りうまかった」
「柳瀬――あ、そうだ、これからスーパー寄るとこなんだ。一緒に行こう」
「テスト前なのに大丈夫なのか?」
「それはこっちのセリフだよ。大丈夫なの? 僕は一応会長やってるからそんなに成績は落とせないし、30位以内の維持はしてるよ」
「そうか。じゃあ、行くか」
隣を歩く柳瀬は以前より、表情のレパートリーが増えたように思う。繊細な変化であるために、一条しかわかり得ない些細な変化だ。板挟みで苦しくなりつつある一条には、柳瀬の柔らかい雰囲気はまさにオアシスそのものである。
「柳瀬、最近どう? 学校、楽しい?」
「楽しいわけあるかよ。かったりぃだけだ。・・・・・・あ、でも、一条の弁当が楽しみで学校来てるとこあるかも」
「っ! 何でそれはすらっと言えちゃうかな・・・・・・」
「何が」とすっとぼけているように見えるが、大真面目に言っているのでさらにたちが悪い。
もういい、話の腰を早々に折る。それから2人は無言でスーパーへの道のりを歩いた。
――アイツ、排除したい――。
「すみません、きちんと喚起していきます」頭を垂れてこの場を凌ぐ。
そのようなやりとりを思い出しては青息吐息を漏らした。
正直に言えば一条が会長になってから、安心を得た者、それから自由を履き違えている者の二極化に分かれた。
おかげで、成績は一気に急降下した。そうなれば、権利を主張できなくなるのは目に見えているのに、全体を統一するのは難しく、中々義務を果たす算段が見つからないでいた。
「よし、僕も帰ろう。柳瀬のお弁当の材料買いに行かなきゃだし」帰り支度を終えた鞄を持って、生徒会室を後にする。
部活生はまだ部活動に勤しんでいるようで、掛け声があちこちから聞こえる。
エントランスで靴を取り出して履き替える。そして、校門まで出ると、正門にもたれる一人の金髪の不良が一条を待ち伏せしていた。
「・・・・・・弁当、ありがとな。いつも通りうまかった」
「柳瀬――あ、そうだ、これからスーパー寄るとこなんだ。一緒に行こう」
「テスト前なのに大丈夫なのか?」
「それはこっちのセリフだよ。大丈夫なの? 僕は一応会長やってるからそんなに成績は落とせないし、30位以内の維持はしてるよ」
「そうか。じゃあ、行くか」
隣を歩く柳瀬は以前より、表情のレパートリーが増えたように思う。繊細な変化であるために、一条しかわかり得ない些細な変化だ。板挟みで苦しくなりつつある一条には、柳瀬の柔らかい雰囲気はまさにオアシスそのものである。
「柳瀬、最近どう? 学校、楽しい?」
「楽しいわけあるかよ。かったりぃだけだ。・・・・・・あ、でも、一条の弁当が楽しみで学校来てるとこあるかも」
「っ! 何でそれはすらっと言えちゃうかな・・・・・・」
「何が」とすっとぼけているように見えるが、大真面目に言っているのでさらにたちが悪い。
もういい、話の腰を早々に折る。それから2人は無言でスーパーへの道のりを歩いた。
――アイツ、排除したい――。
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