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最終話:これからの事。

02これからの事。

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ウキウキと喜ぶ鞍馬くらまに対し、白狼はくろうがげんなりとして答える。

違う意味で大変だったんだろうとうかがえた。


「スーツでネクタイをちょうちょ結びするヤツがあるか!しかもそのフサフサ持ち込むなっつーの!」

「うるっさいわね!このヴァカが!大事な物持ち歩いて何が悪いのよ!」

「お忍びなのに隠れきれてねェーんだよ!バカみてェーに目立ってんじゃねーやい!バーカ!」


睨み合い、今にも喧嘩を始めそうな彼らを眺めながら、なんだかんだこの二羽は仲が良いと紗紀は改めて思う。


「まぁ、政府側はなんも知らされてねェーみてーでサ。静かなモンだったぜ~」

「夕暮れ時だったし?人がほとんど居なかったってのもあるんだろうけどねぇ」


白狼の言葉に、鞍馬もウンウンと頷いた。


「まぁ、でも。転移装置や研究のデータはそれ専門の鴉天狗のおかげで復元出来たぜ。今、春秋達がそれを世界変えるために活用しようと方向性決めてる」

「春秋さんもご無事みたいで良かったです」


随分と弱りはざまずいている春秋の姿が脳裏のうりぎった。


「春秋様は元気よぉ!紗紀ちゃんのコト、とても心配していたから報告したら明日にでも飛んで来るわ」


鞍馬がウインクして笑う。

一体どれくらいの時間が流れてしまったのだろうと紗紀はぼんやりと思考を巡らせた。

全てが終わったと言う実感がわかない。

まだどこか現実味が無くて、ふわふわしている。


「さぁ、もう少し横になって。紗紀はまだ病み上がりなんだ、長くなる話しはもう少し落ち着いてからにしよう」


ミタマがそう行ってみんなに出ていくよううながした。


「タマちゃんズルいんだ~。アレでしょ?久しぶりに目覚めた紗紀ちゃん独り占めしたいんでしょ?」


フフフ、と七曲が笑って茶化ちゃかす。


「紗紀も女子なんじゃから、寝起きをこんな大勢に見られるのも可哀想じゃろう?ほら、野郎どもは散りな」


しっしと雪女の雪音が男性陣を追い払った。

そこには雪音とマミ、そしてミタマだけが残る。


「ミタマ、アンタもだよ。紗紀はこれから湯殿ゆどのかって服も交換するんじゃ。その方がスッキリ眠れるじゃろう?」

「それは、そうだね。じゃあお願いするよ。紗紀、後でゆっくり食事でもしよう」


ミタマは雪音の言葉にすんなりと頷き、そう言い残すと部屋を後にした。


「本当に気の利かない男どもだよ。悪いね、紗紀」

「紗紀お姉ちゃん、目が覚めて良かった~!」


雪音もマミも紗紀の無事を喜んで、抱きしめ合う。

そしてハッと我に返る紗紀、バッと離れて自分の匂いを嗅いだ。


(もしかして臭う……?)

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