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第十九話:話し合い。
08話し合い。
しおりを挟む拝殿は休憩所から離れている為、とても静かだ。
集まったメンバーも騒ぐような者が居ないので尚更だ。
それにしても、どこかおかしいと思った。
静か過ぎるのだ。
時刻は、朝日が差し込んでいる所を見ると、角度的に七時頃。
人の気配が全くしない。
参拝者はまだにしても、神主や巫女など、聖職者の影すら感じられない。
「人払いは済ませてある。ここには人は立ち寄れない。聖職者らは眠ってもらっている。この戦いに彼らは巻き込めぬ。……どうか、大騒動になる前に、片をつけておくれ」
「……はい」
紗紀の肩に乗ったミニサイズのウカノミタマの言葉に、紗紀は強く頷く。
「春秋さんはお体、大丈夫ですか?」
「ああ。……やっぱり気がついていたんだですね」
「すみません。お疲れの所。ですが春秋さんが一番状況を把握されていると思ったので……」
申し訳無さそうにする紗紀に、春秋は笑いかけた。
「大丈夫ですよ。今から戦闘開始なわけじゃありませんし。話しをするくらい。……むしろ時間を作ってくれて、ありがとうございます」
春秋から丁寧にお辞儀をされて、紗紀は戸惑ってしまった。
「そんな大層なことはしてません」
「いいえ。十分大層な事ですよ。自分の身の危険と引き換えなのですから」
ね、と春秋はミタマに同意を求める。
先程からずっと複雑な顔をしていたミタマの心情を察したのだろう。
「本当に。紗紀、キミはもっと自分自身を大切にしてほしい」
「……すみません」
深く溜息を吐き出して、怒っているように見えるのに、とても不安がっているように感じる。
そんなミタマを安心させようと手を握った。
弾かれたように視線を向けるミタマに笑顔を向ければ、ミタマが何か言いたいのをぐっと堪えたのが分かった。
その頬は微かに赤い。
「逢瀬はまたの機会に楽しんでおくれ。して、話しを始めるとしよう」
ウカノミタマの言葉に、あ!と我にかえる二人。
ウカノミタマも春秋もどこか微笑ましそうににこにこと笑っていた。
「とりあえず、分身の私の行動は戻って来ないと分からないのでここに居るメンバーで対策を練りましょう。私が出来る事は、ミタマさんや七曲さんみたいに私が使役したみんなをこの血で進化させる事だと思います」
紗紀の案に、ミタマは物申したい気持ちをぐっと堪えた。
ミタマにだってそれが最善である事は分かっている。
「それなら僕は、白狼と鞍馬と、鴉天狗を数名……政府の方に送り込んで内情を調べてもらうよ。天狗の中で人間界で暮らしてた者も居るから、機械に強い子達を回そうかな。兄さんの居場所だけど、紗紀さんが戻ってくれば君の記憶を辿って空間転移が可能だから穴開けてみんなで乗り込もう」
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