249 / 368
第十六話:交渉。
15交渉。
しおりを挟む「なぜ幼い妖怪までも差し向けたんだい?」
紗紀の脳内に化け狸達の顔が思い出される。
確かにそれは気になる点だ。
「幼い子も居た?それは……申し訳ない事をしてしまった。神社近くをうろついてた子達を確認もせずに操っていたから……」
(選んで仕向けてきてたわけじゃなかったんだ……)
「後は政府側の動きか。何がしたいのか読めないんだよな」
楓がまんじゅうを半分に割りながらそう呟く。
みんなそれぞれに思案した。
けれども考えた所で、政府の考えなんて皆目検討がつかない。
「さて、他に聞きたい事が無いならこの場はお開きでいいですか?」
質問が落ち着いて来たのを見て、春秋はそう口にした。それに対してミタマも頷く。
「そうだね。とりあえず、ここで待機していてもらってもいいかい?俺と紗紀でウカノミタマ様にお伺いを立てて来る」
「よろしく頼みます」
春秋が笑顔で頼むのを見て、紗紀とミタマは顔を見合わせ、席を立ち上がった。
ミタマはもう、紗紀の側から離れたくなかった。
あんなに怖い思いをもう二度としたくない。
そう、強く思う。
紗紀の手をそっと握る。
◇◆◇
「そうか。事情は分かった。安倍の子の気配を妾も確かに感じておる」
布団に横たわっていたウカノミタマは、体を起こすとミタマの話しに返答を返した。
まだどこか、体が重だるそうだ。
側にはウカノが心配そうについていた。
「ならば、初めにウカノミタマ様が感じられたあの男……政府側の安倍の生まれ変わりは……」
「ああ。そこは気になるな。だが、知るすべを今は持ち合わせておらん。そうだろう?」
「……はい」
確かにその通りだ。
気にならないわけではないが、今真相を解き明かすのは厳しいだろう。
「大天狗を使役する話しだが、其奴がどれ程力を持っておるか見てみらん事には許可は出来ん。使役する力があるか見極める必要がある」
ウカノミタマの言い分はごもっともだ。
使役する力量が無ければ、任せようもない。
「確かに、そうですね。次にあの怪物が現れた時、彼の力を見せてもらいましょう」
「ああ。それによっては大天狗の件、考えても良い」
ミタマの提案に、ウカノミタマも頷く。
紗紀とミタマはウカノミタマとの話しで決まった事を、居間へと持ち帰った。
居間では白狼と鞍馬が殺伐としてる中、春秋が適当に話しの腰を折ったりと騒がしい。
楓と神鳩は静かにお茶を啜っていた。
「これはなんの騒動ですか?」
紗紀が慌てて割って入る。
「ああ、すみません。ほら、うるさいって君達」
春秋の両脇に居る白狼と鞍馬をポカリと殴りつける。
容赦ない。
「痛ってェ!!何すんだよ!コイツが悪いんだろ!?」
「はぁあああんん!?アンタの手作りなんて食べられるワケないデショぉおおお!食あたりするワ!ボケェイ!!」
「喧嘩両成敗」
再度スパーンと後頭部を叩かれる二羽。
「本当に、お二人って仲が悪いんですね……」
「それで、宇迦之御魂神様はなんとおっしゃっていましたか?」
二羽の睨み合いに飽きたのか、春秋はミタマへと視線を向ける。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
くろぼし少年スポーツ団
紅葉
ライト文芸
甲子園で選抜高校野球を観戦した幸太は、自分も野球を始めることを決意する。勉強もスポーツも平凡な幸太は、甲子園を夢に見、かつて全国制覇を成したことで有名な地域の少年野球クラブに入る、幸太のチームメイトは親も子も個性的で……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
もしもしお時間いいですか?
ベアりんぐ
ライト文芸
日常の中に漠然とした不安を抱えていた中学1年の智樹は、誰か知らない人との繋がりを求めて、深夜に知らない番号へと電話をしていた……そんな中、繋がった同い年の少女ハルと毎日通話をしていると、ハルがある提案をした……。
2人の繋がりの中にある感情を、1人の視点から紡いでいく物語の果てに、一体彼らは何をみるのか。彼らの想いはどこへ向かっていくのか。彼の数年間を、見えないレールに乗せて——。
※こちらカクヨム、小説家になろう、Nola、PageMekuでも掲載しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる