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第五話:友達と雪女。

11友達と雪女。

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「雪女を知っているのかい?」

「会ったことは無いけど、……本で」


(昔話とかで良く出て来たっ)


「雪女なら炎が効きそうだけど……、でも加減を間違えたら危険だよね」


悶々もんもんと考え込む間に結界にヒビが入った。

今までヒビすら入らなかったのに、と驚く。

ミタマが手をかざす。

それが狐火だと分かり紗紀はあわててその腕を掴んだ。


「待って!!」

「……待てないよ」


一瞬驚いた顔をしたミタマだったが、すぐ様鳥居を見て冷酷な表情となる。

そうこうしている間にもパリンと音がした気がした。

その音の先を見れば雪女がいて。

結界の気配が消える。


「結界が……!」

「危ない!」


立ち尽くす紗紀をミタマが抱えて雪女の攻撃をかわす。


「痛ッ……!」

「ミタマさん!!」


着地後、拳が痛むのか腕を押さえるミタマが視界に入った。


(ぼーっとしてる場合じゃない。私が何とかしなきゃ)


紗紀はミタマに降ろしてもらうと、その小さな背でかばい雪女と対峙たいじした。


「紗紀、どいてくれ。このままではまずい。今回は諦めてくれないかい?」


それはつまり、雪女を殺させて欲しいとそう言う事だ。

紗紀は拳を強くにぎる。


「出来ません。……狐火!!」


雪女の攻撃とタイミングを合わせて狐火をぶつける。

雪と炎がぶつかり合い相殺そうさいされた。


「キミとアレが戦うにはまだ早いんだよ。だから……!」


少しでもひるめばやられてしまう。

どちらもゆずれない。

不意ふいにバタバタと大人数の足音が聞こえた。

化け狸達と七曲だ。


「七曲さん!ミタマさんを壁で囲んでください!」

「へ?タマちゃんを?」

「いいから早く!」

「わ、分かったよ!」


七曲は本来の大きな姿に戻るとミタマをおおい囲んだ。


「でもボク相手じゃ速攻出て来そうだよね~」


七曲は苦笑気味にそう言う。

化け狸達は一斉に貍火をその手に灯した。

けれど紗紀が一喝いっかつする。


「待って!!」


ピタリと彼らの動きが止まる。

その拍子に雪女は化け狸達へと攻撃をり出した。

地面から氷の柱が鋭く生え、どんどんと化け狸達へ向けてスピードを増し生えていく。

まるでクリスタルのように綺麗で鋭い。

害虫よけのとげマットの方が幾分可愛らしく見える。


ユウリとムジナは無事に避け、マミも何とかかわしたけれどカイリが攻撃を受けて飛ばされてしまった。


「カイリ!!」


みんなが叫ぶ。

氷がカイリの足を貫きそこから徐々にカイリの体を分厚い氷でおおっていく。


(しまった!!私が呼び止めたばっかりに……!!)

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