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大輝
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暗い顔のまま部屋に戻った紗凪が心配で、少しでも紗凪の近くにいたくて自室に戻り、眠れないままベッドに横になる。
同居を決めた時にお互いの生活音が気にならないようにと配慮して一部屋挟んだせいでダイレクトに音が伝わることは無いけれど、紗羅の夫である義兄からの言葉に傷付いた紗凪も眠ることができず、同じ様にベッドで横になりグルグルと思考を巡らせているはずだ。
それにしても、義兄が貴哉と紗凪の関係に気付き、貴哉と紗羅が一緒に過ごすことを黙認したことには驚かされた。
それだけじゃない。
義兄の言動はとにかく不可解で、紗羅に執着しているのに紗羅を手放そうとしているような、そんなアンバランスさが彼を危うく見せている。
少し突いたら崩れてしまうようなバランス感。
紗羅のことをずっと見ていただろうと思えるような言動で紗凪を責めて傷付けたことを苦々しく思うけれど、その原因が自分の送った写真のせいだと思うと居た堪れない。
紗羅のことを逆恨みしての行動だと思われているせいで、今のところオレに疑いの目が向けられないのがせめてもの救いだ。
それにしても、義兄の言い分には怒りを覚えながらも呆れてしまう。
ふたりの逢瀬を黙認しておいて、自分たち家族を壊したのは紗凪だと責めるのは見当違いも甚だしい。家族を壊したくないならふたりの逢瀬を邪魔するべきだし、そもそも2人が会うと知っていて実家に帰ったのは自分ではないか。
それに、その言い分が通るのなら上手くいっていた貴哉と紗凪の関係を壊したのは紗羅だということになるはずだ。
紗凪は何も知らないまま巻き込まれて傷付いただけのこと。
義兄はきっと、紗羅に今回のことを話すのだろう。その上で紗羅との関係を終わらせるつもりだから家族を壊したと表現したのだろう。
離婚。
そんな言葉が頭を過ぎる。
義兄が望むように離婚をしたら紗羅は自由になり、貴哉と共に過ごす道を選ぶのだろうか。
後継だとか、跡取りだとか、息子がいるのだから貴哉の身体の問題も関係なくなるはずだ。
貴哉の部屋を出た紗凪にはもう関係の無いことなのだけれど、それでもさっきのように予想もしていない場所からの攻撃が来るかもしれないと危惧する。
貴哉との連絡は断ったようだけれど、攻撃してくる相手は彼だけでは無いのだと知ってしまったから。
どうすれば紗凪を守ることができるのか。
どうすれば紗凪を手に入れることができるのか。
自分が大切に思う相手に対しては神経が研ぎ澄まされるのか、紗凪のことだけを考えていたせいで気付くことができたのか、人が動く気配にベッドから抜け出し廊下に出る。
「紗凪、もう起きたの?」
いつもよりも多い飲酒量で調子を悪くしたのかと心配したオレの目が、身支度を整えた紗凪を捉える。
「あれ、コンビニ?」
「起きてたの?」
軽い口調のオレと違い、焦った様子を見せる紗凪を見て不安に襲われる。早朝と言っていいほどの時間に身支度を整えてどこに行くつもりなのだろうか。
「ちょっと出かけてくる」
焦った顔で出て行こうとする紗凪に不信感を抱き、思わず「待って、」とその腕を掴む。
「こんな朝早くにどこに行くつもり?」
もしかしてまた誰かから連絡があったのかと疑い、可能性をひとつずつ潰していく。
「もしかして、また連絡あった?」
誰から?
お義兄さん?」
責めるような口調で言ったせいで怯えさせたのか、オレの手を振り払おうとしたことで拒否された気分になってしまい掴んだ手に力を入れてしまう。
「大輝、痛い」
問いに答えることなくオレの手を振り解こうとする紗凪が怯えていることに気付けなかった。
「誰、連絡してきたの」
「や、だ」
「あいつ?
お姉さん?」
「痛いってば、」
何があったのか言わない紗凪が焦ったくて言葉が荒くなる。
「どうしたんだって、紗凪、言えよっ!」
そのキツイ言葉に紗凪が怯えたことに気付けなかったオレは掴む手を緩めず、紗凪の行く手を阻む。
「やだ、大輝。
怖いっ、」
そしてやっと気付く紗凪の変化。
掴んだ手から震えが伝わってくることに気付いた時にはきっともう正気を失いかけていたのだろう。
掴んだ手を振り払うことを諦め、行く手を阻まれた紗凪が逃げられる場所なんて限られてしまう。逃げられるのは、後ろか下だけ。
だけど、掴まれた腕のせいで思うように後ろに下がれず崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ紗凪は何度も同じ言葉を繰り返す。
「ごめんなさい、
ごめんなさい、」
「え、紗凪」
「ごめんなさい、
ごめんなさい、」
緩んだ手に安心したのか、脱力した紗凪がオレと視線を合わせてくるけれど、そこに写っているのはオレではなかった。
「どこにも行かないから、」
甘えるように前に出される紗凪の腕。
「貴哉、ボクはここに居るから」
呼ばれた名前とその虚な目。
その意味を考える。
「紗凪?」
「どこにも行けないから」
目を合わせようとしゃがみ込んだオレの首に回される紗凪の腕。そして、甘えるように首筋に埋められる鼻先。
「たかや、」
呼ばれた名前とオレの耳元で囁いた「しよ?」という生々しい言葉。
「だから、ゆるして、」
甘えるように誘う言葉を口にしているのに、それに答えるように背中に腕を回すと怯えるように震える身体。
「紗凪、落ち着いて」
あやす様に背中をなぞり、「怒ってないから」と言葉を続ける。
「しないの?」
オレのことをアイツだと勘違いしたままなのか、誘う言葉をまた口にする。
正直、誘惑に負けて紗凪とこのまま、と思わないわけではなかった。ずっと欲しかったものが手に入るのなら棚ぼたでもいいと思ってしまう。
でも紗凪の様子から何があったのかを薄々気付いてしまったオレは、当然だけどそれに便乗することに抵抗があった。
強く掴んだ腕に怯えた紗凪。
力を込めれば込める程に従順に振る舞おうとする紗凪。
そして甘える様に、媚びる様に口にする誘う言葉。
「しないけど、紗凪、疲れてるんじゃないの?
まだ早いし、おいで」
安心させる様に、落ち着かせる様に、正気に戻らないことを利用して紗凪を誘導する。
ゆっくりと立たせ、そのまま持ち上げる様に抱き上げる。お姫様抱っこをして優しく運ぶことができれば格好もつくけれど、回された腕を利用して抱き上げることしかできなかった。
自分の部屋まで運び、そっとベッドに下ろす。
「少し寝な、」
首に回された腕を外そうとするけれど「行かないで」と言われてしまい、そのまま一緒に横になる。
当然だけど欲しいと思った相手と一緒にベッドに入っているのだから邪なことを考えてしまう。正気ではないと分かっていても紗凪の言葉に従いその肌に触れ、その熱を感じることを妄想だってする。
欲望を抑えるために離れようとするけれど、離れようとすると不安を口にするせいでそれもできない。
「生殺しだぞ、これ」
きっと、その熱も匂いもアイツとは違うだろう。それなのに縋ってしまうのは不安からなのだろう。
オレから離れないまま寝息を立て始めた紗凪はアイツにされた事を具体的に口にしたことはなかったけれど、力に怯えて媚びたせいで気付いてしまった。きっとその関係は、オレの考えていた始まり方ではなかったのだろう。
付き合うと聞かされた時に見せた顔で異変に気付き、問い詰めるべきだったのではないかと今更ながらに後悔する。
紗凪を諦めるつもりで紗凪に酷い事をする前に手放したつもりなのに、その行動が間違っていたのだと気付いてしまったから。
紗凪を諦められなくてその写真を紗羅に送り続けたけれど、少しずつ柔らかくなっていく表情に半ば諦めていた。ただ、自分では動けないくせに紗羅が2人の関係を壊すことを期待して写真を送り続けてしまった。
結果、望み通りに紗凪は戻ってきたけれど本当にこれで良かったのだろうか。
「おいてかないで、」
寝ているはずの紗凪の口から溢れる言葉はアイツを引き止めるような言葉。
支配されたから。
力で支配されたから諦めたのだろうか。
それとも、好きだから支配される事を受け入れ、流されたのか。
置いていかれたのに、紗凪ではなくて紗羅を選んだのに、それなのに求めるのはアイツだと思うと同じ様に紗凪を支配して、自分に従わせたいと思ってしまう。
同じ様に力で支配して、オレに従わせ、オレに縋るしかない様にしてしまえば…。
「オレがいるから」
欲望を抑え、優しいふりをして、油断させて、囲い込む。
もう離す気は無いから。
もしもアイツが戻ってきたとしても紗凪を返すつもりはない。そもそも、このまま囲ってしまえばアイツが紗凪のことを見付けることは不可能だろう。
この場所に辿り着いても知らぬ存ぜぬを押し通せばいいだけのことだ。
ただ、それが通じなくなった時のことを考えて事務所を移すことを本気で考えるべきだろう。冗談で温泉地と言っていたけれど、どこでもいいから紗凪を攫い、連れ去ってしまおう。
「置いていくわけないだろう」
安心させるために言った言葉は、オレの決意表明。
紗凪を囲い込み、離さないための決意表明だった。
同居を決めた時にお互いの生活音が気にならないようにと配慮して一部屋挟んだせいでダイレクトに音が伝わることは無いけれど、紗羅の夫である義兄からの言葉に傷付いた紗凪も眠ることができず、同じ様にベッドで横になりグルグルと思考を巡らせているはずだ。
それにしても、義兄が貴哉と紗凪の関係に気付き、貴哉と紗羅が一緒に過ごすことを黙認したことには驚かされた。
それだけじゃない。
義兄の言動はとにかく不可解で、紗羅に執着しているのに紗羅を手放そうとしているような、そんなアンバランスさが彼を危うく見せている。
少し突いたら崩れてしまうようなバランス感。
紗羅のことをずっと見ていただろうと思えるような言動で紗凪を責めて傷付けたことを苦々しく思うけれど、その原因が自分の送った写真のせいだと思うと居た堪れない。
紗羅のことを逆恨みしての行動だと思われているせいで、今のところオレに疑いの目が向けられないのがせめてもの救いだ。
それにしても、義兄の言い分には怒りを覚えながらも呆れてしまう。
ふたりの逢瀬を黙認しておいて、自分たち家族を壊したのは紗凪だと責めるのは見当違いも甚だしい。家族を壊したくないならふたりの逢瀬を邪魔するべきだし、そもそも2人が会うと知っていて実家に帰ったのは自分ではないか。
それに、その言い分が通るのなら上手くいっていた貴哉と紗凪の関係を壊したのは紗羅だということになるはずだ。
紗凪は何も知らないまま巻き込まれて傷付いただけのこと。
義兄はきっと、紗羅に今回のことを話すのだろう。その上で紗羅との関係を終わらせるつもりだから家族を壊したと表現したのだろう。
離婚。
そんな言葉が頭を過ぎる。
義兄が望むように離婚をしたら紗羅は自由になり、貴哉と共に過ごす道を選ぶのだろうか。
後継だとか、跡取りだとか、息子がいるのだから貴哉の身体の問題も関係なくなるはずだ。
貴哉の部屋を出た紗凪にはもう関係の無いことなのだけれど、それでもさっきのように予想もしていない場所からの攻撃が来るかもしれないと危惧する。
貴哉との連絡は断ったようだけれど、攻撃してくる相手は彼だけでは無いのだと知ってしまったから。
どうすれば紗凪を守ることができるのか。
どうすれば紗凪を手に入れることができるのか。
自分が大切に思う相手に対しては神経が研ぎ澄まされるのか、紗凪のことだけを考えていたせいで気付くことができたのか、人が動く気配にベッドから抜け出し廊下に出る。
「紗凪、もう起きたの?」
いつもよりも多い飲酒量で調子を悪くしたのかと心配したオレの目が、身支度を整えた紗凪を捉える。
「あれ、コンビニ?」
「起きてたの?」
軽い口調のオレと違い、焦った様子を見せる紗凪を見て不安に襲われる。早朝と言っていいほどの時間に身支度を整えてどこに行くつもりなのだろうか。
「ちょっと出かけてくる」
焦った顔で出て行こうとする紗凪に不信感を抱き、思わず「待って、」とその腕を掴む。
「こんな朝早くにどこに行くつもり?」
もしかしてまた誰かから連絡があったのかと疑い、可能性をひとつずつ潰していく。
「もしかして、また連絡あった?」
誰から?
お義兄さん?」
責めるような口調で言ったせいで怯えさせたのか、オレの手を振り払おうとしたことで拒否された気分になってしまい掴んだ手に力を入れてしまう。
「大輝、痛い」
問いに答えることなくオレの手を振り解こうとする紗凪が怯えていることに気付けなかった。
「誰、連絡してきたの」
「や、だ」
「あいつ?
お姉さん?」
「痛いってば、」
何があったのか言わない紗凪が焦ったくて言葉が荒くなる。
「どうしたんだって、紗凪、言えよっ!」
そのキツイ言葉に紗凪が怯えたことに気付けなかったオレは掴む手を緩めず、紗凪の行く手を阻む。
「やだ、大輝。
怖いっ、」
そしてやっと気付く紗凪の変化。
掴んだ手から震えが伝わってくることに気付いた時にはきっともう正気を失いかけていたのだろう。
掴んだ手を振り払うことを諦め、行く手を阻まれた紗凪が逃げられる場所なんて限られてしまう。逃げられるのは、後ろか下だけ。
だけど、掴まれた腕のせいで思うように後ろに下がれず崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ紗凪は何度も同じ言葉を繰り返す。
「ごめんなさい、
ごめんなさい、」
「え、紗凪」
「ごめんなさい、
ごめんなさい、」
緩んだ手に安心したのか、脱力した紗凪がオレと視線を合わせてくるけれど、そこに写っているのはオレではなかった。
「どこにも行かないから、」
甘えるように前に出される紗凪の腕。
「貴哉、ボクはここに居るから」
呼ばれた名前とその虚な目。
その意味を考える。
「紗凪?」
「どこにも行けないから」
目を合わせようとしゃがみ込んだオレの首に回される紗凪の腕。そして、甘えるように首筋に埋められる鼻先。
「たかや、」
呼ばれた名前とオレの耳元で囁いた「しよ?」という生々しい言葉。
「だから、ゆるして、」
甘えるように誘う言葉を口にしているのに、それに答えるように背中に腕を回すと怯えるように震える身体。
「紗凪、落ち着いて」
あやす様に背中をなぞり、「怒ってないから」と言葉を続ける。
「しないの?」
オレのことをアイツだと勘違いしたままなのか、誘う言葉をまた口にする。
正直、誘惑に負けて紗凪とこのまま、と思わないわけではなかった。ずっと欲しかったものが手に入るのなら棚ぼたでもいいと思ってしまう。
でも紗凪の様子から何があったのかを薄々気付いてしまったオレは、当然だけどそれに便乗することに抵抗があった。
強く掴んだ腕に怯えた紗凪。
力を込めれば込める程に従順に振る舞おうとする紗凪。
そして甘える様に、媚びる様に口にする誘う言葉。
「しないけど、紗凪、疲れてるんじゃないの?
まだ早いし、おいで」
安心させる様に、落ち着かせる様に、正気に戻らないことを利用して紗凪を誘導する。
ゆっくりと立たせ、そのまま持ち上げる様に抱き上げる。お姫様抱っこをして優しく運ぶことができれば格好もつくけれど、回された腕を利用して抱き上げることしかできなかった。
自分の部屋まで運び、そっとベッドに下ろす。
「少し寝な、」
首に回された腕を外そうとするけれど「行かないで」と言われてしまい、そのまま一緒に横になる。
当然だけど欲しいと思った相手と一緒にベッドに入っているのだから邪なことを考えてしまう。正気ではないと分かっていても紗凪の言葉に従いその肌に触れ、その熱を感じることを妄想だってする。
欲望を抑えるために離れようとするけれど、離れようとすると不安を口にするせいでそれもできない。
「生殺しだぞ、これ」
きっと、その熱も匂いもアイツとは違うだろう。それなのに縋ってしまうのは不安からなのだろう。
オレから離れないまま寝息を立て始めた紗凪はアイツにされた事を具体的に口にしたことはなかったけれど、力に怯えて媚びたせいで気付いてしまった。きっとその関係は、オレの考えていた始まり方ではなかったのだろう。
付き合うと聞かされた時に見せた顔で異変に気付き、問い詰めるべきだったのではないかと今更ながらに後悔する。
紗凪を諦めるつもりで紗凪に酷い事をする前に手放したつもりなのに、その行動が間違っていたのだと気付いてしまったから。
紗凪を諦められなくてその写真を紗羅に送り続けたけれど、少しずつ柔らかくなっていく表情に半ば諦めていた。ただ、自分では動けないくせに紗羅が2人の関係を壊すことを期待して写真を送り続けてしまった。
結果、望み通りに紗凪は戻ってきたけれど本当にこれで良かったのだろうか。
「おいてかないで、」
寝ているはずの紗凪の口から溢れる言葉はアイツを引き止めるような言葉。
支配されたから。
力で支配されたから諦めたのだろうか。
それとも、好きだから支配される事を受け入れ、流されたのか。
置いていかれたのに、紗凪ではなくて紗羅を選んだのに、それなのに求めるのはアイツだと思うと同じ様に紗凪を支配して、自分に従わせたいと思ってしまう。
同じ様に力で支配して、オレに従わせ、オレに縋るしかない様にしてしまえば…。
「オレがいるから」
欲望を抑え、優しいふりをして、油断させて、囲い込む。
もう離す気は無いから。
もしもアイツが戻ってきたとしても紗凪を返すつもりはない。そもそも、このまま囲ってしまえばアイツが紗凪のことを見付けることは不可能だろう。
この場所に辿り着いても知らぬ存ぜぬを押し通せばいいだけのことだ。
ただ、それが通じなくなった時のことを考えて事務所を移すことを本気で考えるべきだろう。冗談で温泉地と言っていたけれど、どこでもいいから紗凪を攫い、連れ去ってしまおう。
「置いていくわけないだろう」
安心させるために言った言葉は、オレの決意表明。
紗凪を囲い込み、離さないための決意表明だった。
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