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【side:羽琉】求めるもの、与えられるもの、与えて欲しいもの。
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その日、授業が終わるといつものように車まで送ってくれた燈哉は僕の体調を気にしてくれながらも少し浮き足立っているようにも見えた。この後の予定を楽しみにしているのだろう。
「羽琉、顔色悪かったけど少し良くなった?」
その言葉に「もう大丈夫」と答えはしたけれど、気分は沈んだままだ。
『今日はあの子と遊ぶの?』
『何して遊ぶの?』
『僕よりあの子が好きなの?』
聞きたいことはたくさんあるのに聞くことができない。僕だって燈哉と遊びたいのに…。
「じゃあ、また明日ね」
車に乗り込んだ僕にそう言って笑いかける燈哉は僕のことなんて見てないように思えてしまい、無理に笑顔を向けて「またね」と答える。
僕が車に乗り込めば駅に向かうのはいつものことなのに、心なしかその足取りが軽く見えてしまい泣きたくなる。
僕がΩじゃなければ一緒に遊べたのにと思う反面、僕がΩじゃなければ【番候補】にはならなかったと思い直す。
『Ωだから仕方ない』
言ってはいけないと言われた言葉を隆臣に聞こえないように心の中で呟く。聞こえてしまったらきっとまた注意されるから。
「羽琉さん、今日はお疲れですか?」
僕の様子を見て隆臣が心配そうにそう言うから「今日、暑かったから」と答えておく。校舎内は一定の温度に保たれているし、体育は見学なのだから言い訳にもならない言葉のはずなのに、「これからもっと暑くなりますよ」と気遣ってくれる隆臣は僕の言葉を鵜呑みにしているのかもしれない。
それからの毎日は僕にとって苦痛なものだった。
いつもと変わらない毎日に見えて、今までとは違う毎日。
今日は彼と約束したのか、今日は彼と遊ぶのか、気になっても聞くことができず、モヤモヤした気持ちを抑え込む毎日。
燈哉が教室から出ていけば彼と会っているのかと不安になる。そして、彼がまた言付けをお願いしに来るのではないかと怯える。
燈哉のそばにいても落ち着かないし、燈哉がいなくても落ち着かない。
「もうすぐ夏休みだね」
そんなことを言い出したのは伊織だった。
その日も燈哉はトイレに行くと言って席を外していた。本当にトイレかどうかは疑わしいけれど、僕にはそれを確かめる術はない。
一緒に行くと言えば駄目だとは言わないだろうけど、次の休み時間にもまたトイレに行くと言われたら嘘を吐いているのだろうと気付いてしまうため何も言えなくなってしまう。
そんな僕たちの様子を見ていて、燈哉が席を外すとすぐに伊織が話しかけてくるのはいつものこと。燈哉以外に仲の良い友人のいない僕にとっては親しい間柄の同級生だと認識されているけれど、幼稚舎から一緒の同級生の中でも少しだけ仲良く見えるだけの存在。
「羽琉はどこかに行くの?」
そう言った伊織は自分の予定を話し出す。家族で旅行するとか、プールに行く予定だとか。
標準よりも大きくてαらしいαの燈哉と並ぶと線の細く見える伊織だけど、彼もまたαだと言われている。初等部に入ってから何かと声をかけてくれる伊織だったけど燈哉はそれが面白くないようで、伊織と話していると分かりやすくヤキモチを妬いてくれることが嬉しいと思ってしまう。だから伊織に話しかけられれば返事を返すし、笑顔だって見せるんだ。
今もきっと、教室に戻ってきた時に伊織と話している僕を見て表情を変えるだろう。
「夏は病院かな」
伊織の話がひと段落したところでそっと口を開く。
「検査があるから入院して、その後はどうだろう?
今年は隆臣がいるからどこか行けるかもしれない」
「隆臣って?」
僕の言葉に不思議そうな顔をした伊織は、聞きなれない名前に思わずと言った感じで聞き返すため仕方なく隆臣の説明をする。
「その人ってα?β?Ωじゃないよね」
何でそんなことを聞かれるのかわからないまま「え、隆臣はβだけど…」と答えれば少し安心そうな顔をした。
「その、隆臣さん?
その人とはどこかに行くの?
家族でじゃなくて?」
「うち、夏はお父さんたち忙しいから」
会えない日がある理由はこの時にはまだしっかりと理解できてはいなかったけど、それでも口外していいことではないと思いそう誤魔化す。
僕の返事を聞き余計なことを聞いてしまったと思ったのか、「あ、じゃあお土産買ってくるよ」と言ったところで燈哉が戻ってきて返事を返さないまま終わってしまった会話。
伊織が僕のことを気にかけてくれるのは嫌なわけじゃないけれど、何かと僕のことを詮索したがることに辟易はしていた。だけど幼稚舎から一緒だという仲間意識と、燈哉の気を引きたいという打算もあるせいで、燈哉がいない時を狙って話しかけてくる伊織を拒絶する気はない。
「何話してたの?」
「夏休みに何するって、」
「今年も病院?」
「そうだね。
検査して、大丈夫なら隆臣とどこか行けるかもだけど」
「行くならどこ?」
「分かんない。
でもあんまり人がいなくて暑すぎないところ?」
「それ、全く思いつかない」
僕の言葉に呆れたように笑う燈哉は自分の予定を話そうとしない。もしかしたら僕に遠慮しているのかもしれない。
「燈哉は?
旅行行ったりするの、やっぱり」
「どうだろう、何も聞いてないけどおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行くくらいかな」
「羽琉は?」
「人が多すぎるところに行く時は留守番だし」
「あ、そっか」
気不味い空気になってしまい「でも、今年は隆臣がいるから」と言えば「そうだね」と返ってくる。
本当は誰かと約束をしてるのか、誰かとどこかに行くのか、誰かの家に行くのかと聞きたいのに聞くことができない。
「夏休みの間は会えないね」
僕の言葉に「そうだね」と当たり前のように応えたことが悲しくて淋しくて、嘘でもいいから「夏休みに一緒に遊ぼうか?」と言って欲しかったと思ってしまう。
結局、誰かと約束することもなく入った夏休みはそれでも例年と比べれば楽しいものだった。
両親の予定に合わせて検査入院をして、異常が無いと診断されたおかげで療養と称して出かけた先の高原にあるホテルは快適だった。初めての花火大会に興奮して発熱してしまい、隆臣を慌てさせたりもしたけれど…。
「羽琉さん、少しずつでいいのでいろいろ食べてみませんか?」
検査の時に少し栄養が足りないと言われた僕のことを心配した隆臣は、ビュッフェでは僕の好きそうなものを少しずつ取り分けてくれる。
用意された食事を少しずつしか箸をつけることができなくても怒ることなく「こっちも食べてみますか?」と自分が箸をつける前の食事を取り分けてくれるし、食事の前に「残しても私が食べますから羽琉さんはひと通り食べてから好きなものを好きなだけ食べてください」と言ってくれるせいで食事も苦痛ではなかった。ひと通り食べてからと言ったのは主治医の先生から栄養バランスの話をされたからだろう。
甘やかされてると思うけれど、それをしてくれるのが両親ではなくて隆臣だということが少し淋しいと思ってしまう。
伊織のように家族旅行をすることに憧れだってあるし、燈哉のように祖父母と過ごしてみたいと思わないでもない。
αとΩでパートナー関係を築いている親類が多いせいで、親族の集まりといえばαだけで集まることが多いと理解するまでは燻っていたそんな気持ちも、隆臣と過ごすことでだいぶ緩和された。
だからと言って隆臣に対しての警戒を解くことはできず、どこかで一線を引いてしまう。常に一緒に過ごしていても就寝時はひとりになりたいとコネクティングルームを選ぶのはその頃からの習慣で、信頼をしていても馴れ合うことはない。
「羽琉さん、ちゃんと食べてくださいね。療養しにきたのに痩せたら私が先生に叱られます」
ホテルに篭っていても退屈だと不満を漏らす僕を連れ出してくれる隆臣は、行く先々で軽食を買っては僕に勧めてくるけれど、それも楽しみのひとつだった。
今までしたことのない経験は少しだけ僕を成長させ、休み明けには燈哉に話を聞いてもらおうと浮き足立っていた僕は、新学期早々にその気持ちを打ち砕かれるなんて思ってもみなかったんだ。
「羽琉、顔色悪かったけど少し良くなった?」
その言葉に「もう大丈夫」と答えはしたけれど、気分は沈んだままだ。
『今日はあの子と遊ぶの?』
『何して遊ぶの?』
『僕よりあの子が好きなの?』
聞きたいことはたくさんあるのに聞くことができない。僕だって燈哉と遊びたいのに…。
「じゃあ、また明日ね」
車に乗り込んだ僕にそう言って笑いかける燈哉は僕のことなんて見てないように思えてしまい、無理に笑顔を向けて「またね」と答える。
僕が車に乗り込めば駅に向かうのはいつものことなのに、心なしかその足取りが軽く見えてしまい泣きたくなる。
僕がΩじゃなければ一緒に遊べたのにと思う反面、僕がΩじゃなければ【番候補】にはならなかったと思い直す。
『Ωだから仕方ない』
言ってはいけないと言われた言葉を隆臣に聞こえないように心の中で呟く。聞こえてしまったらきっとまた注意されるから。
「羽琉さん、今日はお疲れですか?」
僕の様子を見て隆臣が心配そうにそう言うから「今日、暑かったから」と答えておく。校舎内は一定の温度に保たれているし、体育は見学なのだから言い訳にもならない言葉のはずなのに、「これからもっと暑くなりますよ」と気遣ってくれる隆臣は僕の言葉を鵜呑みにしているのかもしれない。
それからの毎日は僕にとって苦痛なものだった。
いつもと変わらない毎日に見えて、今までとは違う毎日。
今日は彼と約束したのか、今日は彼と遊ぶのか、気になっても聞くことができず、モヤモヤした気持ちを抑え込む毎日。
燈哉が教室から出ていけば彼と会っているのかと不安になる。そして、彼がまた言付けをお願いしに来るのではないかと怯える。
燈哉のそばにいても落ち着かないし、燈哉がいなくても落ち着かない。
「もうすぐ夏休みだね」
そんなことを言い出したのは伊織だった。
その日も燈哉はトイレに行くと言って席を外していた。本当にトイレかどうかは疑わしいけれど、僕にはそれを確かめる術はない。
一緒に行くと言えば駄目だとは言わないだろうけど、次の休み時間にもまたトイレに行くと言われたら嘘を吐いているのだろうと気付いてしまうため何も言えなくなってしまう。
そんな僕たちの様子を見ていて、燈哉が席を外すとすぐに伊織が話しかけてくるのはいつものこと。燈哉以外に仲の良い友人のいない僕にとっては親しい間柄の同級生だと認識されているけれど、幼稚舎から一緒の同級生の中でも少しだけ仲良く見えるだけの存在。
「羽琉はどこかに行くの?」
そう言った伊織は自分の予定を話し出す。家族で旅行するとか、プールに行く予定だとか。
標準よりも大きくてαらしいαの燈哉と並ぶと線の細く見える伊織だけど、彼もまたαだと言われている。初等部に入ってから何かと声をかけてくれる伊織だったけど燈哉はそれが面白くないようで、伊織と話していると分かりやすくヤキモチを妬いてくれることが嬉しいと思ってしまう。だから伊織に話しかけられれば返事を返すし、笑顔だって見せるんだ。
今もきっと、教室に戻ってきた時に伊織と話している僕を見て表情を変えるだろう。
「夏は病院かな」
伊織の話がひと段落したところでそっと口を開く。
「検査があるから入院して、その後はどうだろう?
今年は隆臣がいるからどこか行けるかもしれない」
「隆臣って?」
僕の言葉に不思議そうな顔をした伊織は、聞きなれない名前に思わずと言った感じで聞き返すため仕方なく隆臣の説明をする。
「その人ってα?β?Ωじゃないよね」
何でそんなことを聞かれるのかわからないまま「え、隆臣はβだけど…」と答えれば少し安心そうな顔をした。
「その、隆臣さん?
その人とはどこかに行くの?
家族でじゃなくて?」
「うち、夏はお父さんたち忙しいから」
会えない日がある理由はこの時にはまだしっかりと理解できてはいなかったけど、それでも口外していいことではないと思いそう誤魔化す。
僕の返事を聞き余計なことを聞いてしまったと思ったのか、「あ、じゃあお土産買ってくるよ」と言ったところで燈哉が戻ってきて返事を返さないまま終わってしまった会話。
伊織が僕のことを気にかけてくれるのは嫌なわけじゃないけれど、何かと僕のことを詮索したがることに辟易はしていた。だけど幼稚舎から一緒だという仲間意識と、燈哉の気を引きたいという打算もあるせいで、燈哉がいない時を狙って話しかけてくる伊織を拒絶する気はない。
「何話してたの?」
「夏休みに何するって、」
「今年も病院?」
「そうだね。
検査して、大丈夫なら隆臣とどこか行けるかもだけど」
「行くならどこ?」
「分かんない。
でもあんまり人がいなくて暑すぎないところ?」
「それ、全く思いつかない」
僕の言葉に呆れたように笑う燈哉は自分の予定を話そうとしない。もしかしたら僕に遠慮しているのかもしれない。
「燈哉は?
旅行行ったりするの、やっぱり」
「どうだろう、何も聞いてないけどおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行くくらいかな」
「羽琉は?」
「人が多すぎるところに行く時は留守番だし」
「あ、そっか」
気不味い空気になってしまい「でも、今年は隆臣がいるから」と言えば「そうだね」と返ってくる。
本当は誰かと約束をしてるのか、誰かとどこかに行くのか、誰かの家に行くのかと聞きたいのに聞くことができない。
「夏休みの間は会えないね」
僕の言葉に「そうだね」と当たり前のように応えたことが悲しくて淋しくて、嘘でもいいから「夏休みに一緒に遊ぼうか?」と言って欲しかったと思ってしまう。
結局、誰かと約束することもなく入った夏休みはそれでも例年と比べれば楽しいものだった。
両親の予定に合わせて検査入院をして、異常が無いと診断されたおかげで療養と称して出かけた先の高原にあるホテルは快適だった。初めての花火大会に興奮して発熱してしまい、隆臣を慌てさせたりもしたけれど…。
「羽琉さん、少しずつでいいのでいろいろ食べてみませんか?」
検査の時に少し栄養が足りないと言われた僕のことを心配した隆臣は、ビュッフェでは僕の好きそうなものを少しずつ取り分けてくれる。
用意された食事を少しずつしか箸をつけることができなくても怒ることなく「こっちも食べてみますか?」と自分が箸をつける前の食事を取り分けてくれるし、食事の前に「残しても私が食べますから羽琉さんはひと通り食べてから好きなものを好きなだけ食べてください」と言ってくれるせいで食事も苦痛ではなかった。ひと通り食べてからと言ったのは主治医の先生から栄養バランスの話をされたからだろう。
甘やかされてると思うけれど、それをしてくれるのが両親ではなくて隆臣だということが少し淋しいと思ってしまう。
伊織のように家族旅行をすることに憧れだってあるし、燈哉のように祖父母と過ごしてみたいと思わないでもない。
αとΩでパートナー関係を築いている親類が多いせいで、親族の集まりといえばαだけで集まることが多いと理解するまでは燻っていたそんな気持ちも、隆臣と過ごすことでだいぶ緩和された。
だからと言って隆臣に対しての警戒を解くことはできず、どこかで一線を引いてしまう。常に一緒に過ごしていても就寝時はひとりになりたいとコネクティングルームを選ぶのはその頃からの習慣で、信頼をしていても馴れ合うことはない。
「羽琉さん、ちゃんと食べてくださいね。療養しにきたのに痩せたら私が先生に叱られます」
ホテルに篭っていても退屈だと不満を漏らす僕を連れ出してくれる隆臣は、行く先々で軽食を買っては僕に勧めてくるけれど、それも楽しみのひとつだった。
今までしたことのない経験は少しだけ僕を成長させ、休み明けには燈哉に話を聞いてもらおうと浮き足立っていた僕は、新学期早々にその気持ちを打ち砕かれるなんて思ってもみなかったんだ。
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