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遊星
知らされた真実と知らされる想い。
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卒業式の日は予定通り晴翔と過ごし、式の後はみんなでファミレスに繰り出す。別に感傷的になっていたわけではないけれど、何となく離れ難いのはみんな一緒だ。
進学校だったものの就職を選んだヤツもいるし、同じ大学に行く予定のヤツもいれば郁哉みたいに遠くの大学を選んだヤツもいる。
同じ大学を選んだからと言って友人関係が続くわけでもないだろう。
「4月からもよろしくな」
自分は合格すると信じて疑わない晴翔はずっと笑顔なままだ。
あれほど執着していた郁哉の変化にも気付かず、自分から離れていく気配にも気付かない。
郁哉がいなくなったと気付くのはいつだろう。
その時に晴翔は何を思うのだろう。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
「あ、遊星。
晴翔の奴、やっと気付いたよ」
構内を歩いているとオレを呼び止めた同級生がニヤリと笑う。郁哉が行く予定だった学部に通う彼もまた郁哉と晴翔の関係に気付き、晴翔が郁哉にした仕打ちを面白くないと思っていた。
2人の関係を正確に把握していたのは少ない人数だけど、小学生の頃から郁哉を独占していたことはみんな知っていて、それなのに急に郁哉の手を離した晴翔のことを嗤っていたのは少なくない人数だったのに当の本人は全く気付いていなかった。
「何で?」
「今更『郁哉って、そっちの学部?』だってさ」
そろそろ梅雨入りの知らせの聞こえそうなこの時期になるまで気付かなかった晴翔に呆れてしまう。
「郁哉はこの学校にいないし、どっか遠くの大学に行ったって言ったらショック受けてた」
今まで気付かなかった晴翔も晴翔だけど、今まで誰も郁哉のことを告げなかったのはただの悪ふざけじゃない。自分に直接関わりがあるわけではないし、それを理由に友人関係を断つには弱すぎる。ただの友人として付き合う分には問題ないため敢えて告げる必要はないと思ってのことだ。
だって、告げることを郁哉が望んでいないのだから。
2人が一緒に過ごすのをやめてから郁哉の周りには自然と人が増えた。近くで威嚇する晴翔がいなくなったのだから当然の結果だ。
はじめは戸惑っていたようだけど、中学の頃のように〈可愛がり〉があるわけでもなく、〈友人〉として接してくる相手に少しずつ郁哉は慣れていった。
高校3年生は案外大人だ。
離れていった晴翔のことを詮索することもなく、共通の悩みである進路の話を中心に情報交換をすることで少しずつ仲を深めていく。
そんな中で志望校の話になり、進路を変えることを話し、「晴翔は?」と聞かれても曖昧な笑みを浮かべれば周囲は勝手に察していく。
もしかしたら郁哉は案外策士だったのかもしれない。
晴翔が何か聞く事があれば答えてもらえたかもしれない郁哉の進路は、敢えて伝える必要のない事だと認識され、郁也を顧みることの無かった晴翔にはその情報が伝わらないまま時間が過ぎていったのだろう。
「遊星もきっと何か聞かれるよ?」
同級生は人の悪い笑みを浮かべたままだ。
「まぁ、そうしたら全部話すけどね」
「ねぇ、見に行っていい?」
「悪趣味。
どうせ思った通りのリアクションしかしないんじゃない?
今頃、郁哉に連絡取ろうとしてると思うよ」
「あ、連絡取れないって言っちゃった」
それまで黙っていた別の同級生も口を開く。コイツらは郁哉と同じ塾だったせいで、他のヤツ等より関わりが深かったのかもしれない。実際、高校の時も1人になった郁哉を何かと気にかけていたはずだ。
「いいんじゃない?
どう頑張っても連絡取れないし」
「遊星も?」
「解約して全部新しくするって言ってたし」
「親もこっちにいないんだからもう会うこともないんだろうな」
交わされる会話に少し淋しさはあるものの、正論でしかない。
高校を卒業して数ヶ月。
今はまだそれまでの友人と過ごしているけれど、これから新しい人間関係を広げていくうちにその関係は少しずつ変化していくだろう。
地元にいてもそんな風に疎遠になっていくのだから、遠くに行ってしまった同級生のことはきっと少しずつ忘れていってしまうはずだ。
「また会った時にでも晴翔のリアクション、教えて」
「了解」
きっと、果たされることのない約束をして笑い合い「じゃあね」と言って別れる。次にコイツらに会うのはいつだろう。その時、オレは誰と一緒にいるのだろう。
「晴翔っ」
視線の先に見つけた晴翔にいつものように声をかける。提出物を出してくるから先に行ってとお願いしたのはカフェテリアの席を取っておいて欲しかったから。次の講義まで空いてしまったため時間潰しをしようと思っていたのだ。
「あ、遊星。
終わった?」
そう言った晴翔の手元にはスマホ。
郁哉に連絡を取ろうとしていたのだろう、きっと。
「終わったよ。
全部出したと思ってたのに別のところに挟んであるなんて、超二度手間」
晴翔が何を言うのかが気になるけれど、取り敢えず当たり障りのない会話を続ける。「自業自得だろ?」と言われて少しイラつくけれど「そうなんだけど…」と答えてやり過ごした。
不毛な会話を続ける気はない。
並んで歩き出したことで会話が始まるかと思ったものの、晴翔は口を開かないためどうしたものかと思いつつ、こちらが先に口を開く。敢えて避けていた名前を出すにはちょうどいいタイミングだ。
「そう言えば郁哉と連絡取れるかって聞かれたけど、何かあった?」
何気ない様子を装い口にした言葉に晴翔がわかりやすく反応した。そして、少し嫌そうな顔をして口にした言葉は晴翔のバカさ加減を露わにする。
「郁哉と同じ学部かと思って声かけたらこの学校にはいないし、連絡も取れないって言われた。
マンションでも会う事ないし、駅までの道で会うこともないからアパートでも借りたのかと思ってたけど違ったみたい」
「今更?」
自分でも驚くような低い声が出る。
「郁哉、もともとこの学校受けてないし、そもそもあのマンションに家族も住んでないでしょ?」
「え?」
オレの口から出る事実に目を白黒させているけれど、その表情に呆れた声しか出てこない。怒る価値もない、そう思うけれど辛辣な言葉を止めることはできなかった。
「だって、郁哉の学力ならどこだって受け放題じゃない?
誰かさんがお荷物になってたみたいだけど、お荷物無ければ自由だし。
〈腐って途切れればいい〉とか言われたらいらない荷物なんて捨てるよね」
「何言ってるの?」
オレの言葉に困ったような表情を見せる晴翔は自分が言った言葉を覚えてはいないのだろう。憎々しく告げた〈腐れ縁〉とか〈腐って途切れればいい〉とか、何も考えずに口から出た言葉で傷つけられた郁哉を思うと居た堪れない。
「いつ気付くかと思ったけど、本当に晴翔って自分のことしか考えてなかったんだよね。
郁哉がどこの大学受けるか気にもしなかったんだ?」
「だって、ここ受けるって」
「晴翔と一緒にならね。
郁哉の学力知ってる?
別に地元に拘らなければ選択肢はもっとたくさんあったし、親が引っ越すならそっちの大学にだって行けるだろうし。
自分の事、都合よく使っておいて要らなくなったら捨てるような相手と同じ進路なんて選ぶわけないし。
そもそも、高校だって誰かさんが金魚の糞みたいに引っ付いてきたけど本当なら別だったよね?」
そこまで言われてやっと、自分に向けられた悪意に気付いたのだろう。郁哉がいる間は郁哉に気持ちを向けないように、大学に入ってからは単純に友人として付き合ってきた。
郁哉のいなくなったことに気付き、傷付けばいいと思った。
自分のしたことに気付き反省するかと思った。
もっとショックを受けて、傷付いた顔を見せればオレの気持ちも少しは晴れたかもしれないけれど、それほど堪えていない様子の晴翔に苛立ちしか感じなかった。
「都合よく使って要らなくなったら捨てるって…」
「違った?
郁哉のこと、自分から離れないように囲っておいて、手に入れたのに飽きて都合良く利用して。それで代わりが手に入ったら捨てるとか、人間としてどうかと思うよ?
自覚無い?」
オレの言葉に思い当たる事があるのだろう。
晴翔が郁哉の代わりとして見つけたのがオレなのだという事に気付いたのはやたらとオレに対して距離が近いから。友人たちといてもオレの隣に来たがるし、スキンシップも多い。
もともとゲームや漫画の趣味も似ていたけれど、オレが勧めたものは好みじゃなくても無条件で良いというのには呆れた。
それでも高校の時は受験生だという自覚もあったのか、〈友人〉としてのスタンスを崩すことはなかったけれど、大学に入り落ち着いた最近は少しずつ距離を縮められているようでどうしたものかと思っていたのだ。
例えば、何かにつけてオレと過ごしたがり、やたらと部屋に遊びに来たがる。
そして、部屋にくれば近い距離に座ろうとする。
手を繋いだり、腰を抱いたり、そこまで露骨なことはしないけれど、どさくさに紛れてやたらと肩を抱こうとするのには辟易する。
きっと、郁哉はこんな行動を繰り返されたせいで晴翔に囲われてしまったのだろう。
進学校だったものの就職を選んだヤツもいるし、同じ大学に行く予定のヤツもいれば郁哉みたいに遠くの大学を選んだヤツもいる。
同じ大学を選んだからと言って友人関係が続くわけでもないだろう。
「4月からもよろしくな」
自分は合格すると信じて疑わない晴翔はずっと笑顔なままだ。
あれほど執着していた郁哉の変化にも気付かず、自分から離れていく気配にも気付かない。
郁哉がいなくなったと気付くのはいつだろう。
その時に晴翔は何を思うのだろう。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
「あ、遊星。
晴翔の奴、やっと気付いたよ」
構内を歩いているとオレを呼び止めた同級生がニヤリと笑う。郁哉が行く予定だった学部に通う彼もまた郁哉と晴翔の関係に気付き、晴翔が郁哉にした仕打ちを面白くないと思っていた。
2人の関係を正確に把握していたのは少ない人数だけど、小学生の頃から郁哉を独占していたことはみんな知っていて、それなのに急に郁哉の手を離した晴翔のことを嗤っていたのは少なくない人数だったのに当の本人は全く気付いていなかった。
「何で?」
「今更『郁哉って、そっちの学部?』だってさ」
そろそろ梅雨入りの知らせの聞こえそうなこの時期になるまで気付かなかった晴翔に呆れてしまう。
「郁哉はこの学校にいないし、どっか遠くの大学に行ったって言ったらショック受けてた」
今まで気付かなかった晴翔も晴翔だけど、今まで誰も郁哉のことを告げなかったのはただの悪ふざけじゃない。自分に直接関わりがあるわけではないし、それを理由に友人関係を断つには弱すぎる。ただの友人として付き合う分には問題ないため敢えて告げる必要はないと思ってのことだ。
だって、告げることを郁哉が望んでいないのだから。
2人が一緒に過ごすのをやめてから郁哉の周りには自然と人が増えた。近くで威嚇する晴翔がいなくなったのだから当然の結果だ。
はじめは戸惑っていたようだけど、中学の頃のように〈可愛がり〉があるわけでもなく、〈友人〉として接してくる相手に少しずつ郁哉は慣れていった。
高校3年生は案外大人だ。
離れていった晴翔のことを詮索することもなく、共通の悩みである進路の話を中心に情報交換をすることで少しずつ仲を深めていく。
そんな中で志望校の話になり、進路を変えることを話し、「晴翔は?」と聞かれても曖昧な笑みを浮かべれば周囲は勝手に察していく。
もしかしたら郁哉は案外策士だったのかもしれない。
晴翔が何か聞く事があれば答えてもらえたかもしれない郁哉の進路は、敢えて伝える必要のない事だと認識され、郁也を顧みることの無かった晴翔にはその情報が伝わらないまま時間が過ぎていったのだろう。
「遊星もきっと何か聞かれるよ?」
同級生は人の悪い笑みを浮かべたままだ。
「まぁ、そうしたら全部話すけどね」
「ねぇ、見に行っていい?」
「悪趣味。
どうせ思った通りのリアクションしかしないんじゃない?
今頃、郁哉に連絡取ろうとしてると思うよ」
「あ、連絡取れないって言っちゃった」
それまで黙っていた別の同級生も口を開く。コイツらは郁哉と同じ塾だったせいで、他のヤツ等より関わりが深かったのかもしれない。実際、高校の時も1人になった郁哉を何かと気にかけていたはずだ。
「いいんじゃない?
どう頑張っても連絡取れないし」
「遊星も?」
「解約して全部新しくするって言ってたし」
「親もこっちにいないんだからもう会うこともないんだろうな」
交わされる会話に少し淋しさはあるものの、正論でしかない。
高校を卒業して数ヶ月。
今はまだそれまでの友人と過ごしているけれど、これから新しい人間関係を広げていくうちにその関係は少しずつ変化していくだろう。
地元にいてもそんな風に疎遠になっていくのだから、遠くに行ってしまった同級生のことはきっと少しずつ忘れていってしまうはずだ。
「また会った時にでも晴翔のリアクション、教えて」
「了解」
きっと、果たされることのない約束をして笑い合い「じゃあね」と言って別れる。次にコイツらに会うのはいつだろう。その時、オレは誰と一緒にいるのだろう。
「晴翔っ」
視線の先に見つけた晴翔にいつものように声をかける。提出物を出してくるから先に行ってとお願いしたのはカフェテリアの席を取っておいて欲しかったから。次の講義まで空いてしまったため時間潰しをしようと思っていたのだ。
「あ、遊星。
終わった?」
そう言った晴翔の手元にはスマホ。
郁哉に連絡を取ろうとしていたのだろう、きっと。
「終わったよ。
全部出したと思ってたのに別のところに挟んであるなんて、超二度手間」
晴翔が何を言うのかが気になるけれど、取り敢えず当たり障りのない会話を続ける。「自業自得だろ?」と言われて少しイラつくけれど「そうなんだけど…」と答えてやり過ごした。
不毛な会話を続ける気はない。
並んで歩き出したことで会話が始まるかと思ったものの、晴翔は口を開かないためどうしたものかと思いつつ、こちらが先に口を開く。敢えて避けていた名前を出すにはちょうどいいタイミングだ。
「そう言えば郁哉と連絡取れるかって聞かれたけど、何かあった?」
何気ない様子を装い口にした言葉に晴翔がわかりやすく反応した。そして、少し嫌そうな顔をして口にした言葉は晴翔のバカさ加減を露わにする。
「郁哉と同じ学部かと思って声かけたらこの学校にはいないし、連絡も取れないって言われた。
マンションでも会う事ないし、駅までの道で会うこともないからアパートでも借りたのかと思ってたけど違ったみたい」
「今更?」
自分でも驚くような低い声が出る。
「郁哉、もともとこの学校受けてないし、そもそもあのマンションに家族も住んでないでしょ?」
「え?」
オレの口から出る事実に目を白黒させているけれど、その表情に呆れた声しか出てこない。怒る価値もない、そう思うけれど辛辣な言葉を止めることはできなかった。
「だって、郁哉の学力ならどこだって受け放題じゃない?
誰かさんがお荷物になってたみたいだけど、お荷物無ければ自由だし。
〈腐って途切れればいい〉とか言われたらいらない荷物なんて捨てるよね」
「何言ってるの?」
オレの言葉に困ったような表情を見せる晴翔は自分が言った言葉を覚えてはいないのだろう。憎々しく告げた〈腐れ縁〉とか〈腐って途切れればいい〉とか、何も考えずに口から出た言葉で傷つけられた郁哉を思うと居た堪れない。
「いつ気付くかと思ったけど、本当に晴翔って自分のことしか考えてなかったんだよね。
郁哉がどこの大学受けるか気にもしなかったんだ?」
「だって、ここ受けるって」
「晴翔と一緒にならね。
郁哉の学力知ってる?
別に地元に拘らなければ選択肢はもっとたくさんあったし、親が引っ越すならそっちの大学にだって行けるだろうし。
自分の事、都合よく使っておいて要らなくなったら捨てるような相手と同じ進路なんて選ぶわけないし。
そもそも、高校だって誰かさんが金魚の糞みたいに引っ付いてきたけど本当なら別だったよね?」
そこまで言われてやっと、自分に向けられた悪意に気付いたのだろう。郁哉がいる間は郁哉に気持ちを向けないように、大学に入ってからは単純に友人として付き合ってきた。
郁哉のいなくなったことに気付き、傷付けばいいと思った。
自分のしたことに気付き反省するかと思った。
もっとショックを受けて、傷付いた顔を見せればオレの気持ちも少しは晴れたかもしれないけれど、それほど堪えていない様子の晴翔に苛立ちしか感じなかった。
「都合よく使って要らなくなったら捨てるって…」
「違った?
郁哉のこと、自分から離れないように囲っておいて、手に入れたのに飽きて都合良く利用して。それで代わりが手に入ったら捨てるとか、人間としてどうかと思うよ?
自覚無い?」
オレの言葉に思い当たる事があるのだろう。
晴翔が郁哉の代わりとして見つけたのがオレなのだという事に気付いたのはやたらとオレに対して距離が近いから。友人たちといてもオレの隣に来たがるし、スキンシップも多い。
もともとゲームや漫画の趣味も似ていたけれど、オレが勧めたものは好みじゃなくても無条件で良いというのには呆れた。
それでも高校の時は受験生だという自覚もあったのか、〈友人〉としてのスタンスを崩すことはなかったけれど、大学に入り落ち着いた最近は少しずつ距離を縮められているようでどうしたものかと思っていたのだ。
例えば、何かにつけてオレと過ごしたがり、やたらと部屋に遊びに来たがる。
そして、部屋にくれば近い距離に座ろうとする。
手を繋いだり、腰を抱いたり、そこまで露骨なことはしないけれど、どさくさに紛れてやたらと肩を抱こうとするのには辟易する。
きっと、郁哉はこんな行動を繰り返されたせいで晴翔に囲われてしまったのだろう。
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