7 / 80
前編
罪と罰と 3
しおりを挟む
ナタリーは赤褐色の髪に、黒い瞳をしている。
今は春だが、秋に木の枝を覆う葉が赤く色づいた時のような髪色だ。
そして、秋風が枝葉を揺らすのと似た感覚を覚えていた。
オスカー・キルテス伯爵が目を覚ましたことに気づいている。
自分たちを育んだ土壌とも言える人物だ。
カーリーを始め、伯爵の闇から生じたものたちは、伯爵の命令にしか従わない。
感覚だけではなく、その意思までをも共有できるのはカーリーだけだが「枝」は「葉」よりも多くの感覚を共有している。
ひと際、生命力が強く、人の形を取れたものが「葉」だ。
しかし、「葉」は、どれだけ生命力が強くても、人と同じくらいの期間で命も尽きる。
対して「枝」にはカーリーと同じく、ほとんど寿命がない。
木が厚さを増す際に新しい皮をまとうように、数十年に1度、姿が変わる。
ナタリーは「枝」だ。
少し前に姿が変わり、人の歳で24、5という外見をしていた。
目尻が細く、吊り上がっており、短い髪と相まって厳しく冷たく見える。
枝葉には男女どちらの姿もあるが、今回なぜ女性の外見になったのかまではわからない。
考えたこともなかった。
今の姿は、ナタリーにとって、数十年に1度は起きる姿変わりの1回に過ぎない。
この2百年の間、男だったり、女だったり。
決まった法則があるようでもなく。
寿命が人並な「葉」のほうが、性別にこだわったりする。
枝よりも葉は「人間寄り」なのかもしれない。
感覚を共有しつつも、枝葉それぞれに個別の思考はある。
伯爵の命令にしか従わないとしても、無個性ではないのだ。
とはいえ、長く生きていると似てくる者もいる。
そのため1度きりの命しか持たない「葉」は、「枝」より個性が強くなるのだろうと、ナタリーは考えていた。
(ミナイ、そっちはどう?)
生命力が弱く人の姿を取れないものたちは目に見えない粒子となり、キルテス伯爵領を起点に、周囲の大陸にまで散らばっている。
それらは「落ち葉」と呼ばれていた。
なぜかは不明だが「葉」には、「枝」にない特殊な能力がある。
多少の制限はあるものの「葉」は「落ち葉」と意思疎通できるのだ。
なので、少しばかり面倒ではあるが「葉」を通じて情報収集していた。
呼んだのは、カーズデン男爵領にいるミナイという名の「葉」だ。
(……男爵が息子にやらせたわけではないみたい。でも、知ってはいたみたい)
(あの馬鹿息子が、ファニー様に乱暴しようとしていたことを、男爵は見過ごしにしたってことね?)
(そうみたい……男爵はファニー様を西方に売るって言っていたらしいよ)
(西方にはリセリアと同じで、奴隷制があるからだわ)
(たぶんね。オリヴィアは不愉快そうだったって)
オリヴィアというのは、キルテス伯爵領の元騎士団長リーストン卿の娘だったと記憶している。
騎士団を守るために、カーズデン男爵の養女になったと知っていた。
だが、ナタリーは、それを認められずにいる。
簡単に言えば、不快なのだ。
騎士の称号がなければ騎士団長になれないなどという帝国法にない「悪法」に従い、守るべき伯爵領からオリヴィアは遠ざかった。
領地を守るために存在していたはずの騎士団が、だ。
いっそ騎士の身分など捨て、民として暮らせば良かったのだと思わずにいられない。
騎士でなければ「武器」を持てないとしても、木の棒1本だって武器に成り得る。
剣や銃器を望まなければ、なんだって武器だ。
そうしたナタリーの思考が、オリヴィアに不快をいだかせる。
所詮は、伯爵領を「見捨てた」のだと。
(オリヴィアの機嫌なんて、どうだっていいわ。ファニー様は最後まで、この地に残り、棍棒ひとつで戦おうとしていたのよ?)
(そうだね。僕らは、ファニー様が大好きだ)
ミナイが「みたい」とは言わない。
姿のないものも含めて枝葉の誰もが、ファニーに好感を持っている。
カーリーにしがみつき、伯爵への想いを口にする幼い少女。
それまで伯爵から流れてくる感覚は、闇に相応しい負のものばかりだった。
恨み、悲しみ、怒り、寂しさ。
なのに、その少女が訪れるようになって、別のものを感じるようになったのだ。
2百年間、1度もなかった新たな感覚に、枝葉は共鳴した。
それが人の言う「嬉しい」や「楽しい」というものに違いない。
伯爵から伝わってくるその感覚は、枝葉にとっての「喜び」となった。
だから、みんなでファニーを見守っている。
暑い日には木陰を作り、雨に濡れないよう庇い、寒い日には冷たい風を遮った。
もうずっと、そんなふうに枝葉は彼女と同じ時を過ごして来たのだ。
(伯爵様が目を覚ましたのは、ファニー様のおかげ。でも、伯爵様が目覚めてくれてよかった。これで、私たちも動けるわ)
(伯爵様、お命じになるよね?)
(当然よ。ファニー様に危害を加える者たちなんて皆殺しになればいい)
枝葉は、伯爵の命令がなければ動けない。
そのため、見守ることはできても、自発的にファニーを助けることができずにいた。
羊が殺されて悲しんでいる彼女の傍で、ざわついていただけだ。
(ナタリー)
ミナイとの会話に、カーリーの声が混じってくる。
伯爵との直接のやりとりは、基本的にカーリーが統括しているのだ。
いよいよ「命令」だ、と思った。
(お前は、屋敷でファニー様をお迎えする準備をしておきなさい。伯爵様が、お前を専属メイドに任じられたので、過不足のないようお仕えするように)
(心得ました)
ナタリーは、ムスタファやファルコと並び、「枝」としては古い。
早くに生じたからか、伯爵と共有している感覚も強かった。
ファニーの近くで彼女を守護し、世話ができることに喜びを感じる。
(ミナイ、お前は男爵家の者どもを敷地内に閉じ込めておきなさい)
(1匹も出さないよ)
「葉」は「枝」とは違い、知識の蓄積が薄い。
ミナイはまだ若く、言葉の使い分けなどはできずにいる。
その分、「落ち葉」たちとの距離が近い。
男爵家の敷地の周囲に闇を作り、堂々巡りをさせるのも容易いはずだ。
(みんなも喜んでいるみたい。伯爵様とファニー様のお役に立てるって)
(そのために、私たちはいるのだもの)
ナタリーは静かに微笑む。
その笑みが、さっきのことを思い出して、苦笑に変わった。
(それにしても、伯爵様は表現が独特ね)
ファニーは生粋の人間であり、枝葉とは異なるのだ。
感情や感覚は、言葉や態度で表現しなければ伝わらない。
あれで「愛おしい」が伝わるのだろうかと、ナタリーは少しだけ心配した。
今は春だが、秋に木の枝を覆う葉が赤く色づいた時のような髪色だ。
そして、秋風が枝葉を揺らすのと似た感覚を覚えていた。
オスカー・キルテス伯爵が目を覚ましたことに気づいている。
自分たちを育んだ土壌とも言える人物だ。
カーリーを始め、伯爵の闇から生じたものたちは、伯爵の命令にしか従わない。
感覚だけではなく、その意思までをも共有できるのはカーリーだけだが「枝」は「葉」よりも多くの感覚を共有している。
ひと際、生命力が強く、人の形を取れたものが「葉」だ。
しかし、「葉」は、どれだけ生命力が強くても、人と同じくらいの期間で命も尽きる。
対して「枝」にはカーリーと同じく、ほとんど寿命がない。
木が厚さを増す際に新しい皮をまとうように、数十年に1度、姿が変わる。
ナタリーは「枝」だ。
少し前に姿が変わり、人の歳で24、5という外見をしていた。
目尻が細く、吊り上がっており、短い髪と相まって厳しく冷たく見える。
枝葉には男女どちらの姿もあるが、今回なぜ女性の外見になったのかまではわからない。
考えたこともなかった。
今の姿は、ナタリーにとって、数十年に1度は起きる姿変わりの1回に過ぎない。
この2百年の間、男だったり、女だったり。
決まった法則があるようでもなく。
寿命が人並な「葉」のほうが、性別にこだわったりする。
枝よりも葉は「人間寄り」なのかもしれない。
感覚を共有しつつも、枝葉それぞれに個別の思考はある。
伯爵の命令にしか従わないとしても、無個性ではないのだ。
とはいえ、長く生きていると似てくる者もいる。
そのため1度きりの命しか持たない「葉」は、「枝」より個性が強くなるのだろうと、ナタリーは考えていた。
(ミナイ、そっちはどう?)
生命力が弱く人の姿を取れないものたちは目に見えない粒子となり、キルテス伯爵領を起点に、周囲の大陸にまで散らばっている。
それらは「落ち葉」と呼ばれていた。
なぜかは不明だが「葉」には、「枝」にない特殊な能力がある。
多少の制限はあるものの「葉」は「落ち葉」と意思疎通できるのだ。
なので、少しばかり面倒ではあるが「葉」を通じて情報収集していた。
呼んだのは、カーズデン男爵領にいるミナイという名の「葉」だ。
(……男爵が息子にやらせたわけではないみたい。でも、知ってはいたみたい)
(あの馬鹿息子が、ファニー様に乱暴しようとしていたことを、男爵は見過ごしにしたってことね?)
(そうみたい……男爵はファニー様を西方に売るって言っていたらしいよ)
(西方にはリセリアと同じで、奴隷制があるからだわ)
(たぶんね。オリヴィアは不愉快そうだったって)
オリヴィアというのは、キルテス伯爵領の元騎士団長リーストン卿の娘だったと記憶している。
騎士団を守るために、カーズデン男爵の養女になったと知っていた。
だが、ナタリーは、それを認められずにいる。
簡単に言えば、不快なのだ。
騎士の称号がなければ騎士団長になれないなどという帝国法にない「悪法」に従い、守るべき伯爵領からオリヴィアは遠ざかった。
領地を守るために存在していたはずの騎士団が、だ。
いっそ騎士の身分など捨て、民として暮らせば良かったのだと思わずにいられない。
騎士でなければ「武器」を持てないとしても、木の棒1本だって武器に成り得る。
剣や銃器を望まなければ、なんだって武器だ。
そうしたナタリーの思考が、オリヴィアに不快をいだかせる。
所詮は、伯爵領を「見捨てた」のだと。
(オリヴィアの機嫌なんて、どうだっていいわ。ファニー様は最後まで、この地に残り、棍棒ひとつで戦おうとしていたのよ?)
(そうだね。僕らは、ファニー様が大好きだ)
ミナイが「みたい」とは言わない。
姿のないものも含めて枝葉の誰もが、ファニーに好感を持っている。
カーリーにしがみつき、伯爵への想いを口にする幼い少女。
それまで伯爵から流れてくる感覚は、闇に相応しい負のものばかりだった。
恨み、悲しみ、怒り、寂しさ。
なのに、その少女が訪れるようになって、別のものを感じるようになったのだ。
2百年間、1度もなかった新たな感覚に、枝葉は共鳴した。
それが人の言う「嬉しい」や「楽しい」というものに違いない。
伯爵から伝わってくるその感覚は、枝葉にとっての「喜び」となった。
だから、みんなでファニーを見守っている。
暑い日には木陰を作り、雨に濡れないよう庇い、寒い日には冷たい風を遮った。
もうずっと、そんなふうに枝葉は彼女と同じ時を過ごして来たのだ。
(伯爵様が目を覚ましたのは、ファニー様のおかげ。でも、伯爵様が目覚めてくれてよかった。これで、私たちも動けるわ)
(伯爵様、お命じになるよね?)
(当然よ。ファニー様に危害を加える者たちなんて皆殺しになればいい)
枝葉は、伯爵の命令がなければ動けない。
そのため、見守ることはできても、自発的にファニーを助けることができずにいた。
羊が殺されて悲しんでいる彼女の傍で、ざわついていただけだ。
(ナタリー)
ミナイとの会話に、カーリーの声が混じってくる。
伯爵との直接のやりとりは、基本的にカーリーが統括しているのだ。
いよいよ「命令」だ、と思った。
(お前は、屋敷でファニー様をお迎えする準備をしておきなさい。伯爵様が、お前を専属メイドに任じられたので、過不足のないようお仕えするように)
(心得ました)
ナタリーは、ムスタファやファルコと並び、「枝」としては古い。
早くに生じたからか、伯爵と共有している感覚も強かった。
ファニーの近くで彼女を守護し、世話ができることに喜びを感じる。
(ミナイ、お前は男爵家の者どもを敷地内に閉じ込めておきなさい)
(1匹も出さないよ)
「葉」は「枝」とは違い、知識の蓄積が薄い。
ミナイはまだ若く、言葉の使い分けなどはできずにいる。
その分、「落ち葉」たちとの距離が近い。
男爵家の敷地の周囲に闇を作り、堂々巡りをさせるのも容易いはずだ。
(みんなも喜んでいるみたい。伯爵様とファニー様のお役に立てるって)
(そのために、私たちはいるのだもの)
ナタリーは静かに微笑む。
その笑みが、さっきのことを思い出して、苦笑に変わった。
(それにしても、伯爵様は表現が独特ね)
ファニーは生粋の人間であり、枝葉とは異なるのだ。
感情や感覚は、言葉や態度で表現しなければ伝わらない。
あれで「愛おしい」が伝わるのだろうかと、ナタリーは少しだけ心配した。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
世話焼き宰相と、わがまま令嬢
たつみ
恋愛
公爵令嬢ルーナティアーナは、幼い頃から世話をしてくれた宰相に恋をしている。
16歳の誕生日、意気揚々と求婚するも、宰相は、まったく相手にしてくれない。
いつも、どんな我儘でもきいてくれる激甘宰相が、恋に関してだけは完全拒否。
どうにか気を引こうと、宰相の制止を振り切って、舞踏会へ行くことにする。
が、会場には、彼女に悪意をいだく貴族子息がいて、襲われるはめに!
ルーナティアーナの、宰相に助けを求める声、そして恋心は、とどくのか?
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_2
他サイトでも掲載しています。
ウソつき殿下と、ふつつか令嬢
たつみ
恋愛
伯爵家の1人娘セラフィーナは、17歳になるまで自由気ままに生きていた。
だが、突然、父から「公爵家の正妻選び」に申し込んだと告げられる。
正妻の座を射止めるために雇われた教育係は魔術師で、とんでもなく意地悪。
正妻になれなければ勘当される窮状にあるため、追い出すこともできない。
負けず嫌いな彼女は反発しつつも、なぜだか彼のことが気になり始めて。
そんな中、正妻候補の1人が、彼女を貶める計画を用意していた。
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_10
他サイトでも掲載しています。
若輩当主と、ひよっこ令嬢
たつみ
恋愛
子爵令嬢アシュリリスは、次期当主の従兄弟の傍若無人ぶりに振り回されていた。
そんなある日、突然「公爵」が現れ、婚約者として公爵家の屋敷で暮らすことに!
屋敷での暮らしに慣れ始めた頃、別の女性が「離れ」に迎え入れられる。
そして、婚約者と「特別な客人(愛妾)」を伴い、夜会に出席すると言われた。
だが、屋敷の執事を意識している彼女は、少しも気に留めていない。
それよりも、執事の彼の言葉に、胸を高鳴らせていた。
「私でよろしければ、1曲お願いできますでしょうか」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_4
他サイトでも掲載しています。
不機嫌領主と、嫌われ令嬢
たつみ
恋愛
公爵令嬢ドリエルダは、10日から20日後に起きる出来事の夢を見る。
悪夢が現実にならないようにしてきたが、出自のこともあって周囲の嫌われ者に。
そして、ある日、婚約者から「この婚約を考え直す」と言われる夢を見てしまう。
最悪の結果を回避するため策を考え、彼女は1人で街に出る。
そこで出会った男性に協力してもらおうとするのだが、彼から言われた言葉は。
「いっそ、お前から婚約を解消すればよいではないか」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_7
他サイトでも掲載しています。
理不尽陛下と、跳ね返り令嬢
たつみ
恋愛
貴族令嬢ティファナは冴えない外見と「変わり者」扱いで周囲から孤立していた。
そんな彼女に、たった1人、優しくしてくれている幼馴染みとも言える公爵子息。
その彼に、突然、罵倒され、顔を引っ叩かれるはめに!
落胆しながら、その場を去る彼女は、さらなる悲劇に見舞われる。
練習用魔術の失敗に巻き込まれ、見知らぬ土地に飛ばされてしまったのだ!
そして、明らかに他国民だとわかる風貌と言葉遣いの男性から言われる。
「貴様のごとき不器量な女子、そうはおらぬ。憐れに思うて、俺が拾うてやる」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_3
他サイトでも掲載しています。
生真面目君主と、わけあり令嬢
たつみ
恋愛
公爵令嬢のジョゼフィーネは、生まれながらに「ざっくり」前世の記憶がある。
日本という国で「引きこもり」&「ハイパーネガティブ」な生き方をしていたのだ。
そんな彼女も、今世では、幼馴染みの王太子と、密かに婚姻を誓い合っている。
が、ある日、彼が、彼女を妃ではなく愛妾にしようと考えていると知ってしまう。
ハイパーネガティブに拍車がかかる中、彼女は、政略的な婚姻をすることに。
相手は、幼い頃から恐ろしい国だと聞かされていた隣国の次期国王!
ひと回り以上も年上の次期国王は、彼女を見て、こう言った。
「今日から、お前は、俺の嫁だ」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_6
他サイトでも掲載しています。
うっかり王子と、ニセモノ令嬢
たつみ
恋愛
キーラミリヤは、6歳で日本という国から転移して十年、諜報員として育てられた。
諜報活動のため、男爵令嬢と身分を偽り、王宮で侍女をすることになる。
運よく、王太子と出会えたはいいが、次から次へと想定外のことばかり。
王太子には「女性といい雰囲気になれない」魔術が、かかっていたのだ!
彼と「いい雰囲気」になる気なんてないのに、彼女が近づくと、魔術が発動。
あげく、王太子と四六時中、一緒にいるはめに!
「情報収集する前に、私、召されそうなんですけどっ?!」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_11
他サイトでも掲載しています。
口下手公爵と、ひたむき令嬢
たつみ
恋愛
「放蕩公爵と、いたいけ令嬢」続編となります。
この話のみでも、お読み頂けるようになっております。
公爵令嬢のシェルニティは、18年間、周囲から見向きもされずに生きてきた。
が、偶然に出会った公爵家当主と愛し愛される仲となり、平和な日を送っている。
そんな中、彼と前妻との間に起きた過去を、知ってしまうことに!
動揺しながらも、彼を思いやる気持ちから、ほしかった子供を諦める決意をする。
それを伝えたあと、彼との仲が、どこか、ぎこちなくなってしまって。
さらに、不安と戸惑いを感じている彼女に、王太子が、こう言った。
「最初に手を差し伸べたのが彼でなくても、あなたは彼を愛していましたか?」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_9
他サイトでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる