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前編
罪と罰と 1
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伯爵は「少し」と言ったが、少しどころではない。
驚き過ぎて声もなく、手を引かれるがままに彼女は歩いている。
「こちらに、お掛けください」
ぼうっとしたまま、ソファに腰をおろした。
そして、きょろきょろと周りを見回す。
木製の壁は細かな彫刻がされているだけで、絵画は掛けられていない。
天井は高く、木工細工の透かしの向こうに白い壁が見えた。
これといった装飾品はなく、いたってシンプルな部屋だ。
おかげで、気持ちが落ち着いてくる。
(話には聞いてたけど……これが境界鍵……)
豪商でもない限り、平民には、一生、縁のない道具だ。
使えば、思い通りの場所に移動できるらしい、という噂を聞いたことはある。
だが、実物を見たことはなく、具体的な使い方も知らない。
商人が大枚をはたくらしいが、その大枚が、どの程度かも想像がつかなかった。
「夜分ではありますが、お茶と菓子を用意しました」
声に、ハッとなる。
いつの間に用意されていたのか、テーブルにティーカップとケーキが置かれていた。
そのテーブルを挟んだ向かい側に「伯爵様」が座っている。
ダークブルーの肩下まである髪。
金色の瞳に黒の瞳孔。
本人と会うのは初めてでも、違和感や不信感はない。
目の前の男性が、この領地の領主だという確信があった。
不思議な感動とともに、罪悪感がわきあがってくる。
彼女は両手を膝にあて、ガバッと頭を下げた。
「すみません、伯爵様! 私が未熟なせいで、伯爵様の羊を3頭も殺されてしまいました!」
牧童として羊や牛を任されていたのに、守りきれなかったのだ。
毎年、過剰なまでの支援金をもらっているのが心苦しくなる。
「頭を上げてください。あなたが謝ることではありません」
「ですが……私は牧童です。父から仕事と責任を受け継いでます」
「であれば、私こそ謝罪しなければなりません。私の羊を守るのは、私の務めですからね。あなたが無事でなによりです、ファニー」
下げた時以上に勢いをつけて、頭を上げた。
髪がバサバサになるのも、おかまいなしだ。
心臓が一気に鼓動を速めている。
細められた金色の瞳に、どうしようもなく胸が高鳴った。
「は、伯爵様は……オスカー・キルテス伯爵様、ですよね」
自分でも、わけのわからないことを言っていると思う。
なぜならオスカー・キルテス伯爵は2百年も前に存在していた人物だからだ。
時間は流れ、世代は変わる。
貴族であっても平民であっても、それは変わらない。
リセリア帝国建国当時以来、誰も見たことのない人物。
キルテス伯爵家の歴代当主は「遺影の伯爵」と呼ばれている。
初代が33歳だった頃の姿を描いた肖像画でしか存在しないと揶揄されているのだ。
時は流れゆくものであり、2百年も前の人が、今ここにいるはずがない。
頭ではわかっているのに、心が納得していなかった。
幼い頃から、毎日毎日、肖像画を見て暮らしている。
その姿と同じ外見であり、同じ雰囲気を感じた。
だが、それだけではなく、彼女には内緒の理由がある。
父でさえも呼んだことのない愛称。
彼女自身が、こっそり自分につけたものだ。
そう呼んでくれたらいいのに、と思った人は、1人だけ。
「あれは、あなたが6歳の頃でしたか」
レセリア帝国の南東にある半島全体がキルテス伯爵領となっている。
彼女の家と伯爵の屋敷の間には、森があった。
昼でも暗いそこは「闇夜の森」と言われ、大人でも入るのを嫌がる。
けれど、なぜか心惹かれ、父に内緒で、たびたび入り込んでいた。
「あなたのお気に入りの木は、私が育てていたようなものなのです」
自分の行動を思い出し、かぁっと顔が熱くなる。
急に気恥ずかしくなって、うつむいた。
(伯爵様の目には、どう見えてたんだろ。絶対、おかしな奴だって思われたよね。蝉みたいにくっついてたし……)
鬱蒼と草木の生い茂る森の中。
最初に入ったのがいつだったのかは判然としない。
なんとなく足が向いて、1本の木が目に留まった。
両腕で抱きついても、左右の手が木の幹の半分にもとどかないくらい太い木だ。
だが、古木という印象はなく生命力に溢れていて、しがみついていると、とても気分が良くなる。
そのため、父にさえ話さないことまで木に語りかけるようになった。
たいていは「伯爵様」について、だったけれども。
「私に落胆していますか、ファニー?」
「落胆? がっかりってことですか? まさか」
「なぜ? 肖像画の私よりも、ずっと年上なのに?」
「肖像画の伯爵様も、今の伯爵様も、どちらも魅力的なっ……かたです……」
勢いあまって声を大にしてしまった。
しおしおと体を縮こませるファニーに、伯爵が、くすっと笑う。
おかげで、なおさらに恥ずかしくなった。
オスカー・キルテス伯爵は、ファニーの憧れの人なのだ。
日々、肖像画を眺め、時間があれば木に抱きついて思いの丈を口にする。
その「思いの丈」を時々ではあれ、聞かれていた。
しかも、その「思いの丈」の一端を本人の前で声高に口にしたとなれば、恥ずかしくならないわけがない。
「では、あなたは、私がエルマーとした約束に不満はないのでしょうか?」
「ふっ、不満なんてないですよ! まったく! ちっとも!」
羞恥心はそっちのけで、両手を広げて力説。
が、伯爵にゆったりと微笑みかけられ、またしても、しおしおとなる。
憧れの人を前に、お淑やかにしたいとの思いはあれど、ファニーには牧童としての経験しかない。
どうすれば「お淑やか」になれるのかも、わからずにいる。
「私にも不満などないですよ」
「ですが……私は、見栄えも悪くて、上品でもなくて……」
「あなたは、あなたで良いのです。なにも気にすることはありません。したいことをして、言いたいことを言ってくだされば良いのです」
やや低めの声は心地良く、安心感を覚えた。
それとともに、ほんのちょっぴり落胆する。
(私は平民だもんね。無理したって貴族になれるわけじゃない)
伯爵が、平民の自分になにを期待することがあるだろうか。
ファニーは、小さく苦笑いをもらした。
期待していたのは自分のほうだと気づいたからだ。
(2百年前の約束は口実だって、わかってたんだけどな)
そう、伯爵と当時の家長エルマーがした約束は、支援金を渡すための単なる口実に過ぎない。
それでも、長年の想いを胸に、つい期待が先走ってしまった。
身の程知らずにもほどがある、と自嘲する。
(私が伯爵様の婚約者だなんて、有り得ないよね)
驚き過ぎて声もなく、手を引かれるがままに彼女は歩いている。
「こちらに、お掛けください」
ぼうっとしたまま、ソファに腰をおろした。
そして、きょろきょろと周りを見回す。
木製の壁は細かな彫刻がされているだけで、絵画は掛けられていない。
天井は高く、木工細工の透かしの向こうに白い壁が見えた。
これといった装飾品はなく、いたってシンプルな部屋だ。
おかげで、気持ちが落ち着いてくる。
(話には聞いてたけど……これが境界鍵……)
豪商でもない限り、平民には、一生、縁のない道具だ。
使えば、思い通りの場所に移動できるらしい、という噂を聞いたことはある。
だが、実物を見たことはなく、具体的な使い方も知らない。
商人が大枚をはたくらしいが、その大枚が、どの程度かも想像がつかなかった。
「夜分ではありますが、お茶と菓子を用意しました」
声に、ハッとなる。
いつの間に用意されていたのか、テーブルにティーカップとケーキが置かれていた。
そのテーブルを挟んだ向かい側に「伯爵様」が座っている。
ダークブルーの肩下まである髪。
金色の瞳に黒の瞳孔。
本人と会うのは初めてでも、違和感や不信感はない。
目の前の男性が、この領地の領主だという確信があった。
不思議な感動とともに、罪悪感がわきあがってくる。
彼女は両手を膝にあて、ガバッと頭を下げた。
「すみません、伯爵様! 私が未熟なせいで、伯爵様の羊を3頭も殺されてしまいました!」
牧童として羊や牛を任されていたのに、守りきれなかったのだ。
毎年、過剰なまでの支援金をもらっているのが心苦しくなる。
「頭を上げてください。あなたが謝ることではありません」
「ですが……私は牧童です。父から仕事と責任を受け継いでます」
「であれば、私こそ謝罪しなければなりません。私の羊を守るのは、私の務めですからね。あなたが無事でなによりです、ファニー」
下げた時以上に勢いをつけて、頭を上げた。
髪がバサバサになるのも、おかまいなしだ。
心臓が一気に鼓動を速めている。
細められた金色の瞳に、どうしようもなく胸が高鳴った。
「は、伯爵様は……オスカー・キルテス伯爵様、ですよね」
自分でも、わけのわからないことを言っていると思う。
なぜならオスカー・キルテス伯爵は2百年も前に存在していた人物だからだ。
時間は流れ、世代は変わる。
貴族であっても平民であっても、それは変わらない。
リセリア帝国建国当時以来、誰も見たことのない人物。
キルテス伯爵家の歴代当主は「遺影の伯爵」と呼ばれている。
初代が33歳だった頃の姿を描いた肖像画でしか存在しないと揶揄されているのだ。
時は流れゆくものであり、2百年も前の人が、今ここにいるはずがない。
頭ではわかっているのに、心が納得していなかった。
幼い頃から、毎日毎日、肖像画を見て暮らしている。
その姿と同じ外見であり、同じ雰囲気を感じた。
だが、それだけではなく、彼女には内緒の理由がある。
父でさえも呼んだことのない愛称。
彼女自身が、こっそり自分につけたものだ。
そう呼んでくれたらいいのに、と思った人は、1人だけ。
「あれは、あなたが6歳の頃でしたか」
レセリア帝国の南東にある半島全体がキルテス伯爵領となっている。
彼女の家と伯爵の屋敷の間には、森があった。
昼でも暗いそこは「闇夜の森」と言われ、大人でも入るのを嫌がる。
けれど、なぜか心惹かれ、父に内緒で、たびたび入り込んでいた。
「あなたのお気に入りの木は、私が育てていたようなものなのです」
自分の行動を思い出し、かぁっと顔が熱くなる。
急に気恥ずかしくなって、うつむいた。
(伯爵様の目には、どう見えてたんだろ。絶対、おかしな奴だって思われたよね。蝉みたいにくっついてたし……)
鬱蒼と草木の生い茂る森の中。
最初に入ったのがいつだったのかは判然としない。
なんとなく足が向いて、1本の木が目に留まった。
両腕で抱きついても、左右の手が木の幹の半分にもとどかないくらい太い木だ。
だが、古木という印象はなく生命力に溢れていて、しがみついていると、とても気分が良くなる。
そのため、父にさえ話さないことまで木に語りかけるようになった。
たいていは「伯爵様」について、だったけれども。
「私に落胆していますか、ファニー?」
「落胆? がっかりってことですか? まさか」
「なぜ? 肖像画の私よりも、ずっと年上なのに?」
「肖像画の伯爵様も、今の伯爵様も、どちらも魅力的なっ……かたです……」
勢いあまって声を大にしてしまった。
しおしおと体を縮こませるファニーに、伯爵が、くすっと笑う。
おかげで、なおさらに恥ずかしくなった。
オスカー・キルテス伯爵は、ファニーの憧れの人なのだ。
日々、肖像画を眺め、時間があれば木に抱きついて思いの丈を口にする。
その「思いの丈」を時々ではあれ、聞かれていた。
しかも、その「思いの丈」の一端を本人の前で声高に口にしたとなれば、恥ずかしくならないわけがない。
「では、あなたは、私がエルマーとした約束に不満はないのでしょうか?」
「ふっ、不満なんてないですよ! まったく! ちっとも!」
羞恥心はそっちのけで、両手を広げて力説。
が、伯爵にゆったりと微笑みかけられ、またしても、しおしおとなる。
憧れの人を前に、お淑やかにしたいとの思いはあれど、ファニーには牧童としての経験しかない。
どうすれば「お淑やか」になれるのかも、わからずにいる。
「私にも不満などないですよ」
「ですが……私は、見栄えも悪くて、上品でもなくて……」
「あなたは、あなたで良いのです。なにも気にすることはありません。したいことをして、言いたいことを言ってくだされば良いのです」
やや低めの声は心地良く、安心感を覚えた。
それとともに、ほんのちょっぴり落胆する。
(私は平民だもんね。無理したって貴族になれるわけじゃない)
伯爵が、平民の自分になにを期待することがあるだろうか。
ファニーは、小さく苦笑いをもらした。
期待していたのは自分のほうだと気づいたからだ。
(2百年前の約束は口実だって、わかってたんだけどな)
そう、伯爵と当時の家長エルマーがした約束は、支援金を渡すための単なる口実に過ぎない。
それでも、長年の想いを胸に、つい期待が先走ってしまった。
身の程知らずにもほどがある、と自嘲する。
(私が伯爵様の婚約者だなんて、有り得ないよね)
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