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前編
光と闇と 3
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夜の空に、今にも折れてしまいそうなほど細く欠けた月が浮かんでいる。
投げかけてくる光も弱く、辺りは薄暗い。
彼女くらいの歳であれば、男でも心細くなりそうな夜だ。
だが、彼女は棍棒を握りしめ、身を潜めている。
(ポールの奴、今度、羊を殺そうとしたら、とっちめてやる)
これ以上、羊を失うわけにはいかない。
その気持ちと怒りが、心細さなんて吹き飛ばしていた。
今となっては、羊たちを守れるのは彼女だけなのだ。
騎士団も父もいない。
牧羊犬は牛舎に残してきた。
仮に、ポールたちが羊ではなく牛を狙ったら、犬が吠える。
ポールは臆病な男なので、怯むはずだ。
その間に、牛舎へと駆けつけられる。
(ポールが連れてる奴らも馬鹿だから、2手に分かれて襲うなんて真似はしない)
もとよりポールは臆病で卑怯な男だった。
自分1人では、牧羊犬すら退けられない。
そのため1人で行動することなんてできはしないのだ。
あげく、連れている者たちも、自らで考えて動くような連中ではない。
ポールの馬鹿げた指示に、ただ従っている。
彼らが固まって行動するのはわかっていた。
そのため、こうして待ち伏せているのだ。
いつも残されている足跡から推測すると、人数は3人か4人。
彼女だけでどうにかできる人数ではない。
なので、ポールだけを狙うつもりでいた。
もちろん、手加減などすれば、こっちがやられる。
拳で殴ったくらいでは、連中を怯ませるには不十分だ。
むしろ、反撃を食らって取り押さえられてしまうに違いない。
なので、手加減をする気はなかった。
そのための「棍棒」だ。
(ポールがぶっ倒れたら、慌てて主人をかかえて逃げるはず)
放っておけば死ぬかもしれない。
主人を見殺しにするつもりか。
などと言って焦らせれば、より効果的だろう。
ぶっ倒れたポールをかかえ、一目散に男爵領に駆け戻る姿が目に浮かぶ。
要は、首謀者のポールさえ昏倒させてしまえばいいのだ。
(それで、あいつも、しばらくは大人しくなるでしょ)
あんな奴が次期当主だと思うと、領民が気の毒になる。
臆病なだけならまだしも、卑怯で性格も悪い。
現当主ロベール・カーズデン男爵と面識はないが、良い人物とは思えなかった。
ポールの言葉の端々から、うかがい知れたのだ。
(貴族は王族と違って側室制度がないから、愛人に子ができても後継者になれないとか言って、ポールが威張り散らしてたっけ)
リセリア帝国には、皇族、貴族、平民という身分制度があった。
モディリヤ皇家の頂点である皇帝が、国を統治している。
各領地の配分は、建国時と大きく変わっていない。
身分の高低や領地の広さは、忠誠心と思想でもって決められたとされていた。
だからこそ、嘆かわしい。
今となっては、高位の貴族でも「忠誠心と思想」を持っているのか疑わしくなっている。
商人を通じ、貴族の遊興にふける様子が、田舎暮らしをしている彼女の耳にまで入っていた。
(2百年前は、きっと素晴らしい国だったのよ)
もっとも男爵家は領地の狭さからすると、貢献度は低そうだ。
と思ったところで、思考が途切れる。
なぜか背後から音と声が聞こえた。
それは、柵の「内側」に彼らがいることを示している。
(私には、まだ気づいてないみたいだけど……柵を壊しに来たんじゃないの?)
柵を壊す気があるのなら、外から壊すはずだ。
それから中に入り、羊を殺す。
仮に、見つかった場合、柵が壊れているほうが逃げ易い。
「大きいヤツは担いでいくのが大変だし、味もイマイチだからな」
「馬鹿者。食うために子羊を殺すのではないぞ」
手下とポールのやりとりが聞こえた。
今度は子羊を狙ったようだ。
きっと先月に産まれたばかりで、まだ離乳もできていない子羊に違いない。
薄暗がりに、4人の姿が、おぼろげに見える。
1人の手元が白くぼやけていた。
子羊の毛だと暗がりでもわかる。
気づいた瞬間、彼女は走った。
ドンッ!と、全身で男にぶつかっていく。
同時に転がりながら、子羊の体を抱きかかえた。
が、両腕で子羊をかかえたため、棍棒を取り落としている。
「このろくでなしども! とっとと出てってっ!」
予定も計画も頭から飛んでいた。
しゃがみこんでいた彼女の周りを、すぐさま4人の男が取り囲んだ。
茶色に薄青い瞳のポールが、口元に下卑た笑みを浮かべている。
こんな時でも貴族の好む上質なタキシードを着ていた。
(貴族は自分たちを上品だって言うけど、こいつのどこが上品なのよっ?)
彼女の心情を肯定するかのように、ポールが言う。
「ちょうど良かった。手間を省いてくれたんだろう、ベル?」
「あんたに愛称で呼ばれたくなんかない。ここは男爵様の領地じゃないんだよ?」
「その子羊が外で迷子になっていたから、わざわざ貴族である僕がとどけてやったんだぞ。礼を言われてもいいくらいなのに、なんだその言い草は」
「離乳もすんでない子が柵の外に出るわけないでしょ? こんなに小さな体で、どうやって柵を乗り越えられるっての?」
「ここの柵は、いつもあちこち壊れているじゃないか。だが、そんなことはどうでもいい。今夜は、お前に良い“提案”をしてやろう」
ポールが連れの男3人に手を振ってみせた。
頭は良くなくても、慣れた仕草だったらしい。
3人は躊躇うことなく彼女の体を押さえつける。
肩や腕、足まで捕まれていたが、その力に抗い、子羊を抱きしめた。
「どうせ、お前は婚姻なんかできないんだ。あげく、そのみすぼらしい姿じゃ、娼館でも雇ってくれないしな。だから、僕が愛人にしてやろう。どうだ、素晴らしい“提案”だろう、ベル」
ポールの言葉に、心がヒヤリとする。
そもそもポールは乱暴を働くつもりだったのではないか。
手間が省けたと言ったのは、そういうことなのではないかと思った。
「なあ、ベル。大人しく僕の“提案”を受け入れたほうが身のためだ」
ポールが、にやにやと笑う。
騎士団もなく、父もおらず、彼女を守れる者は誰もいない。
ポールは、そう言いたいのだ。
どの道、結果は同じだと。
彼女にもわかっている。
だが、ポールの言うなりになどなりたくない。
提案を受け入れるくらいなら死んだほうがマシだ。
怒りに輝く彼女の瞳に、ほんのわずか涙が滲む。
「返事が遅いな。決断し易くしてやるしかないか」
ポールの手が伸びて来て、反射的に目を閉じかけた。
その視界が、突然、真っ黒になる。
「私の羊に何をしている」
投げかけてくる光も弱く、辺りは薄暗い。
彼女くらいの歳であれば、男でも心細くなりそうな夜だ。
だが、彼女は棍棒を握りしめ、身を潜めている。
(ポールの奴、今度、羊を殺そうとしたら、とっちめてやる)
これ以上、羊を失うわけにはいかない。
その気持ちと怒りが、心細さなんて吹き飛ばしていた。
今となっては、羊たちを守れるのは彼女だけなのだ。
騎士団も父もいない。
牧羊犬は牛舎に残してきた。
仮に、ポールたちが羊ではなく牛を狙ったら、犬が吠える。
ポールは臆病な男なので、怯むはずだ。
その間に、牛舎へと駆けつけられる。
(ポールが連れてる奴らも馬鹿だから、2手に分かれて襲うなんて真似はしない)
もとよりポールは臆病で卑怯な男だった。
自分1人では、牧羊犬すら退けられない。
そのため1人で行動することなんてできはしないのだ。
あげく、連れている者たちも、自らで考えて動くような連中ではない。
ポールの馬鹿げた指示に、ただ従っている。
彼らが固まって行動するのはわかっていた。
そのため、こうして待ち伏せているのだ。
いつも残されている足跡から推測すると、人数は3人か4人。
彼女だけでどうにかできる人数ではない。
なので、ポールだけを狙うつもりでいた。
もちろん、手加減などすれば、こっちがやられる。
拳で殴ったくらいでは、連中を怯ませるには不十分だ。
むしろ、反撃を食らって取り押さえられてしまうに違いない。
なので、手加減をする気はなかった。
そのための「棍棒」だ。
(ポールがぶっ倒れたら、慌てて主人をかかえて逃げるはず)
放っておけば死ぬかもしれない。
主人を見殺しにするつもりか。
などと言って焦らせれば、より効果的だろう。
ぶっ倒れたポールをかかえ、一目散に男爵領に駆け戻る姿が目に浮かぶ。
要は、首謀者のポールさえ昏倒させてしまえばいいのだ。
(それで、あいつも、しばらくは大人しくなるでしょ)
あんな奴が次期当主だと思うと、領民が気の毒になる。
臆病なだけならまだしも、卑怯で性格も悪い。
現当主ロベール・カーズデン男爵と面識はないが、良い人物とは思えなかった。
ポールの言葉の端々から、うかがい知れたのだ。
(貴族は王族と違って側室制度がないから、愛人に子ができても後継者になれないとか言って、ポールが威張り散らしてたっけ)
リセリア帝国には、皇族、貴族、平民という身分制度があった。
モディリヤ皇家の頂点である皇帝が、国を統治している。
各領地の配分は、建国時と大きく変わっていない。
身分の高低や領地の広さは、忠誠心と思想でもって決められたとされていた。
だからこそ、嘆かわしい。
今となっては、高位の貴族でも「忠誠心と思想」を持っているのか疑わしくなっている。
商人を通じ、貴族の遊興にふける様子が、田舎暮らしをしている彼女の耳にまで入っていた。
(2百年前は、きっと素晴らしい国だったのよ)
もっとも男爵家は領地の狭さからすると、貢献度は低そうだ。
と思ったところで、思考が途切れる。
なぜか背後から音と声が聞こえた。
それは、柵の「内側」に彼らがいることを示している。
(私には、まだ気づいてないみたいだけど……柵を壊しに来たんじゃないの?)
柵を壊す気があるのなら、外から壊すはずだ。
それから中に入り、羊を殺す。
仮に、見つかった場合、柵が壊れているほうが逃げ易い。
「大きいヤツは担いでいくのが大変だし、味もイマイチだからな」
「馬鹿者。食うために子羊を殺すのではないぞ」
手下とポールのやりとりが聞こえた。
今度は子羊を狙ったようだ。
きっと先月に産まれたばかりで、まだ離乳もできていない子羊に違いない。
薄暗がりに、4人の姿が、おぼろげに見える。
1人の手元が白くぼやけていた。
子羊の毛だと暗がりでもわかる。
気づいた瞬間、彼女は走った。
ドンッ!と、全身で男にぶつかっていく。
同時に転がりながら、子羊の体を抱きかかえた。
が、両腕で子羊をかかえたため、棍棒を取り落としている。
「このろくでなしども! とっとと出てってっ!」
予定も計画も頭から飛んでいた。
しゃがみこんでいた彼女の周りを、すぐさま4人の男が取り囲んだ。
茶色に薄青い瞳のポールが、口元に下卑た笑みを浮かべている。
こんな時でも貴族の好む上質なタキシードを着ていた。
(貴族は自分たちを上品だって言うけど、こいつのどこが上品なのよっ?)
彼女の心情を肯定するかのように、ポールが言う。
「ちょうど良かった。手間を省いてくれたんだろう、ベル?」
「あんたに愛称で呼ばれたくなんかない。ここは男爵様の領地じゃないんだよ?」
「その子羊が外で迷子になっていたから、わざわざ貴族である僕がとどけてやったんだぞ。礼を言われてもいいくらいなのに、なんだその言い草は」
「離乳もすんでない子が柵の外に出るわけないでしょ? こんなに小さな体で、どうやって柵を乗り越えられるっての?」
「ここの柵は、いつもあちこち壊れているじゃないか。だが、そんなことはどうでもいい。今夜は、お前に良い“提案”をしてやろう」
ポールが連れの男3人に手を振ってみせた。
頭は良くなくても、慣れた仕草だったらしい。
3人は躊躇うことなく彼女の体を押さえつける。
肩や腕、足まで捕まれていたが、その力に抗い、子羊を抱きしめた。
「どうせ、お前は婚姻なんかできないんだ。あげく、そのみすぼらしい姿じゃ、娼館でも雇ってくれないしな。だから、僕が愛人にしてやろう。どうだ、素晴らしい“提案”だろう、ベル」
ポールの言葉に、心がヒヤリとする。
そもそもポールは乱暴を働くつもりだったのではないか。
手間が省けたと言ったのは、そういうことなのではないかと思った。
「なあ、ベル。大人しく僕の“提案”を受け入れたほうが身のためだ」
ポールが、にやにやと笑う。
騎士団もなく、父もおらず、彼女を守れる者は誰もいない。
ポールは、そう言いたいのだ。
どの道、結果は同じだと。
彼女にもわかっている。
だが、ポールの言うなりになどなりたくない。
提案を受け入れるくらいなら死んだほうがマシだ。
怒りに輝く彼女の瞳に、ほんのわずか涙が滲む。
「返事が遅いな。決断し易くしてやるしかないか」
ポールの手が伸びて来て、反射的に目を閉じかけた。
その視界が、突然、真っ黒になる。
「私の羊に何をしている」
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