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うっかり王子は、しっかり者 4
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キーラは、緊張している。
この世界に来て、ドレスを着たのなんて初めてだった。
諜報活動中は、たいてい侍女か商人に成りすましていたからだ。
ロズウェルドでは男爵令嬢の肩書はあったが、結局は、侍女勤め。
ドレスなど着る機会はなく、過ごしてきている。
「あなた……いったい、どういうつもり?」
派手なドレスをまとった女性には見覚えがあった。
ユバルに報告に行ったあと、王宮内でキーラを呼び止めた女性だ。
名までは知らないが、リディッシュ公爵家の令嬢だとは、わかっている。
「王太子殿下に、ねだりでもしたのかしら? 身の程知らずにもほどがあるわ」
自分でも、身の程は知っている。
さりとて、ここに並んでいるのは、キーラが望んだことではないのだ。
王太子は「最初から」キーラを、ここに呼ぶつもりでいたという。
キーラを王太子付きにするよう、宰相に言い渡して以来、当然ここに並ぶ手配もしていると、ずっと思い込んでいたらしい。
が、実際には、サシャが「申し渡し」をするまで、手配はなされていなかった。
それを聞いて、またちょっぴり王太子は、ご機嫌斜めになっていたのだけれど。
(ややこしいことになるに決まってるよね。私、侍女だったし、肩書も男爵だし、明らかに不自然だよ……けど、もう面倒くさいから黙ってよう……)
どの道、説明もできはしないのだ。
反論して騒ぎを起こしたりすれば、また「星が降って」くるかもしれない。
いつもは聞き分けが良く、我を張ることもない王太子だが、機嫌が傾くと宥めるのは、少々、骨が折れる。
大雑把な性格であるのに、ことキーラに関しては、頑固だった。
「そのドレス、みっともないわね。男爵家風情には、お似合いだけれど」
言い捨てて、彼女も列に並ぶ。
キーラにとっては、初ドレスでもあり、気に入っていた。
王太子が、キーラのために選んだものだからだ。
言わなかったし、言えなかったけれども。
朝、王太子は、キーラに「着身」で着替えをさせている。
なんとなく疑わしく、断り続けてきたが、今朝は、ドレスとの言葉に、その気にさせられてしまったのだ。
肌が見えることはなく、本当に、一瞬だった。
白を基調にした、体全体を覆うような、露出度ほぼゼロなドレス。
首元も、少し高めの襟がついており、袖も手を半分隠すほどの長さ。
足は、もちろん、まったく見えない。
非常にシンプルではあるが、細かな刺繍が施されていて、とても上品だ。
(肌を見せるのは自分にだけ、とか、頭おかしいこと言ってたけどね……)
侍女服は、基本的に、シックな色がベースであり、肌の露出は皆無。
だから、安心だったとかなんとか、言ってもいた。
なにを気にしているのやら、と呆れるけれど、嫌な気はしない。
自覚があるのかはともかく、王太子は独占欲が強いらしいのだ。
少し笑ってしまいそうになった時だった。
シャ…という、カーテンが開くような音がする。
慌てて、頭を下げた。
いよいよ、と、室内の緊張感が増す。
「それでは、これより……」
あの宰相の声だ、と、思ったのだけれども。
「高坂きらら・ミィアナ・リーデル以外の者は、下がって良い」
いや、早過ぎだから。
本名通じないから。
せっかくドレスを着たのに、一瞬で、儀式が終わりそうな気配。
正妃選びの儀の「せ」すら、宰相は言っていないのに。
「そんな! まだ儀式は始まっておりません! 殿下は、私を……」
「下がりなさい」
声をあげたのは、リディッシュ公爵令嬢だ。
制したのは、サシャ。
ものすごく冷たい声だった。
「我が君は、すでにお選びになられました」
「で、ですが、今の名はいったい……」
「キーラミリヤ・ラピスト男爵令嬢が選ばれたのですよ」
「男爵家など! 身分があまりにも……っ……」
「王族は、その心によってのみ妻を迎えるべし。ユージーン・ウィリアートン宰相が、お作りになられた法を、ご存知ないのですか?」
そうなのか、と思う。
だから、2人は「身分など些末なこと」と考えていたのだろう。
「下がらないのであれば、私が下がらせてさしあげても良いのですが?」
うわ、こわ。
キーラに対し、サシャは礼儀正しく、親切だった。
主に似て、だいぶおかしなところはあるが、こんな冷淡さは感じたことがない。
立ち並んだ令嬢たちは、サシャの冷たさに怯んでいる。
リディッシュ公爵令嬢も、顔色を蒼褪めさせ、足早に大広間を出て行った。
立ち並んでいた女性たちがいなくなったのを感じて、顔を上げる。
「キーラ! ずいぶんと待ったぞ」
待たされてたのは、こっちだよ。
言いたくなっているキーラの元に、王太子が悠然と歩いて来る。
やはり、キーラには「もったり」しているようにしか見えなかった。
確かに玉座との距離はあるが、これほど時間がかかるとは、と呆れる。
そのキーラの前に、王太子が立っていた。
「これを渡そうと思っておった」
「これ……」
「お前を、フィンセルに戻す気はなかったのでな。荷物を取りに行ったのだ」
王太子から渡されたのは、父のくれたサインボール。
両手で受け取り、じっと見つめる。
じわ…と、目の縁が熱くなった。
「これで、どこにも行かずにすむであろう? ずっと私の傍におってくれるか?」
ボールを両手にいだいているキーラを、王太子が抱き締めてくる。
胸に、顔をうずめながら、言った。
「ありがとう……すごく嬉しい……」
彼は、キーラのほしいものをくれる。
人の暖かさや笑顔、大事にしたいもの、あたり前にある日常。
一緒にいると、きっと「明日」はくる、と信じられた。
「私、あなたのことが好きだよ、ダドリー。本当に好き。大好き」
顔だけの、残念王子。
「待て」も「あおずけ」も「お手」もできない駄犬。
たまらなく寂しい心の持ち主で、地獄の王様みたいになったりもするけれど。
そういう彼が、たまらなく愛しかった。
ずっと傍にいたい。
キーラは、初めて「帰れなくてもいい」と、思う。
「へっ?! えっ?! ちょ……っ……」
ふわっと、王太子に抱き上げられていた。
びっくりして涙も引っ込む。
「あとのことは、私どもに、お任せを」
いや、サシャ、なに言ってんの?
宰相も、同意とばかりに頭を下げていた。
王太子は返事をするでもなく、点門を開いている。
私室、ではあるが。
「いや、ちょっと待って!」
「絶対に待たぬ。待つものか」
門の向こうに見えているのは、王太子の寝室。
すたすたと歩き出されて、キーラは焦った。
「こ、婚姻の儀式とか、そういうのがあるんじゃないのっ?」
「婚姻前に、1度はしておくほうが良い、と言ったのは、お前であろう。ゆえに、私は、ずっと、この時を待っておったのだ」
言った。
確かに、言った。
けれど、その時とは状況が違う。
のだけれども。
「ホント、待ても、おあずけもできない駄犬なんだから!」
王太子の頭を軽く、ぽかっと叩きながら、キーラは笑った。
彼も笑っている。
そして、キーラに向かって、にっこりして、言った。
「言ったであろう。私は、存外、しっかり者なのだ」
この世界に来て、ドレスを着たのなんて初めてだった。
諜報活動中は、たいてい侍女か商人に成りすましていたからだ。
ロズウェルドでは男爵令嬢の肩書はあったが、結局は、侍女勤め。
ドレスなど着る機会はなく、過ごしてきている。
「あなた……いったい、どういうつもり?」
派手なドレスをまとった女性には見覚えがあった。
ユバルに報告に行ったあと、王宮内でキーラを呼び止めた女性だ。
名までは知らないが、リディッシュ公爵家の令嬢だとは、わかっている。
「王太子殿下に、ねだりでもしたのかしら? 身の程知らずにもほどがあるわ」
自分でも、身の程は知っている。
さりとて、ここに並んでいるのは、キーラが望んだことではないのだ。
王太子は「最初から」キーラを、ここに呼ぶつもりでいたという。
キーラを王太子付きにするよう、宰相に言い渡して以来、当然ここに並ぶ手配もしていると、ずっと思い込んでいたらしい。
が、実際には、サシャが「申し渡し」をするまで、手配はなされていなかった。
それを聞いて、またちょっぴり王太子は、ご機嫌斜めになっていたのだけれど。
(ややこしいことになるに決まってるよね。私、侍女だったし、肩書も男爵だし、明らかに不自然だよ……けど、もう面倒くさいから黙ってよう……)
どの道、説明もできはしないのだ。
反論して騒ぎを起こしたりすれば、また「星が降って」くるかもしれない。
いつもは聞き分けが良く、我を張ることもない王太子だが、機嫌が傾くと宥めるのは、少々、骨が折れる。
大雑把な性格であるのに、ことキーラに関しては、頑固だった。
「そのドレス、みっともないわね。男爵家風情には、お似合いだけれど」
言い捨てて、彼女も列に並ぶ。
キーラにとっては、初ドレスでもあり、気に入っていた。
王太子が、キーラのために選んだものだからだ。
言わなかったし、言えなかったけれども。
朝、王太子は、キーラに「着身」で着替えをさせている。
なんとなく疑わしく、断り続けてきたが、今朝は、ドレスとの言葉に、その気にさせられてしまったのだ。
肌が見えることはなく、本当に、一瞬だった。
白を基調にした、体全体を覆うような、露出度ほぼゼロなドレス。
首元も、少し高めの襟がついており、袖も手を半分隠すほどの長さ。
足は、もちろん、まったく見えない。
非常にシンプルではあるが、細かな刺繍が施されていて、とても上品だ。
(肌を見せるのは自分にだけ、とか、頭おかしいこと言ってたけどね……)
侍女服は、基本的に、シックな色がベースであり、肌の露出は皆無。
だから、安心だったとかなんとか、言ってもいた。
なにを気にしているのやら、と呆れるけれど、嫌な気はしない。
自覚があるのかはともかく、王太子は独占欲が強いらしいのだ。
少し笑ってしまいそうになった時だった。
シャ…という、カーテンが開くような音がする。
慌てて、頭を下げた。
いよいよ、と、室内の緊張感が増す。
「それでは、これより……」
あの宰相の声だ、と、思ったのだけれども。
「高坂きらら・ミィアナ・リーデル以外の者は、下がって良い」
いや、早過ぎだから。
本名通じないから。
せっかくドレスを着たのに、一瞬で、儀式が終わりそうな気配。
正妃選びの儀の「せ」すら、宰相は言っていないのに。
「そんな! まだ儀式は始まっておりません! 殿下は、私を……」
「下がりなさい」
声をあげたのは、リディッシュ公爵令嬢だ。
制したのは、サシャ。
ものすごく冷たい声だった。
「我が君は、すでにお選びになられました」
「で、ですが、今の名はいったい……」
「キーラミリヤ・ラピスト男爵令嬢が選ばれたのですよ」
「男爵家など! 身分があまりにも……っ……」
「王族は、その心によってのみ妻を迎えるべし。ユージーン・ウィリアートン宰相が、お作りになられた法を、ご存知ないのですか?」
そうなのか、と思う。
だから、2人は「身分など些末なこと」と考えていたのだろう。
「下がらないのであれば、私が下がらせてさしあげても良いのですが?」
うわ、こわ。
キーラに対し、サシャは礼儀正しく、親切だった。
主に似て、だいぶおかしなところはあるが、こんな冷淡さは感じたことがない。
立ち並んだ令嬢たちは、サシャの冷たさに怯んでいる。
リディッシュ公爵令嬢も、顔色を蒼褪めさせ、足早に大広間を出て行った。
立ち並んでいた女性たちがいなくなったのを感じて、顔を上げる。
「キーラ! ずいぶんと待ったぞ」
待たされてたのは、こっちだよ。
言いたくなっているキーラの元に、王太子が悠然と歩いて来る。
やはり、キーラには「もったり」しているようにしか見えなかった。
確かに玉座との距離はあるが、これほど時間がかかるとは、と呆れる。
そのキーラの前に、王太子が立っていた。
「これを渡そうと思っておった」
「これ……」
「お前を、フィンセルに戻す気はなかったのでな。荷物を取りに行ったのだ」
王太子から渡されたのは、父のくれたサインボール。
両手で受け取り、じっと見つめる。
じわ…と、目の縁が熱くなった。
「これで、どこにも行かずにすむであろう? ずっと私の傍におってくれるか?」
ボールを両手にいだいているキーラを、王太子が抱き締めてくる。
胸に、顔をうずめながら、言った。
「ありがとう……すごく嬉しい……」
彼は、キーラのほしいものをくれる。
人の暖かさや笑顔、大事にしたいもの、あたり前にある日常。
一緒にいると、きっと「明日」はくる、と信じられた。
「私、あなたのことが好きだよ、ダドリー。本当に好き。大好き」
顔だけの、残念王子。
「待て」も「あおずけ」も「お手」もできない駄犬。
たまらなく寂しい心の持ち主で、地獄の王様みたいになったりもするけれど。
そういう彼が、たまらなく愛しかった。
ずっと傍にいたい。
キーラは、初めて「帰れなくてもいい」と、思う。
「へっ?! えっ?! ちょ……っ……」
ふわっと、王太子に抱き上げられていた。
びっくりして涙も引っ込む。
「あとのことは、私どもに、お任せを」
いや、サシャ、なに言ってんの?
宰相も、同意とばかりに頭を下げていた。
王太子は返事をするでもなく、点門を開いている。
私室、ではあるが。
「いや、ちょっと待って!」
「絶対に待たぬ。待つものか」
門の向こうに見えているのは、王太子の寝室。
すたすたと歩き出されて、キーラは焦った。
「こ、婚姻の儀式とか、そういうのがあるんじゃないのっ?」
「婚姻前に、1度はしておくほうが良い、と言ったのは、お前であろう。ゆえに、私は、ずっと、この時を待っておったのだ」
言った。
確かに、言った。
けれど、その時とは状況が違う。
のだけれども。
「ホント、待ても、おあずけもできない駄犬なんだから!」
王太子の頭を軽く、ぽかっと叩きながら、キーラは笑った。
彼も笑っている。
そして、キーラに向かって、にっこりして、言った。
「言ったであろう。私は、存外、しっかり者なのだ」
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