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饗宴狂宴? 2
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キーラの猫目が、ダドリュースを見つめていた。
その眉間に皺が寄っていても、彼は気にしない。
キーラが隣に座っているだけで、気分がいいのだ。
「殿下、夜会に、ご出席などされて大丈夫なのですか?」
「なにがだ?」
「魔術が発動すれば、大変なことになります」
ダドリュースは少しだけ考える。
そして、軽くうなずいた。
「お前が案ずるのもわかるがな。おそらく大丈夫であろう」
「おそらく、ということでは困るのですが」
「それはいたしかたがない。私は夜会に出たことがないのだ。経験してみねばわからん」
魔術が発動すれば騒ぎになるのは、ダドリュースにもわかっている。
そのため、これまで夜会は避けてきたのだ。
サシャを始め、魔術師に指示しておけば、ある程度の危険は防げる。
とはいえ、まったく何事も起こらなかったことにするのは難しい。
ホールの巨大なシャンデリアが落ちてきて、気づかない者はいないだろうし。
「それに、正妃選びの儀の前に私が顔見せをしておかねば、ヤミが困る。避けては通れぬことなのだ」
申し入れをしてきた貴族令嬢の中から20人が選ばれ、正妃選びの儀の大広間に並ぶ。
その20人を選ぶのは、宰相であるヤミだ。
ただでさえダドリュースは、貴族に「受け」が悪かった。
顔見せもしない王太子となると、さらに申し入れをしてくる家が少なくなるかもしれない。
「あのかたは殿下に魔術がかかっていることをご存知なのですか?」
「知っておる」
ダドリュースが自分に魔術をかけたあとも、しばらくヤミとは懇意にしていた。
疎遠になったのは、サシャが側近になったあとだ。
それまで3人でいることも多かったので、ヤミも、そのことは知っている。
当時、自分の魔術の腕をダドリュースが得々と自慢していたからだ。
(あの頃は非常に優れた魔術を作り上げたと思っておったのだが)
今となっては悔やんでいる。
さりとて、ダドリュースの後悔は「魔術をかけたこと」ではない。
もっと完成度の高い魔術を開発すべきだったと、そちらを悔やんでいる。
ダドリュースにかかっているのは、十歳の子供が作った未熟な魔術なのだ。
(そのせいで、キーラといたすことができぬではないか)
どのようなものであれ、魔術は万能ではない。
なにがしかの「制約」がある。
これを使うには、こうしなければならないとか、これができないとか。
それは、魔術の開発上、自然発生的に付加される。
が、ダドリュースの作った魔術は完成度が低く、未熟だった。
子供であるがゆえに深く考えずに作ったからだ。
結果、あの魔術には制約らしい制約がない。
本当に、ダドリュースの気分次第で発動する。
そして、見境もない。
飛んできたりする物にも、重量や大きさなどの制限はなかった。
「では、なにかあるかもしれない、という予測があっても、夜会への出席を求めておられる、ということですね」
「ヤミは宰相であるし、正妃選びの儀の段取りもしておる。貴族への根回しも必要なのだ。王族は、政には関わらぬゆえ、1人で奔走しておるのであろうよ」
本音を言えば、自分の後ろ盾になどならずにいてほしかった。
王宮には十ほどの大派閥と呼ばれる家がある。
その中で、ほかを寄せつけないほどの大派閥が、ウィリュアートン公爵家なのだ。
あげく3番手くらいのシャートレー公爵家までウィリュアートンに追随。
ダドリュースが王太子となったのは、この2つの家の後ろ盾による。
それ以外の理由などなかった。
ダドリュース自身は、王位には、まったく興味がない。
魔術の件がなかったとしても、王位継承者として名乗りをあげたりはしなかったはずだ。
「ほかにもご存知のかたはいらっしゃるのでしょうか?」
「アーニーくらいであろうか。重臣らは知らぬことだ。ヤミはサシャの弟で、私とも懇意にしておったから知っておるだけなのさ」
「え……? あのかたとサシャ様が、ご兄弟?」
「父が異なるゆえ見た目は似ておらぬが、母が同じなのだ」
キーラが視線を室内に走らせている。
サシャを探しているのかもしれない。
とはいえ、サシャは家のことを話したがらないのだ。
爵位を捨てて以降、用でもない限り、ウィリュアートンの屋敷にも出入りはしていないようだった。
「サシャに、なにか聞きたいことでもあるのか?」
「いえ……ただ、本当に似ていないと感じております。サシャ様は、とても丁寧で礼儀正しく振る舞われますが、あのかたは……」
キーラが、ちょっぴり顔をしかめている。
ヤミの言動が気に食わなかったらしい。
(ヤミはキーラの好みではないのだな。良きことだ)
ならば、キーラがヤミを押し倒すことは、まずない。
だからと言って、2人きりにさせたりはしないだろうけれど、それはともかく。
「ところで、殿下は夜会にご出席されたことがない、とのことですが、ダンスは踊れるのですか?」
「むろんだ。どのような曲でも踊れるぞ」
「どなたに習われたのです? 専門の舞踏指南師ですか?」
「いや、そこまで入れ込んでいたわけではない」
もとより即位する気もなく、夜会に出ることもできない身。
人を雇ってまで覚える気はなかった。
「では、独学で?」
「というわけでもない。サシャと練習をしただけのことだ」
暇潰しに。
公務はこなしていたものの、夜会に出席もせず、女性とのつきあいもない。
魔術の開発にも行き詰っていた。
つまり、ダドリュースは「ものすごく」暇だったのだ。
いずれ夜会に出る時のため、とは考えていた。
が、それよりも有り余った時間を潰すため、との理由のほうが大きい。
ダドリュースとサシャは体格が似てはいるが、練習するのに問題はなかった。
お互い体力もあるし、半日、踊り続けても、息切れひとつしない。
そうして練習しているうち、ありとあらゆる踊りかたを身につけたのだ。
「……サシャ様は、なんでもお出来になるのですね」
「私もダンスは得意だ」
キーラがサシャだけを褒めたので、ちょっぴり自己主張してみる。
同時に、キーラの手を、きゅっと握り締めた。
「私とダンスをしてみればわかるぞ」
「いいえ、結構です」
「なぜだ? 女と踊ったことはないが足を踏んだりはせぬ」
「そちらの心配はしておりません」
ちらっと、キーラが天井に視線を投げる。
つけかえたばかりのシャンデリアが揺れていた。
「あれが落ちてくる可能性が高いと思いますし、せっかく片付いた部屋を壊したくありませんので」
「いや、ダンスの最中に、それはなかろう」
「すでに揺れています」
ダドリュースはキーラから視線を外し、シャンデリアを見てみる。
不自然に揺れつつ、シャンデリアは、小さくカタカタと音を立てていた。
その眉間に皺が寄っていても、彼は気にしない。
キーラが隣に座っているだけで、気分がいいのだ。
「殿下、夜会に、ご出席などされて大丈夫なのですか?」
「なにがだ?」
「魔術が発動すれば、大変なことになります」
ダドリュースは少しだけ考える。
そして、軽くうなずいた。
「お前が案ずるのもわかるがな。おそらく大丈夫であろう」
「おそらく、ということでは困るのですが」
「それはいたしかたがない。私は夜会に出たことがないのだ。経験してみねばわからん」
魔術が発動すれば騒ぎになるのは、ダドリュースにもわかっている。
そのため、これまで夜会は避けてきたのだ。
サシャを始め、魔術師に指示しておけば、ある程度の危険は防げる。
とはいえ、まったく何事も起こらなかったことにするのは難しい。
ホールの巨大なシャンデリアが落ちてきて、気づかない者はいないだろうし。
「それに、正妃選びの儀の前に私が顔見せをしておかねば、ヤミが困る。避けては通れぬことなのだ」
申し入れをしてきた貴族令嬢の中から20人が選ばれ、正妃選びの儀の大広間に並ぶ。
その20人を選ぶのは、宰相であるヤミだ。
ただでさえダドリュースは、貴族に「受け」が悪かった。
顔見せもしない王太子となると、さらに申し入れをしてくる家が少なくなるかもしれない。
「あのかたは殿下に魔術がかかっていることをご存知なのですか?」
「知っておる」
ダドリュースが自分に魔術をかけたあとも、しばらくヤミとは懇意にしていた。
疎遠になったのは、サシャが側近になったあとだ。
それまで3人でいることも多かったので、ヤミも、そのことは知っている。
当時、自分の魔術の腕をダドリュースが得々と自慢していたからだ。
(あの頃は非常に優れた魔術を作り上げたと思っておったのだが)
今となっては悔やんでいる。
さりとて、ダドリュースの後悔は「魔術をかけたこと」ではない。
もっと完成度の高い魔術を開発すべきだったと、そちらを悔やんでいる。
ダドリュースにかかっているのは、十歳の子供が作った未熟な魔術なのだ。
(そのせいで、キーラといたすことができぬではないか)
どのようなものであれ、魔術は万能ではない。
なにがしかの「制約」がある。
これを使うには、こうしなければならないとか、これができないとか。
それは、魔術の開発上、自然発生的に付加される。
が、ダドリュースの作った魔術は完成度が低く、未熟だった。
子供であるがゆえに深く考えずに作ったからだ。
結果、あの魔術には制約らしい制約がない。
本当に、ダドリュースの気分次第で発動する。
そして、見境もない。
飛んできたりする物にも、重量や大きさなどの制限はなかった。
「では、なにかあるかもしれない、という予測があっても、夜会への出席を求めておられる、ということですね」
「ヤミは宰相であるし、正妃選びの儀の段取りもしておる。貴族への根回しも必要なのだ。王族は、政には関わらぬゆえ、1人で奔走しておるのであろうよ」
本音を言えば、自分の後ろ盾になどならずにいてほしかった。
王宮には十ほどの大派閥と呼ばれる家がある。
その中で、ほかを寄せつけないほどの大派閥が、ウィリュアートン公爵家なのだ。
あげく3番手くらいのシャートレー公爵家までウィリュアートンに追随。
ダドリュースが王太子となったのは、この2つの家の後ろ盾による。
それ以外の理由などなかった。
ダドリュース自身は、王位には、まったく興味がない。
魔術の件がなかったとしても、王位継承者として名乗りをあげたりはしなかったはずだ。
「ほかにもご存知のかたはいらっしゃるのでしょうか?」
「アーニーくらいであろうか。重臣らは知らぬことだ。ヤミはサシャの弟で、私とも懇意にしておったから知っておるだけなのさ」
「え……? あのかたとサシャ様が、ご兄弟?」
「父が異なるゆえ見た目は似ておらぬが、母が同じなのだ」
キーラが視線を室内に走らせている。
サシャを探しているのかもしれない。
とはいえ、サシャは家のことを話したがらないのだ。
爵位を捨てて以降、用でもない限り、ウィリュアートンの屋敷にも出入りはしていないようだった。
「サシャに、なにか聞きたいことでもあるのか?」
「いえ……ただ、本当に似ていないと感じております。サシャ様は、とても丁寧で礼儀正しく振る舞われますが、あのかたは……」
キーラが、ちょっぴり顔をしかめている。
ヤミの言動が気に食わなかったらしい。
(ヤミはキーラの好みではないのだな。良きことだ)
ならば、キーラがヤミを押し倒すことは、まずない。
だからと言って、2人きりにさせたりはしないだろうけれど、それはともかく。
「ところで、殿下は夜会にご出席されたことがない、とのことですが、ダンスは踊れるのですか?」
「むろんだ。どのような曲でも踊れるぞ」
「どなたに習われたのです? 専門の舞踏指南師ですか?」
「いや、そこまで入れ込んでいたわけではない」
もとより即位する気もなく、夜会に出ることもできない身。
人を雇ってまで覚える気はなかった。
「では、独学で?」
「というわけでもない。サシャと練習をしただけのことだ」
暇潰しに。
公務はこなしていたものの、夜会に出席もせず、女性とのつきあいもない。
魔術の開発にも行き詰っていた。
つまり、ダドリュースは「ものすごく」暇だったのだ。
いずれ夜会に出る時のため、とは考えていた。
が、それよりも有り余った時間を潰すため、との理由のほうが大きい。
ダドリュースとサシャは体格が似てはいるが、練習するのに問題はなかった。
お互い体力もあるし、半日、踊り続けても、息切れひとつしない。
そうして練習しているうち、ありとあらゆる踊りかたを身につけたのだ。
「……サシャ様は、なんでもお出来になるのですね」
「私もダンスは得意だ」
キーラがサシャだけを褒めたので、ちょっぴり自己主張してみる。
同時に、キーラの手を、きゅっと握り締めた。
「私とダンスをしてみればわかるぞ」
「いいえ、結構です」
「なぜだ? 女と踊ったことはないが足を踏んだりはせぬ」
「そちらの心配はしておりません」
ちらっと、キーラが天井に視線を投げる。
つけかえたばかりのシャンデリアが揺れていた。
「あれが落ちてくる可能性が高いと思いますし、せっかく片付いた部屋を壊したくありませんので」
「いや、ダンスの最中に、それはなかろう」
「すでに揺れています」
ダドリュースはキーラから視線を外し、シャンデリアを見てみる。
不自然に揺れつつ、シャンデリアは、小さくカタカタと音を立てていた。
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