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最終章 黒い羽と青のそら
目指せ皮むき職人 4
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祖父の帰りが遅いので、レティシアは、朝食後も食堂にいる。
隣には、サリーが座っていた。
反対の席に座るべきグレイの姿は、ない。
「だいぶ、やられてたね、グレイ」
「あの程度は、しかたがないのではないでしょうか?」
サリーは、あまりグレイに同情していないようだ。
理由は、とてもよくわかる。
サリーから「まだ何もない」と言われてはいたが、それでも、一緒に夜を過ごすのが、嬉しかったのだろう。
5年がかりの恋なのだ。
実った喜びに浸れるかと思いきや、ユージーンのせいで台無し。
だが、断りきれないグレイも悪い。
しかも、グレイはサリーの不機嫌さに、気づいていないようだった。
サリーが「自分だけ一緒に過ごしたがっている」と感じ、腹を立ててもしかたがない気はする。
「でもさぁ、グレイ、はっきり言ったじゃん」
ふわん…と、サリーの頬が赤くなった。
ヘタレなところのあるグレイだが、サリーは、やっぱりグレイを好きなのだ。
(あれは、きゅーんと、くるよなー)
ヘタレなグレイだからこそ、と言えるかもしれない。
身内ばかりとはいえ、周りに人がいる中での盛大な告白。
今、自室で倒れ伏しているとはいえ、グレイにしては頑張った。
「グレイが、あんなふうになるなんて、相当、焦ってたんだろうね」
いつも、グレイは冷静で落ち着いている。
ユージーンに対しても、根気よく、いろいろと教えてもいた。
にもかかわらず、ガブッとやられたわけだけれども。
「彼に、感謝すべきかもしれませんわ」
「ユージーン?」
「ええ。私は、彼を叱り飛ばしてばかりいましたから」
サリーは、少し申し訳なさそうな顔をしている。
サリーの「叱り飛ばす」は、正当性のあるものだ。
(でも、ユージーンのサリー評価、高かったもんな。あーいうふうに言われちゃうと、悪いなーって思うよね)
前々からそうなのだが、ユージーンは、とても打たれ強い。
というか、打たれていることに気づいているのかすら、疑わしい。
そのくらい、へこたれる様子がなかった。
何を言っても、しても、へっちゃらな顔をしている。
だから、つい厳しくなってしまうところがあった。
「や、いいんだよ、サリー。違うことは違うって言わないとさ。ただでさえ、ユージーンには、言葉が通じにくいんだし」
「そうなのですが……悪いばかりの人ではないと、最近は思えてきました」
以前、グレイとサリーに、ユージーンには「悪気がない」と話したことがある。
その「悪気のなさ」が、身近にいるようになって、わかりつつあるのだろう。
ユージーンは、我が道を行っているだけなのだ。
世間知らずで、ものすごくズレたところはあるにしても、言うことが間違っているわけではないし、悪気もない。
祖父が言っていた「思ったことを口に出し過ぎる」きらいはあるけれども。
「もう少し……こう……なんとかならないもんかって思うよね」
「そうですね……具体的には、わかりにくいのですけれど」
「そこなんだよなぁ。具体的に、こうなってほしいって感じじゃないのが、困る。ユージーンの未来予想図って、まったく見えないんだもん」
サリーも、困った顔でうなずく。
とはいえ、ユージーンも、今回は役に立った。
サリーだって、グレイからの告白には喜んでいる。
これで、機嫌が直るに違いない。
思うレティシアの耳に、かぼそい声が。
「れ、れ、レティシア、さまぁ……」
食堂に、アリシアが入ってきた。
腰を抜かさんばかりの様子に、レティシアは、慌てて立ち上がる。
サリーと一緒に、アリシアへと駆け寄った。
「どうしたのっ?!」
「ゆ、ゆ、ユージーンが……超、やば、やばい、です……っ……」
ものすごく嫌な感じがする。
ユージーンは、今日から厨房入りしていた。
薪割りで大人しくなったと思ったとたん、これだ。
レティシアは、意を決して、厨房に向かう。
本当に「意を決して」いた。
「ちょっと! ユージーン!」
「レティシアではないか、どうした?」
「どうしたじゃ……」
言葉が止まる。
視線が手元に釘付けだ。
おそらくアリシアは、これを見て、腰を抜かしかけたに違いない。
レティシアも、腰が抜けそうだった。
「そ、その手……」
「これか? 少しナイフで削いでしまってな。たいしたことはない」
ユージーンの指先は血塗れ。
またしても、流血。
それだけではない。
「じゃ、ジャガイモぉおおッ!!」
ユージーンの手の中にあるジャガイモ。
当然、血塗れ。
「ナイフで削いだじゃないわ! 指は削ぐもんじゃないわ! 血塗れのジャガイモなんて、怖過ぎるわっ!」
「どうせ、このあと水につけるのだぞ?」
手にしていたジャガイモを、ユージーンが盥へと投げ込む。
うっかり視線が、そっちに流れた。
「うっぎゃぁあああっ!!」
盥の水が、血で揺らめいている。
その中に、ぷかぷかとジャガイモが浮いていた。
目の前が、クラっとする。
アリシアの言う通りだ。
ユージーンは「超ヤバい」と思った。
「レティシア、なにをそんなに騒ぐことがある? 水で洗っているのだから、きれいなものではないか」
「き、き、き……」
アホか、そう思えるのはお前だけだよ! 血塗れ芋なんて食べられるかい!
と、言いたいが、あうあうしていて、言葉にならない。
剣の扱いは、あれほど上手いというのに、なぜ皮むき用のナイフでこうなる。
思ったが、聞かなかった。
薪割りの時と同じことになる。
きっと「剣とナイフとでは力の入れ具合が」とかなんとか、長々しく語り始めるのだ、ユージーンは。
「レティシア様! どうなさい……うおっ? お前、なにやってんだ!」
マルクが、さらに奥にあるメインの厨房から飛び出してきた。
血塗れのジャガイモを見て、目をむいている。
「こんなにしちまったら、食材にならねぇだろうが!」
「あいたっ! なにをするっ?」
マルクに頭を、ぽかりとやられ、ユージーンが立ち上がった。
その指先から、ぽたぽたと血が落ちている。
「厨房で血を流すのは食材だけなんだよ! お前は食材かっ?」
「やめてー! 想像するから、やめてー!!」
さっきユージーンは「削いだ」と言ったのだ。
どこかにユージーンの。
「レティシア! また鳥肌になっているぞ! 心の傷を思い出したのかっ?」
新しい心の傷が、今できたんだよ、この野郎!
なにが、どこが悪いというのではない。
ユージーンは、おおむね真面目で、仕事熱心ではある。
こうなってほしいという姿も、まるで思い浮かばないし。
「怪我しないようにして! もう、ホント、それだけでいいからっ!!」
新しい仕事を覚えようとするたび、血塗れ将軍になられても。
植木の剪定など、とても任せられない。
怖過ぎる。
「これくらいどうということは……」
「ユージーンが平気でも、私が平気じゃないんだよおっ!!」
「む。そうか。わかった」
いや、絶対に、わかっていない。
ユージーンには、そういうところがある。
わかったと言いながら、とんでもなくズレて理解しているに決まっていた。
涙目になりながら、レティシアは思う。
お祖父さまに、ピーラー作ってもらおう……。
隣には、サリーが座っていた。
反対の席に座るべきグレイの姿は、ない。
「だいぶ、やられてたね、グレイ」
「あの程度は、しかたがないのではないでしょうか?」
サリーは、あまりグレイに同情していないようだ。
理由は、とてもよくわかる。
サリーから「まだ何もない」と言われてはいたが、それでも、一緒に夜を過ごすのが、嬉しかったのだろう。
5年がかりの恋なのだ。
実った喜びに浸れるかと思いきや、ユージーンのせいで台無し。
だが、断りきれないグレイも悪い。
しかも、グレイはサリーの不機嫌さに、気づいていないようだった。
サリーが「自分だけ一緒に過ごしたがっている」と感じ、腹を立ててもしかたがない気はする。
「でもさぁ、グレイ、はっきり言ったじゃん」
ふわん…と、サリーの頬が赤くなった。
ヘタレなところのあるグレイだが、サリーは、やっぱりグレイを好きなのだ。
(あれは、きゅーんと、くるよなー)
ヘタレなグレイだからこそ、と言えるかもしれない。
身内ばかりとはいえ、周りに人がいる中での盛大な告白。
今、自室で倒れ伏しているとはいえ、グレイにしては頑張った。
「グレイが、あんなふうになるなんて、相当、焦ってたんだろうね」
いつも、グレイは冷静で落ち着いている。
ユージーンに対しても、根気よく、いろいろと教えてもいた。
にもかかわらず、ガブッとやられたわけだけれども。
「彼に、感謝すべきかもしれませんわ」
「ユージーン?」
「ええ。私は、彼を叱り飛ばしてばかりいましたから」
サリーは、少し申し訳なさそうな顔をしている。
サリーの「叱り飛ばす」は、正当性のあるものだ。
(でも、ユージーンのサリー評価、高かったもんな。あーいうふうに言われちゃうと、悪いなーって思うよね)
前々からそうなのだが、ユージーンは、とても打たれ強い。
というか、打たれていることに気づいているのかすら、疑わしい。
そのくらい、へこたれる様子がなかった。
何を言っても、しても、へっちゃらな顔をしている。
だから、つい厳しくなってしまうところがあった。
「や、いいんだよ、サリー。違うことは違うって言わないとさ。ただでさえ、ユージーンには、言葉が通じにくいんだし」
「そうなのですが……悪いばかりの人ではないと、最近は思えてきました」
以前、グレイとサリーに、ユージーンには「悪気がない」と話したことがある。
その「悪気のなさ」が、身近にいるようになって、わかりつつあるのだろう。
ユージーンは、我が道を行っているだけなのだ。
世間知らずで、ものすごくズレたところはあるにしても、言うことが間違っているわけではないし、悪気もない。
祖父が言っていた「思ったことを口に出し過ぎる」きらいはあるけれども。
「もう少し……こう……なんとかならないもんかって思うよね」
「そうですね……具体的には、わかりにくいのですけれど」
「そこなんだよなぁ。具体的に、こうなってほしいって感じじゃないのが、困る。ユージーンの未来予想図って、まったく見えないんだもん」
サリーも、困った顔でうなずく。
とはいえ、ユージーンも、今回は役に立った。
サリーだって、グレイからの告白には喜んでいる。
これで、機嫌が直るに違いない。
思うレティシアの耳に、かぼそい声が。
「れ、れ、レティシア、さまぁ……」
食堂に、アリシアが入ってきた。
腰を抜かさんばかりの様子に、レティシアは、慌てて立ち上がる。
サリーと一緒に、アリシアへと駆け寄った。
「どうしたのっ?!」
「ゆ、ゆ、ユージーンが……超、やば、やばい、です……っ……」
ものすごく嫌な感じがする。
ユージーンは、今日から厨房入りしていた。
薪割りで大人しくなったと思ったとたん、これだ。
レティシアは、意を決して、厨房に向かう。
本当に「意を決して」いた。
「ちょっと! ユージーン!」
「レティシアではないか、どうした?」
「どうしたじゃ……」
言葉が止まる。
視線が手元に釘付けだ。
おそらくアリシアは、これを見て、腰を抜かしかけたに違いない。
レティシアも、腰が抜けそうだった。
「そ、その手……」
「これか? 少しナイフで削いでしまってな。たいしたことはない」
ユージーンの指先は血塗れ。
またしても、流血。
それだけではない。
「じゃ、ジャガイモぉおおッ!!」
ユージーンの手の中にあるジャガイモ。
当然、血塗れ。
「ナイフで削いだじゃないわ! 指は削ぐもんじゃないわ! 血塗れのジャガイモなんて、怖過ぎるわっ!」
「どうせ、このあと水につけるのだぞ?」
手にしていたジャガイモを、ユージーンが盥へと投げ込む。
うっかり視線が、そっちに流れた。
「うっぎゃぁあああっ!!」
盥の水が、血で揺らめいている。
その中に、ぷかぷかとジャガイモが浮いていた。
目の前が、クラっとする。
アリシアの言う通りだ。
ユージーンは「超ヤバい」と思った。
「レティシア、なにをそんなに騒ぐことがある? 水で洗っているのだから、きれいなものではないか」
「き、き、き……」
アホか、そう思えるのはお前だけだよ! 血塗れ芋なんて食べられるかい!
と、言いたいが、あうあうしていて、言葉にならない。
剣の扱いは、あれほど上手いというのに、なぜ皮むき用のナイフでこうなる。
思ったが、聞かなかった。
薪割りの時と同じことになる。
きっと「剣とナイフとでは力の入れ具合が」とかなんとか、長々しく語り始めるのだ、ユージーンは。
「レティシア様! どうなさい……うおっ? お前、なにやってんだ!」
マルクが、さらに奥にあるメインの厨房から飛び出してきた。
血塗れのジャガイモを見て、目をむいている。
「こんなにしちまったら、食材にならねぇだろうが!」
「あいたっ! なにをするっ?」
マルクに頭を、ぽかりとやられ、ユージーンが立ち上がった。
その指先から、ぽたぽたと血が落ちている。
「厨房で血を流すのは食材だけなんだよ! お前は食材かっ?」
「やめてー! 想像するから、やめてー!!」
さっきユージーンは「削いだ」と言ったのだ。
どこかにユージーンの。
「レティシア! また鳥肌になっているぞ! 心の傷を思い出したのかっ?」
新しい心の傷が、今できたんだよ、この野郎!
なにが、どこが悪いというのではない。
ユージーンは、おおむね真面目で、仕事熱心ではある。
こうなってほしいという姿も、まるで思い浮かばないし。
「怪我しないようにして! もう、ホント、それだけでいいからっ!!」
新しい仕事を覚えようとするたび、血塗れ将軍になられても。
植木の剪定など、とても任せられない。
怖過ぎる。
「これくらいどうということは……」
「ユージーンが平気でも、私が平気じゃないんだよおっ!!」
「む。そうか。わかった」
いや、絶対に、わかっていない。
ユージーンには、そういうところがある。
わかったと言いながら、とんでもなくズレて理解しているに決まっていた。
涙目になりながら、レティシアは思う。
お祖父さまに、ピーラー作ってもらおう……。
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