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第2章 黒い風と金のいと
とても残念なこと 2
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ユージーンは、大公を見つめているレティシアの横顔を見ていた。
愛らしい、と思う。
が、面白くはない。
「早く、ザカリーの好いた娘に聞いて来い」
ムッとした顔で、睨まれた。
それでも、レティシアが立ち上がる。
渋々といった様子ではあるが、ユージーンの依頼を受ける気になったらしい。
大公のほうを、ちらっと見てから、小ホールを出て行った。
「それで?」
大公は、ユージーンに視線も向けずに聞く。
こちらの意図は、お見通しなのだろう。
ユージーンが訪ねてきた理由は、主に大公にあった。
ザカリーの好きな女性にも会わなければならないけれど、それは今日でなくともかまわないのだ。
「ジークも、そのあたりにいるのだろ?」
姿は消しているので見えない。
が、なにか気配じみたものは感じる。
と思っていたら。
「あいたっ! なにをする! 痛いではないか!」
(気安く名を出すんじゃねーよ。誰が聞いてるかわかんねーだろ)
頭を、ぽかりとやられていた。
王族を、こうも気軽にこづく者のほうが、よほど気安いだろうに。
「大公が盗み聞きを許すとは思えんがな」
(ちぇっ! 面倒くせえ奴)
ぶつくさ言う声が、少し遠くなる。
おそらく大公の近くに移動したのだろう。
ユージーンは、改めて大公に向き直った。
姿勢を正して、言う。
「俺のためでないことはわかっている。だが、2人には感謝している」
それから、頭を深々と下げた。
謝罪と礼は必要最小限。
滅多なことでは、どちらもしない。
けれど、言うべきときは言う。
「きみのためではないさ。あまり期待しないがいいね」
言葉に、ゆっくりと頭を上げた。
大公は、なんでもなさそうな顔をしている。
きっと、王族が頭を下げようと、礼を言おうと、どうでもいいのだ。
本当に、自分のためなどではない、とユージーンにも、わかっている。
大公が守ったのは王都ではなく、レティシアだけだった。
彼女が王都を見捨てて逃げる選択をしていたら、国は滅んでいたに違いない。
大公は、国が縛れるような存在ではないのだし。
「ところで、さっきの話なのだがね」
「さっきの話?」
「きみの弟がどうこう、と言っていただろう?」
そう言えば、大公は知らないと言っていた気がする。
その後、話題が逸れてしまったので、忘れていた。
ザカリーのことに、興味があるとは思えない。
純粋に屋敷の者に対しての気配りでもないのだろう。
レティシアが気にしているので、気にしている、といったところだ。
「市場で会った平民の娘を、ザカリーは好いていてな。その娘が、どうやら、この屋敷の者らしいのだ」
「へえ。市場でねえ」
何かを察したらしい口調だったが、ユージーンは気づかない。
ザカリーから聞いた話を思い出し、また腹を立てていたからだ。
「その娘自身にも会わねばならんが、その娘から、ザカリーを殴ったという騎士の話を聞きたいのだ」
「聞いて、どうするのかね?」
「むろん、俺が叩きのめしてやる。お忍びで、だ。王族と知れば、相手もやりにくかろうが、俺もやりにくいのでな」
王族だから手を抜かれる、というのは、気に食わない。
ユージーンは、正々堂々、自分の力で相手を叩きのめしたかった。
意気込んで言うユージーンに、大公が、肩をすくめる。
何をムキになっているのかと、呆れているものと思ったのだけれど。
「しかしねえ。叩きのめしに、死者の国まで行くつもりかい?」
「死者の国? なぜだ?」
「その騎士が、もうこの世の者ではないからさ」
ユージーンは、大公をじっと見つめた。
ふざけているわけではなさそうだ。
根拠があって、言っている。
すぐに、はたと思い当たった。
「ラペルの三男か」
「きみは間が抜けているが、馬鹿ではない」
ハッハッと、ジークの笑い声だけが聞こえる。
ムっとして、そちらを軽く睨んだ。
「まったく大公は口が悪い。ジークも笑うでない」
大公が、人の死について関心があるはずもない。
そこから推察するに、最近、大公の「身近」であった死だと考えられる。
ラペル公爵の三男が、近衛騎士をしていたのは、報告書を読んで知っていた。
「そうか。であれば、いたしかたあるまい。死者の国までは、追いかけてゆけん」
「私が手を貸してもいいがね」
「断る」
大公が言うと、洒落には聞こえない。
ほかの者なら笑うかもしれないが、ユージーンは笑えなかった。
大公の恐ろしさは、今度こそ、本当に、身に染みている。
「む」
大公の恐ろしさは、身に染みている。
はずなのだけれども。
「大公は、俺だけが知っていたことに、妬いているのだな」
ユージーンは、思ったことを、口に出す性分でもあった。
そして、王族であるがゆえに、あまり言葉を飾らない。
貴族であれば、遠回しに言うところを、直線で言葉にしてしまうのだ。
「平たく言えば」
ついっと、大公が片眉を上げる。
あの大公が、と思うと、ちょっぴり小気味がよかった。
少し前掛かりになって、もとい調子に乗って、言う。
「では、あれの理想の男とやらを知っているか?」
「理想の男?」
「やれやれ。そのようなことも知らぬとは。てっきり、あれに聞いていると思っていたが。そうか、知らんのか」
腕を組み、ふんぞり返って、うむうむと、うなずいた。
が、図に乗り過ぎたらしい。
「あいたっ! これ! 痛いではないか! いたっ!」
(間抜けのくせに、偉そうにすんな)
「事実なのだから……いたっ……いたたッ……ッ…!」
ジークは、烏姿に変わっているのだろう。
嘴で、あちこち、つつき回された。
「ジーク、もういいよ。彼も反省しているさ」
ジークの気配が、離れていくのを感じる。
レティシアのことになると、大公と言えど、感情に変化が生じるらしい。
ジークに、つつき回されたのはそのせいだろう。
危うく、口を縫われるところだった、と思った。
「レティの理想の男というのは、どこの誰なのかね?」
「それは、知らん」
(なんだ、お前も知らねーんじゃねーか)
「だが、写真は見た。騎士のようであったな」
大公は、何か考えているようだったが、思いつかなかったに違いない。
少し不快そうに、眉をひそめている。
「理想の男性がいると、レティから聞いたことはないが……」
「嘘ではないぞ。年の頃は、あの黒縁より若かった。おそらく20代の初めから中ほどくらいだ」
「屋敷に出入りしていれば……気づいているはずだろう、ジーク?」
(知らねえ。そんな騎士、見たことねーや。だいたい騎士なんてもんが入ってきたら、その場でアンタに連絡してる)
「だろうね……」
ユージーンも、これには困ってしまう。
実のところ、大公は知っているだろうと思っていたからだ。
聞いて教えてくれるかはともかく、いずれ確認しようと考えていたのに。
まさか、本当に知らなかったとは、予想外だった。
「そうか……大公も知らぬ者となると……よほど身を隠すのがうまいのか……」
(俺も、始終、見張ってるわけじゃねーからな……)
「レティに、そんな男性がいたとは……」
三者三様に、がっくり。
小ホールが、なんとも言えない空気に満たされていた。
愛らしい、と思う。
が、面白くはない。
「早く、ザカリーの好いた娘に聞いて来い」
ムッとした顔で、睨まれた。
それでも、レティシアが立ち上がる。
渋々といった様子ではあるが、ユージーンの依頼を受ける気になったらしい。
大公のほうを、ちらっと見てから、小ホールを出て行った。
「それで?」
大公は、ユージーンに視線も向けずに聞く。
こちらの意図は、お見通しなのだろう。
ユージーンが訪ねてきた理由は、主に大公にあった。
ザカリーの好きな女性にも会わなければならないけれど、それは今日でなくともかまわないのだ。
「ジークも、そのあたりにいるのだろ?」
姿は消しているので見えない。
が、なにか気配じみたものは感じる。
と思っていたら。
「あいたっ! なにをする! 痛いではないか!」
(気安く名を出すんじゃねーよ。誰が聞いてるかわかんねーだろ)
頭を、ぽかりとやられていた。
王族を、こうも気軽にこづく者のほうが、よほど気安いだろうに。
「大公が盗み聞きを許すとは思えんがな」
(ちぇっ! 面倒くせえ奴)
ぶつくさ言う声が、少し遠くなる。
おそらく大公の近くに移動したのだろう。
ユージーンは、改めて大公に向き直った。
姿勢を正して、言う。
「俺のためでないことはわかっている。だが、2人には感謝している」
それから、頭を深々と下げた。
謝罪と礼は必要最小限。
滅多なことでは、どちらもしない。
けれど、言うべきときは言う。
「きみのためではないさ。あまり期待しないがいいね」
言葉に、ゆっくりと頭を上げた。
大公は、なんでもなさそうな顔をしている。
きっと、王族が頭を下げようと、礼を言おうと、どうでもいいのだ。
本当に、自分のためなどではない、とユージーンにも、わかっている。
大公が守ったのは王都ではなく、レティシアだけだった。
彼女が王都を見捨てて逃げる選択をしていたら、国は滅んでいたに違いない。
大公は、国が縛れるような存在ではないのだし。
「ところで、さっきの話なのだがね」
「さっきの話?」
「きみの弟がどうこう、と言っていただろう?」
そう言えば、大公は知らないと言っていた気がする。
その後、話題が逸れてしまったので、忘れていた。
ザカリーのことに、興味があるとは思えない。
純粋に屋敷の者に対しての気配りでもないのだろう。
レティシアが気にしているので、気にしている、といったところだ。
「市場で会った平民の娘を、ザカリーは好いていてな。その娘が、どうやら、この屋敷の者らしいのだ」
「へえ。市場でねえ」
何かを察したらしい口調だったが、ユージーンは気づかない。
ザカリーから聞いた話を思い出し、また腹を立てていたからだ。
「その娘自身にも会わねばならんが、その娘から、ザカリーを殴ったという騎士の話を聞きたいのだ」
「聞いて、どうするのかね?」
「むろん、俺が叩きのめしてやる。お忍びで、だ。王族と知れば、相手もやりにくかろうが、俺もやりにくいのでな」
王族だから手を抜かれる、というのは、気に食わない。
ユージーンは、正々堂々、自分の力で相手を叩きのめしたかった。
意気込んで言うユージーンに、大公が、肩をすくめる。
何をムキになっているのかと、呆れているものと思ったのだけれど。
「しかしねえ。叩きのめしに、死者の国まで行くつもりかい?」
「死者の国? なぜだ?」
「その騎士が、もうこの世の者ではないからさ」
ユージーンは、大公をじっと見つめた。
ふざけているわけではなさそうだ。
根拠があって、言っている。
すぐに、はたと思い当たった。
「ラペルの三男か」
「きみは間が抜けているが、馬鹿ではない」
ハッハッと、ジークの笑い声だけが聞こえる。
ムっとして、そちらを軽く睨んだ。
「まったく大公は口が悪い。ジークも笑うでない」
大公が、人の死について関心があるはずもない。
そこから推察するに、最近、大公の「身近」であった死だと考えられる。
ラペル公爵の三男が、近衛騎士をしていたのは、報告書を読んで知っていた。
「そうか。であれば、いたしかたあるまい。死者の国までは、追いかけてゆけん」
「私が手を貸してもいいがね」
「断る」
大公が言うと、洒落には聞こえない。
ほかの者なら笑うかもしれないが、ユージーンは笑えなかった。
大公の恐ろしさは、今度こそ、本当に、身に染みている。
「む」
大公の恐ろしさは、身に染みている。
はずなのだけれども。
「大公は、俺だけが知っていたことに、妬いているのだな」
ユージーンは、思ったことを、口に出す性分でもあった。
そして、王族であるがゆえに、あまり言葉を飾らない。
貴族であれば、遠回しに言うところを、直線で言葉にしてしまうのだ。
「平たく言えば」
ついっと、大公が片眉を上げる。
あの大公が、と思うと、ちょっぴり小気味がよかった。
少し前掛かりになって、もとい調子に乗って、言う。
「では、あれの理想の男とやらを知っているか?」
「理想の男?」
「やれやれ。そのようなことも知らぬとは。てっきり、あれに聞いていると思っていたが。そうか、知らんのか」
腕を組み、ふんぞり返って、うむうむと、うなずいた。
が、図に乗り過ぎたらしい。
「あいたっ! これ! 痛いではないか! いたっ!」
(間抜けのくせに、偉そうにすんな)
「事実なのだから……いたっ……いたたッ……ッ…!」
ジークは、烏姿に変わっているのだろう。
嘴で、あちこち、つつき回された。
「ジーク、もういいよ。彼も反省しているさ」
ジークの気配が、離れていくのを感じる。
レティシアのことになると、大公と言えど、感情に変化が生じるらしい。
ジークに、つつき回されたのはそのせいだろう。
危うく、口を縫われるところだった、と思った。
「レティの理想の男というのは、どこの誰なのかね?」
「それは、知らん」
(なんだ、お前も知らねーんじゃねーか)
「だが、写真は見た。騎士のようであったな」
大公は、何か考えているようだったが、思いつかなかったに違いない。
少し不快そうに、眉をひそめている。
「理想の男性がいると、レティから聞いたことはないが……」
「嘘ではないぞ。年の頃は、あの黒縁より若かった。おそらく20代の初めから中ほどくらいだ」
「屋敷に出入りしていれば……気づいているはずだろう、ジーク?」
(知らねえ。そんな騎士、見たことねーや。だいたい騎士なんてもんが入ってきたら、その場でアンタに連絡してる)
「だろうね……」
ユージーンも、これには困ってしまう。
実のところ、大公は知っているだろうと思っていたからだ。
聞いて教えてくれるかはともかく、いずれ確認しようと考えていたのに。
まさか、本当に知らなかったとは、予想外だった。
「そうか……大公も知らぬ者となると……よほど身を隠すのがうまいのか……」
(俺も、始終、見張ってるわけじゃねーからな……)
「レティに、そんな男性がいたとは……」
三者三様に、がっくり。
小ホールが、なんとも言えない空気に満たされていた。
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