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第1章 暗い闇と蒼い薔薇
王子様の魂胆 3
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昼食も、ぼっちご飯をなんとか結奈は免れた。
というより、無理矢理、回避したのだ。
サリーとグレイに、しがみつくようにして。
食事中、テーブルを挟んで正面に座った2人は非常に居心地が悪そうだった。
給仕をする側も微妙な顔つきをしていて、なんともおかしな空気になっていたのは否めない。
感じてはいたので、結奈も必死であれこれと2人に話しかけた。
料理の種類、名前、素材や原産地などについて思いつく限りの話題を振った。
料理に関することはたいていサリーが答えてくれている。
慣れない様子ではあったが、最後のほうは、おかしな空気も少し緩和されたように感じられた。
「さぁてと、お腹もいっぱいになったからね。午後もやるぞぉ」
腕まくりをする勢いで言い、サリーとグレイを見て、にっこりしてみせた。
2人は、一瞬、困ったような顔をしたが、黙って隣に座ってくる。
(こういうのも慣れだよ、慣れ! 今は慣れてないから微妙な気分になってるだろうけどさ。そのうち平気になってくれるハズ!)
結奈の希望的観測に過ぎないし、頭の隅では迷惑をかけていると思っていた。
けれど、やっぱり屋敷のみんなとは仲良くしたい。
身分なんて現代日本人の結奈には関係なさ過ぎて、まるでピンと来ないのだ。
それよりも同じ「ウチ」で暮らしている、という身内意識のほうが勝る。
せっかく一緒にいるのに、よそよそしくされるのは寂しい。
お互い快適に過ごせるのがいいに決まっていた。
「戦争が始まったのは、お祖父さまが24歳の時か。1年経たずに終わってる」
この世界の時代設定がどんなものか、まだわからずにいる。
魔術が存在する世界でもあるので、結奈が知識として知っている「戦争」とは違うのかもしれない。
だとしても、1年弱で終結というのは早いのではなかろうか。
思うと同時に、ハッとした。
「戦争ってことは、大勢、人が死んだり……したの……?」
戦争が起こったのは24年前。
戦死者がいたのなら、今も健在な遺族は多いはずだ。
結奈は戦争を知らずに生きてきている。
実感もなければ身につまされるような実体験もない。
それでも戦争に否定的であるのは、そこに「死」があり、悲しむ人を出さずにはいられないと、わかっているからだ。
「この国では……誰も死んではおりません」
「誰も? 戦争に行ってた兵隊さんたち、みんな、無事だったってこと?」
「そうです。死者は出ませんでした」
いったい、どういうことだろうと、首をかしげた。
戦争は、単なるいざこざとは違う。
嫌なことではあるが、少なからず犠牲がついて回るのは間違いない。
(ん……? あれ? たしか、この戦争をお祖父さまが終結させたって、グレイ言ってなかったっけ?)
だからこそ、祖父は英雄なのだと。
活字を追ってみる。
「ジョシュア・ローエルハイドの絶対防御は敵の攻撃のすべてを無に帰した」
結奈は隣に座っているグレイに文面を指さしてみせた。
「絶対防御って、お祖父さまの魔術?」
「はい。その効果範囲は、百数キロにもおよび、いかなる魔術も物的攻撃も防ぐというものです」
「結界みたいなもんかな……それなら、死人が出なかったのもわかる」
攻撃を受けないのだから、死ぬことだってない。
改めて祖父の偉大さを知る。
「そっかぁ。そっかぁ。お祖父さまの力は、守るためのものなんだね」
てっきり同意してくれるものと思っていたのに、グレイは返事をしなかった。
サリーも、視線をそらせている。
「え……? なに? どういうこと? 違うの?」
答えないグレイに、結奈の中に疑問が浮かぶ。
果たして戦争とは「守る」だけで勝てるのか。
祖父は「なにか」をやったのだ。
だから戦争は終わった。
「……教えて。なにがあったの……?」
グレイなら知っているに違いない。
きっとサリーもおおまかなことは知っている。
自分だけが知らないのだ。
「私からお話するようなことでは……」
言葉に、今までの遠慮も吹き飛ぶほど、カッと頭に血が昇った。
自分の祖父のことなのに、自分だけが知らない。
家族のことなのに。
命令する気はなかったけれど、強い口調で言う。
言わずにいられなかった。
「教えてよ! 私のお祖父さまのことなんだよッ?! それともグレイは、お祖父さまがしたことを恥じてるのっ?!」
「そんなことはないッ!!断じてありえないッ!」
「グレイっ!!」
サリーの悲鳴じみた声に、結奈はいったん口を閉じる。
グレイも同じだった。
「ごめん、言いかた悪かったよね……でもお願い……今、知りたい。でないと、今日の夕食……お祖父さまにどんな顔すればいいのか……わかんないよ……」
昨夜、祖父に約束をしてもらった。
今夜も一緒に夕食をとると。
「……かしこまりました」
少しの間のあと、グレイが語り始める。
24年前、なにがあったのか。
「私は当時、11歳でした。従軍していたのは父でしたが、私は大公様に憧れておりましたので、隠れてたびたび戦地に行っておりました。大公様の絶対防御の領域内であれば安全でしたから、それほど警備も厳しくなかったのです」
自国軍は安全に兵站を用意することもでき、兵も、ある意味、気楽な交代制。
定期的に家で過ごすこともできていたらしい。
「戦時中、大公様は総指揮をとっておられ、攻撃することを、けしてお許しにはなりませんでした。いずれ敵は引いていくだろうからと仰って」
自軍は安全圏の中にいるが、敵側はそうではなかった。
相手がなにもしてこないからといって安心できるものでもない。
長く続く緊張状態と食糧不足、戦線が崩れるのも時間の問題だったという。
それが8ヶ月もの時間をかけた理由だ。
「そして、大公様が仰った通り、敵軍は引き上げ始めたのですが……こちら側の兵が……追撃をはじめたのです」
「なんでっ?! 相手が逃げてくれるんだから追う必要なんて……っ……」
「敵が再び力を取り戻し、また戦争をしかけて来ないとも限りません。それを恐れた者たちが、大公様の絶対防御の領域から飛び出したのです」
それが敵の狙いだった。
引き上げると見せかけて、こちら側の兵を釣り出したのだ。
「……間に合わなかったのですよ」
グレイの言葉がポツリと落ちる。
その、ひと言で、わかった。
「お祖父さまが魔術で敵を倒した?」
「はい。まるで空から星が降ってくるようでした。とても美しくて……ですが、光が消えたあと、敵兵は全員……地面に倒れ伏していました」
ぎゅっと両手を握りしめる。
そうしなければ味方を守ることができなかったのだ。
「その有り様に、飛び出した兵たちは自らの愚かさに気づき、大公様に詫びておりましたが……大公様は、お前たちにも守りたい者がいるのだろうと仰って……地に伏し、泣いている者たちに……微笑んでくださったのです」
祖父とて誰も殺したくはなかっただろう。
それほどの力を持っていながら、ギリギリまで使おうとしなかったのだから。
結奈は両親を失った時のことを思い出す。
居眠り運転のトラックに追突されての事故死だった。
運転手にはまだ幼い娘がいて、父子家庭であったそうだ。
過剰に働かなければならないほどの苦しい生活であったとも聞いている。
それでも、結奈は運転手を許せなかった。
お前が死ねば良かったのに、と思った自分を知っている。
「私はお祖父さまが大好きだよ。優しくて優しくて……強いお祖父さまが」
人は守りたいものしか守れないのだ。
自国の兵を守った祖父のように、運転手を憎んだ自分のように。
「話してくれて、ありがと、グレイ。心配してくれてありがと、サリー」
2人が困ったような顔をする。
きっと礼を言われるのにも慣れていないのだろうと思った。
そんな2人に結奈は、とても簡単な言葉をさずける。
「こういう時はね、どういたしまして、って言うんだよ」
というより、無理矢理、回避したのだ。
サリーとグレイに、しがみつくようにして。
食事中、テーブルを挟んで正面に座った2人は非常に居心地が悪そうだった。
給仕をする側も微妙な顔つきをしていて、なんともおかしな空気になっていたのは否めない。
感じてはいたので、結奈も必死であれこれと2人に話しかけた。
料理の種類、名前、素材や原産地などについて思いつく限りの話題を振った。
料理に関することはたいていサリーが答えてくれている。
慣れない様子ではあったが、最後のほうは、おかしな空気も少し緩和されたように感じられた。
「さぁてと、お腹もいっぱいになったからね。午後もやるぞぉ」
腕まくりをする勢いで言い、サリーとグレイを見て、にっこりしてみせた。
2人は、一瞬、困ったような顔をしたが、黙って隣に座ってくる。
(こういうのも慣れだよ、慣れ! 今は慣れてないから微妙な気分になってるだろうけどさ。そのうち平気になってくれるハズ!)
結奈の希望的観測に過ぎないし、頭の隅では迷惑をかけていると思っていた。
けれど、やっぱり屋敷のみんなとは仲良くしたい。
身分なんて現代日本人の結奈には関係なさ過ぎて、まるでピンと来ないのだ。
それよりも同じ「ウチ」で暮らしている、という身内意識のほうが勝る。
せっかく一緒にいるのに、よそよそしくされるのは寂しい。
お互い快適に過ごせるのがいいに決まっていた。
「戦争が始まったのは、お祖父さまが24歳の時か。1年経たずに終わってる」
この世界の時代設定がどんなものか、まだわからずにいる。
魔術が存在する世界でもあるので、結奈が知識として知っている「戦争」とは違うのかもしれない。
だとしても、1年弱で終結というのは早いのではなかろうか。
思うと同時に、ハッとした。
「戦争ってことは、大勢、人が死んだり……したの……?」
戦争が起こったのは24年前。
戦死者がいたのなら、今も健在な遺族は多いはずだ。
結奈は戦争を知らずに生きてきている。
実感もなければ身につまされるような実体験もない。
それでも戦争に否定的であるのは、そこに「死」があり、悲しむ人を出さずにはいられないと、わかっているからだ。
「この国では……誰も死んではおりません」
「誰も? 戦争に行ってた兵隊さんたち、みんな、無事だったってこと?」
「そうです。死者は出ませんでした」
いったい、どういうことだろうと、首をかしげた。
戦争は、単なるいざこざとは違う。
嫌なことではあるが、少なからず犠牲がついて回るのは間違いない。
(ん……? あれ? たしか、この戦争をお祖父さまが終結させたって、グレイ言ってなかったっけ?)
だからこそ、祖父は英雄なのだと。
活字を追ってみる。
「ジョシュア・ローエルハイドの絶対防御は敵の攻撃のすべてを無に帰した」
結奈は隣に座っているグレイに文面を指さしてみせた。
「絶対防御って、お祖父さまの魔術?」
「はい。その効果範囲は、百数キロにもおよび、いかなる魔術も物的攻撃も防ぐというものです」
「結界みたいなもんかな……それなら、死人が出なかったのもわかる」
攻撃を受けないのだから、死ぬことだってない。
改めて祖父の偉大さを知る。
「そっかぁ。そっかぁ。お祖父さまの力は、守るためのものなんだね」
てっきり同意してくれるものと思っていたのに、グレイは返事をしなかった。
サリーも、視線をそらせている。
「え……? なに? どういうこと? 違うの?」
答えないグレイに、結奈の中に疑問が浮かぶ。
果たして戦争とは「守る」だけで勝てるのか。
祖父は「なにか」をやったのだ。
だから戦争は終わった。
「……教えて。なにがあったの……?」
グレイなら知っているに違いない。
きっとサリーもおおまかなことは知っている。
自分だけが知らないのだ。
「私からお話するようなことでは……」
言葉に、今までの遠慮も吹き飛ぶほど、カッと頭に血が昇った。
自分の祖父のことなのに、自分だけが知らない。
家族のことなのに。
命令する気はなかったけれど、強い口調で言う。
言わずにいられなかった。
「教えてよ! 私のお祖父さまのことなんだよッ?! それともグレイは、お祖父さまがしたことを恥じてるのっ?!」
「そんなことはないッ!!断じてありえないッ!」
「グレイっ!!」
サリーの悲鳴じみた声に、結奈はいったん口を閉じる。
グレイも同じだった。
「ごめん、言いかた悪かったよね……でもお願い……今、知りたい。でないと、今日の夕食……お祖父さまにどんな顔すればいいのか……わかんないよ……」
昨夜、祖父に約束をしてもらった。
今夜も一緒に夕食をとると。
「……かしこまりました」
少しの間のあと、グレイが語り始める。
24年前、なにがあったのか。
「私は当時、11歳でした。従軍していたのは父でしたが、私は大公様に憧れておりましたので、隠れてたびたび戦地に行っておりました。大公様の絶対防御の領域内であれば安全でしたから、それほど警備も厳しくなかったのです」
自国軍は安全に兵站を用意することもでき、兵も、ある意味、気楽な交代制。
定期的に家で過ごすこともできていたらしい。
「戦時中、大公様は総指揮をとっておられ、攻撃することを、けしてお許しにはなりませんでした。いずれ敵は引いていくだろうからと仰って」
自軍は安全圏の中にいるが、敵側はそうではなかった。
相手がなにもしてこないからといって安心できるものでもない。
長く続く緊張状態と食糧不足、戦線が崩れるのも時間の問題だったという。
それが8ヶ月もの時間をかけた理由だ。
「そして、大公様が仰った通り、敵軍は引き上げ始めたのですが……こちら側の兵が……追撃をはじめたのです」
「なんでっ?! 相手が逃げてくれるんだから追う必要なんて……っ……」
「敵が再び力を取り戻し、また戦争をしかけて来ないとも限りません。それを恐れた者たちが、大公様の絶対防御の領域から飛び出したのです」
それが敵の狙いだった。
引き上げると見せかけて、こちら側の兵を釣り出したのだ。
「……間に合わなかったのですよ」
グレイの言葉がポツリと落ちる。
その、ひと言で、わかった。
「お祖父さまが魔術で敵を倒した?」
「はい。まるで空から星が降ってくるようでした。とても美しくて……ですが、光が消えたあと、敵兵は全員……地面に倒れ伏していました」
ぎゅっと両手を握りしめる。
そうしなければ味方を守ることができなかったのだ。
「その有り様に、飛び出した兵たちは自らの愚かさに気づき、大公様に詫びておりましたが……大公様は、お前たちにも守りたい者がいるのだろうと仰って……地に伏し、泣いている者たちに……微笑んでくださったのです」
祖父とて誰も殺したくはなかっただろう。
それほどの力を持っていながら、ギリギリまで使おうとしなかったのだから。
結奈は両親を失った時のことを思い出す。
居眠り運転のトラックに追突されての事故死だった。
運転手にはまだ幼い娘がいて、父子家庭であったそうだ。
過剰に働かなければならないほどの苦しい生活であったとも聞いている。
それでも、結奈は運転手を許せなかった。
お前が死ねば良かったのに、と思った自分を知っている。
「私はお祖父さまが大好きだよ。優しくて優しくて……強いお祖父さまが」
人は守りたいものしか守れないのだ。
自国の兵を守った祖父のように、運転手を憎んだ自分のように。
「話してくれて、ありがと、グレイ。心配してくれてありがと、サリー」
2人が困ったような顔をする。
きっと礼を言われるのにも慣れていないのだろうと思った。
そんな2人に結奈は、とても簡単な言葉をさずける。
「こういう時はね、どういたしまして、って言うんだよ」
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