62 / 84
ここがどこだかわかりません 2
しおりを挟む
5つ年上の兄の元に、ディーナリアスは来ている。
国王の寝室だ。
室内は静かで、人気もない。
国王の側近である魔術師長もいなかった。
国王であり、兄でもあるカルディサスとディーナリアスだけだ。
ディーナリアスは、枕元に跪いている。
顔色の悪い兄を、じっと見つめていた。
この部屋には、特殊な仕掛けが施されている。
カルディサスの病が治らないと結論づけられてからのことだ。
刻印の術。
そう呼ばれる、魔力を必要としない魔術のようなものが、かけられている。
扉は赤く塗られ、見た目には趣味が悪い。
が、効果が正しく発揮されているのが、わかる。
この部屋は、魔力が疎外されているのだ。
(見事なものだ……これほどに、なにも感じられぬとは……)
この部屋の中にいる限り、外との魔術的なやりとりは、いっさい不可能。
外に対して魔力感知も行えないし、逆もまた然り。
仮に、ディーナリアスがどこに出かけているのかを知らなければ、見つけることはできないだろう。
同様に、中からも外からも、魔術でのやりとりはできない。
リロイやサビナが、いかに優秀な魔術師であっても、ここにいるディーナリアスに、語り掛けられはしないのだ。
刻印の術には、それだけの力がある。
古い術式だからこそ、力の目的がひとつに絞られており、明確だからだ。
破るのは簡単なのだが、ここは国王の寝室。
意図的に掛けられている術式を解く者はいない。
カルディサスの側近だった、イーサンが掛けたものだった。
魔術師長は、基本的に、常に国王の傍にいる。
誰よりも信頼するに足る忠誠心を持つ者を、国王が選ぶからだ。
国王と魔術師長の結びつきは深い。
国王の退位とともに、魔術師長は、その地位を失う。
ともに国を支え、ともに去るのが慣例だった。
さりとて、すでにイーサンはいない。
カルディサスの元、というより、この世から去っている。
カルディサスが病となったあと、刻印の術をかけ、イーサンは自死したのだ。
その後、次の魔術師長が選任されていたが、ディーナリアスが即位するまでの「繋ぎ」として地位を与えられているだけだった。
そのため、この部屋にもいない。
ディーナリアスの高祖父ザカリー・ガルベリー以降の魔術師長は、良い死にかたをしていなかった。
ほとんどは自死だが、中には忠誠心を捨て叛意を持ち、裁かれた者もいる。
たいていは、国王の退位が決まると、そういうことになってしまうのだ。
理由をディーナリアスは、知っている。
さりとて、リロイのことは、まったく心配していない。
リロイは「非業の死」など遂げはしないだろう。
「ディーナリアス……」
カルディサスが、弱々しい声で、ディーナリアスを呼ぶ。
2人は、あまり似ていない。
母が違うからか、母親似の兄とは異なる部分が多いのだ。
赤味がかったふんわりとした髪に、栗色の瞳と、もとより華奢な体つき。
カルディサスは、病になる前から、細身だった。
「準備は……整って、おるか……?」
「はい。なにもかも」
「……あと2ヶ月、持ち堪えねば……ならんな……」
「できれば、来年の春まで、持ち堪えていただきたいのですが」
カルディサスが、細い声で笑う。
病の進行を示すような覇気のなさだ。
兄は、昔から病弱なところがあった。
が、こんなに短い人生になるほどだとは思っていなかった。
「無茶を言うで、ない……婚姻の儀に座るだけで……肯と、せよ……」
「しかし、それでは、婚姻早々、嫁と喪に服すことになるではありませんか」
ディーナリアスは、兄とは、親密なつきあいはなく過ごしてきている。
王太子である兄と、第2王子であるディーナリアスとの間には、立場に、大きな開きがあったからだ。
かかる責任の重さも違うし、けして、対等ではあり得なかった。
顔を合わせることはあったが、気楽な兄弟のつきあいなどしたこともない。
一緒に遊んだ記憶も、わずかだ。
正直、オーウェンやサビナのほうが、よほど懇意だと言える。
にもかかわらず、こうして話していると、やはり兄なのだ、と思っていた。
国王としての役割を担うのが困難ならば、引き受けてもかまわない。
けれど、退位後も生きていてほしかった。
なんとなくだが、感じるところがあるのだ。
兄は、退位すると、そのまま逝ってしまうのではないか。
そんな気がする。
少なくともイーサンの自死は、兄の弱った心に大きな打撃を与えたに違いない。
国王の側近に、なにより求められるのは忠誠心だ。
そのため、幼い頃から一緒に過ごし、信頼できる者を選ぶ傾向にある。
兄にとって、十歳上だったイーサンは、友であり兄のような存在だった。
あまりにも近くなり過ぎるのが、国王と魔術師長という関係の弊害なのだ。
「お前が、婚姻とは……想像できぬな……ずっと、逃げておったというに……」
「逃げていたのではありません。避けていたのですよ」
「本意、ではない婚姻を……させる……」
「それが、そうでもないのです。今は一刻も早く婚姻したくてしかたありません」
兄が病にならなければ、即位などとは無縁でいられた。
即位を考えていなかったディーナリアスに、婚姻の意思がなかったのは事実だ。
さりとて、兄に言った言葉は、今の彼にとっての本音。
「次は、嫁と一緒に来て、その仲睦まじさを、お見せしますよ」
「そうか……それは、良い」
ディーナリアスは、兄の手を取る。
細くて骨ばった手だった。
「ですから、我が嫁に、たちまちのうちに喪服など着せてもらっては困ります」
「善処……しよう……」
兄が目を閉じる。
ディーナリアスは、手を離して立ち上がった。
わずかな会話でも疲れてしまうのだろう。
耳を澄まさなければ聞こえないほどだが、寝息が聞こえる。
文献を読んでいて知ったことがあった。
ガルベリー1世の頃から、今に至るまで、何世代か毎に、短命の国王が現れる。
それがなぜかは、まだわかっていない。
血縁が濃かろうと薄かろうと関わりがないからだ。
ディーナリアスが解明したいことの、ひとつでもある。
(魔術師の治癒でも治せぬ病、か……)
ロズウェルドの英雄と謳われた偉大な魔術師でさえ治せない病があったという。
それが、ロズウェルドにのみ魔術師が存在している理由なのかもしれない。
ディーナリアスの中にある仮説だ。
けれど、裏付けるものは何もなく、根拠も明確にはできていなかった。
漠然と感じているだけでは、なんの解決にもならない。
(兄上には……間に合わなかったが……これから先のために解明しておかねば)
その病は、王族にだけ現れるものではないのだ。
ディーナリアスは、とても真面目に文献漁りをしているのだった。
国王の寝室だ。
室内は静かで、人気もない。
国王の側近である魔術師長もいなかった。
国王であり、兄でもあるカルディサスとディーナリアスだけだ。
ディーナリアスは、枕元に跪いている。
顔色の悪い兄を、じっと見つめていた。
この部屋には、特殊な仕掛けが施されている。
カルディサスの病が治らないと結論づけられてからのことだ。
刻印の術。
そう呼ばれる、魔力を必要としない魔術のようなものが、かけられている。
扉は赤く塗られ、見た目には趣味が悪い。
が、効果が正しく発揮されているのが、わかる。
この部屋は、魔力が疎外されているのだ。
(見事なものだ……これほどに、なにも感じられぬとは……)
この部屋の中にいる限り、外との魔術的なやりとりは、いっさい不可能。
外に対して魔力感知も行えないし、逆もまた然り。
仮に、ディーナリアスがどこに出かけているのかを知らなければ、見つけることはできないだろう。
同様に、中からも外からも、魔術でのやりとりはできない。
リロイやサビナが、いかに優秀な魔術師であっても、ここにいるディーナリアスに、語り掛けられはしないのだ。
刻印の術には、それだけの力がある。
古い術式だからこそ、力の目的がひとつに絞られており、明確だからだ。
破るのは簡単なのだが、ここは国王の寝室。
意図的に掛けられている術式を解く者はいない。
カルディサスの側近だった、イーサンが掛けたものだった。
魔術師長は、基本的に、常に国王の傍にいる。
誰よりも信頼するに足る忠誠心を持つ者を、国王が選ぶからだ。
国王と魔術師長の結びつきは深い。
国王の退位とともに、魔術師長は、その地位を失う。
ともに国を支え、ともに去るのが慣例だった。
さりとて、すでにイーサンはいない。
カルディサスの元、というより、この世から去っている。
カルディサスが病となったあと、刻印の術をかけ、イーサンは自死したのだ。
その後、次の魔術師長が選任されていたが、ディーナリアスが即位するまでの「繋ぎ」として地位を与えられているだけだった。
そのため、この部屋にもいない。
ディーナリアスの高祖父ザカリー・ガルベリー以降の魔術師長は、良い死にかたをしていなかった。
ほとんどは自死だが、中には忠誠心を捨て叛意を持ち、裁かれた者もいる。
たいていは、国王の退位が決まると、そういうことになってしまうのだ。
理由をディーナリアスは、知っている。
さりとて、リロイのことは、まったく心配していない。
リロイは「非業の死」など遂げはしないだろう。
「ディーナリアス……」
カルディサスが、弱々しい声で、ディーナリアスを呼ぶ。
2人は、あまり似ていない。
母が違うからか、母親似の兄とは異なる部分が多いのだ。
赤味がかったふんわりとした髪に、栗色の瞳と、もとより華奢な体つき。
カルディサスは、病になる前から、細身だった。
「準備は……整って、おるか……?」
「はい。なにもかも」
「……あと2ヶ月、持ち堪えねば……ならんな……」
「できれば、来年の春まで、持ち堪えていただきたいのですが」
カルディサスが、細い声で笑う。
病の進行を示すような覇気のなさだ。
兄は、昔から病弱なところがあった。
が、こんなに短い人生になるほどだとは思っていなかった。
「無茶を言うで、ない……婚姻の儀に座るだけで……肯と、せよ……」
「しかし、それでは、婚姻早々、嫁と喪に服すことになるではありませんか」
ディーナリアスは、兄とは、親密なつきあいはなく過ごしてきている。
王太子である兄と、第2王子であるディーナリアスとの間には、立場に、大きな開きがあったからだ。
かかる責任の重さも違うし、けして、対等ではあり得なかった。
顔を合わせることはあったが、気楽な兄弟のつきあいなどしたこともない。
一緒に遊んだ記憶も、わずかだ。
正直、オーウェンやサビナのほうが、よほど懇意だと言える。
にもかかわらず、こうして話していると、やはり兄なのだ、と思っていた。
国王としての役割を担うのが困難ならば、引き受けてもかまわない。
けれど、退位後も生きていてほしかった。
なんとなくだが、感じるところがあるのだ。
兄は、退位すると、そのまま逝ってしまうのではないか。
そんな気がする。
少なくともイーサンの自死は、兄の弱った心に大きな打撃を与えたに違いない。
国王の側近に、なにより求められるのは忠誠心だ。
そのため、幼い頃から一緒に過ごし、信頼できる者を選ぶ傾向にある。
兄にとって、十歳上だったイーサンは、友であり兄のような存在だった。
あまりにも近くなり過ぎるのが、国王と魔術師長という関係の弊害なのだ。
「お前が、婚姻とは……想像できぬな……ずっと、逃げておったというに……」
「逃げていたのではありません。避けていたのですよ」
「本意、ではない婚姻を……させる……」
「それが、そうでもないのです。今は一刻も早く婚姻したくてしかたありません」
兄が病にならなければ、即位などとは無縁でいられた。
即位を考えていなかったディーナリアスに、婚姻の意思がなかったのは事実だ。
さりとて、兄に言った言葉は、今の彼にとっての本音。
「次は、嫁と一緒に来て、その仲睦まじさを、お見せしますよ」
「そうか……それは、良い」
ディーナリアスは、兄の手を取る。
細くて骨ばった手だった。
「ですから、我が嫁に、たちまちのうちに喪服など着せてもらっては困ります」
「善処……しよう……」
兄が目を閉じる。
ディーナリアスは、手を離して立ち上がった。
わずかな会話でも疲れてしまうのだろう。
耳を澄まさなければ聞こえないほどだが、寝息が聞こえる。
文献を読んでいて知ったことがあった。
ガルベリー1世の頃から、今に至るまで、何世代か毎に、短命の国王が現れる。
それがなぜかは、まだわかっていない。
血縁が濃かろうと薄かろうと関わりがないからだ。
ディーナリアスが解明したいことの、ひとつでもある。
(魔術師の治癒でも治せぬ病、か……)
ロズウェルドの英雄と謳われた偉大な魔術師でさえ治せない病があったという。
それが、ロズウェルドにのみ魔術師が存在している理由なのかもしれない。
ディーナリアスの中にある仮説だ。
けれど、裏付けるものは何もなく、根拠も明確にはできていなかった。
漠然と感じているだけでは、なんの解決にもならない。
(兄上には……間に合わなかったが……これから先のために解明しておかねば)
その病は、王族にだけ現れるものではないのだ。
ディーナリアスは、とても真面目に文献漁りをしているのだった。
0
お気に入りに追加
692
あなたにおすすめの小説
ウソつき殿下と、ふつつか令嬢
たつみ
恋愛
伯爵家の1人娘セラフィーナは、17歳になるまで自由気ままに生きていた。
だが、突然、父から「公爵家の正妻選び」に申し込んだと告げられる。
正妻の座を射止めるために雇われた教育係は魔術師で、とんでもなく意地悪。
正妻になれなければ勘当される窮状にあるため、追い出すこともできない。
負けず嫌いな彼女は反発しつつも、なぜだか彼のことが気になり始めて。
そんな中、正妻候補の1人が、彼女を貶める計画を用意していた。
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_10
他サイトでも掲載しています。
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
口下手公爵と、ひたむき令嬢
たつみ
恋愛
「放蕩公爵と、いたいけ令嬢」続編となります。
この話のみでも、お読み頂けるようになっております。
公爵令嬢のシェルニティは、18年間、周囲から見向きもされずに生きてきた。
が、偶然に出会った公爵家当主と愛し愛される仲となり、平和な日を送っている。
そんな中、彼と前妻との間に起きた過去を、知ってしまうことに!
動揺しながらも、彼を思いやる気持ちから、ほしかった子供を諦める決意をする。
それを伝えたあと、彼との仲が、どこか、ぎこちなくなってしまって。
さらに、不安と戸惑いを感じている彼女に、王太子が、こう言った。
「最初に手を差し伸べたのが彼でなくても、あなたは彼を愛していましたか?」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_9
他サイトでも掲載しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる