7 / 80
初めてづくしの 3
しおりを挟む
シェルニティは、その男性の視線に戸惑っている。
未だかつて、こんなふうに見つめられたことがなかったからだ。
誰もが、彼女からは目をそらせる。
それを、彼女も当然に受け止めてきた。
だから、彼が自分の「痣」を、どう思っているのかわからずにいる。
ブレインバーグの屋敷での、シェルニティの部屋には鏡があった。
そこに映った姿に、彼女自身でさえも「気持ちが悪い」と思ったものだ。
だからこそ、みんなが自分を見たがらないことに納得している。
「きみは……なにを言っているのかね?」
「だって、そうじゃありません? あなたは、最初から、私をじっと見て……」
「私が、きみに興味を持っていると思っているらしいが、とんでもない勘違いだ」
「興味? いえ、そのようには思っておりませんわ」
実際、シェルニティは、男性に興味を持たれるなんて微塵も思っていない。
いや、思ったことがない。
そのため、本気で驚いている。
なぜ、そんな「勘違いをしている」と勘違いをされたのか、まるでわからない。
「思ってはいない? だが、きみは、さっきから何度も……」
バシャーン!!
急に、水が大きく跳ね上がった。
勢いよく、2人に水が降りかかる。
「…………きみ、あれは、なにかね?」
「私の……持っていたバスケットのようです……」
彼が指さした場所。
上からは滝つぼに見えたが、実際には池のようになっている場所だ。
そこに、バスケットが、ぷかぷかと浮かんでいる。
「きみの持っていたバスケットが、どうして降ってきた? きみの後追いで、自死しようとしたとでも?」
「それは、私にもわかりませんわ。なぜ、落ちてきたのかしら?」
はあ…という、大きな溜め息が聞こえた。
シェルニティは顔を上げ、初めて、彼を見てみる。
ちょっぴり胸が、どきっとした。
水が滴っている、焦げ茶色の髪を、彼は右手でかきあげている。
伏せた目、眉間には、くっきりと皺を寄せていた。
民服なので、肌の露出が多い。
胸元はざっくり逆三角形に大きく開いているし、袖は肘までしかないし。
そこから出ている腕にも水が垂れていた。
あの腕に、さっきまで抱きかかえられていたのだ。
気づくと、急に恥ずかしくなってくる。
こんなにも「男性」を意識したのは、初めてだった。
彼が、自分を正面きって見つめてきたからかもしれない。
今までにない感覚を覚えている。
「言いたいことがあるなら言え、と言っただろう」
彼は、とても不機嫌そうだ。
髪と同じ、焦げ茶色の瞳には「不愉快」さしか浮かんでいない。
釣りを邪魔され、水浸しになったのだから、当然、機嫌も悪くなる。
せめて、と、シェルニティは、胸元からハンカチを取り出した。
「これを、お使いくださいな」
「それを?」
彼の呆れ顔に、手元を見れば、ハンカチもびしょ濡れ。
ポタポタと、水が滴り落ちている。
「あら……びしょ濡れだわ」
「それはそうだろうね。きみも、びしょ濡れだと気づいているかい?」
「え?」
指摘され、ようやく自分の髪からも水が滴っているのに気づいた。
彼に気を取られていて、ほかのことが疎かになっていたのだ。
部屋にいる時より、少しはマシなドレスもびしょ濡れになっている。
そう思うと、体が、ずいぶん重い。
ドレスが水をたっぷりと吸い込んでいるからだろう。
「まったく、とんだことになってしまったな。これでは帰るしかない」
「釣りは、どうなさるのですか? 夕飯は?」
「きみのバスケットが、魚を追い散らしてしまったのでね。どの道、粘っても釣れやしないさ。夕食は別のもので間に合わせるよ」
彼が、シェルニティから離れ、地面に落ちていたものを拾った。
長い釣り竿で、それを肩に軽く乗せる。
そのあと、シェルニティに、再び視線を向けた。
不機嫌そうではあるが、彼女の外見に対してではなさそうだ。
彼からは「気持ち悪い」という「不快感」は漂ってきていない。
「きみは、どうする?」
「どうすればいいのか、わかりません」
ここは、シェルニティが立っていた場所より、ずっと下。
どうやって上に戻ればいいのか、わからなかった。
「きみには、2つの選択肢がある。ひとつ、帰り道を私から教わり、自力で帰る。ふたつ、私の家に立ち寄り、ひとまず服を乾かしてから、どうするかを決める」
「服を乾かしていただけるのなら、ありがたいですわ」
「よく考えなくてもいいのかね?」
「服が濡れているのは、気持ちがいいものではありませんから」
それに、帰り道を教わっても、自力で帰れるかどうか、判断がつかない。
そもそも、帰る気をなくしていたところだったし。
「きみが、それでいいのなら、かまわないさ。ついて来るといい」
彼が歩き出す。
後ろについて、シェルニティも歩いた。
池の淵を、ぐるっと半周し、滝に近いところに小道がある。
そこに入り、少し歩くと、すぐに開けた場所に出た。
「これが、私の家だ。城でなくて申し訳ないがね」
「ですが、私の部屋よりは広いですわ」
「それはどうも。褒めていただいて恐縮するよ」
シェルニティは、やはり不思議に思う。
彼は、彼女に「言いたいことを言え」と言った。
そして、シェルニティにとっては驚くくらいに「会話」をしてくれる。
会話なんて望まれていない、と思っていたが、そうでない人もいたようだ。
重そうな木の扉を簡単に開き、彼が中に入っていく。
シェルニティも、彼について中へと入った。
豪奢な家具や装飾品はない。
けれど、清潔だ。
塵ひとつ落ちてはおらず、埃っぽさもなかった。
中に入ってすぐの部屋は、居間のようだ。
右側に暖炉、正面に大きなソファが2つ、そのソファの前に、やはり木でできたテーブルが置かれている。
左側には、続き部屋に通じると思しき扉と、上階に繋がる階段があった。
おそらく2階に寝室などがあるのだろう。
「じっとしていないで、ついて来てくれないか? きみは、家を見に来たわけではないだろう?」
「木でできたお部屋がめずらしかったものですから、つい見入ってしまいました」
レックスモアの屋敷は、元が城塞であったため石造りだったし、ブレインバーグの屋敷も、基本的に煉瓦造りだ。
暖炉などはともかく、全体的に木で造られた家自体が、シェルニティにとってはめずらしかった。
「ここは森だ。石や煉瓦より、材木のほうが手軽に手に入るのでね」
彼が階段を上がって行く。
手すりまでもが木で出来ていた。
握ると、なんだか暖かい気がする。
「とても住み心地が良さそうですね」
「快適だよ。1人で暮らすにはね」
そっけなく言われているのだが、そのそっけなさには気づかない。
今まで「会話」をしてくれる人自体が、ほとんどいなかったので。
未だかつて、こんなふうに見つめられたことがなかったからだ。
誰もが、彼女からは目をそらせる。
それを、彼女も当然に受け止めてきた。
だから、彼が自分の「痣」を、どう思っているのかわからずにいる。
ブレインバーグの屋敷での、シェルニティの部屋には鏡があった。
そこに映った姿に、彼女自身でさえも「気持ちが悪い」と思ったものだ。
だからこそ、みんなが自分を見たがらないことに納得している。
「きみは……なにを言っているのかね?」
「だって、そうじゃありません? あなたは、最初から、私をじっと見て……」
「私が、きみに興味を持っていると思っているらしいが、とんでもない勘違いだ」
「興味? いえ、そのようには思っておりませんわ」
実際、シェルニティは、男性に興味を持たれるなんて微塵も思っていない。
いや、思ったことがない。
そのため、本気で驚いている。
なぜ、そんな「勘違いをしている」と勘違いをされたのか、まるでわからない。
「思ってはいない? だが、きみは、さっきから何度も……」
バシャーン!!
急に、水が大きく跳ね上がった。
勢いよく、2人に水が降りかかる。
「…………きみ、あれは、なにかね?」
「私の……持っていたバスケットのようです……」
彼が指さした場所。
上からは滝つぼに見えたが、実際には池のようになっている場所だ。
そこに、バスケットが、ぷかぷかと浮かんでいる。
「きみの持っていたバスケットが、どうして降ってきた? きみの後追いで、自死しようとしたとでも?」
「それは、私にもわかりませんわ。なぜ、落ちてきたのかしら?」
はあ…という、大きな溜め息が聞こえた。
シェルニティは顔を上げ、初めて、彼を見てみる。
ちょっぴり胸が、どきっとした。
水が滴っている、焦げ茶色の髪を、彼は右手でかきあげている。
伏せた目、眉間には、くっきりと皺を寄せていた。
民服なので、肌の露出が多い。
胸元はざっくり逆三角形に大きく開いているし、袖は肘までしかないし。
そこから出ている腕にも水が垂れていた。
あの腕に、さっきまで抱きかかえられていたのだ。
気づくと、急に恥ずかしくなってくる。
こんなにも「男性」を意識したのは、初めてだった。
彼が、自分を正面きって見つめてきたからかもしれない。
今までにない感覚を覚えている。
「言いたいことがあるなら言え、と言っただろう」
彼は、とても不機嫌そうだ。
髪と同じ、焦げ茶色の瞳には「不愉快」さしか浮かんでいない。
釣りを邪魔され、水浸しになったのだから、当然、機嫌も悪くなる。
せめて、と、シェルニティは、胸元からハンカチを取り出した。
「これを、お使いくださいな」
「それを?」
彼の呆れ顔に、手元を見れば、ハンカチもびしょ濡れ。
ポタポタと、水が滴り落ちている。
「あら……びしょ濡れだわ」
「それはそうだろうね。きみも、びしょ濡れだと気づいているかい?」
「え?」
指摘され、ようやく自分の髪からも水が滴っているのに気づいた。
彼に気を取られていて、ほかのことが疎かになっていたのだ。
部屋にいる時より、少しはマシなドレスもびしょ濡れになっている。
そう思うと、体が、ずいぶん重い。
ドレスが水をたっぷりと吸い込んでいるからだろう。
「まったく、とんだことになってしまったな。これでは帰るしかない」
「釣りは、どうなさるのですか? 夕飯は?」
「きみのバスケットが、魚を追い散らしてしまったのでね。どの道、粘っても釣れやしないさ。夕食は別のもので間に合わせるよ」
彼が、シェルニティから離れ、地面に落ちていたものを拾った。
長い釣り竿で、それを肩に軽く乗せる。
そのあと、シェルニティに、再び視線を向けた。
不機嫌そうではあるが、彼女の外見に対してではなさそうだ。
彼からは「気持ち悪い」という「不快感」は漂ってきていない。
「きみは、どうする?」
「どうすればいいのか、わかりません」
ここは、シェルニティが立っていた場所より、ずっと下。
どうやって上に戻ればいいのか、わからなかった。
「きみには、2つの選択肢がある。ひとつ、帰り道を私から教わり、自力で帰る。ふたつ、私の家に立ち寄り、ひとまず服を乾かしてから、どうするかを決める」
「服を乾かしていただけるのなら、ありがたいですわ」
「よく考えなくてもいいのかね?」
「服が濡れているのは、気持ちがいいものではありませんから」
それに、帰り道を教わっても、自力で帰れるかどうか、判断がつかない。
そもそも、帰る気をなくしていたところだったし。
「きみが、それでいいのなら、かまわないさ。ついて来るといい」
彼が歩き出す。
後ろについて、シェルニティも歩いた。
池の淵を、ぐるっと半周し、滝に近いところに小道がある。
そこに入り、少し歩くと、すぐに開けた場所に出た。
「これが、私の家だ。城でなくて申し訳ないがね」
「ですが、私の部屋よりは広いですわ」
「それはどうも。褒めていただいて恐縮するよ」
シェルニティは、やはり不思議に思う。
彼は、彼女に「言いたいことを言え」と言った。
そして、シェルニティにとっては驚くくらいに「会話」をしてくれる。
会話なんて望まれていない、と思っていたが、そうでない人もいたようだ。
重そうな木の扉を簡単に開き、彼が中に入っていく。
シェルニティも、彼について中へと入った。
豪奢な家具や装飾品はない。
けれど、清潔だ。
塵ひとつ落ちてはおらず、埃っぽさもなかった。
中に入ってすぐの部屋は、居間のようだ。
右側に暖炉、正面に大きなソファが2つ、そのソファの前に、やはり木でできたテーブルが置かれている。
左側には、続き部屋に通じると思しき扉と、上階に繋がる階段があった。
おそらく2階に寝室などがあるのだろう。
「じっとしていないで、ついて来てくれないか? きみは、家を見に来たわけではないだろう?」
「木でできたお部屋がめずらしかったものですから、つい見入ってしまいました」
レックスモアの屋敷は、元が城塞であったため石造りだったし、ブレインバーグの屋敷も、基本的に煉瓦造りだ。
暖炉などはともかく、全体的に木で造られた家自体が、シェルニティにとってはめずらしかった。
「ここは森だ。石や煉瓦より、材木のほうが手軽に手に入るのでね」
彼が階段を上がって行く。
手すりまでもが木で出来ていた。
握ると、なんだか暖かい気がする。
「とても住み心地が良さそうですね」
「快適だよ。1人で暮らすにはね」
そっけなく言われているのだが、そのそっけなさには気づかない。
今まで「会話」をしてくれる人自体が、ほとんどいなかったので。
11
お気に入りに追加
618
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
『わたくしを誰だとお思い?』~若く美しい姫君達には目もくれず38才偽修道女を選んだ引きこもり皇帝は渾身の求婚を無かったことにされる~
ハートリオ
恋愛
38才偽修道女…
恋や結婚とは無縁だと納得して生きて来たのに今更皇帝陛下にプロポーズされても困ります!!
☆☆
30年前、8才で修道院に預けられ、直後記憶を失くした為自分が誰かも分からず修道女の様に生きて来たアステリスカス。
だが38才の誕生日には修道院を出て自分を修道院に預けた誰かと結婚する事になる――と言われているが断るつもりだ。
きっと罰せられるだろうし、修道院にはいられなくなるだろうし、38才後の未来がまるで見えない状態の彼女。
そんなある夜、銀色の少年の不思議な夢を見た。
銀髪銀眼と言えばこの世に一人、世界で最も尊い存在、カード皇帝陛下だけだ。
「運命を…
動かしてみようか」
皇帝に手紙を出したアステリスカスの運命は動き始め、自分の出自など謎が明らかになっていくのと同時に、逆に自分の心が分からなくなっていき戸惑う事となる。
この世界で38才は『老女』。
もはや恋も結婚も無関係だと誰もが認識している年齢でまさかの皇帝からのプロポーズ。
お世継ぎ問題がまるで頭に無い皇帝は諦める気配がなく翻弄される中で自分の心と向き合っていく主人公は最後に――
完結済み、
1~5章が本編で、
6章はこぼれ話的な感じで、テネブラエ公話が少しと、アザレア&レケンス姉弟(主にレケンス)話です。
*暴力表現、ラブシーンを匂わせる表現があります。
*剣、ドレス、馬車の緩い世界観の異世界です。
*魔法が普通ではない世界です。
*魔法を使えた古代人の先祖返りは少数だが存在します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる