108 / 164
後編
迫る危機よりも 4
しおりを挟む
カウフマンは奇妙な違和感をいだき続けている。
ここのところ、ずっとだ。
「どしたの、じぃちゃん?」
「お前の欲しがる犬が見つからんのだよ、ジェシー」
「そんなに上手く隠れてんの?」
「王都から出てはおらん。だが、見つからん。それがおかしい」
「王都は、じぃちゃんの庭だもんなー」
ローエルハイドに匿われている様子はない。
そもそも、ローエルハイドがフレデリックを保護する理由もなかった。
とすると、誰かほかの者が介入していることになる。
カウフマンも把握していない「誰か」だ。
「少し確認してみねばならんかの」
カウフマンは、王都のみならず、ロズウェルド、果ては諸外国にまで流通経路を拡大している。
だから、物が動けば情報が入るのだが、フレデリックのことに関しては、それらしい手がかりが得られていない。
つまり、カウフマンの流通経路を離れたところで、物が動いていることになる。
いかに豪商であろうとも、すべての経路を掌握してはいない。
抜け道があるのは確かだ。
実際、ティンザーの屋敷には、カウフマンの手の者は入りこめていなかった。
ティンザーは昔気質の商人としかつきあわず、新参者との取引をしない。
さりとて、昔気質のロズウェルド商人の人数など、たかが知れている。
とてもカウフマンの手から逃れられるとは思えない。
そこが抜け道になることは、カウフマンも承知していた。
そのため、そうした商人たちは、常に見張らせているのだ。
匿われていたとしても、とっくに見つけていただろう。
「アブネーのか?」
ジェシーは向かい側のソファに座っている。
けれど、その声に危機感はない。
ソファの上に組んだ足を乗せ、膝に肘を置き、頬杖をついていた。
「お前の犬は、良い働きをするかもしれん」
「そーなの?」
「私の知らない、なにかが動いておる。それをいぶり出すきっかけになったわい」
「そいつら、よっぽど上手くやってきたんだな」
「商人と似ておるのだろうよ。どこにでもおって、目立たぬ者。ある程度の人数もおるようだ」
でなければ、カウフマンに対抗できるはずがない。
相手も時間をかけ、巣を張り巡らせている。
問題なのは、それがどういう「質」のものかが不明なことだ。
属している根源さえわかれば対処はできる。
それを、早目に明らかにする必要はあった。
「いぶり出すって、どーすんだよ?」
「物の流れから追えぬのであれば、別の方法を取るしかあるまいて」
ジェシーは考えているのか、黙りこむ。
しばしの間のあと、ニッと笑った。
「じぃちゃんは、意地悪だ」
カウフマンがやろうとしていることを察したのだろう。
ジェシーは、言葉とは逆に、楽しげに言う。
「ホント、使えるものは、なんでも使うよなー」
「今回は出し惜しみはせんよ」
「こーしゃくサマも本気みたいだしね。ちょいちょい出かけてるらしいじゃん」
「着々と、我らを根絶やしにしようとしておるようだ」
カウフマンも感じていた。
公爵の動きは不明確ではあったが、その手が近づいている。
これまでローエルハイドに煮え湯は飲まされてきた。
ただし、それは意図的なものではない。
ローエルハイドがカウフマンの行く手を阻む結果となっただけだ。
だが、今回は「意図」されている。
現当主、ジェレミア・ローエルハイドは、己の意思でもって、カウフマンを駆逐しようとしていた。
長い時をかけて創りあげてきた、ジェシーの成り損ないたちが消されるだろうとの予感がある。
(どの道、どこかでローエルハイドとはやりあわねばならんのだ。アドラントの領地返還が成されたあとと考えていたが、少し早まっただけのこと)
ティンザーの娘の動きにより大幅な予定変更を余儀なくされたが、遅かれ早かれローエルハイドに打撃を加えるつもりではいた。
ジェシーがいる間にしか、それは成し得ない。
本当には、ジェシーの成長を待ってから挑みたかったのだけれども。
ブルーグレイの髪と瞳。
カウフマンは遠い昔を思い出す。
まだ「カウフマン」ではなかった頃のことだ。
ローエルハイドの血を引く王族チェスディート・ガルベリーに女をあてがいながらも、カウフマンはロズウェルドの国中に足を伸ばしていた。
辺境地とされる場所にも出向いている。
アンバス領。
そこで、行きずりの関係を持った女。
彼女の祖母は、隣国リフルワンス生まれだったという。
そのおかげで命拾いをしたのだと。
(アンバス侯爵の遊蕩のおかげと言えような)
アンバス領は、リフルワンスに近い。
辺境地や国境沿いの町や村から女を攫っては弄び、都合が悪くなると、エッテルハイムの城にいた、レスター・フェノインの生贄としていたらしい。
ただ、レスターは器のない者を好まず、リフルワンスの女の「処理」を請け負うことはしなかったようだ。
アンバス侯爵としても、リフルワンスの女であれば放逐しても問題ないと考えたに違いない。
リフルワンスは他国であり、ロズウェルドの法は適用されないのだ。
そして、ロズウェルドとの戦争に敗れたことのあるリフルワンスは、理不尽な行為に対しても抗議することはできない状況だった。
結果、彼女の祖母はレスターの生贄になることはなく、ただ放逐されるだけですんだのだ。
そして、理不尽さの狭間で命を繋ぎ、男子を成している。
その男子が、カウフマンが関係を持った女の父親だ。
女とカウフマンの間にできたのは男子。
年齢的に都合が良かったため、カウフマンは息子とチェスディートの孫娘に関係を持たせた。
カウフマンとローエルハイドの血の交配が目的だ。
その2人から産まれたのが、ジェシーだった。
ジェシーを見たカウフマンは、どれほど歓喜したことか。
掛け合わせた血を惜しむことなく、ジェシーの父母を殺している。
ジェシーには必要ないと判断したからだ。
カウフマンが、直々に育てている。
その頃には、カウフマンは一族を束ねる地位についていた。
いつかも思った。
カウフマンの人生の集大成。
それが、ジェシーなのだ。
そのジェシーが、ぴくっと体を起こす。
ジェシーは、どちらかと言えば魔術師に近いが、人の気配を察するのにも長けていた。
重厚に創られている鉄の扉が、コンコンと叩かれる。
「お入り」
誰が来たのかは知っていた。
信頼できる配下から、事前に連絡が来ていたのだ。
淡い金髪に薄茶の瞳をした若い女が入って来る。
「直接、会って話したいとは、それほど重要な情報を持って来たのであろうな?」
「でなければ、このような危険は冒しません」
「どのような情報だ?」
若い割にしっかりしており、カウフマンの瞳にも怯えの色は見せない。
ジェシーはソファに寝転がり、首を伸ばすようにして、その女を見ていた。
だが、女はジェシーなど見えていないかのように、カウフマンだけに視線を向けている。
「サマンサ・ティンザーの居場所です」
「ほう。つきとめたのか?」
「私が、というわけではありませんが」
カウフマンは目を細めた。
ティモシー・ラウズワースの偶然を引き起こしたあとに、打っておいた1手が、ようやく実を結んだのだ。
「では、教えてもらおう」
「シャートレー公爵家の飛び領地、サハシー近くの辺境地にいます。森の中にある昔の狩猟小屋にいるようです」
「ローエルハイドには帰っておらんのか」
「帰っていません」
「なぜだ? 公爵は知っておるのだろう?」
「サマンサ・ティンザーの意向と言えるでしょうね」
女は淀みなく語っている。
嘘はついていない。
カウフマンには、ジェシーとは違い、嘘を見抜く経験値があった。
「へーえ、こーしゃくサマは“フラれた”ってことかー」
面白そうに、ジェシーが言う。
ティンザーの娘を、公爵は間違いなく迎えに行ったはずだ。
居場所がわかったとたん、飛んで行っただろう。
だが、ティンザーの娘は帰っていない。
「それだけか?」
「私が知り得た情報は、これだけです」
「どーすんの、じぃちゃん?」
ジェシーが、女に視線を向けたままで訊いてくる。
訊くべきことは訊いた。
女は用済みだ。
「私が帰らなければ、相応の対応が取られることになります。なんの準備もせず、ここに来たとでも?」
女は、自身の命の危うさを感じたのだろう。
先んじて牽制してくる。
そこにも嘘はなかった。
「まぁ、よい。事が露見すれば、この者の命は、あれが消す」
「そっか。そんじゃ、行ってよし」
女が体を返しかけ、動きを止める。
肩越しに、カウフマンをにらんできた。
己の主人の情報を流すのは、不本意には違いない。
だが、人の心や感情は、簡単に動かせるのだ。
劇場での偶然を引き起こしたあと、カウフマンは人を動かす1手を講じている。
主に、ティンザーの娘の情報を手にいれるためだった。
大事なものができれば、それが弱味になる。
公爵だけに限ったことではなかった。
人には、各々に守りたいものがある。
時に、それらは相反することもあるのだ。
「これで、アシュリー様に手出しはなさいませんね?」
「もちろんだ。私は約束を守る」
「私の役目も終わりにしてもらえますか?」
「もとより、これで用済みだ。リバテッサ・バロワ。帰るがいい」
女は扉を開いて出て行く。
アシュリー付きのメイドは、それなりに役に立ったと、カウフマンは笑った。
ここのところ、ずっとだ。
「どしたの、じぃちゃん?」
「お前の欲しがる犬が見つからんのだよ、ジェシー」
「そんなに上手く隠れてんの?」
「王都から出てはおらん。だが、見つからん。それがおかしい」
「王都は、じぃちゃんの庭だもんなー」
ローエルハイドに匿われている様子はない。
そもそも、ローエルハイドがフレデリックを保護する理由もなかった。
とすると、誰かほかの者が介入していることになる。
カウフマンも把握していない「誰か」だ。
「少し確認してみねばならんかの」
カウフマンは、王都のみならず、ロズウェルド、果ては諸外国にまで流通経路を拡大している。
だから、物が動けば情報が入るのだが、フレデリックのことに関しては、それらしい手がかりが得られていない。
つまり、カウフマンの流通経路を離れたところで、物が動いていることになる。
いかに豪商であろうとも、すべての経路を掌握してはいない。
抜け道があるのは確かだ。
実際、ティンザーの屋敷には、カウフマンの手の者は入りこめていなかった。
ティンザーは昔気質の商人としかつきあわず、新参者との取引をしない。
さりとて、昔気質のロズウェルド商人の人数など、たかが知れている。
とてもカウフマンの手から逃れられるとは思えない。
そこが抜け道になることは、カウフマンも承知していた。
そのため、そうした商人たちは、常に見張らせているのだ。
匿われていたとしても、とっくに見つけていただろう。
「アブネーのか?」
ジェシーは向かい側のソファに座っている。
けれど、その声に危機感はない。
ソファの上に組んだ足を乗せ、膝に肘を置き、頬杖をついていた。
「お前の犬は、良い働きをするかもしれん」
「そーなの?」
「私の知らない、なにかが動いておる。それをいぶり出すきっかけになったわい」
「そいつら、よっぽど上手くやってきたんだな」
「商人と似ておるのだろうよ。どこにでもおって、目立たぬ者。ある程度の人数もおるようだ」
でなければ、カウフマンに対抗できるはずがない。
相手も時間をかけ、巣を張り巡らせている。
問題なのは、それがどういう「質」のものかが不明なことだ。
属している根源さえわかれば対処はできる。
それを、早目に明らかにする必要はあった。
「いぶり出すって、どーすんだよ?」
「物の流れから追えぬのであれば、別の方法を取るしかあるまいて」
ジェシーは考えているのか、黙りこむ。
しばしの間のあと、ニッと笑った。
「じぃちゃんは、意地悪だ」
カウフマンがやろうとしていることを察したのだろう。
ジェシーは、言葉とは逆に、楽しげに言う。
「ホント、使えるものは、なんでも使うよなー」
「今回は出し惜しみはせんよ」
「こーしゃくサマも本気みたいだしね。ちょいちょい出かけてるらしいじゃん」
「着々と、我らを根絶やしにしようとしておるようだ」
カウフマンも感じていた。
公爵の動きは不明確ではあったが、その手が近づいている。
これまでローエルハイドに煮え湯は飲まされてきた。
ただし、それは意図的なものではない。
ローエルハイドがカウフマンの行く手を阻む結果となっただけだ。
だが、今回は「意図」されている。
現当主、ジェレミア・ローエルハイドは、己の意思でもって、カウフマンを駆逐しようとしていた。
長い時をかけて創りあげてきた、ジェシーの成り損ないたちが消されるだろうとの予感がある。
(どの道、どこかでローエルハイドとはやりあわねばならんのだ。アドラントの領地返還が成されたあとと考えていたが、少し早まっただけのこと)
ティンザーの娘の動きにより大幅な予定変更を余儀なくされたが、遅かれ早かれローエルハイドに打撃を加えるつもりではいた。
ジェシーがいる間にしか、それは成し得ない。
本当には、ジェシーの成長を待ってから挑みたかったのだけれども。
ブルーグレイの髪と瞳。
カウフマンは遠い昔を思い出す。
まだ「カウフマン」ではなかった頃のことだ。
ローエルハイドの血を引く王族チェスディート・ガルベリーに女をあてがいながらも、カウフマンはロズウェルドの国中に足を伸ばしていた。
辺境地とされる場所にも出向いている。
アンバス領。
そこで、行きずりの関係を持った女。
彼女の祖母は、隣国リフルワンス生まれだったという。
そのおかげで命拾いをしたのだと。
(アンバス侯爵の遊蕩のおかげと言えような)
アンバス領は、リフルワンスに近い。
辺境地や国境沿いの町や村から女を攫っては弄び、都合が悪くなると、エッテルハイムの城にいた、レスター・フェノインの生贄としていたらしい。
ただ、レスターは器のない者を好まず、リフルワンスの女の「処理」を請け負うことはしなかったようだ。
アンバス侯爵としても、リフルワンスの女であれば放逐しても問題ないと考えたに違いない。
リフルワンスは他国であり、ロズウェルドの法は適用されないのだ。
そして、ロズウェルドとの戦争に敗れたことのあるリフルワンスは、理不尽な行為に対しても抗議することはできない状況だった。
結果、彼女の祖母はレスターの生贄になることはなく、ただ放逐されるだけですんだのだ。
そして、理不尽さの狭間で命を繋ぎ、男子を成している。
その男子が、カウフマンが関係を持った女の父親だ。
女とカウフマンの間にできたのは男子。
年齢的に都合が良かったため、カウフマンは息子とチェスディートの孫娘に関係を持たせた。
カウフマンとローエルハイドの血の交配が目的だ。
その2人から産まれたのが、ジェシーだった。
ジェシーを見たカウフマンは、どれほど歓喜したことか。
掛け合わせた血を惜しむことなく、ジェシーの父母を殺している。
ジェシーには必要ないと判断したからだ。
カウフマンが、直々に育てている。
その頃には、カウフマンは一族を束ねる地位についていた。
いつかも思った。
カウフマンの人生の集大成。
それが、ジェシーなのだ。
そのジェシーが、ぴくっと体を起こす。
ジェシーは、どちらかと言えば魔術師に近いが、人の気配を察するのにも長けていた。
重厚に創られている鉄の扉が、コンコンと叩かれる。
「お入り」
誰が来たのかは知っていた。
信頼できる配下から、事前に連絡が来ていたのだ。
淡い金髪に薄茶の瞳をした若い女が入って来る。
「直接、会って話したいとは、それほど重要な情報を持って来たのであろうな?」
「でなければ、このような危険は冒しません」
「どのような情報だ?」
若い割にしっかりしており、カウフマンの瞳にも怯えの色は見せない。
ジェシーはソファに寝転がり、首を伸ばすようにして、その女を見ていた。
だが、女はジェシーなど見えていないかのように、カウフマンだけに視線を向けている。
「サマンサ・ティンザーの居場所です」
「ほう。つきとめたのか?」
「私が、というわけではありませんが」
カウフマンは目を細めた。
ティモシー・ラウズワースの偶然を引き起こしたあとに、打っておいた1手が、ようやく実を結んだのだ。
「では、教えてもらおう」
「シャートレー公爵家の飛び領地、サハシー近くの辺境地にいます。森の中にある昔の狩猟小屋にいるようです」
「ローエルハイドには帰っておらんのか」
「帰っていません」
「なぜだ? 公爵は知っておるのだろう?」
「サマンサ・ティンザーの意向と言えるでしょうね」
女は淀みなく語っている。
嘘はついていない。
カウフマンには、ジェシーとは違い、嘘を見抜く経験値があった。
「へーえ、こーしゃくサマは“フラれた”ってことかー」
面白そうに、ジェシーが言う。
ティンザーの娘を、公爵は間違いなく迎えに行ったはずだ。
居場所がわかったとたん、飛んで行っただろう。
だが、ティンザーの娘は帰っていない。
「それだけか?」
「私が知り得た情報は、これだけです」
「どーすんの、じぃちゃん?」
ジェシーが、女に視線を向けたままで訊いてくる。
訊くべきことは訊いた。
女は用済みだ。
「私が帰らなければ、相応の対応が取られることになります。なんの準備もせず、ここに来たとでも?」
女は、自身の命の危うさを感じたのだろう。
先んじて牽制してくる。
そこにも嘘はなかった。
「まぁ、よい。事が露見すれば、この者の命は、あれが消す」
「そっか。そんじゃ、行ってよし」
女が体を返しかけ、動きを止める。
肩越しに、カウフマンをにらんできた。
己の主人の情報を流すのは、不本意には違いない。
だが、人の心や感情は、簡単に動かせるのだ。
劇場での偶然を引き起こしたあと、カウフマンは人を動かす1手を講じている。
主に、ティンザーの娘の情報を手にいれるためだった。
大事なものができれば、それが弱味になる。
公爵だけに限ったことではなかった。
人には、各々に守りたいものがある。
時に、それらは相反することもあるのだ。
「これで、アシュリー様に手出しはなさいませんね?」
「もちろんだ。私は約束を守る」
「私の役目も終わりにしてもらえますか?」
「もとより、これで用済みだ。リバテッサ・バロワ。帰るがいい」
女は扉を開いて出て行く。
アシュリー付きのメイドは、それなりに役に立ったと、カウフマンは笑った。
0
お気に入りに追加
205
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
今さら後悔しても知りません 婚約者は浮気相手に夢中なようなので消えてさしあげます
神崎 ルナ
恋愛
旧題:長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。
【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。
だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。
「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」
マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。
(そう。そんなに彼女が良かったの)
長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。
何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。
(私は都合のいい道具なの?)
絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。
侍女達が話していたのはここだろうか?
店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。
コッペリアが正直に全て話すと、
「今のあんたにぴったりの物がある」
渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。
「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」
そこで老婆は言葉を切った。
「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」
コッペリアは深く頷いた。
薬を飲んだコッペリアは眠りについた。
そして――。
アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。
「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」
※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)
(2023.2.3)
ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000
※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる