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前編

悩むより進むこと 1

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 彼はサマンサの私室の扉に寄りかかっている。
 両腕を組み、軽く足を組んで立っていた。
 視線の先には、ソファに座るサマンサがいる。
 その姿に見入っていた。
 
 夕食後、挨拶をすませたのち、2人はアドラントに戻っている。
 彼女は、ずっと押し黙ったままだ。
 腹を立てているには違いないが、彼に罵声を浴びせてくるでもない。
 サマンサの心情を理解はできる。
 
(私も彼女と似た気分だ。あのような愚かな提案をするなどと、我ながら呆れているさ。なにをしているのかって感じだな)
 
 そもそも彼は彼女を愛せはしない。
 彼女も彼を愛せないと言った。
 だから、彼は、サマンサが「新しい愛」を見つけられるように道筋をつけようとしてきたのだ。
 
 劇場で、本当に彼は姿を見せる気はなかった。
 サマンサとは個室で芝居見物をするにとどめようと、わざわざ行き帰りの同伴をフレデリックに頼んでいる。
 
 フレデリックは、彼の指示通り、上手くやった。
 ティモシーとの突発的な事態は、彼の失態だ。
 フレデリックがしくじったのではない。
 ただ、フレデリックは、予想以上に「上手くやり過ぎた」のだ。
 
「怒っているかい?」
「だとしても、あなたには関係ないのでしょう? あなたは私を怒らせるのを、趣味にしているものね。酷い悪趣味だと思うけれど、どうせ正す気もない」
 
 サマンサの口調は、淡々としている。
 いつもの「激情型」とは異なる、静かな怒りを感じた。
 彼の意図がどうあれ、彼女の家族を巻き込んだのだ。
 当初の筋書きを変えなければ、そうはならずにすんでいる。
 彼が故意に脇道に逸れる行動を取ったのを、サマンサは許していない。
 
「私は、なにがなんでも婚姻をしろと迫ったのではない。きみが新しい愛を手にできなければ、という条件を提示した」
「私が新しい愛を手に入れられるはずがないと思っているからではないの?」
「きみが、そう思うのなら、そうなるかもしれないな」
 
 劇場でのことがあってから、感情の抑制が難しくなっている。
 あんな状況でも、サマンサは彼の心を掴み取ってきた。
 そして、自らに非があるとし、謝罪までしてきたのだ。
 傷つき、涙をぽろぽろとこぼしながら。
 
 あの瞬間、彼は、今までにはなかったほど、大きく心を揺さぶられている。
 抱きしめずにはいられなかったし、口づけずにもいられなかった。
 動揺していたのは、状況に対してではない。
 自分の心の動きに対してだ。
 
 以来、感情が上手く制御できなくなっている。
 なんとか立て直せたと思っても、些細なきっかけで崩れてしまう。
 サマンサの存在が危険だと感じてなお、距離を置けずにいる。
 むしろ、手放し難くなっていた。
 
(愛は必要ない。だが、彼女を手元に置いておきたい。虫のいい考えだ)
 
 サマンサは、彼をティモシーと同一視しているかもしれない。
 彼女を駒としているし、利用しているのは同じだ。
 だが、決定的に違うことがある。
 彼は、サマンサという女性を魅力的だと感じていた。
 駒としてだけ見ているのではない。
 
「私は諦めていないわよ?」
「知っている」
「駒として用済みになるまでの関係だったはずでしょう?」
「今は違う」
 
 サマンサが溜め息をつく。
 それから彼をまっすぐに見つめ、さらに大きな溜め息をついた。
 
「意味がわからないのよ」
「そうかい? きみだって、私といることを、それほど嫌がっているようには思えないがね? 私が、きみの外見に惹かれているのではないのも知っているはずだ」
「私のことを言っているのではないわ。あなたのことよ。愛する人と生涯をともにしたいと思う気持ちなら、私も理解できる。でも、あなたは違うじゃない」
「愛だけがすべてだとは思っていないからさ」
 
 中庭で、サマンサと話していた時にも思ったことだ。
 婚姻に際し、彼は、愛が必要不可欠だとは考えていなかった。
 
 愛がなくても、うまくやっていける。
 
 サマンサは聡明であり、信頼できる誠実さをもった女性だ。
 会話を楽しめるし、会話がなくても落ち着かない気分になったりしない。
 気が合っていて、一緒にいるのが苦にならない相手でもある。
 その上、最初から彼はサマンサに女性的な魅力を感じていた。
 
 不足しているのは、愛だけだと言える。
 そこさえ解決がつけば、永続的な関係が築けるのだ。
 彼が、サマンサに望むのは、たったひとつ。
 愛を諦めることだけだった。
 
「私はね、きみを気に入っているのだよ、サミー」
 
 サマンサの性格からすれば、彼が「駒として必要」だと言えば、いつまでだってとどまるに違いない。
 もしかすると、婚姻のことも「駒として」と言えば、承諾したかもしれない。
 だが、それには嘘が必要だった。
 
 サマンサを手放したくないだけだからだ。
 駒として用済みになったとしても。
 
 彼は、嘘はつかない。
 彼女曰くの「言葉のペテン」はするにしても、相手の受け取りかた次第。
 正しく理解しようとするならば、訊けばすむ。
 自分勝手な思い込みをするから間違うし、誤認するのだ。
 
 人と人とが、わかりあえることなどない。
 どれほど近しくなろうと「わかったつもり」を越えられはしない。
 
 少なくとも、彼は、そう思っている。
 だから、本音を丸投げにはせずにいた。
 わかってもらえているとの意識は、とても危ういものなのだ。
 剥き出しになった心に、直接の傷を与えるものに成りかねない。
 
 わかってもらえていると思っていたのに、それが、単なる「わかったつもり」に過ぎなかったとしたら?
 
 本音をさらせば、そうした危険が常につきまとう。
 それが弱味と成りうるのだ。
 だが、愛とは、自分の心に相手に踏み込ませるとの意味を持つ。 
 おまけに、彼は「人ならざる者」としての資質から逃げられない。

 愛に囚われ、ほかはどうでもよくなる。
 失えば、己の存在意義すら見失う。

 彼には、そんな弱味を作る気はなかった。
 だから、自分の心には誰も踏み込ませないと決めている。
 
「前にも言ったけれど、私は、愛を不要とする人に心をあずける気はないの」
「心をあずけろと言った覚えはないな」
「お互いに心をあずけられもしないのに、婚姻したって意味がないと思うわ」
「依存した関係を、きみは望むのか?」
「違うわよ。あなたとは物の考えかたが違うのね」
 
 サマンサは、ここでの暮らしを好んでいる。
 それは間違いないはずなのに、どこまでもかたくなだった。
 
「せめて私が新しい愛を見つけるのを、邪魔しないでちょうだい」
「邪魔などしないさ」
「それなら、フレデリックと会わせる機会は設けてくれるの?」
「もちろんだとも」
 
 サマンサが新しい愛を見つけたなら、諦めるよりほかない。
 邪魔をする気はないし、その時には手放すつもりだった。
 残念には思うだろうが、しかたがないことだ。
 彼女が不幸になるのは本意ではないのだから。
 
「フレデリックに妙なことは言わないでしょうね?」
「釘を刺したり、忠告したりするのを心配しているのなら無用だ。フレディには、なにも言わない」
「遠くから監視したりもしないでちょうだい。ああ、頭の中で話しかけてくるのもね」
「危険がない時にまで、きみを見守ったりはしないさ」
「会うのは5年後?」
「それほど待たせやしないよ。なんなら、近々、呼んでもかまわない」
「なら、そうしてくれる? まぁ、明日にでも、とは言わないけれど」
 
 サマンサは彼の言葉を警戒している。
 アシュリーの件も含め、誤認させられたことで、注意深くなっているのだろう。
 逐一、訊いて、彼に「約束」をさせている。
 
「やれやれ。私は、きみの信頼を損ねてしまったようだな」
「そうね。まるきり傷がつかなかったとは言えないわ」
「私が筋書きを変え、きみの家族を巻き込んだからかい?」
 
 サマンサが口を閉じて黙り込んだ。
 しばしの間のあと、わずかに首を横に振る。
 彼女の隣に座り、体を抱き寄せたくなるのを我慢した。
 なぜか、サマンサが、とても頼りなげに見えたのだ。
 
 彼女の本質は、か弱く脆い。
 
 その本質にふれるたび、彼はサマンサを守りたくなる。
 平気で彼の脛を蹴飛ばしたり、足を踏みつけたり、膝をつねったりする、じゃじゃ馬だというのに。
 
「わからないわ……」
 
 小さな声に、彼の胸が、ちりちりと痛む。
 抱き締めたいのに近づけない。
 彼女からの拒絶を強く感じていた。
 それが、もどかしくなる。
 
「フレディの件は近いうちに機会を作る。5年後なんてことにはしない」
 
 故意ではなかったが、突き放すような言いかたをした。
 サマンサは彼を見て、軽くうなずいただけだ。
 満足しているのか、不満なのか、判断できない。
 とはいえ、なにか行動を起こして、サマンサの信頼を取り戻す必要はある。
 
「今日は、もう疲れたの」
 
 会話は、これで打ち切り。
 サマンサが眠るかどうかはともかく、これ以上、話す気はないとの意思表示だ。
 なにか軽口のひとつも叩こうと思ったが、なにも思い浮かばない。
 しかたなく、彼は体を起こす。
 
「ゆっくり休んでくれ」
 
 扉を開けて、私室を出た。
 が、すでに中にいるサマンサが、なにをしているのか、どういう表情を浮かべているのかが気になる。
 
(彼女との未来などありはしないと思っていたはずだが……今になって、これほど手放し難くなるとは……せめて、これ以上、関係を悪化させないようにしなければならない。先々のことは……まだわからないのだから)
 
 サマンサが新しい愛を手にいれるための手助けはすべきかもしれない。
 その上で、見つけられなければ、彼女の気が変わる可能性もあるのだ。
 自分の心境の変化は気に入らなかったが、彼はもうサマンサを「駒」としてだけ見ることはできずにいた。
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