56 / 164
前編
終わりはきっぱりと 4
しおりを挟む
彼の背中に、そっと手を回す。
早鐘になっている心臓の鼓動が伝わってきた。
それで確信する。
(やっぱり……彼は知らなかったのだわ。なのに、私ったら……誤解して彼を責めてしまった……冷酷な人でなしだけれど、こういう傷つけかたはしない人なのに)
ティモシーのことで疑り深くなっていると感じた。
誰もが自分を傷つけようとしているみたいに思えてしまうのだ。
彼は本音を語らないが、ティモシーとは違う。
不正直ではなかった。
サマンサの肩口に顔をうずめている彼の頭に手を伸ばす。
なぜかはともかく、彼のほうが傷ついている気がした。
サマンサは彼の頭を緩く撫でる。
「本当に、ごめんなさい。勘違いで、あなたを責めるなんて……」
「きみは謝らなくていい……謝らないでくれ……」
「でも、あなたが悪いわけでは……」
パッと、彼が体を起こした。
サマンサを抱き締めていた手が離れ、両頬をつつんでくる。
すぐに唇が重ねられていた。
意図せずして、彼を挑発してしまった時とは違う。
サマンサは知らずにいたが、まるで恋人にするかのような口づけだ。
強く押しつけられる感触に苦しくなって、彼の胸にしがみつく。
それでも唇は重ねられたままだった。
呼吸を求めることすら許されない。
薄く開いた唇から、やわらかな感触が伝わってくる。
なにかわからないけれども、体が、ぞくりと震えた。
怖いとか気持ちが悪いとかいうのとは別の感覚がある。
だが、瞬間、体が引き離された。
「私は……どう言えばいいのか……動揺していたらしい」
「そ、そうなの……それで、おさまったかしら……?」
「ああ、きみのおかげでね」
肩にあった手も離れていく。
寂しい気もしたが、引き留めなかった。
彼は「動揺していた」のだ。
ティモシーが現れるとは想定しておらず、慌てて駆けつけたところに謂れのない責めを受けたのだから、しかたがない。
(まぁ、これで公平になったわ。私は勘違いで責めてしまったけれど、彼の動揺を抑えてあげられたみたいだもの)
はあ…と、彼が大きく息をつく。
乱れていた髪をかきあげてから、サマンサに肩をすくめてみせた。
「きみはどうだい?」
「私は、平気とは言い難いけれど、なんとかね。きっぱりできて良かったって思うことにするわ」
「動揺は?」
「もうしていないわよ? 私は、あなたより“動揺”には慣れているの」
彼が小さく笑う。
いつもの調子に戻った彼に、ホッとした。
あれほどに動揺している彼の姿を見たのは初めてだ。
そのおかげか、サマンサの心は落ち着きを取り戻している。
ティモシーより、彼のほうが心配だった。
不思議になるくらいティモシーとの「終わり」を清々しく感じる。
夜会のあとも、まだ引きずっていたように思うが、今度こそ「終わり」だ。
もうティモシーのことで思い悩むことはないだろう。
「それはそうと、あなた、私を監視していたの?」
「監視とは語弊があるね。見守っていたと言ってくれないか?」
「見守るだけなら、あの魔術があるじゃない」
「即言葉かい? きみは、あっさり無視したようだが?」
あの時は、彼に腹が立っていて、返事をする気になれなかった。
次からは無視しないようにしようと思う。
彼にサマンサを言い負かすカードを渡してしまうことになる。
「まぁ、今回は大目に見てあげる。今は、お芝居を観なくちゃ」
「きみ、これから芝居を観る気かい?」
「ええ、そうよ。せっかく来たのに、観ずに帰るなんてもったいないじゃない」
彼は呆れ顔をしたあと、声をあげて笑った。
サマンサも、思わず、にっこりする。
やはり彼の笑った顔のほうが好ましいと感じた。
なにか安心する。
(彼は大きな責任を負っている。アドラントのことも、アシュリー様のことも。たぶん、ほかにも色々とあるのでしょうね)
本音を見せずにいるのも、そのためだ。
守りの薄いところが狙われるのは当然だった。
(彼の最も弱いところ……それが彼自身の心なのだわ)
胸が、きゅっと苦しくなる。
誰にだって弱い部分があってしかるべきだ。
完全無欠な人などいない。
魔術が万能ではないように、人も完璧ではない。
それでも、彼は強くあろうとしている。
それが、サマンサをなんともいえない気持ちにさせていた。
恋人でもなんでもないけれど、支えてあげたくなる。
せめて味方であり続けたいと思った。
彼の持ち駒のひとつとしてでもいいから。
「座る気がないなら、フレデリックに席を譲ってあげてちょうだい」
サマンサは、さっさと席に座っていた。
彼が隣に座ってくる。
隣といっても、小さなテーブルを挟んでいた。
魔術を使ったらしく、そのテーブルの上に紅茶が現れる。
「私も芝居を観るのは久しぶりでね。席を譲るのはごめんだな」
「前は、どなたと来たのかしら? 金髪のご令嬢ではないわね?」
「気になるかい?」
「ちっとも。儀礼的に訊いてあげたって、わからないの?」
「私は、きみに蹴飛ばされるのが好きなのさ。おかしな嗜好の持ち主だと、専らの噂だからなあ」
サマンサは、くすくすと笑った。
ティモシーに連れ出されてしまったので多くは聞けなかったが、周囲から聞こえてくる噂が、少しは耳に入ったのだ。
「あなたったら、私に愛想をつかされたのかもしれないって言われていたわよ?」
「おかしな嗜好のせいで?」
「私、とんでもなく、いかがわしいことをさせられているみたい」
「さほど間違っちゃあいないがね」
「あなたが破廉恥な真似をしたがる男性だと、周りが知らなかったことに驚くわ」
笑っているうちに、幕が上がり始める。
落ち込んでいた気分も晴れやかになり、初めての芝居見物に夢中になれた。
内容は悲劇で、身につまされる部分も多かったが、それほど悲劇的には感じずに観終えることができた。
「あの兄たちは、本当に禄でなしよ。許せないわ」
「彼女を助けられるものなら助けてあげたかったねえ」
「まったくだわ。彼女、なにも悪いことはしていないじゃない? 妹の財産狙いで再婚を阻止しようと企てるほうがおかしいのよ。その上、せっかく彼女が新しい愛を見つけたというのに、殺してしまうなんて」
「善良な者ほど損をする、という見本のようだったな」
芝居を観終えたあとでも、個室で話し込むことはできるらしい。
彼がテーブルの上の紅茶を新しいものに淹れ替えてくれている。
それを口にしつつ、彼女は溜め息をついた。
「それでも、彼女が最後まで愛を貫いたのは正しかったと思う。もちろん殺されてしまっては意味がないと思う人もいるでしょうね。ただ、私は、自分の正しさを1度でも曲げると本心から幸せだと思えない気がするの」
「きみは、まさしくティンザーだよ」
「だといいけれど。家族を騙している身としては、確信が持てないわ」
彼が、一瞬、黙り込む。
どうしたのかと、彼のほうに視線を向けた。
「きみが話したければ、彼らに事実を告げてもかまわないよ」
急な話に、サマンサは驚く。
危うく紅茶をふいてしまうところだった。
まださっきの動揺を引きずっているのだろうか。
ティモシーの件は偶然に過ぎず、彼のせいではない。
だが、彼は責任を感じているようだ。
「どうせ話すことになるのだし、今すぐでなくちゃならない理由はないわよ」
「きみの心に重しを乗せっ放しにしておくのもどうかと思ってね」
「これから、なにが起きるかわからないのに? すべて片が付いてから、まとめて話したほうが楽だわ。聞かれされるほうだって気楽じゃいられないのよ?」
彼がカップをテーブルに戻す。
サマンサもカップを置いた。
「私が、きみの言動を制限する気はないってことだけ、覚えておいてくれ」
「今までだって、ほとんどやりたいようにやってきたもの。配役に不満がなかったとは言わない。でも、支払いをちゃんとしたいっていうのも、私のやりたいことのひとつなの。私の誠実さを見縊らないでほしいわ」
わざと軽口めかして言う。
あまり彼に深刻に受け止めてほしくなかったのだ。
家族に対して心苦しさがないわけではない。
だとしても、彼の協力でティンザーが救われ、サマンサも救われている。
「あなたの片棒を担ぐ。それが、今の私のやりたいことよ」
彼が立ち上がり、サマンサの前に立った。
スッと、彼女に手を差し出してくる。
サマンサは、その手を躊躇わずにとった。
立ち上がり、彼の目を見つめる。
黒い瞳を恐ろしいと思ったことはない。
彼にも「人並み」の感情があるのは、初めて会った日から知っていた。
そして、今は彼にも「弱い心」があると知っている。
彼は冷酷な人でなしだが、それでも「人」なのだ。
彼がサマンサの手をわずかに持ち上げ、その甲に口づけを落とす。
顔をあげてから、言った。
「私は、容赦なく、きみを利用する。それでも?」
「それでも、よ。今さら、しおらしいことを言わないでほしいわ」
これから危険なことが起きるのかもしれない。
その前に、彼はサマンサの手を離そうとしている。
だから、なおさら、その手を離したくなくて、サマンサは言い切った。
「あなたは、いつだって冷酷な人でなしだったじゃない。今さらな話よ」
早鐘になっている心臓の鼓動が伝わってきた。
それで確信する。
(やっぱり……彼は知らなかったのだわ。なのに、私ったら……誤解して彼を責めてしまった……冷酷な人でなしだけれど、こういう傷つけかたはしない人なのに)
ティモシーのことで疑り深くなっていると感じた。
誰もが自分を傷つけようとしているみたいに思えてしまうのだ。
彼は本音を語らないが、ティモシーとは違う。
不正直ではなかった。
サマンサの肩口に顔をうずめている彼の頭に手を伸ばす。
なぜかはともかく、彼のほうが傷ついている気がした。
サマンサは彼の頭を緩く撫でる。
「本当に、ごめんなさい。勘違いで、あなたを責めるなんて……」
「きみは謝らなくていい……謝らないでくれ……」
「でも、あなたが悪いわけでは……」
パッと、彼が体を起こした。
サマンサを抱き締めていた手が離れ、両頬をつつんでくる。
すぐに唇が重ねられていた。
意図せずして、彼を挑発してしまった時とは違う。
サマンサは知らずにいたが、まるで恋人にするかのような口づけだ。
強く押しつけられる感触に苦しくなって、彼の胸にしがみつく。
それでも唇は重ねられたままだった。
呼吸を求めることすら許されない。
薄く開いた唇から、やわらかな感触が伝わってくる。
なにかわからないけれども、体が、ぞくりと震えた。
怖いとか気持ちが悪いとかいうのとは別の感覚がある。
だが、瞬間、体が引き離された。
「私は……どう言えばいいのか……動揺していたらしい」
「そ、そうなの……それで、おさまったかしら……?」
「ああ、きみのおかげでね」
肩にあった手も離れていく。
寂しい気もしたが、引き留めなかった。
彼は「動揺していた」のだ。
ティモシーが現れるとは想定しておらず、慌てて駆けつけたところに謂れのない責めを受けたのだから、しかたがない。
(まぁ、これで公平になったわ。私は勘違いで責めてしまったけれど、彼の動揺を抑えてあげられたみたいだもの)
はあ…と、彼が大きく息をつく。
乱れていた髪をかきあげてから、サマンサに肩をすくめてみせた。
「きみはどうだい?」
「私は、平気とは言い難いけれど、なんとかね。きっぱりできて良かったって思うことにするわ」
「動揺は?」
「もうしていないわよ? 私は、あなたより“動揺”には慣れているの」
彼が小さく笑う。
いつもの調子に戻った彼に、ホッとした。
あれほどに動揺している彼の姿を見たのは初めてだ。
そのおかげか、サマンサの心は落ち着きを取り戻している。
ティモシーより、彼のほうが心配だった。
不思議になるくらいティモシーとの「終わり」を清々しく感じる。
夜会のあとも、まだ引きずっていたように思うが、今度こそ「終わり」だ。
もうティモシーのことで思い悩むことはないだろう。
「それはそうと、あなた、私を監視していたの?」
「監視とは語弊があるね。見守っていたと言ってくれないか?」
「見守るだけなら、あの魔術があるじゃない」
「即言葉かい? きみは、あっさり無視したようだが?」
あの時は、彼に腹が立っていて、返事をする気になれなかった。
次からは無視しないようにしようと思う。
彼にサマンサを言い負かすカードを渡してしまうことになる。
「まぁ、今回は大目に見てあげる。今は、お芝居を観なくちゃ」
「きみ、これから芝居を観る気かい?」
「ええ、そうよ。せっかく来たのに、観ずに帰るなんてもったいないじゃない」
彼は呆れ顔をしたあと、声をあげて笑った。
サマンサも、思わず、にっこりする。
やはり彼の笑った顔のほうが好ましいと感じた。
なにか安心する。
(彼は大きな責任を負っている。アドラントのことも、アシュリー様のことも。たぶん、ほかにも色々とあるのでしょうね)
本音を見せずにいるのも、そのためだ。
守りの薄いところが狙われるのは当然だった。
(彼の最も弱いところ……それが彼自身の心なのだわ)
胸が、きゅっと苦しくなる。
誰にだって弱い部分があってしかるべきだ。
完全無欠な人などいない。
魔術が万能ではないように、人も完璧ではない。
それでも、彼は強くあろうとしている。
それが、サマンサをなんともいえない気持ちにさせていた。
恋人でもなんでもないけれど、支えてあげたくなる。
せめて味方であり続けたいと思った。
彼の持ち駒のひとつとしてでもいいから。
「座る気がないなら、フレデリックに席を譲ってあげてちょうだい」
サマンサは、さっさと席に座っていた。
彼が隣に座ってくる。
隣といっても、小さなテーブルを挟んでいた。
魔術を使ったらしく、そのテーブルの上に紅茶が現れる。
「私も芝居を観るのは久しぶりでね。席を譲るのはごめんだな」
「前は、どなたと来たのかしら? 金髪のご令嬢ではないわね?」
「気になるかい?」
「ちっとも。儀礼的に訊いてあげたって、わからないの?」
「私は、きみに蹴飛ばされるのが好きなのさ。おかしな嗜好の持ち主だと、専らの噂だからなあ」
サマンサは、くすくすと笑った。
ティモシーに連れ出されてしまったので多くは聞けなかったが、周囲から聞こえてくる噂が、少しは耳に入ったのだ。
「あなたったら、私に愛想をつかされたのかもしれないって言われていたわよ?」
「おかしな嗜好のせいで?」
「私、とんでもなく、いかがわしいことをさせられているみたい」
「さほど間違っちゃあいないがね」
「あなたが破廉恥な真似をしたがる男性だと、周りが知らなかったことに驚くわ」
笑っているうちに、幕が上がり始める。
落ち込んでいた気分も晴れやかになり、初めての芝居見物に夢中になれた。
内容は悲劇で、身につまされる部分も多かったが、それほど悲劇的には感じずに観終えることができた。
「あの兄たちは、本当に禄でなしよ。許せないわ」
「彼女を助けられるものなら助けてあげたかったねえ」
「まったくだわ。彼女、なにも悪いことはしていないじゃない? 妹の財産狙いで再婚を阻止しようと企てるほうがおかしいのよ。その上、せっかく彼女が新しい愛を見つけたというのに、殺してしまうなんて」
「善良な者ほど損をする、という見本のようだったな」
芝居を観終えたあとでも、個室で話し込むことはできるらしい。
彼がテーブルの上の紅茶を新しいものに淹れ替えてくれている。
それを口にしつつ、彼女は溜め息をついた。
「それでも、彼女が最後まで愛を貫いたのは正しかったと思う。もちろん殺されてしまっては意味がないと思う人もいるでしょうね。ただ、私は、自分の正しさを1度でも曲げると本心から幸せだと思えない気がするの」
「きみは、まさしくティンザーだよ」
「だといいけれど。家族を騙している身としては、確信が持てないわ」
彼が、一瞬、黙り込む。
どうしたのかと、彼のほうに視線を向けた。
「きみが話したければ、彼らに事実を告げてもかまわないよ」
急な話に、サマンサは驚く。
危うく紅茶をふいてしまうところだった。
まださっきの動揺を引きずっているのだろうか。
ティモシーの件は偶然に過ぎず、彼のせいではない。
だが、彼は責任を感じているようだ。
「どうせ話すことになるのだし、今すぐでなくちゃならない理由はないわよ」
「きみの心に重しを乗せっ放しにしておくのもどうかと思ってね」
「これから、なにが起きるかわからないのに? すべて片が付いてから、まとめて話したほうが楽だわ。聞かれされるほうだって気楽じゃいられないのよ?」
彼がカップをテーブルに戻す。
サマンサもカップを置いた。
「私が、きみの言動を制限する気はないってことだけ、覚えておいてくれ」
「今までだって、ほとんどやりたいようにやってきたもの。配役に不満がなかったとは言わない。でも、支払いをちゃんとしたいっていうのも、私のやりたいことのひとつなの。私の誠実さを見縊らないでほしいわ」
わざと軽口めかして言う。
あまり彼に深刻に受け止めてほしくなかったのだ。
家族に対して心苦しさがないわけではない。
だとしても、彼の協力でティンザーが救われ、サマンサも救われている。
「あなたの片棒を担ぐ。それが、今の私のやりたいことよ」
彼が立ち上がり、サマンサの前に立った。
スッと、彼女に手を差し出してくる。
サマンサは、その手を躊躇わずにとった。
立ち上がり、彼の目を見つめる。
黒い瞳を恐ろしいと思ったことはない。
彼にも「人並み」の感情があるのは、初めて会った日から知っていた。
そして、今は彼にも「弱い心」があると知っている。
彼は冷酷な人でなしだが、それでも「人」なのだ。
彼がサマンサの手をわずかに持ち上げ、その甲に口づけを落とす。
顔をあげてから、言った。
「私は、容赦なく、きみを利用する。それでも?」
「それでも、よ。今さら、しおらしいことを言わないでほしいわ」
これから危険なことが起きるのかもしれない。
その前に、彼はサマンサの手を離そうとしている。
だから、なおさら、その手を離したくなくて、サマンサは言い切った。
「あなたは、いつだって冷酷な人でなしだったじゃない。今さらな話よ」
0
お気に入りに追加
205
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる