上 下
46 / 164
前編

芝居と茶番 2

しおりを挟む
 やっとサマンサが舞台に上がる気になったようだ。
 彼女の性格を思えば、こういうやり方は好まないとわかっている。
 だが、やられっ放しではいけない。
 今後、サマンサは「表」に出て行くことになる。
 今までと同じように、夜会会場の片隅で、ひっそりとはしていられないのだ。
 
「私がティミーとの婚姻を夢見ていたのは事実よ?」
 
 彼は、わずかに眉を寄せる。
 マチルダは、してやったりといった顔をしているが、それは勘違いだった。
 彼は、本当に、いささか不愉快な気分になっている。
 サマンサの口から「ティミー」なんていう呼び名が出たのが、なにか気に食わなかった。
 
「でも、女性なら誰でも夢を見ることはあるでしょう?」
「現実とは違うってことかい?」
「そうよ。今は夢から目覚めているわ」
 
 彼はサマンサの肩に、軽く頭を乗せる。
 甘えるように、上目遣いでサマンサを見つめた。
 彼女は緩やかに微笑んでいるが、内心では苦い顔をしているに違いない。
 2人きりだったなら、彼を押しのけていただろう。
 もっとも、2人きりだったら、彼もこうした危険は冒さなかった。
 
「きみが目覚めてくれたのは、私にとっての幸いだな。おかげで、こうしてきみを手に入れられたのだからね」
「公爵様!」
 
 マチルダは、容姿で見劣りしているはずのサマンサが彼を操っていることに、我慢がならなかったらしい。
 声を上げ、会話に割って入ってきた。
 良い感触を得ていると感じていただけに、自制が効かなくなっているのだ。
 
 そう仕向けたのは彼だけれど、それはともかく。
 
 彼はサマンサの肩に頭を寄りかからせたまま、視線だけをマチルダに向ける。
 
「公爵様は彼女に騙されておいでなのですわ!」
「だが、実際、サミーは、ここにいるじゃないか」
「サマンサ様は本気で彼との婚姻を考えておられました。けして夢を見ていたわけではありません! あの夜会で婚約を発表するはずだったのですよ?!」
「なんだって? 夜会で婚約を発表するなんて話は聞いていなかったな」
 
 その話を、直接、彼に伝えてきた者はいない。
 サマンサだって「あの夜会で婚約が公にされる」とまでは話していない。
 ゆえに、当然、誰からも「聞いて」はいない。
 
 単に、推測していただけだ。
 
「ねえ、きみ」
 
 マチルダに声をかける。
 最初に「ティモシーは少しばかり知っている兄の友人」と自ら話したことを、もう忘れているのだろう。
 ラウズワースの内情を、マチルダは、ぺらぺらと話していた。
 
「だとすると、私は、あの日、会場中の者たちに、彼からサマンサを奪った男だと思われていただろうか」
「思うはずがございませんわ! 彼女が公爵様をたぶらかしたのですもの!」
 
 彼は、内心では笑っている。
 サマンサに「たぶらかされて」みたいものだ、と思っていた。
 
 ここに来る前も来てからも、マチルダは、サマンサ・ティンザーは女性としての魅力を武器にはできない、と考えていたはずだ。
 なのに、どうやって彼を「たぶらかす」というのか。
 己の思考の矛盾にも気づかないほど、感情的になっている。
 
「どうだろう。彼が夜会で求婚する気があったのなら……」
「ティムは、彼女に、すでに求婚したと聞いております! ですから、あの夜会で婚約を公にする予定にしていたのです!」
 
 彼はサマンサに寄りかかったまま、その手をとった。
 軽く指を、自分の指先で撫でる。
 
「だそうだけれど、きみは彼の求婚に返事を?」
「当日は保留にしたけれど、ここに来てから手紙を出したわ」
「断った?」
「当然よ。きっぱりとね。別邸に出入りしないようにと書いたし、あなたを選んだことも、ちゃんと書いたわ」
 
 手紙は、彼が王都にいる勤め人に届けさせたが、内容は知らなかった。
 サマンサに話した通り、盗み読みなどしていない。
 初めて知る内容に、彼は気分が良くなる。
 少し首を伸ばし、サマンサの頬に口づけた。
 
(芝居も悪くはないな。彼女に叱られることもない。まぁ……腹の中は煮えくり返っているかもしれないが)
 
 しばし、マチルダを忘れる。
 もとより、サマンサのことがなければ、どうでもいいような相手だ。
 気が逸れてしまってもしかたがない。
 
「安心したよ、サミー。私は出会った日から、きみが誘ってくれさえすれば、いつでもベッドに飛び込むつもりでいた」
「あなた、そういうことばかり言っていたわね」
「だってねえ、きみほど魅力的な女性がいるだろうか。私のする、どのような要求にも、きみは応じてくれるじゃないか」
 
 サマンサが、彼と視線を交え「にっこり」する。
 今にも手綱を引きちぎって「暴れ馬」になりそうだった。
 だが、彼は、しっかりと手綱を握り、「にっこり」し返す。
 
「もちろん、あなたのお望み通りよ」
 
 サマンサは、そこで、不意にマチルダへと顔を向けた。
 そのおかげで、彼もマチルダの存在を思い出す。
 サマンサとの「芝居」が愉快で、視界にも入っていなかったのだ。
 
「こう言っては失礼ですけれど、マチルダ様には難しいと思いますわ」
「あなたにできることが、私にできないと仰るの?」
「ええ。彼は苦痛を与えるのも好む人ですから」
 
 ちらっと彼を一瞥したあと、サマンサはマチルダに視線を戻す。
 彼は、あえて黙っていた。
 
「若い女性にお話するには刺激が強過ぎるかもしれません。ですが、現実を知っていただく必要がございます。たとえ自分が望んだことでも、時には、数日、寝込むことも……まぁ、私は横になっていただけですけれど」
 
 マチルダは顔を蒼褪めさせながらも、なんとか対抗しようとしている。
 どんな、いかがわしいことを想像しているのかはともかく、必死で、己にできる「精一杯」を探し回っているに違いない。
 
「わ、私は、それなりに経験がございます! あなたに男性経験がおありだとは、とても思えませんわ! ベッドをともにすれば、私のほうが公爵様を満足させてさしあげられるのは間違いありません!」
「どうでしょうか。彼は、そう……非常に独特なのですよ? それにしても、マチルダ様はお若いのに男性経験が豊富とは存じませんでしたわ」
 
 マチルダは、一瞬、ハッとした表情を浮かべた。
 失言に気づいたのだ。
 それでも、まだ食い下がってくる。
 
「何人かの男性と親密な関係になったことはあります。でも、それこそ、“特別なお客”に、求められるものではありませんか」
「仰る通りですわね。ただ、先ほども申し上げましたように、彼は独特で、ほかの男性と比べられはしません。常に苦痛が伴う覚悟が必要となります」
 
 マチルダの醜く歪んだ顔と、サマンサの、しれっとした顔。
 どちらが魅力的かは明らかだった。
 
「私は人より体力があるものでね。魔術を使えば、その体力もすぐに回復する」
「そ、それは、ええ、わかりますわ……」
 
 マチルダの顔色が、さらに蒼褪めていく。
 やはり「いかがわしい」ことで頭がいっぱいの様子だ。
 サマンサも彼も、なにも「いかがわしい」ことなど言っていない。
 事実を、淡々と語っているだけで、脚色さえしていなかった。
 せっかくの「芝居」なのだから、もう少し「芝居がかった」調子でもいいのに。
 
「この前は、丸1日近く、きみと寝室に籠っていたっけ。横たわるきみの体の中をまさぐっていてさ。あとできみが苦しむのはわかっていたが、そうせずにはいられなかった」
「あなたが、横になっていればいいと言ったのよ?」
「私の好きなようにしたくてね。あれは、なんとも刺激的な体験だった」
 
 彼はサマンサの体に、ぴったりと体を寄せる。
 すでに目の前の女性が帰ったあとのことを考えていた。
 ぱたかれるくらいではすまないかもしれない。
 当然に、引っ叩かれる気はないけれど、それはともかく。
 
「なにしろ、魔術を使う気にもなれないほどヘトヘトになるなんてなあ。私の人生において初めてのことだったよ」
「そうだったの? 知らなかったわ」
「きみの中は、とても繊細で、ほんの少しでも気を緩めると……」
 
 彼は、わざとらしく首をすくめる。
 そのせいで、サマンサの肩に頭をすりつける結果となった。
 
「私は、自分の体力や気力に自信があったが、きみのせいで粉微塵さ」
「あなたが、それほど頑張ってくれていたなんて」
「きみは素晴らしかったよ、私のサミー」
 
 最後の言葉は無視される。
 意図的に、サマンサは返事をしなかったのだろう。
 不要な女性を追いはらったら、美味しいケーキとお茶を用意しようと思った。
 きっとサマンサは、野生馬みたいに暴れるに違いないので。
 
「せっかく私を案じてくれたのに、無駄足を踏ませたようだ。だが、きみでは私を満足させられはしない」
「お、お試しになられずに結論を出されるのは……」
「きみ、本当に試してみたいのかい? サミーは3日も立ち上がれなくなって、ひどく体調も崩したのに?」
 
 相手は頭の中で、あらゆる「特殊な嗜好」を思い巡らせているだろう。
 勝手に。
 
「要求に応えられるのは、私のサミーだけさ。きみが満足させられるのは、せいぜい“ティム”くらいだろう。“多少”は知っているみたいだからね。と言っても、私の認識する“多少”と、きみのそれとは、ずいぶん隔たりがあるようだが」
 
 室内の空気が、冷たくなる。
 サマンサは慣れているからか、平然としていた。
 対して、彼が声をかけた女性は、真っ青になっている。
 
「彼女、具合が悪いらしいね。そうだ。気晴らしに、帰りは馬車を使うがいいよ? ああ、ジョバンニが、とっくに手配をしていたな」
 
 彼は、最早、相手を見もしなかった。
 あえて、サマンサに問う。
 
「ところで、私のサミー、彼女、名をなんというのだったっけ?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

式前日に浮気現場を目撃してしまったので花嫁を交代したいと思います

おこめ
恋愛
式前日に一目だけでも婚約者に会いたいとやってきた邸で、婚約者のオリオンが浮気している現場を目撃してしまったキャス。 しかも浮気相手は従姉妹で幼馴染のミリーだった。 あんな男と結婚なんて嫌! よし花嫁を替えてやろう!というお話です。 オリオンはただのクズキモ男です。 ハッピーエンド。

私が死んだあとの世界で

もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。 初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。 だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

10万円分の食料を購入しましたが、冷蔵庫はそれらの食料でいっぱいになりましたが、食費を悔い連ねて、ビールなどの酒類の方が腹を制するために、い

すずりはさくらの本棚
現代文学
10万円分の食料を購入しましたが、冷蔵庫はそれらの食料でいっぱいになりましたが、食費を悔い連ねて、ビールなどの酒類の方が腹を制するために、いっこうに食料は減らない。 10万円分の食料を購入されたのですね。冷蔵庫がいっぱいになるほどの量、大変だったことと思います。しかし、食費を悔やみながらも、酒類の方に手が伸びてしまい、食料が減らない状況とのこと、お気持ちお察しいたします。 この状況について、いくつか考えられる原因と、改善策を提案させてください。 **考えられる原因** * **ストレスや感情的な要因:** ストレスを感じている時や、何か感情的な出来事があった時、人はつい食べ過ぎたり、お酒を飲んだりしがちです。 * **習慣:** 以前から、食事よりもお酒を優先する習慣がついている可能性があります。 * **食料の選び方:** 長期保存できる加工食品ばかりを選んでしまい、飽きてしまいやすくなっている可能性があります。 * **環境:** 冷蔵庫の中身が全て見える状態になっていると、ついつい手が伸びてしまうかもしれません。 **改善策** * **食生活を見直す:** * **バランスの取れた食事:** 三食バランスの取れた食事を心がけ、必要な栄養素を摂取するようにしましょう。 * **間食の管理:** 間食は、ヘルシーなものを選び、食べる量を意識しましょう。 * **水分補給:** お酒の代わりに、水をこまめに飲むようにしましょう。 * **環境を変える:** * **冷蔵庫の整理:** 冷蔵庫の中身を整理し、見やすい状態にすることで、無駄な買い物を防ぎ、必要なものだけを取り出すようにしましょう。 * **見える場所に果物:** 冷蔵庫の見える場所に、リンゴやバナナなどの果物を置いておくと、自然と手が伸びやすくなります。 * **心の状態に目を向ける:** * **ストレス解消:** ヨガや瞑想など、自分に合ったストレス解消法を見つけてみましょう。 * **相談:** どうしても一人で抱えきれない場合は、信頼できる人に相談したり、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。 **その他** * **食品ロス:** 食料が無駄にならないよう、消費期限を守り、計画的に消費するようにしましょう。 * **食費の管理:** 食費の予算を決めて、その範囲内で買い物をするようにしましょう。 **まとめ** 食生活の改善は、一朝一夕にできるものではありません。まずは、ご自身の状況を客観的に見て、何が問題なのかを把握することが大切です。そして、小さなことから少しずつ改善していくことで、より良い食生活を送ることができるでしょう。

いらないと言ったのはあなたの方なのに

水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。 セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。 エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。 ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。 しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。 ◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬 ◇いいね、エールありがとうございます!

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています

矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜 ――『偽聖女を処刑しろっ!』 民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。 何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。 人々の歓声に包まれながら私は処刑された。 そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。 ――持たなければ、失うこともない。 だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。 『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』 基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。 ※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)

婚約破棄されましたが、私はあなたの婚約者じゃありませんよ?

柴野
恋愛
「シャルロット・アンディース公爵令嬢!!! 今ここでお前との婚約を破棄するッ!」  ある日のこと、学園の新入生歓迎パーティーで婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロット。でも……。 「私はあなたの婚約者じゃありませんよ? どなたかとお間違いなのでは? ――そこにいる女性があなたの婚約者だと思うのですが」 「え!?」 ※ざまぁ100%です。 ※小説家になろう、カクヨムに重複投稿しています。

処理中です...