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前編
正式と代理 3
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サマンサはジョバンニの後ろをついて歩いている。
テラス席に向かっているところだ。
ひと通りの挨拶は終わった。
未だかつてないほど誰もが礼儀正しくて驚いている。
(これがローエルハイドの力ってわけね。そりゃあ彼は冷酷な人でなしだけれど、あんなふうに怯えることないじゃない)
サマンサは、貴族たちの態度に呆れてもいた。
彼らは、まるで鷲に狙われた子鼠のように縮み上がっていたのだ。
ジョバンニは「代理」に過ぎなかったが、それでも、びくびくしながら顔色を窺い、そそくさと挨拶をすませている。
それは、彼らが、なにかしら後ろ暗いところがあるからなのだが、サマンサにはわからない。
彼女には「後ろ暗い」ところなどないからだった。
「お待たせをいたしました、旦那様」
ジョバンニが、彼に声をかける。
同時に、かたんっという音がした。
見れば、小柄な「少女」が立ち上がっている。
茶色の髪に、とても印象的な青い瞳をしていた。
「アシュリリス・セシエヴィルにございます、サマンサ様」
「それほど堅くなることはないさ、アシュリー」
サマンサは、思わずアシュリーと呼ばれる彼女に見惚れる。
まだあどけない表情が、とても可愛らしい。
その態度からも、純粋さと素直さがうかがえた。
アシュリーは正式な婚約者で、サマンサは「愛妾」なのだ。
先に挨拶をする必要はないし、なんなら挨拶をせずともかまわない立場だった。
「サマンサ・ティンザーにございます。アシュリリス様」
サマンサも、しっかりと挨拶をする。
アシュリーに敵意を持っていないことを示しておきたかったのだ。
言えるものなら、便宜上のものに過ぎないと説明している。
心配は無用だ、と。
「アシュリー」
彼が、いつになく優しい声音でアシュリーに呼びかけた。
口元に浮かんだ笑みも、とても穏やかだ。
サマンサに見せる、含みを持った微笑みとは違う。
「私がきみを、とても大事にしていると覚えておいておくれ」
「はい、ジェレミー様」
答えるアシュリーの頬に、彼は軽く口づけを落とした。
それを見て、イラっとする。
嫉妬などではなく、単にアシュリーを心配したのだ。
(彼女は、まだよくわかっていないのだわ。夜会に婚約者と愛妾を伴うなんて非常識だというのに……それでいて、大事にしているですって? よく言うわね。そうやって幼い彼女をいいように振り回しているのだわ)
サマンサがティモシーに出会ったのは8歳だった。
幼い頃の刷り込みや思い込みが、いかに危険かを身を持って知っている。
同じことがアシュリーになされているのではないかと思えて、苛々した。
サマンサは婚約未満だったので、なかったことにできる。
だが、アシュリーには、その逃げ場すらないのだ。
「サマンサ様、ジェレミー様とダンスはいかがですか?」
「え……っ……」
アシュリーを心配していたサマンサは、予想外の言葉に声をあげた。
当の本人は、きょとんとして、彼を見上げている。
「ジェレミー様?」
「そうだね。きみは間違えちゃいないよ」
「私はジョバンニと待っていますから」
2人のやりとりに愕然とした。
自らの婚約者を、愛妾の手に委ねる女性などいない。
いくら幼いといっても貴族教育は受けているはずだ。
よほど物を知らずにいるか、うまく彼に言いくるめられているか。
そのどちらかだと、思う。
「アシュリリス様……」
「あ、あの、あの、よ、よろしければ、アシュリーとお呼びくださいませ」
「…………では……アシュリー様、本当に、よろしいのですか?」
「はい? はい。ジェレミー様はダンスもお上手だと思いますわ」
「え……アシュリー様は、まだ……」
さらに愕然とした。
アシュリーは、サマンサに夜会での「ファーストダンス」を譲ろうとしている。
有り得ないことであり、有ってはならないことだ。
ティモシーが夜会でほかの女性と踊らなかったのも、それが理由だった。
ファーストダンスは特別な意味を持つ。
正式なパートナーと踊るのが常識とされていた。
ほかの女性と踊れば、パートナーをないがしろにしていると、受け止められてもしかたがない。
ティモシーはサマンサと踊りたくなかった。
とはいえ、サマンサをないがしろにしていると受け止められるのも避けたかったから、ほかの女性とは踊らずにいたのだ。
(なにが、きみは間違えていない、よ! 有り得ないとわかっているくせに!)
彼に対して、ふつふつと怒りがこみあげてくる。
アシュリーがわかっていないのをいいことに、彼は自らが立てた計画を着々と進行させていた。
サマンサの望む目的のための計画だとは、わかっている。
それでも腹が立った。
ダンスなどせずとも、十分に「破談」との目的は達せられているからだ。
ジョバンニは、とてもそつなく役目を果たしている。
会場中が、今頃は噂しているだろう。
サマンサ・ティンザーがローエルハイド公爵の「愛妾」になった。
その結果だけで「破談」は間違いない。
ラウズワースは大恥をかいている。
騒ぎ立てて、傷を広げるような真似をするとは思えなかった。
つまり、彼は必要もないのに、サマンサをダンスホールに引っ張り出そうとしているのだ。
「サム、サミー、きみは、なにも心配することはないよ」
サマンサは、自分の心配なんて、これっぽっちもしていない。
アシュリーが傷つくのを恐れている。
今はわからなくても、あとになって口さがない噂に傷つく可能性はあるのだ。
(この人でなし! 彼女を守るべきは、あなたでしょう!)
言いたかったが、アシュリーの前では言えない。
ちりちりとした緊張感が、サマンサと彼の間に走る。
彼はサマンサと視線を交え、口調だけは明るく言った。
「いいじゃないか、サム。ちょいとホールに行ってダンスを披露するくらいは、どうということもないだろう?」
本気だ。
彼は、サマンサとファーストダンスを踊るつもりでいる。
愛称で呼ばれることにすら腹が立った。
いつしか彼は勝手にサマンサを愛称で呼んでいたが、それはともかく。
「サマンサ様は、ダンスがお好きではないのでしょうか?」
少し気後れしたように言うアシュリーに、ハッとなる。
彼と自分との間に、アシュリーを巻き込むことはできない。
「あ……いえ……そういうわけでは……」
「それなら、行こう。私は足を踏まれても、ちっともかまいやしないがね」
イラッとした。
言葉を遮られたからではなく、彼の挑発的な物言いが気に障ったのだ。
会う前から、サマンサは、アシュリーの立場が悪くなるのを心配していた。
それを彼は知っている。
にもかかわらず、サマンサの、その気持ちを汲もうとはしていない。
「あなたが、どうしても踏んでくれと懇願でもしない限り、踏みはしません。ですから、どうぞご安心くださいませ」
「そうかい。これは、いよいよホールに行かなくちゃいけないなあ」
そっけなく言っても、軽く受け流された。
それどころか、彼は、すたすたとサマンサに歩み寄り、肩を抱いてくる。
腹立ちを抑えきれず、キッとにらんだが、彼は表情ひとつ変えない。
「ねえ、サム。きみの華麗なステップを彼らに見せてやろうじゃないか」
「あなたは、ダンスがお好きなようね」
「ダンス嫌いな貴族などいやしないさ」
いつまでも、こんなやりとりを続けるわけにはいかなかった。
同じように考えたのか、ジョバンニが割って入る。
「お2人とも、結論が出たのであれば、ホールに行かれては?」
「ああ、そうするよ、いいね、サミー」
「……ええ、いいわ」
もう、そう答えるよりほかなかった。
しつこく嫌がれば、アシュリーに気を遣わせることになる。
「ジョバンニ、アシュリーを頼んだよ?」
サマンサは逃げ場を失い、渋々と彼に肩を抱かれ、歩き出した。
本当に足を踏みつけようかと思ったが、考え直す。
彼は、簡単にそれをいなしてしまうと、わかっていたからだ。
テラス席に向かっているところだ。
ひと通りの挨拶は終わった。
未だかつてないほど誰もが礼儀正しくて驚いている。
(これがローエルハイドの力ってわけね。そりゃあ彼は冷酷な人でなしだけれど、あんなふうに怯えることないじゃない)
サマンサは、貴族たちの態度に呆れてもいた。
彼らは、まるで鷲に狙われた子鼠のように縮み上がっていたのだ。
ジョバンニは「代理」に過ぎなかったが、それでも、びくびくしながら顔色を窺い、そそくさと挨拶をすませている。
それは、彼らが、なにかしら後ろ暗いところがあるからなのだが、サマンサにはわからない。
彼女には「後ろ暗い」ところなどないからだった。
「お待たせをいたしました、旦那様」
ジョバンニが、彼に声をかける。
同時に、かたんっという音がした。
見れば、小柄な「少女」が立ち上がっている。
茶色の髪に、とても印象的な青い瞳をしていた。
「アシュリリス・セシエヴィルにございます、サマンサ様」
「それほど堅くなることはないさ、アシュリー」
サマンサは、思わずアシュリーと呼ばれる彼女に見惚れる。
まだあどけない表情が、とても可愛らしい。
その態度からも、純粋さと素直さがうかがえた。
アシュリーは正式な婚約者で、サマンサは「愛妾」なのだ。
先に挨拶をする必要はないし、なんなら挨拶をせずともかまわない立場だった。
「サマンサ・ティンザーにございます。アシュリリス様」
サマンサも、しっかりと挨拶をする。
アシュリーに敵意を持っていないことを示しておきたかったのだ。
言えるものなら、便宜上のものに過ぎないと説明している。
心配は無用だ、と。
「アシュリー」
彼が、いつになく優しい声音でアシュリーに呼びかけた。
口元に浮かんだ笑みも、とても穏やかだ。
サマンサに見せる、含みを持った微笑みとは違う。
「私がきみを、とても大事にしていると覚えておいておくれ」
「はい、ジェレミー様」
答えるアシュリーの頬に、彼は軽く口づけを落とした。
それを見て、イラっとする。
嫉妬などではなく、単にアシュリーを心配したのだ。
(彼女は、まだよくわかっていないのだわ。夜会に婚約者と愛妾を伴うなんて非常識だというのに……それでいて、大事にしているですって? よく言うわね。そうやって幼い彼女をいいように振り回しているのだわ)
サマンサがティモシーに出会ったのは8歳だった。
幼い頃の刷り込みや思い込みが、いかに危険かを身を持って知っている。
同じことがアシュリーになされているのではないかと思えて、苛々した。
サマンサは婚約未満だったので、なかったことにできる。
だが、アシュリーには、その逃げ場すらないのだ。
「サマンサ様、ジェレミー様とダンスはいかがですか?」
「え……っ……」
アシュリーを心配していたサマンサは、予想外の言葉に声をあげた。
当の本人は、きょとんとして、彼を見上げている。
「ジェレミー様?」
「そうだね。きみは間違えちゃいないよ」
「私はジョバンニと待っていますから」
2人のやりとりに愕然とした。
自らの婚約者を、愛妾の手に委ねる女性などいない。
いくら幼いといっても貴族教育は受けているはずだ。
よほど物を知らずにいるか、うまく彼に言いくるめられているか。
そのどちらかだと、思う。
「アシュリリス様……」
「あ、あの、あの、よ、よろしければ、アシュリーとお呼びくださいませ」
「…………では……アシュリー様、本当に、よろしいのですか?」
「はい? はい。ジェレミー様はダンスもお上手だと思いますわ」
「え……アシュリー様は、まだ……」
さらに愕然とした。
アシュリーは、サマンサに夜会での「ファーストダンス」を譲ろうとしている。
有り得ないことであり、有ってはならないことだ。
ティモシーが夜会でほかの女性と踊らなかったのも、それが理由だった。
ファーストダンスは特別な意味を持つ。
正式なパートナーと踊るのが常識とされていた。
ほかの女性と踊れば、パートナーをないがしろにしていると、受け止められてもしかたがない。
ティモシーはサマンサと踊りたくなかった。
とはいえ、サマンサをないがしろにしていると受け止められるのも避けたかったから、ほかの女性とは踊らずにいたのだ。
(なにが、きみは間違えていない、よ! 有り得ないとわかっているくせに!)
彼に対して、ふつふつと怒りがこみあげてくる。
アシュリーがわかっていないのをいいことに、彼は自らが立てた計画を着々と進行させていた。
サマンサの望む目的のための計画だとは、わかっている。
それでも腹が立った。
ダンスなどせずとも、十分に「破談」との目的は達せられているからだ。
ジョバンニは、とてもそつなく役目を果たしている。
会場中が、今頃は噂しているだろう。
サマンサ・ティンザーがローエルハイド公爵の「愛妾」になった。
その結果だけで「破談」は間違いない。
ラウズワースは大恥をかいている。
騒ぎ立てて、傷を広げるような真似をするとは思えなかった。
つまり、彼は必要もないのに、サマンサをダンスホールに引っ張り出そうとしているのだ。
「サム、サミー、きみは、なにも心配することはないよ」
サマンサは、自分の心配なんて、これっぽっちもしていない。
アシュリーが傷つくのを恐れている。
今はわからなくても、あとになって口さがない噂に傷つく可能性はあるのだ。
(この人でなし! 彼女を守るべきは、あなたでしょう!)
言いたかったが、アシュリーの前では言えない。
ちりちりとした緊張感が、サマンサと彼の間に走る。
彼はサマンサと視線を交え、口調だけは明るく言った。
「いいじゃないか、サム。ちょいとホールに行ってダンスを披露するくらいは、どうということもないだろう?」
本気だ。
彼は、サマンサとファーストダンスを踊るつもりでいる。
愛称で呼ばれることにすら腹が立った。
いつしか彼は勝手にサマンサを愛称で呼んでいたが、それはともかく。
「サマンサ様は、ダンスがお好きではないのでしょうか?」
少し気後れしたように言うアシュリーに、ハッとなる。
彼と自分との間に、アシュリーを巻き込むことはできない。
「あ……いえ……そういうわけでは……」
「それなら、行こう。私は足を踏まれても、ちっともかまいやしないがね」
イラッとした。
言葉を遮られたからではなく、彼の挑発的な物言いが気に障ったのだ。
会う前から、サマンサは、アシュリーの立場が悪くなるのを心配していた。
それを彼は知っている。
にもかかわらず、サマンサの、その気持ちを汲もうとはしていない。
「あなたが、どうしても踏んでくれと懇願でもしない限り、踏みはしません。ですから、どうぞご安心くださいませ」
「そうかい。これは、いよいよホールに行かなくちゃいけないなあ」
そっけなく言っても、軽く受け流された。
それどころか、彼は、すたすたとサマンサに歩み寄り、肩を抱いてくる。
腹立ちを抑えきれず、キッとにらんだが、彼は表情ひとつ変えない。
「ねえ、サム。きみの華麗なステップを彼らに見せてやろうじゃないか」
「あなたは、ダンスがお好きなようね」
「ダンス嫌いな貴族などいやしないさ」
いつまでも、こんなやりとりを続けるわけにはいかなかった。
同じように考えたのか、ジョバンニが割って入る。
「お2人とも、結論が出たのであれば、ホールに行かれては?」
「ああ、そうするよ、いいね、サミー」
「……ええ、いいわ」
もう、そう答えるよりほかなかった。
しつこく嫌がれば、アシュリーに気を遣わせることになる。
「ジョバンニ、アシュリーを頼んだよ?」
サマンサは逃げ場を失い、渋々と彼に肩を抱かれ、歩き出した。
本当に足を踏みつけようかと思ったが、考え直す。
彼は、簡単にそれをいなしてしまうと、わかっていたからだ。
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