220 / 300
最終章 彼女の会話はとめどない
傷と怒りの狭間には 4
しおりを挟む
足を引っ張りたくない、と思う。
フィッツが判断したのなら、間違いはない。
思うほどには、信頼している。
自分がよけいな口を挟むより、任せておいたほうがいいのだ。
元のザイードの部屋は、建て増し後、キャスの部屋になり、置いていたものも、そのまま移動している。
といっても、衣装棚と書き物机程度。
キャスは机に地図を広げ、丸やバツの印を眺めていた。
1人になりたいという気持ちを察してくれたのか、ノノマとミネリネは、すでに帰っている。
(だよね……フィッツがいたら、私は力を使えないし、使ったら使ったでファニを集めちゃうしさ。壁の中には入って来られないとしても、外までは来るよなぁ)
そうなれば、フィッツの立てた作戦に支障をきたしかねない。
いくら壁の中から外は見えないと言っても、相手が攻撃をしてこないとは言い切れないのだ。
銃を乱射されれば、ファニに犠牲が出る。
外からだって、中は見えないのだし。
(ん……? でも、私が初めて力を使ったあと、壁の外にファニはいなかった気がする。時間が経ってたから? 魔物の国まではとどかなかったから?)
ミネリネは、キャスが力を使うと「粒子」が見えると言っていた。
その粒子に、ファニたちは、本能的に惹かれる。
本能なので抑制が効かないのだ。
だが、アトゥリノの兵を壊し、壁を越えた時、キャスは1人だった。
そのため、魔獣に襲われている。
ファニたちがつめかけていたら、気づかないはずがない。
(壁は粒子を通さないのかも……)
可能性はあるが、別の理由も考えられる。
なので、次の戦では使えそうになかった。
そんな一発勝負みたいな真似はできないからだ。
万が一、読みが外れていたら、やはり足を引っ張るだけになる。
「姫様、お話があります」
唐突な声かけに、びくっとした。
どうしよう、と迷う。
なにを言われても、腹を立ててしまいそうで、それが嫌なのだ。
キャスは、様々な感情に覆われている。
(こういうのが、人間味があるってことなら、機械っぽくていいよ……)
とはいえ、淡々とできていた頃の自分を思い出せない。
事務的な会話しかせず、つきあいもそこそこだったためか、元の世界の「同僚」たちは、彼女を時々「ロボ」だと言っていた。
何事も機械的に処理すると思われていたらしい。
気分を落ち着かせようと深呼吸をする。
落ち着いたかはともかく、短く返事をした。
「どうぞ」
「失礼します」
スッと戸が開き、フィッツが入って来る。
板敷の床に、背筋を伸ばして正座をした。
魔物の国にイスはないため、みんな、床に直座りをする。
たいてい男は胡坐、女は横座りをするのが一般的だ。
だが、真面目な話をする時や緊張感がある時には、正座になる。
元の世界と似て「居住まいを正す」的な発想があるのかもしれないと、キャスは思っていた。
ただし、フィッツの場合は、改まって座り直しているのではない。
どうやら、これが、ここでの正式な座りかただと思っているらしかった。
座布団を出す間もない。
フィッツが、頭を深々と下げる。
「姫様の意思を無視していたことを、お詫びします」
真正面から謝られると、なんとも、ばつが悪かった。
理不尽に怒ってしまったと、自覚している。
フィッツの判断は、キャスの力不足によるものだ。
なにもできないくせに、口だけは一人前。
フィッツとザイードの判断は正しい。
そう認めて、キャスもフィッツに頭を下げた。
「ごめん。私も言い過ぎた……フィッツは、私に絶対服従ってわけじゃないしさ。私の命に関わる可能性があるなら、しかたないよね」
「ですが、最善とは言えませんでした」
言われて、え?と、頭を上げる。
フィッツは無表情で、なにを考えているのかわからない。
わかりたい、知りたいと思う気持ちを、ぐっと堪えた。
そのキャスに、フィッツが淡々とした口調で言う。
「今回の戦、姫様をお連れすることはできません」
「わかってる」
「姫様には、こちらに残っていただきたいのです」
「そのほうが良さそうだって、私も思ってた」
ついて行っても、足手まといになるだけだ。
フィッツとザイードのフォローができるほどの力はない。
よけいなことをして捕まりでもしたら最悪なことになる。
それなら、魔物の国で大人しくしているのが正解だ。
「姫様にしていただかなければならないことがあるのですよ」
「私に?」
できることがあるのならするけれども、なにも思い浮かばなかった。
首をかしげているキャスに、フィッツが、こくりとうなずく。
こういう仕草は、以前と変わらない。
「私とザイードさんは、帝都の開発施設を叩きに行きます。ほかの魔物たちには、軍の拠点を叩いてもらいますが、そちらは囮です。とは言っても、ある程度、破壊する必要はありますが」
「私は、そっちを支援する感じ?」
「そちらも、ですよ、姫様。ご負担になることはわかっていますが、姫様には2つの役目を担っていただきたいのです」
「気休めじゃない役目?」
また、フィッツが、こくりとうなずいた。
表情からも口調からも、感情は読み取れない。
ティニカのフィッツは、わかりにくい人なのだ。
だが、思ってもいないことを口にする人でもないと知っている。
「1つ目は、全体を見渡す目の役目ですね」
「それは、フィッツのほうが得意じゃん」
「施設中枢に入ると、使用できなくなる可能性があります。外との通信も途切れるかもしれません。全体を把握できる者がいなければ統率が乱れます」
「それって、私にも可能なの? 使ったことないし、使いかたも知らないよ?」
「姫様に施術することはできませんので、映像と音声用の装置を使いますが、その使いかたには慣れていただかなければなりませんね」
きっぱりと言い切られ、キャスも背筋を伸ばした。
機械には疎いが、覚えるしかない。
なにしろ、フィッツの「眼」をあずかるのだ。
責任は重大と言える。
「先ほどもお話した通り、施設中枢では目視に頼ることになるかもしれません。装置の数が少ないため、設置できる場所も限られています。開発施設内では、主に廊下に設置することになるでしょう」
「じゃあ、もうひとつの役目は、敵が近づいて来たら教えるってことだね」
「いいえ、違います」
「へ? 違うの?」
「中枢まで入り込むと、逃走経路は1つだけになります」
廊下に設置した装置で敵の接近をフィッツに教える。
そういう役目だと思ったのだが、あっさり違うと言われた。
確かに、逃走経路が1つとなると、敵が来たと教えることに、たいして意味はない。
敵が来ていたって、そこしか逃げ道はないのだから。
紫紅の瞳で、キャスはフィッツを見つめる。
薄金色の瞳が、ほんの微かに揺らめいた気がした。
穏やかに見えた、という感じだ。
が、その感覚は、たちまち消える。
もういつもの「ティニカのフィッツ」だった。
「私たちの命を助ける役目です」
「助ける? どうや…………」
言葉が途切れる。
キャスは、瞬時に理解していた。
なにを考えているのかわからないはずの、フィッツの考え。
そして、自分に要求されている行動。
それらを悟ったのだ。
できないし、したくない、と言えるものなら言いたかった。
けれど、キャスは、フィッツを信じている。
フィッツが「最善」とするのなら、それは「最善」なのだ。
「姫様でなければできないことなのです」
喉が、こくりと上下する。
自分でなければできないことだとわかっているからこそ、怖い。
とはいえ、怖いなどとは言っていられなかった。
なんの力もない自分にできることを、フィッツはあえて見つけてくれたのだ。
その想いに応えたい。
「本当に、できるんだね?」
「99.98%可能です」
「タイミングとかは、どうするの? 中は見えないんじゃない?」
「わかると思いますよ」
瞬き数回。
なにを根拠に「わかる」と言っているのか。
フィッツの確信を持った言いかたに呆れてしまう。
ふ…と、不思議なくらい、肩から力が抜けた。
「姫様、私が姫様の足手まといになることはあっても、その逆は有り得ません。それを、私は誰よりも知っています」
フィッツは、少々、頭のイカレた男なのだ。
皇宮を逃げると決めた時のことを思い出す。
『置き去りにしないでください』
そう言って、フィッツは、ほろほろと涙をこぼした。
戦車試合の前のことなので、それはフィッツも覚えているに違いない。
「置き去りに……しないって、言ったじゃん……」
「そうですね」
けれど、フィッツには、そこから先の記憶がないのだ。
もしかすると「置き去りにされた」と思っているのではないだろうか。
胸が、きゅっと苦しくなる。
両手を伸ばし、キャスはフィッツの体を抱きしめた。
これも、自分にしかできないこと、だ。
フィッツに、そう言われた。
「あのさぁ、フィッツ」
「はい、姫様」
今のフィッツは、抱きしめ返してはくれない。
それでも、体からぬくもりが伝わってくる。
「最善を考えてくれて……ありがと」
フィッツが判断したのなら、間違いはない。
思うほどには、信頼している。
自分がよけいな口を挟むより、任せておいたほうがいいのだ。
元のザイードの部屋は、建て増し後、キャスの部屋になり、置いていたものも、そのまま移動している。
といっても、衣装棚と書き物机程度。
キャスは机に地図を広げ、丸やバツの印を眺めていた。
1人になりたいという気持ちを察してくれたのか、ノノマとミネリネは、すでに帰っている。
(だよね……フィッツがいたら、私は力を使えないし、使ったら使ったでファニを集めちゃうしさ。壁の中には入って来られないとしても、外までは来るよなぁ)
そうなれば、フィッツの立てた作戦に支障をきたしかねない。
いくら壁の中から外は見えないと言っても、相手が攻撃をしてこないとは言い切れないのだ。
銃を乱射されれば、ファニに犠牲が出る。
外からだって、中は見えないのだし。
(ん……? でも、私が初めて力を使ったあと、壁の外にファニはいなかった気がする。時間が経ってたから? 魔物の国まではとどかなかったから?)
ミネリネは、キャスが力を使うと「粒子」が見えると言っていた。
その粒子に、ファニたちは、本能的に惹かれる。
本能なので抑制が効かないのだ。
だが、アトゥリノの兵を壊し、壁を越えた時、キャスは1人だった。
そのため、魔獣に襲われている。
ファニたちがつめかけていたら、気づかないはずがない。
(壁は粒子を通さないのかも……)
可能性はあるが、別の理由も考えられる。
なので、次の戦では使えそうになかった。
そんな一発勝負みたいな真似はできないからだ。
万が一、読みが外れていたら、やはり足を引っ張るだけになる。
「姫様、お話があります」
唐突な声かけに、びくっとした。
どうしよう、と迷う。
なにを言われても、腹を立ててしまいそうで、それが嫌なのだ。
キャスは、様々な感情に覆われている。
(こういうのが、人間味があるってことなら、機械っぽくていいよ……)
とはいえ、淡々とできていた頃の自分を思い出せない。
事務的な会話しかせず、つきあいもそこそこだったためか、元の世界の「同僚」たちは、彼女を時々「ロボ」だと言っていた。
何事も機械的に処理すると思われていたらしい。
気分を落ち着かせようと深呼吸をする。
落ち着いたかはともかく、短く返事をした。
「どうぞ」
「失礼します」
スッと戸が開き、フィッツが入って来る。
板敷の床に、背筋を伸ばして正座をした。
魔物の国にイスはないため、みんな、床に直座りをする。
たいてい男は胡坐、女は横座りをするのが一般的だ。
だが、真面目な話をする時や緊張感がある時には、正座になる。
元の世界と似て「居住まいを正す」的な発想があるのかもしれないと、キャスは思っていた。
ただし、フィッツの場合は、改まって座り直しているのではない。
どうやら、これが、ここでの正式な座りかただと思っているらしかった。
座布団を出す間もない。
フィッツが、頭を深々と下げる。
「姫様の意思を無視していたことを、お詫びします」
真正面から謝られると、なんとも、ばつが悪かった。
理不尽に怒ってしまったと、自覚している。
フィッツの判断は、キャスの力不足によるものだ。
なにもできないくせに、口だけは一人前。
フィッツとザイードの判断は正しい。
そう認めて、キャスもフィッツに頭を下げた。
「ごめん。私も言い過ぎた……フィッツは、私に絶対服従ってわけじゃないしさ。私の命に関わる可能性があるなら、しかたないよね」
「ですが、最善とは言えませんでした」
言われて、え?と、頭を上げる。
フィッツは無表情で、なにを考えているのかわからない。
わかりたい、知りたいと思う気持ちを、ぐっと堪えた。
そのキャスに、フィッツが淡々とした口調で言う。
「今回の戦、姫様をお連れすることはできません」
「わかってる」
「姫様には、こちらに残っていただきたいのです」
「そのほうが良さそうだって、私も思ってた」
ついて行っても、足手まといになるだけだ。
フィッツとザイードのフォローができるほどの力はない。
よけいなことをして捕まりでもしたら最悪なことになる。
それなら、魔物の国で大人しくしているのが正解だ。
「姫様にしていただかなければならないことがあるのですよ」
「私に?」
できることがあるのならするけれども、なにも思い浮かばなかった。
首をかしげているキャスに、フィッツが、こくりとうなずく。
こういう仕草は、以前と変わらない。
「私とザイードさんは、帝都の開発施設を叩きに行きます。ほかの魔物たちには、軍の拠点を叩いてもらいますが、そちらは囮です。とは言っても、ある程度、破壊する必要はありますが」
「私は、そっちを支援する感じ?」
「そちらも、ですよ、姫様。ご負担になることはわかっていますが、姫様には2つの役目を担っていただきたいのです」
「気休めじゃない役目?」
また、フィッツが、こくりとうなずいた。
表情からも口調からも、感情は読み取れない。
ティニカのフィッツは、わかりにくい人なのだ。
だが、思ってもいないことを口にする人でもないと知っている。
「1つ目は、全体を見渡す目の役目ですね」
「それは、フィッツのほうが得意じゃん」
「施設中枢に入ると、使用できなくなる可能性があります。外との通信も途切れるかもしれません。全体を把握できる者がいなければ統率が乱れます」
「それって、私にも可能なの? 使ったことないし、使いかたも知らないよ?」
「姫様に施術することはできませんので、映像と音声用の装置を使いますが、その使いかたには慣れていただかなければなりませんね」
きっぱりと言い切られ、キャスも背筋を伸ばした。
機械には疎いが、覚えるしかない。
なにしろ、フィッツの「眼」をあずかるのだ。
責任は重大と言える。
「先ほどもお話した通り、施設中枢では目視に頼ることになるかもしれません。装置の数が少ないため、設置できる場所も限られています。開発施設内では、主に廊下に設置することになるでしょう」
「じゃあ、もうひとつの役目は、敵が近づいて来たら教えるってことだね」
「いいえ、違います」
「へ? 違うの?」
「中枢まで入り込むと、逃走経路は1つだけになります」
廊下に設置した装置で敵の接近をフィッツに教える。
そういう役目だと思ったのだが、あっさり違うと言われた。
確かに、逃走経路が1つとなると、敵が来たと教えることに、たいして意味はない。
敵が来ていたって、そこしか逃げ道はないのだから。
紫紅の瞳で、キャスはフィッツを見つめる。
薄金色の瞳が、ほんの微かに揺らめいた気がした。
穏やかに見えた、という感じだ。
が、その感覚は、たちまち消える。
もういつもの「ティニカのフィッツ」だった。
「私たちの命を助ける役目です」
「助ける? どうや…………」
言葉が途切れる。
キャスは、瞬時に理解していた。
なにを考えているのかわからないはずの、フィッツの考え。
そして、自分に要求されている行動。
それらを悟ったのだ。
できないし、したくない、と言えるものなら言いたかった。
けれど、キャスは、フィッツを信じている。
フィッツが「最善」とするのなら、それは「最善」なのだ。
「姫様でなければできないことなのです」
喉が、こくりと上下する。
自分でなければできないことだとわかっているからこそ、怖い。
とはいえ、怖いなどとは言っていられなかった。
なんの力もない自分にできることを、フィッツはあえて見つけてくれたのだ。
その想いに応えたい。
「本当に、できるんだね?」
「99.98%可能です」
「タイミングとかは、どうするの? 中は見えないんじゃない?」
「わかると思いますよ」
瞬き数回。
なにを根拠に「わかる」と言っているのか。
フィッツの確信を持った言いかたに呆れてしまう。
ふ…と、不思議なくらい、肩から力が抜けた。
「姫様、私が姫様の足手まといになることはあっても、その逆は有り得ません。それを、私は誰よりも知っています」
フィッツは、少々、頭のイカレた男なのだ。
皇宮を逃げると決めた時のことを思い出す。
『置き去りにしないでください』
そう言って、フィッツは、ほろほろと涙をこぼした。
戦車試合の前のことなので、それはフィッツも覚えているに違いない。
「置き去りに……しないって、言ったじゃん……」
「そうですね」
けれど、フィッツには、そこから先の記憶がないのだ。
もしかすると「置き去りにされた」と思っているのではないだろうか。
胸が、きゅっと苦しくなる。
両手を伸ばし、キャスはフィッツの体を抱きしめた。
これも、自分にしかできないこと、だ。
フィッツに、そう言われた。
「あのさぁ、フィッツ」
「はい、姫様」
今のフィッツは、抱きしめ返してはくれない。
それでも、体からぬくもりが伝わってくる。
「最善を考えてくれて……ありがと」
10
お気に入りに追加
318
あなたにおすすめの小説
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる