198 / 300
第2章 彼女の話は通じない
きみのいる空の下でも 2
しおりを挟む
ザイードはキャスの後を追った。
なんとなく「わかって」いたのだが、危険がないとは言い切れなかったからだ。
湿地帯の奥に、背丈が短く細い木が並んでいる場所に、2人は立っていた。
その姿を、ずいぶんと遠くから眺める。
魔物は視野が広いのだ。
近づかなくても、表情まで鮮明に見えている。
キャスをかかえて飛んだ男に表情はない。
薄い金色をした髪と目をしていた。
ルーポほどではないが、ガリダにも雪は降る。
冬場は、その程度には外気温が下がるのだ。
だが、男の着ているものは、袖が半分しかなかった。
人の国で、ズボンと呼ばれている衣類の生地も薄そうに見える。
(少しも寒いと感じておらぬようだの……装備も身につけておらぬが……)
魔物たちと交戦していた兵たちとは、まったく異なる「種類」のようだ。
どちらかと言えば、ジュポナで会ったキャスの同胞に近い。
なのに、あの3人とも、なにか違う感じがする。
だからなのか、落ち着かない気分だった。
ザイードはキャスに求愛している。
ただ、意識はあっても、キャスが、なにも目に映していなかったと知っていた。
おそらく聞こえていなかったはずだ。
それなら、それでもいいと思っている。
(いや、そのほうがよい。キャスを困らせてしまうだけゆえな……)
キャスを救ったのは自分ではない。
あの薄着の男だった。
なにをしたのかはわからなくても、なにかしたことはわかっている。
おかげで、ガリダも救われた。
とんっ。
肩を後ろから小突かれる。
気配は察していたので、ザイードは顔をしかめた。
最も来てはならないものが来ている。
好奇心が旺盛で、神経が無駄に太い奴だ。
「あれは、人だな」
「そうだの」
「キャスの同胞か」
「であろうな」
「いいのかよ?」
「いいも悪いもなかろう」
ザイードの肩が、ずしっと重くなる。
人型に変化はしているが、肩に乗せた腕に、前のめりで体重をかけてくるのだ。
ザイードの肩に、ほとんど体重をあずけているようなものなので、重くもなる。
耳が、ぴぃんと立っていた。
ダイスは、実は、馬鹿ではない。
馬鹿なところもたくさんあるが、頭が悪いわけではない、という意味だ。
キャスが聖魔の国に連れ去られてからの1ヶ月。
ザイードはヨアナのところに通っていた。
あまりに憂鬱そうなザイードに、途中から、ダイスも時々は顔を出すようになったのだ。
そもそも、好奇心旺盛なダイスは「人語」にも興味津々。
ザイードほどではないが、そこそこ理解している。
シャノンを見張っていた際、シャノンは「人語」で「ご主人様」とのやりとりをしていたのだ。
それを、ダイスは訳している。
少し微妙なところはあったが、それはともかく。
「ダイス……聞き耳を立てるでないぞ」
「けど、気になるだろ?」
「キサラはいかがしたのだ? ついておらぬでもよいのか?」
キサラの名を持ち出し、ダイスを追いはらおうとした。
だが、すぐに無意味だったことを悟る。
ダイスをここに向かわせたのは、キサラなのだ。
大きな音と光は、北東にいた魔物たちにも見えていたに違いない。
「オレはそうしたかったけど、キサラに様子を見に行けって言われたんだよ」
案の定だった。
ダイスが、少し、しょんぼりしていることから、叱り飛ばされでもしたのだろうことも察しがつく。
なぜダイスがキサラに「惚れた」のかは不明だが、ダイスの言うようにキサラが「よくできた番」なのは間違いない。
「来る途中、上から硬いもんが降って来て、大変だったんだぜ?」
「怪我をしておるものは?」
「いねぇよ。ほとんどがガリダの領地に落ちてたし、ガリダは体が硬いだろ。怪我しそうな奴らは避難場所にいたからな。外にいた奴らは平気だったんだよ」
「さようか……なれば、よい」
魔人はガリダにミサイルとかいうものを落とすつもりだった。
落ちていれば、領地の半分を民とともに失うことになっていただろう。
ザイードもキャスも死んでいたはずだ。
「あの男が、キャスとガリダを救ったのだ」
「やっぱりキャスの同胞だぜ。人なのに悪い奴じゃねぇってわけだ。細っこいし、弱っちそうだけど、俺たちとは違う力を持ってるんだな」
「……あの者が……」
「ああ、キャスの想い人ってやつだろ?」
ダイスは、なんのことはないとばかりに、あっけらかんと言う。
逆に、ザイードは言葉をなくした。
ダイスに、自分の気持ちを理解させるのは、非常に難しいのだ。
こんこんと言って聞かせても、たいていは「ま、そういうこともあるわな」とか「よくわかんねぇけど、そういうことにしとく」とかで終わらせられてしまう。
肩が、さらに、ずしっと重くなる。
ダイスが体を寄せ、のしかかってきているからだ。
そして、銀の瞳孔を狭めている。
「ガリダの男には、そういうとこあるよな」
ダイスの言いたいことくらい、ザイードも気づいていないわけではない。
なので、ふんっと、そっぽを向いた。
その耳に、ダイスが言う。
「臆病者め」
むっとはしたが、感情を抑制した。
種族によっても求愛の状況は様々。
ルーポやコルコは、男から求愛することが多いし、ガリダやイホラは、女からのほうが多い。
ファニは、どう求愛しているのかも知らない。
関りが薄いので、気づかないうちに番ができていた、というふうなのだ。
「好きに言うておれ。余は、お前とは違うのだ」
「そんで? 未練たらたらで生きてくのかよ?」
「そうだの。未練たらたらで生きていくのであろうよ」
「けど、あいつはキャスの番じゃねぇんだぞ? 番になってからだろ、未練たらたらで生きてかなけりゃならねぇのは。なんせ求愛もできなくなっちまうんだ」
番を持つ相手に求愛はできない。
相手が番を外れるまで待つか、諦めるか。
2つに1つ。
「しかし……あの者はガリダを救ってくれたのだ。なにより、キャスが想うておるのは、あの者ぞ」
「だから、なんだ?」
ひどく居心地が悪かった。
ザイードとて、好きで遠目から眺めているのではないのだ。
どうにもできないから、こうしている。
自分を恥じてもいた。
キャスを守りたいと思いながら、肝心な時には1度も守れなかったからだ。
キャスと、ジュポナで手にいれた装置などがなければ、また人に負けていた。
キャスの力を借り、なんとかあそこまで戦えたが、最後には無力だった。
それを、ザイードは恥じている。
力のない自分を。
「お前は努力が足りてねぇんだよ、ザイード」
ダイスと自分とは違うのだ。
586回も求愛を断れても、めげない心など持っていない。
相手の考えがわからなくても、へっちゃらなダイスのようにはなれなかった。
キャスを困らせ、心に負担をかけるのも嫌なのだ。
「キャスの気持ちが大事なんじゃねぇのか?」
「それゆえ、余は……」
「いいや、違うね。お前は自分がかわいいだけだ。断られたくねぇから、そこで、じっとしてるんだろ。今はキャスも、あいつのことが好きかもしれねぇけどな。番になるまではわかんねぇんだぜ? なのに、お前は勝負から逃げてばっかり。キャスに花のひとつも贈らねぇでさ。なにやってんだかな」
言い返したいことはある。
けれど、心の裡で、ダイスの言葉を肯定していた。
キャスとの関係を壊したくない、というのは、逃げにほかならない。
傍にいられるだけでいい、というのも、言い訳なのだ。
「なぜ、お前は、余の番に好奇心を持つ? 放っておけばよかろうに」
「オレだけじゃねぇし。国中が、お前の番はどうなるんだって思ってるぞ?」
「余計な世話だ。余は、余の好きにいたす。それゆえ……」
「あ……おい、ザイード……」
「ダイス、お前という奴は、余の話を」
「いいから、見ろって!」
なにかキャスが、険しい表情を浮かべている。
スッと、男が跪いた。
胸に手をあて、頭を下げている。
「魔物の国を出る出ないって話で揉めてたけど、キャスは魔物の国にいるって決めたらしいぞ」
「お前、聞いておったのか?」
「当然だろ? 男のほうは、人の国に帰ろうって誘ってたみたいだけどな」
それを、キャスは断ったようだ。
魔物の国に残ると決めたらしい。
そのことで、男と言い争いになったのだろう。
だが、すぐに男が引いたため、おさまったのだ。
「おい、ザイード。キャスは、本当に、あの男に惚れてんのか? そんなふうには見えねぇぞ」
「見えずとも、そうなのだ」
キャスを助けたあとのことを思い出す。
キャスは「大事な相手を喪った」と言っていた。
死んだのだと思っていたが、生きていたのだ。
そのことに、今は戸惑っているだけだろう、と思う。
「ザイード、これ、お前にも勝負の芽があるんじゃねぇか?」
「そのようなものはない! 行くぞ、ダイス」
「あいて……っ……耳を引っ張るな、耳を!」
「盗み聞きをするような耳なぞいらぬであろう!」
ザイードは少しばかり苛々していた。
キャスが「壊れてしまう」ほどに想っていた男が、キャスに同等の想いを返していないように見えたからだ。
なんとなく「わかって」いたのだが、危険がないとは言い切れなかったからだ。
湿地帯の奥に、背丈が短く細い木が並んでいる場所に、2人は立っていた。
その姿を、ずいぶんと遠くから眺める。
魔物は視野が広いのだ。
近づかなくても、表情まで鮮明に見えている。
キャスをかかえて飛んだ男に表情はない。
薄い金色をした髪と目をしていた。
ルーポほどではないが、ガリダにも雪は降る。
冬場は、その程度には外気温が下がるのだ。
だが、男の着ているものは、袖が半分しかなかった。
人の国で、ズボンと呼ばれている衣類の生地も薄そうに見える。
(少しも寒いと感じておらぬようだの……装備も身につけておらぬが……)
魔物たちと交戦していた兵たちとは、まったく異なる「種類」のようだ。
どちらかと言えば、ジュポナで会ったキャスの同胞に近い。
なのに、あの3人とも、なにか違う感じがする。
だからなのか、落ち着かない気分だった。
ザイードはキャスに求愛している。
ただ、意識はあっても、キャスが、なにも目に映していなかったと知っていた。
おそらく聞こえていなかったはずだ。
それなら、それでもいいと思っている。
(いや、そのほうがよい。キャスを困らせてしまうだけゆえな……)
キャスを救ったのは自分ではない。
あの薄着の男だった。
なにをしたのかはわからなくても、なにかしたことはわかっている。
おかげで、ガリダも救われた。
とんっ。
肩を後ろから小突かれる。
気配は察していたので、ザイードは顔をしかめた。
最も来てはならないものが来ている。
好奇心が旺盛で、神経が無駄に太い奴だ。
「あれは、人だな」
「そうだの」
「キャスの同胞か」
「であろうな」
「いいのかよ?」
「いいも悪いもなかろう」
ザイードの肩が、ずしっと重くなる。
人型に変化はしているが、肩に乗せた腕に、前のめりで体重をかけてくるのだ。
ザイードの肩に、ほとんど体重をあずけているようなものなので、重くもなる。
耳が、ぴぃんと立っていた。
ダイスは、実は、馬鹿ではない。
馬鹿なところもたくさんあるが、頭が悪いわけではない、という意味だ。
キャスが聖魔の国に連れ去られてからの1ヶ月。
ザイードはヨアナのところに通っていた。
あまりに憂鬱そうなザイードに、途中から、ダイスも時々は顔を出すようになったのだ。
そもそも、好奇心旺盛なダイスは「人語」にも興味津々。
ザイードほどではないが、そこそこ理解している。
シャノンを見張っていた際、シャノンは「人語」で「ご主人様」とのやりとりをしていたのだ。
それを、ダイスは訳している。
少し微妙なところはあったが、それはともかく。
「ダイス……聞き耳を立てるでないぞ」
「けど、気になるだろ?」
「キサラはいかがしたのだ? ついておらぬでもよいのか?」
キサラの名を持ち出し、ダイスを追いはらおうとした。
だが、すぐに無意味だったことを悟る。
ダイスをここに向かわせたのは、キサラなのだ。
大きな音と光は、北東にいた魔物たちにも見えていたに違いない。
「オレはそうしたかったけど、キサラに様子を見に行けって言われたんだよ」
案の定だった。
ダイスが、少し、しょんぼりしていることから、叱り飛ばされでもしたのだろうことも察しがつく。
なぜダイスがキサラに「惚れた」のかは不明だが、ダイスの言うようにキサラが「よくできた番」なのは間違いない。
「来る途中、上から硬いもんが降って来て、大変だったんだぜ?」
「怪我をしておるものは?」
「いねぇよ。ほとんどがガリダの領地に落ちてたし、ガリダは体が硬いだろ。怪我しそうな奴らは避難場所にいたからな。外にいた奴らは平気だったんだよ」
「さようか……なれば、よい」
魔人はガリダにミサイルとかいうものを落とすつもりだった。
落ちていれば、領地の半分を民とともに失うことになっていただろう。
ザイードもキャスも死んでいたはずだ。
「あの男が、キャスとガリダを救ったのだ」
「やっぱりキャスの同胞だぜ。人なのに悪い奴じゃねぇってわけだ。細っこいし、弱っちそうだけど、俺たちとは違う力を持ってるんだな」
「……あの者が……」
「ああ、キャスの想い人ってやつだろ?」
ダイスは、なんのことはないとばかりに、あっけらかんと言う。
逆に、ザイードは言葉をなくした。
ダイスに、自分の気持ちを理解させるのは、非常に難しいのだ。
こんこんと言って聞かせても、たいていは「ま、そういうこともあるわな」とか「よくわかんねぇけど、そういうことにしとく」とかで終わらせられてしまう。
肩が、さらに、ずしっと重くなる。
ダイスが体を寄せ、のしかかってきているからだ。
そして、銀の瞳孔を狭めている。
「ガリダの男には、そういうとこあるよな」
ダイスの言いたいことくらい、ザイードも気づいていないわけではない。
なので、ふんっと、そっぽを向いた。
その耳に、ダイスが言う。
「臆病者め」
むっとはしたが、感情を抑制した。
種族によっても求愛の状況は様々。
ルーポやコルコは、男から求愛することが多いし、ガリダやイホラは、女からのほうが多い。
ファニは、どう求愛しているのかも知らない。
関りが薄いので、気づかないうちに番ができていた、というふうなのだ。
「好きに言うておれ。余は、お前とは違うのだ」
「そんで? 未練たらたらで生きてくのかよ?」
「そうだの。未練たらたらで生きていくのであろうよ」
「けど、あいつはキャスの番じゃねぇんだぞ? 番になってからだろ、未練たらたらで生きてかなけりゃならねぇのは。なんせ求愛もできなくなっちまうんだ」
番を持つ相手に求愛はできない。
相手が番を外れるまで待つか、諦めるか。
2つに1つ。
「しかし……あの者はガリダを救ってくれたのだ。なにより、キャスが想うておるのは、あの者ぞ」
「だから、なんだ?」
ひどく居心地が悪かった。
ザイードとて、好きで遠目から眺めているのではないのだ。
どうにもできないから、こうしている。
自分を恥じてもいた。
キャスを守りたいと思いながら、肝心な時には1度も守れなかったからだ。
キャスと、ジュポナで手にいれた装置などがなければ、また人に負けていた。
キャスの力を借り、なんとかあそこまで戦えたが、最後には無力だった。
それを、ザイードは恥じている。
力のない自分を。
「お前は努力が足りてねぇんだよ、ザイード」
ダイスと自分とは違うのだ。
586回も求愛を断れても、めげない心など持っていない。
相手の考えがわからなくても、へっちゃらなダイスのようにはなれなかった。
キャスを困らせ、心に負担をかけるのも嫌なのだ。
「キャスの気持ちが大事なんじゃねぇのか?」
「それゆえ、余は……」
「いいや、違うね。お前は自分がかわいいだけだ。断られたくねぇから、そこで、じっとしてるんだろ。今はキャスも、あいつのことが好きかもしれねぇけどな。番になるまではわかんねぇんだぜ? なのに、お前は勝負から逃げてばっかり。キャスに花のひとつも贈らねぇでさ。なにやってんだかな」
言い返したいことはある。
けれど、心の裡で、ダイスの言葉を肯定していた。
キャスとの関係を壊したくない、というのは、逃げにほかならない。
傍にいられるだけでいい、というのも、言い訳なのだ。
「なぜ、お前は、余の番に好奇心を持つ? 放っておけばよかろうに」
「オレだけじゃねぇし。国中が、お前の番はどうなるんだって思ってるぞ?」
「余計な世話だ。余は、余の好きにいたす。それゆえ……」
「あ……おい、ザイード……」
「ダイス、お前という奴は、余の話を」
「いいから、見ろって!」
なにかキャスが、険しい表情を浮かべている。
スッと、男が跪いた。
胸に手をあて、頭を下げている。
「魔物の国を出る出ないって話で揉めてたけど、キャスは魔物の国にいるって決めたらしいぞ」
「お前、聞いておったのか?」
「当然だろ? 男のほうは、人の国に帰ろうって誘ってたみたいだけどな」
それを、キャスは断ったようだ。
魔物の国に残ると決めたらしい。
そのことで、男と言い争いになったのだろう。
だが、すぐに男が引いたため、おさまったのだ。
「おい、ザイード。キャスは、本当に、あの男に惚れてんのか? そんなふうには見えねぇぞ」
「見えずとも、そうなのだ」
キャスを助けたあとのことを思い出す。
キャスは「大事な相手を喪った」と言っていた。
死んだのだと思っていたが、生きていたのだ。
そのことに、今は戸惑っているだけだろう、と思う。
「ザイード、これ、お前にも勝負の芽があるんじゃねぇか?」
「そのようなものはない! 行くぞ、ダイス」
「あいて……っ……耳を引っ張るな、耳を!」
「盗み聞きをするような耳なぞいらぬであろう!」
ザイードは少しばかり苛々していた。
キャスが「壊れてしまう」ほどに想っていた男が、キャスに同等の想いを返していないように見えたからだ。
10
お気に入りに追加
319
あなたにおすすめの小説
新婚なのに旦那様と会えません〜公爵夫人は宮廷魔術師〜
秋月乃衣
恋愛
ルクセイア公爵家の美形当主アレクセルの元に、嫁ぐこととなった宮廷魔術師シルヴィア。
宮廷魔術師を辞めたくないシルヴィアにとって、仕事は続けたままで良いとの好条件。
だけど新婚なのに旦那様に中々会えず、すれ違い結婚生活。旦那様には愛人がいるという噂も!?
※魔法のある特殊な世界なので公爵夫人がお仕事しています。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる